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杉浦委員 自由民主党の
杉浦正健でございます。
自由民主党としても、いろいろな新しい
時代に対しまして、
少年法問題を根本的に考え直そうということで、
少年法に関する小
委員会を
立ち上げることに相なっております。その小
委員長代理を仰せつかったばかりでございますが、まだ小
委員会で検討しているわけではございませんので、以下申し上げる点は党を代表しての
意見ではないことはあらかじめ申させていただきますが、日ごろ考えていることを申し上げ、最後に
大臣の所信をお伺いしたいと思っておる次第でございます。
今度提案された
少年法の
改正内容につきましては、きのうの本
会議における
審議でもいろいろ御議論あったとおり、
手続面の
改善ということでございまして、そのこと自体いいか悪いか、正直言って私は余り関心がなかったわけであります。反対でもありませんが、
賛成でもない。ただ、実務をやっている方々の中から、そういう
手続を
改善してほしいという要望に基づいて出てきたものだということは法制審の
審議経過等で
承知をいたしておるところであります。しかし、それは現時点でのさまざまな大きな問題に対応するについて余りにもびほう的に過ぎる、もっと根本的な問題があるはずだということをかねがね申し上げておったところでございます。
国民の
少年法に対する
関心事といいますと、そこにはないわけです。以下、
意見を申し上げますが、もっと根本的なところにある。これは、きのうの本
会議の各
委員の御発言の中にも出てきたところでございます。
暗い話ばかりなんですが、十八分いただきましたので、まず私は明るい話題から入らせていただきたいと思うのですけれども、私は、
日本の
少年、若い世代は、すばらしいポテンシャルといいますか
可能性を持っている。ごく一部にああいう
凶悪犯罪をやる子が出てきているのは非常に残念なんですが、全体として見ますと非常に
レベルも高くなっている。
自分自身が過ごした
少年時代と比べますと、格段の高さだというふうに思っております。
ごく最近
感動したことを申し上げます。
これは、私の
母校、
岡崎市立矢作南小学校と申しますが、
卒業式に
出席いたしまして、これは、
父兄、来賓、
先生方、本当にもう
感動の
卒業式でございました。私らのころは
全校総代といって
証書を渡したものなのですが、最近は一人一人
校長先生がお渡しになる。今度の
卒業式は、
証書をもらった
子供たちが、
保護者席へ行って両親にありがとうございましたと言って
卒業証書を初めて渡したのですね。それを受け取った
保護者も涙ぐまれるし、後で聞いたら、
子供からありがとうと言われたのは初めてだと言った
父兄もあったそうですが、非常に
感動的な情景でありました。
それから、
卒業生を送る
言葉、
卒業生の答辞、我が
母校の場合は、非常に全校挙げて
合唱に取り組んでおりまして、
全国小学生唱歌コンクールにはここのところ
東海地域を代表してずっと出ているのですね。非常に
合唱が上手なんですね。それで、
卒業生の方も、在校生と向かい合って歌を歌い、
言葉を交わしながら、代表がやるのではなくて
全員でやりとりする。
先生に対してもやるわけです。
それは非常に
感動的であり、美しいのですが、四組あったうち、その一組は男の
先生で、その
子供の一人が、
先生、しかってくれてありがとう、こう言ったのですね。その
先生は立ち上がって、おまえ
たちと別れるのははらわたがちぎれるようだと、本当にはらわたがちぎれるような声を出されまして、
感動の渦になりました。ほかの三組の
先生方にもそういう
言葉がかかったのでありますけれども、
教育の場合にはそういう
感動を生み起こすのだということを目の当たりにして、思わずみんな泣いたわけであります。
中学校、私の
母校は
矢作中学校ですが、ここに至ってはもっと
レベルが高うございまして、
吹奏楽団なんというのはウィーン・フィルに匹敵するんじゃないかと思うぐらいうまいんですね。運動会に行っても思うのです。彼らの音感のよさ、それから
色彩感覚のよさ、それから
勉強の
レベルは実に高い。体力はちょっと、やはりコンピューターとにらめっこしているからひ弱になっているところもあるのですが、
知的レベルは非常に高くなっています。
ほかの
地域はわかりませんが、
卒業式は、もう今に始まったことじゃありませんが、日の丸が正面に掲げてありますし、君が代を斉唱して始まる。実に厳粛な
卒業式でもあり、
感動を呼ぶものでございました。ますますその感を深くしたわけでございます。
私は、
選挙をやっている
関係上、二十代の
若者ともいろいろなサークルをつくったりなんかしてつき合っているのですが、二十代の
若者と生に接しますと、それぞれ夢を持ち、希望を持ち、貧しいのですが一生懸命取り組んでいる。そういう姿を目の当たりにしておりまして、それは
犯罪行為をやる
少年はごく一部、限られた子であって、もちろん根っこは深いものがあるわけでありますが、しかし、全体として見ると、我が国の将来は、そういう
子たちがすくすくと育って、必ずや世界の中に冠たる
日本を担ってもらえると確信いたしております。
ただし、
凶悪犯罪が、このところ
少年の
犯罪がふえているということも一面憂慮すべきことで、僕は、
少年たちの大多数はまじめに一生懸命取り組んでおるわけで、彼らも非常に困ったと思っているに違いない。
いじめの問題等さまざまあるわけですが、
いじめに至っては僕らの小さいころはもっとひどかった。
いじめるやつを
いじめるのもいたのですが、これはもうどんな世の中になっても程度の問題はあれあることであって、ただ、それをどうやって
社会全体で、
家庭や
学校や
社会でコントロールしていくかという問題だと思うのですね。それも、私は、私の地元でも取り組んでおりますし、
学校の
先生も一生懸命やっておられるし、必ず解決していくと信じて疑いません。
申し上げたいことは、前提はもっと言いたいことはたくさんありますが、
少年法との
関係で言いたいことがいっぱいありますので、このあたりにいたしますけれども、私は、
少年法の
改正を行うとすれば、今の
少年法が持っている根本的な欠陥にさわらない、実体的な
部分に触れなければ全く意味がないと思っております。
どこがいけないかといいますと、きのうの
審議でも出ました。まず第一に、
目的であります。青
少年の
健全育成、これは結構なんですが、しかし、もっと
規範意識と申しますか、罪を犯したら罰せられるよ、
社会に対して迷惑をかけたらその責めは負うよということもきちっと植え込むという、その
目的、第一条ですが、まず第一にその根本的な検討が必要だと思います。
そして、さまざまな面で検討すべき点がございますが、まず、
年齢問題は避けて通ってはいけないと思います。
何条でしたか、
ただし書きで、十六歳
未満は刑事処分できませんね。これはおかしいと思います。あの
ただし書きは削除すべきだ、こう思います。十六歳というと
高校生であります。
高校生になれば、あるいは
中学生であっても、凶悪な
犯罪を犯した場合は
刑事法廷に引っ張り出して、そこで事実を究明してきちっと
審判をする。こんな微温的に
検察官の立ち会いをどうするこうするというよりも、そこのところをきちっとやるべきだ、こう思っております。
さらに言いますと、十八歳
未満、これは
児童の
条約があるのですか、
死刑にできないというのは。
条約に加入しているからできないそうなんですが、
死刑にできない。今度の十七歳の
少年なんか、二人ともそうなんですが、
死刑にできないとすれば、これは
法律で、何条でしたか、
死刑に処すべき場合は
無期懲役となっておりますが、その
無期懲役の仮出獄も、
法律で要件が緩くなっています。
だとすれば、
刑法の方に
終身刑ぐらいを導入して、そして、
少年の場合には、
死刑にできない場合は
終身刑。七年や八年で出てくるというのじゃなくて、人生の大
部分は獄中で過ごすんだよという
規範をぴしっと決めて、あなた方はそんなことをやったらだめだよということを警告しなきゃいけないと私は思うのです。望むらくはそういう
少年が出てこないことなんですが、しかし、出てきた場合には罰を受けるよということはきちっとしなきゃいけないんじゃないか。
あわせて、現在、
刑法の方の
刑事罰は十四歳から。十四歳というと中学二年生か三年生ということなんですが、
中学生ぐらいになったらもう罰せられるよということも真剣に検討すべきだ。
どなたか、
元服はかつては武士は十五歳だ、数えの十五歳ですから、満にしますと十三歳ですか、
元服をして、場合によれば切腹もさせられたという
時代もあったわけなんですが、十二歳にすると、
小学校六年生で十二歳になる子もいるから、十二歳にするのはいかがかと思いますが、十二歳か十三歳か、もうそろそろ下げることを検討してもいいのじゃなかろうか。
中学生になったら悪いことをしたら罰せられるよというふうにしてもいいのではないか、こう思うわけでございます。
この
少年の定義、二十歳になっていますが、十八歳に下げるということも検討していいのじゃないか。そうしますと、
成人が十八歳になりますから
選挙権を与えるとかそういう問題が起こってまいりますが、私は、今の
若者のことを考えてみると、全く
個人的意見でありますが、十八歳で
選挙権を与えていいのではないか、
成人にしてもいいのじゃないかとすら思っておるわけでございます。
それから、もう一つ挙げるとすれば、逆送の
規定がありますね。これは、
裁判所が重い
事件で相当と認めるときは
決定で逆送する、こうなっていますね。私は、その中に必要的逆送を入れるべきだ。もう
裁判官の
決定を待たずに、
家庭裁判所には
検察官からも
司法警察員からも送致されるわけですけれども、その中の
凶悪事件については
裁判官の
判断を待たずに逆送するということを考えなきゃいかぬのじゃないか。今の
家裁の運用は、逆送をためらう、
殺人事件ですら送らないケースもあったのじゃないでしょうか。たしか多数人による
輪姦事件なども
家裁で処理したということもあったと聞いておりますが、
殺人とか
強盗殺人とか、あるいは
監禁致傷だとか
傷害致死だとか
輪姦事件とか、そういった
凶悪事件については、もう事実を確認したら直ちに逆送するという必要的逆送の
規定を設けるということも検討していいのじゃないかと思っている次第でございます。
そのほかも細々いろいろありますが、自民党の小
委員会においてはそういった問題を検討して、この
少年法、
審議されるとすれば修正、あるいは解散になれば廃案でありますが、新たな
少年法の
立ち上げについてはぜひともそういう基本的なことを検討すべきだと思っておる次第でございます。
これは、大多数の
少年は
犯罪をしないわけです。まじめに誠実に
勉強をして
成人していくわけで、凶悪な
犯罪を起こしたごく一部の
少年に対して厳正に
適用をする、そういう
規範を示すことによって
犯罪を起こさないようにする。犯したら厳正に処罰するということが必要だ、それを
社会も求めていると思うわけであります。
時間が参りましたのでやめますが、私は、
国政報告会をやりますと、
少年法の問題を大体持ち出すようにしております。私は持論を、今言ったようなことをみんなに言いまして、どうですか、皆さん、私の
意見に
賛成ですか、
賛成する人は手を挙げてくださいと毎回やっているんですよ。圧倒的に手が挙がりますよ、私の
意見。
国民は私の
意見に
賛成です。少なくとも私の
国政報告会に参加する人は
全員賛成であります。
私は確信を持って、将来、大多数の
少年が、
日本を担ってくれるまともな人が多数いる。しかし、いろいろな原因があるにしろ、
凶悪事件を犯すような一部の
少年については厳正に処罰する、ぴしっと
法廷に引きずり出して糾弾をして、そして、逆送したのを調べた結果、
保護処分相当であったら、また
家裁に戻したらいいのです。逆送の逆送をやったらいいのですね。戦前は、検事が調べて、必要なのは
少年法で
審判所へ送ったわけでしょう。そこは伸縮自在に運用したらいいと思いますが、そういう方向で提案したいと思っております。
大臣の御所見をお伺いして、終わります。