○倉田
委員 先ほど
法務大臣に、今
我が国の産業構造ということで、最後の方でお答えいただきました。この法案に直接はかかわらないかと思いますが、背景にある大きな問題でありますので、
我が国の産業構造というものをどうとらえておられるのかということについて
労働省の方にお聞きをしたいと思います。つまり、大
競争に耐え得るために
我が国の産業構造の改革が求められている、これは
共通の問題意識であろうかと思います。
もう大分前の話ですけれども、ある
経済学者の方がこういう指摘をされました。言葉で申し上げるとなかなか御理解をいただけるかどうかちょっと不安なわけでありますけれども、縦軸X軸、横軸Y軸、こういう平面図をちょっと想定をしていただいて、縦軸のX軸に
会社がどれくらいもうかっているかという
企業収益率、ゼロから、五%もうかっている、一〇%もうかっている、一五%もうかっている、あるいは二五%もうかっている。そういう縦軸に
企業の収益率をとって、横軸Y軸に国際
競争力、国際
競争力を円の価格、ゼロから、今
日本の円が百四円とか百五円とかありますけれども、九十円、百円、百十円、百二十円、あるいは百八十円、二百円、二百五十円、こういうY軸に円高から円安の方に国際
競争力をとった平面図を考えた場合に、
我が国の
企業分布がどういうふうに位置するかということになると、その学者の方の御指摘は、それも現時点で当てはまっているかどうか、前の統計でつくられた図だと思いますけれども、つまり、国際
競争力、円の価格が百円で勝負できるあるいは九十円台で勝負できる
企業というのは、収益率が五%か一〇%というか、いわゆる原点に近い方に分布をしておる。国際
競争力がない、もう二百円ぐらいでないとこの大
競争時代に生き残っていけないという
企業が、収益率のところを見ると結構一五%か二〇%か、そういうところに分布をしている。その指摘が正確かどうかということはまた論証をしなければいけないと思いますが、
我が国の
会社の分布というのはいわば右肩上がりの分布になっている。
そうすると、この指摘が正しいとすれば、二つの点で問題があります。一つは国際
競争力、先ほどの大
競争時代に耐えていけない
会社が相当ありますということが一つ。と同時にもう一つ、この耐えていけない
会社が高い利益を上げている、こういう二つの問題があると思うのですね。
それはどういうことなのかというと、高い利益を上げていて、いわば働く場所をある意味では守っている、雇用を確保している。過剰雇用という言葉があるのかもしれませんけれども、いっぱい雇用をしているという話があると思うのですね。そうすると、この大
競争時代に
日本が二十一世紀に残っていくためにどうしたらいいのかというと、それは理屈だけで言えば、いわば国際
競争力がある
会社が収益率もある、そうすると、右肩上がりの
企業分布が右肩下がりというか左肩上がりになっていかなければならないということに理屈の上ではなるわけであります。
そうだとすれば、そこに実は、今、失業率四・九%というのがこの間の二月末の統計でありますけれども、理屈の問題としては大きな問題を抱えている。つまり、今の平面図だけの問題でも、過剰に雇用を抱えている
企業が二十一世紀に生き残っていけるかどうかという問題と同時に、これは理屈の問題ですよ、現実はそうなったら大変だなと本当に思うわけでありますけれども、いわゆる雇用シフトというのか、あるいは人員整理というのが行われてこなければならない。同時に、二十世紀型産業が二十一世紀型産業に、もうちょっと新しい
企業に移らなければいけない。そのときにミスマッチなく雇用シフトができるかどうかということが今恐らく
労働省に課されている問題なのではないのかなと思うわけであります。
この雇用シフトの問題、少し長々と申し上げましたけれども、私が今申し上げたことも含めて、
労働省としてはどういう問題意識をお持ちですか。