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鈴木(淑)
委員 自由党の
鈴木淑夫でございます。
まず初めに、この
委員会に
野党の予算
委員の皆様が欠席をしておられるということはまことに遺憾のきわみであるということを申し上げたいと思います。
申すまでもないことでありますが、
議会制民主政治の基本というのは、少数意見を尊重しながらも、最後は多数決原理で事を決するということであります。そして、その決した結果を次の
選挙で
国民の審判を仰ぐ。これが
議会制民主主義の基本でありまして、
自分の意見が少数意見で通らないからといって
議会を欠席されるということは、まさにこの
議会制民主主義の自殺行為、また
国民に対する責務の放棄と言わざるを得ないと思います。
特に残念に思いますのは、この通常
国会は、昨年いわゆる
国会改革法が成立いたしました後の最初の常会でございます。ここでは、政府・与党が一体となって、そして
野党と対面してディベートをしよう、積極的な討論をしよう、こういう形でこの通常
国会以降運営していこう。さらに、来年になりますと、与党議員の多くが副大臣あるいは政務官として政府に入っていく。まさに政府・与党一体となって
野党と対決していく、そういう
国会にしようと言っているそのやさきであります。
きょうはどういうわけか、
委員長、この席の配置が与党対
野党の対決になっておりませんが、私ども
自由党としては、昨年の両院合同協
議会の決定を
委員長が踏まえられまして、大いにリーダーシップを発揮されて、与
野党対面型、そして与党と政府一体となって
野党と
国民の
皆さんの前で
議論する、こういう席の配置にされますことを強く希望いたします。と同時に、その
野党席に一日も早く
野党の
皆さんが戻ってきて
国会議員としての責務を果たされることを、
自由党としては強く希望するものであります。
さて、本論に入らせていただきたいと思います。
私、実は昨年、一昨年、二度とも
自由党を代表させていただきまして、当時総括
質疑と言っておりました、今の
基本的質疑をこの予算
委員会でやらせていただいたのであります。一昨年は、私ども
自由党は
野党でございました。そして、橋本内閣と対決をさせていただいたわけでございます。ここに
議事録がございます。
私ども
自由党は、一昨年、この時期の予算
委員会で三つのことを主張いたしました。
まず第一は、当時施行されておりました九七年度の予算、これは九兆円の
国民負担増と三兆円の公共投資カット、一挙に十二兆円の財政赤字を削減しようという超デフレ予算でありましたが、これを改めないことには、既に始まっているマイナス成長はとまらないし、既に始まっている大型金融破綻、
金融システムの危機は解決することはできないということを申し上げました。
二番目に、そのためには、その前の年の十一月に成立した財政構造
改革法、二〇〇三年まで毎年歳出を削減せよ、減税はまかりならぬ、蛇が棒をのみ込んだような一直線の財政再建路線をしいた、財政政策の手足を完全に縛った、これを廃止しないことには、
日本の
経済危機、金融不安を克服することはできないと申し上げました。
そして三番目に、失礼ながら、
金融システム対策の無策を
指摘させていただいたのでございます。
当時の橋本政権は、住専を処理した後、不良債権問題は峠を越したというお立場でした。したがって、信用組合の破綻処理以外には公的資金を投入しないで済むというお立場でした。そうして、二〇〇一年四月にはペイオフを解禁しても大丈夫だと言っておられた。私どもは、とんでもない話だ、
金融システム対策を抜本的に立てなければこの金融危機は克服できないということを申し上げさせていただいたのでございます。
その三つの
自由党の主張に対して、残念ながら橋本内閣は一顧だにされませんでしたが、その後間もなく行われた七月の参議院
選挙において、賢明なる
国民の皆様方が決着をつけてくださいました。橋本内閣は退陣され、ただいまの
小渕総理の内閣が成立したのであります。
そして、その直後の十一月には、
小渕総理・自民党
総裁と私ども
自由党の小沢党首との間で合意が成立し、そして翌一月、すなわち昨年の一月から自自
連立政権が発足いたしました。その過程で、一昨年私がこの席でるる申し上げました三点が全部
小渕内閣によって取り上げられました。政策は見事に転換をしたのであります。
当時、第三次補正予算と本年度予算を合わせて十五カ月予算、私どもも途中から飛び込んで参加させていただきました。ここにおきましては、九・四兆円の減税、そして支払いベースで一〇%の公共投資の伸びが確保されたのであります。そして、財政構造
改革法は凍結されました。
金融システム対策についても、六十兆円の枠組みによって、破綻金融機関の預金者保護、破綻金融機関の処理、そして健全な金融機関の建て直しを助けるための公的資本注入の枠組みが動き始めました。自自
連立内閣が発足した後の昨年の二月には、ついに国際市場におけるジャパン・プレミアムが姿を消しました。国際的にもこの
金融システム安定化対策が認知されたのであります。
ですから、昨年のこの席では、
小渕内閣によって私ども
自由党の主張を取り上げていただいて一緒に政策転換した以上、間違いなく政策の失敗によって引き起こされた政策不況から
日本は立ち直ることができるはずだという角度で
議論をさせていただいたのでございます。
しかし、当時まだ民間では、九九年度もマイナス成長だという意見が圧倒的に多かった。
小渕総理は、〇・五%のプラスという内閣としての目標を掲げられました。私ども
自由党は、何が何でも政策の転換によってマイナス成長をプラス成長に変え、
金融システムの安定に向かっていくんだということを、ともにこの席で確認させていただいたのでございます。
さて、あれから一年たちました。この三つの政策の転換によってどうなったか。御
承知のとおり、
小渕内閣が目標としたとおり、本年度の成長率は間違いなくプラスであります。現在、GDP統計が昨年の七—九月まで出ておりますけれども、本年度上期、四月から九月の平均の水準は、前年度に比べてプラス一・〇%の水準にあります。昨年の十—十二、ことしの一—三が横ばいであれば、早くも本年度一・〇%成長になります。若干足元に弱いところがありますから多少下がるにしましても、上方修正された〇・六%の成長率の達成は確実であろうと私は思っております。
しかし、これに対して、この先一体どうなるんだろうかという不安はまだ
国民の皆様の間にあると思うのですね。私ども、また十五カ月予算に近いものをつくりました。昨年の第二次補正、そして今ここで
審議を始めました来年度予算でもう一回財政面から景気刺激をいたしますので、これは恐らく四—六、七—九、来年度上期までは間違いなくこの効果がありますから、民間の見通しでもみんなそこはいいと言うのでありますが、そこから先にまた政策が息切れを起こしてしまうという悲観的な見方も出ております。しかし、
総理、私はそうは思っておりません。
私ども
自由党が主張し、また自民党さんもそうだ、そうだと御理解いただいて自自
連立内閣でこしらえた、そして昨年秋からは
公明党さんにも入っていただいて行っている九八年度の第三次補正から九九年度の当初予算、そして第二次補正、そして二〇〇〇年度のこの
予算案は、単に需要面から、公的需要をつけて景気を持ち上げよう、そんな簡単な政策ではございませんね。私どもは、需要面からマイナス成長をプラス成長に引っ張り上げると同時に、供給面、いわゆるサプライサイドに手を打ったわけでございます。レーガノミックスやサッチャーイズムが八〇年代にやって成功したように、私どもも
日本経済の供給側に、
企業や個人にやる気を起こしてもらうような手を組み込んだはずでございます。それが九・四兆円減税の中身だと思うのですね。
法人税の減税、これはついこの間まで実効税率五〇%で
世界一高いと言われていた、これをついに四〇%という国際水準まで下げました。
日本国内でも、やれば
外国並みにちゃんと内部留保がたまっていくという格好にいたしました。それから投資促進減税、特に情報機器の
関係については、百万円未満の情報機器について即時償却を認めました。これは来年度も延期されるわけでございます。
中小企業につきましても、
中小企業投資の促進減税あるいは技術の基盤強化の減税をやっております。
個人については、限界税率の最高が六五%という大変な高いところから、私どもは五〇%まで下げたわけでございます。
こういう政策というのは、需要政策と違いまして、ずっと効果は続くわけであります。需要政策はつけたらそれで、需要が途切れたら政策が途切れて景気も息切れだということになりますが、このサプライサイドの減税政策は、私は、昨年よりことしの方が効果が大きくなっていくと思うんですね。なぜなら、法人税の減税も投資促進減税も、
企業がもうかっていなければきかないわけです。赤字の
企業に向かって償却を認めてあげるとかあるいは税率を下げてやると言ったって、きかないわけです。
御
承知のように、
日本の
企業は三年ぶりにこの三月期増益になります。そして、来年度は二年目の増益です。増益基調になってくれば、私どもが本年度の予算に仕込み、そして来年度の予算にも続けていくこれらのサプライサイド強化の減税政策というのは、末広がりに効果を広げてくるはずであります。そして私は、
堺屋長官、その兆しが最近の設備投資の動向に出ているというふうに思うんですね。
けさほども、
総理あるいは
宮澤蔵相、
堺屋長官、おっしゃられました。そういうふうに私は理解しておりますが、初めに
堺屋長官にお伺いいたします。そういうサプライサイドの効果、これが設備投資、個人消費というものにこれからどう出てくるとお考えか、お聞かせいただきたいと思います。