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佐々木(秀)
委員 民主党の
佐々木秀典です。
商法改正の
審議もいよいよ最終の局面を迎えたと
認識をしております。
きのう、私
どもは、
参考人の
方々から御
意見を拝聴いたしました。今、
企業が
国際化の中で大きな変革を求められております。そしてまた、きのうの
参考人からも御
意見がありましたけれ
ども、
日本の
企業に関する
法制、特に
株式会社を中心にする
企業形態のあり方などが、例えば
株式会社の場合に、本来の
機能を十全に発揮できるようなものになっているかということについては、
考えなければならない要素が多々あるのではないだろうか。また、
法制としても、そういう
企業の本来あるべき姿、あるいは
株式会社の社会的な
機能などを十分に生かすものになっていない面があるのではないかということで、今回の
法改正についても
必然性があるという御
指摘があったようにも思われます。
確かに、片方で
企業の
再編の
形態として
合併という形がある、それからまた
営業譲渡というようなことも決められているにもかかわらず、その
反対概念である
分割ということについては、
法制上
整備されていなかったということはいかがなものかという思いがするわけでありまして、直に
分割ということも
考えられなければならないとは思う。この点については、
先進諸国ではもう
法整備もできているということでありますから、私
どもも
必要性を認めるにやぶさかではありません。
しかし、そういう
企業の
再編に伴っては、さまざまな問題、特にそれにまつわって
利害関係を持つ
株主、あるいは
債権者、
債務者、そして、とりわけそこを
雇用の場とする働く
人々の
権利関係がどうなるか、それに
消長を及ぼすということが必然的に避けられないわけでありますけれ
ども、当然のことながら、それに対する
整備、あるいは
不安感をなくすということが極めて大事なことだろうと思います。
また、このところ
我が国は長い不況の中にあって、
企業も必ずしも
上昇機運にあるとは言えない中で、
企業の
合理化、特にその中で、経費の
削減の第一として
雇用者の
解雇、あるいは
労働条件の
切り下げなどということが行われているのは疑いのない事実でありまして、それだけに、働く場をなくする方、あるいは
雇用条件の
切り下げによって生活を苦しくさせられている方、こういう
方々の不安というのは非常に大きなものがあると思います。
それだけに、私は、この
会社分割を主眼にする今回の
商法改正が、これまでの
審議の中でも強く
指摘されておりますように、そこで働く
人々のリストラというか
削減というようなことを
目的にするような、あるいはそれに威力を発揮するようなものであっては絶対ならないだろう、そういう不安を解消しなければならないと思います。
そういう観点から、きょうは限られた時間でありますけれ
ども、最終的に確認的な
意味で、あるいは
同僚議員からのこれまでの
質問で重複する部分もあるかと思いますけれ
ども、お許しをいただきながら、確認的な
質問をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げます。
これまでの論議の中でも
指摘をされておりますように、
企業分割によって
労働者の
解雇などには
消長を来さないような
配慮をするんだということが言われておりますが、私はどうしても、
商法の中でそうした
労働者の地位の
保全関係にまで細かい
配慮をするというのは、
商法本来の
目的からいって無理だろうと思います。
そうすると、ここで掲げられるべきは、この間、
与野党同僚議員あるいは
理事の御
努力もあって
修正案が今出されておりますけれ
ども、この辺の集約でやむを得ないのかな。その他の具体的なこと、細かいことについては、やはり
労働者保護法制というものがこの
商法とは別に立てられなければならない。これについては、今、
労働委員会の方でも
審議をされている。ここで大きな成果が得られることを私
どもとしては期待しているわけですが、それにしても、この
商法における場面でもやはりできることは
手当てをしておく必要があるだろうと思うんですね。また、その
手当てがなされようとしているわけです。
そういう
労働者の
解雇の規制に関して、
法律で決めるべき
事項、それからまた裁判所の
判例でも、これまでも、
企業再編などを
理由にするような
解雇というのには問題があるんだ、認められないという
判例が確立していると思うんですけれ
ども、そういう
判例についても、これから、いろいろな
必要性に応じて
会社の
分割をしようとする
会社が多く出てくるだろうと思いますけれ
ども、それに当たっては、やはりそうした視点をしっかりと
企業者に
認識をしてもらわなければいかぬと私は思うんですね。
そこで、そういう
一般的な
企業経営者あるいは
事業主などに広くそうした
趣旨を徹底する必要があるんじゃないかと私は思いますけれ
ども、これについて、
政府としてはその
周知徹底の
方法についてどのように
考えておられるのか、まず、これについて
お尋ねをしたいと思います。