○倉成
委員 これについても
大臣から非常に前向きの御答弁をいただきまして、本当にありがとうございます。
この具体的な検証作業をしないで、新しい指導要領だ、新しいんだからいいんだということだけでは、これからの
教育に非常に問題だと思います。新しい指導要領をやって、確かに目的は非常にすばらしい。ゆとりのある
教育、あるいは生きる力を
つけるんだということで、非常にすばらしいことを言ってあるわけですけれども、本当にそれが実現されたかどうかを検証するのがこれからの
行政にとって非常に重要ではないかと思っております。
その辺で、ぜひ具体的な内容、それは形はいろいろあるかと思います。あるいは、
地域の個々の
学校の学力について発表するのはいろいろな問題が生じるかもしれません。そういう場合は、全国レベルで、あるいは
地域、大きなくくりでやっていくことが必要かもしれませんけれども、その発表の仕方にはいろいろ工夫が必要であると思いますけれども、やはり生のデータを、生のというか本当のデータ、具体的なデータを出して、これだけこう変わったんだということが言えるようになって初めて新しい指導要領をやった価値があるというふうに思っておりますので、ぜひその点をこれからの
行政に生かしていただきたいと思う次第でございます。
時間が迫ってまいりましたけれども、次に、具体的な
小学校の学習指導要領についての中で、国旗・国歌の扱いについての御
質問をさせていただきたいと思います。
日本の戦後
教育について、大きな誤解が存在すると私は考えております。それは、戦後
教育ではアメリカ式の民主主義
教育が導入されたというふうな誤解であります。実は、導入された戦後民主主義と言われるようなものでは、その一番の中核の部分が取り除かれておりました。それは、自国の国旗・国歌について
教育するという部分であります。すなわち、アメリカにおいては、立派なアメリカ人であること、アメリカという国に誇りを持つことが民主主義
教育の
基本であります。
ここで、お手元に配っております参考資料をごらんになっていただきたいと思います。
まず、
日本の
教科書を見ていただきたいと思います。
現在の
日本の
教科書では、
社会科の
教科書、これは二つほど参考に持ってまいっておりますけれども、
小学校四年生のところですね。例えば「新しい
社会」という、この東京書籍で出しているもので見ますと、これは一番最後のページですけれども、このページをちょっとごらんになっていただきたいのですけれども、地図が載っております。
そして、写真が幾つかありまして、これは「ドラえもん」の中ののび太少年でしょうか、タケコプターかなんかに乗って見ておりますけれども、「どの国にも、国旗があるんだね。」というような記述があります。そこで書いてあるのは、「それぞれの国の国旗は、その国の人々のねがいや気持ちがこめられた大切なものです。」そういう記述がございます。それだけでございます。具体的に、まあ
日本のところに確かに国旗の絵がありますけれども、これだけでございます。
小学校の四年生でやっとこういう記述でございます。
それから、六年生でもうちょっと、少しは出てくるかなと、この光村図書の「
社会6下」というのを見ていただきたい。これは、もちろん
教科書によって扱い方が非常に違うわけですけれども、この光村図書の六年生の記述は、ちょうどこれはバルセロナ大会のときの絵が書いてあって、「オリンピックの表しょう式」ということで書いてあります。その中で「バルセロナ大会では、
日本の選手が優勝したとき、日の丸がかかげられ、君が代が演奏されました。
世界の国々は、どの国も国旗と国歌をもっています。国旗と国歌には、それぞれの国の歴史や理想がこめられ、その国を表しているといわれています。わたしたちは、自分の国だけでなく、外国の国旗や国歌もたいせつにしなければなりません。」こういう記述があるわけですね。
これは記述があることだけでもいいとは思いますけれども、少なくともアメリカの
教科書は、今御参考に皆さんのお手元にありますけれども、「マイワールド」という、これは
小学校の一年生の
教科書でございます。私の手元に借りてきておりますけれども、この中では、まずこういうふうなところで、見開きのページで、ちゃんと記述があります。それから、その中に、国旗に対する忠誠を誓う、忠誠の誓いのやり方まで具体的に書いてあります。
そういう意味で、残念ながら、
日本の
教科書の中で国旗・国歌についてちゃんとした記述はありません。
世界の国、いろいろな国があるので、それぞれありますよという記述はあるわけですけれども、残念ながらそういう記述はございません。
それで、ちょっと見てみますと、きょうは全部それぞれの国のを持ってきたいと思ったのですけれども、あとは
小学校の一年生の
教科書、アメリカの「マイワールド」というのが一年生ですけれども、二年生、三年生それぞれで、それぞれの発達段階に応じて毎年記述があるわけですね。そしてその中で、
教室の中で国旗・国歌について教えるということ、立派なアメリカ人であること、それに誇りを持ちなさいということがアメリカの民主主義
教育の
基本になっているわけです。
ところが、
日本で導入された民主主義
教育、アメリカ式の
教育だと思って導入されたものは、実はその中核の部分が抜かれていた。それは当然であって、占領軍がいた時代というのは、
日本がまた再び軍国主義になってアメリカに刃向かってきたら困ると、軍政をしいていたわけでございますから当然なことでありますけれども、残念ながら、占領軍の時代が終わった後五十年も、いまだにそのことを引きずっているわけでございます。これをぜひ
教科書の中で、まともな扱い、つまり
小学校の一年生から、程度に合わせてで結構でございますので、一年生、二年生、三年生という形でちゃんとした、それに合わせて教えていくことが私は必要だと思います。
その教える内容についてはいろいろな議論があると思います。しかし今回、国旗・国歌法、法律が成立した段階をしっかりと踏まえて、次の学習指導要領、今、もう決めたのだからこれは十年変えられないみたいな話がありましたけれども、そうじゃなくて、
状況が変わっているわけです、しっかりとした法律として、
日本の国の国旗は日章旗である、そして国歌は君が代であるということが決められたわけですので、それに沿った対応をぜひしていただきたいと思っております。
質問があと二つほど残っておりますので、手短に、そして簡潔に、
小学校一年から導入するという
お答えをいただきたいと思います。