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佐藤(謙)
委員 食品の安全性というと、厚生省あるいは環境庁、文部省とかが前に出てくるわけですけれども、農水行政でそうしたことに前向きに取り組んでいただきたいというのが私の
考え方です。
とりわけ、先ほど
数字を挙げて、パンを何キロ食べない限り大丈夫だという、そういう
議論がいつも出てくるんですね。私がここで主張したいのは、例えば去年のダイオキシンの
議論でもそうでした、環境ホルモンの
議論もそうでした、成人男子を
前提にして、
基本にして、安全性というのは
議論されている。
一日耐容摂取量
一つとっても、体重一キログラム何ppmというような
考え方で、例えば母乳をとる赤ちゃんに、その有害性を問いただすと、母乳をとるのは長い人生の間にほんの一時期ではないか、何も十年も二十年も母乳を吸い続ける人はいないわけだから、一時期高濃度のダイオキシンをとったとしても、一日耐容摂取量というのは、これは人生一生の問題ですから、その辺は問題ないという、何とも恐ろしい
答弁が返ってくるわけです。
事学校給食というのは、子供にかかわる問題であります。弱者ということを
考えると、例えば、北里研究所病院の臨床環境医学センターの宮田幹夫教授という方が、こういうことを書かれておられます。残留農薬基準というのがあるけれども、「私の専門である化学物質過敏症の
視点からすると、基準値は、ないよりもマシという程度のもの」だと。つまり、
一つは、こうした最も微量で起きる化学物質過敏症というときに、食べたときに反応するかどうかとは別の問題で、本当に微量な化学物質によって、とりわけ有機燐化学物質の室内空気汚染によって、人間は頭痛やせきやだるさ、あるいはもっと重い症状になっていくのはわかっているわけであります。
先ほどの「
食品と暮らしの安全」という小冊子に出ておりますけれども、一九九三年と九五年、二回に検査した百九十の学校給食パンから、クロルピリホスメチルが平均三・五ppb、マラチオンが平均七・〇ppb検出されている、そういう
数字が出ています。検査時期が異なるとはいえ、先ほどの環境ホルモン作用が疑われているマラチオンが、学校給食パンの方が先ほどの市販のパンよりも検出濃度の平均値が高かったこと、これは非常に問題があると私は思うんですね。
先ほど、輸入米麦の安全性確保体制というのを私も勉強させていただいて、
農水省としては万全の体制をとっていただいているということはわかっているわけでありますけれども、それにしてこうした問題が起きてくる。もう既に七、八年前から、学校給食パンがポストハーベスト農薬で汚染されているということは社会的な問題、これは大きく取り上げられ続けていながら、しかし、学童、児童は拒否することのできない学校給食を小さな体でとり続けている。そういう現実を、これは何省だから、あの省だからといって座視することではなくて、そのもとになる素材をまさにしっかりと監督する
農林水産省が先頭を切ってこの問題に取り組んでいただきたい。
この七、八年、食糧庁は一体どういう対応をされてきたのか。ただ拱手、座視をしてきただけなのか。それとも、こうした対応をしてきたというような具体的な
取り組みがおありであったら、その処置についてお聞かせをいただきたい。
また、ここから先の
議論として、農薬を使っていない国産米、あるいは、これは量的にはちょっと難しいわけですけれども、例えば、北海道産の小麦ですとか、国内産の原料を使った小麦であれば安心なわけですから、一時的にせよ、学校給食にそうした
取り組みをすることによって、安全性というものを先頭に立って
考えている
農水省という、そうした行動に出ることができないだろうかと提案をさせていただきます。
この二点について、
大臣の御所見をお伺いして、私の
質問を終わらせていただきます。