○日野
委員 本当にわかりにくい。わかりにくいばかりじゃなくて、こうなってくると
法律の体をなしていないのじゃないかという感じが私はするのですね。そして、無理やり押し込むものですから、どこかあいているところはないかというので探して、そこの中に入れていくわけでしょう。これもまた、大体
商法の目次ともう合わなくなってきている。そういうことも私は
指摘しなくちゃいかぬ。今
局長言われましたけれ
ども、何でこんなに、句読点もついていない片仮名の文章、これをずっと並べて、これで
一つの
商法典でございます、こう言っているのは、私はかなり問題だというふうに思っているのですよ。
今おっしゃったとおり、何でこんなふうになっているかといいますと、それは、
平成元年から五回とおっしゃったですか、ずっと修正に修正を加えてまいりました。それは大体
会社法とその関連だけです。ですから、私、見てみますと、
会社法というのは、
局長さんがずっと言っておられるように、これは商人の
組織ですな、私法的な商人の
組織を規律しているわけですね。ですから、本当はこの
商法の中で一番中心的な部分は、
会社関係の
法律だろうと私は思います。私も、
会社法という本がいっぱい出ている、注釈
会社法とか出ているわけで、最初は
会社法という
法律があるのだと思っていた。ところが、それはそうじゃなくて、
商法の一部にすぎない、こういうことでございますね。
それで、これだけ
組織法である
会社法が変わってきているというのは、それだけ経済がずっと大きく動いているからなんですね。それをこの
商法典の枠の中だけに押し込めてしまうのはもはや無理な時代が来ているのじゃないか、こういうのが私の率直な感想です。ヨーロッパなんか、特にドイツなんかは、
企業組織変更法というような形で、
組織の変更は
組織の変更でまた別にやっている。そして、それと
労働関係の問題なんかは、EU指令に基づいて、それと組み合わせた形で
規定をしている。私は、むしろそっちの方がふさわしいのではないか。これだけ経済がさまざまな形で動いてきますと、
会社をめぐってのいろいろな現象というのがいろいろな形で起きてくる、それにこういう
商法典にとらわれていると対応できないという時代が来るのではないか、もう既に来ているのではないかな、そういう感じがいたします。
私としては、今まで、例えば民事再生法であるとか民事特別調停法、これは政務次官が一生懸命かかわってやられた、あれなんかでもやはり
労働関係の
規定というのが入ってきている。そして、民事再生法にしても特別調停法にしても、これは非常に大事な
法律で、私法の領域を規律していく
法律だ。そこに既に労働法的な措置、これが入り込んできているというのはもう紛れもない事実であって、その傾向というのは私はこれからも強まっていくのだろうと思う。
ですから、私は、今この
商法典であるという
一つの枠を守って、そしてその中に、それは私法の領域だけをきちんと規律していくのですという
局長さんの考え方というのは、私も
法律で飯を食ったことのある人間ですから、わからないではないです。しかし、それでこれからいいのだろうかな、どうなんだろうかなという考え方を嫌でも持たざるを得ないわけですね。この点について、これは
法律、法典のあり方の問題ですから、ひとつ大臣、政治家の方のお答えを聞きたいし、それから
局長さんの考えも聞きたい。お二人から聞きたい。