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玉沢国務大臣 農水産業協同組合貯金保険法及び農林中央金庫と
信用農業協同組合連合会との
合併等に関する
法律の一部を
改正する
法律案につきまして、その
提案の理由及び主要な内容を御
説明申し上げます。
農漁協系統の
信用事業のセーフティーネットにつきましては、従来から、他の金融機関の預金保険
制度と同様の
農水産業協同組合貯金保険
制度を設けているところでありますが、ペイオフの解禁に向けた金融情勢の急激な変化の中で、今後とも農漁協系統の
信用事業の安定を図り、
組合員等が安心して農漁協系統金融機関を利用していけるようにするためには、そのセーフティーネットについて、他の金融業態と
基本的に同様の整備拡充を図っていくことが必要であります。
このため、
農水産業協同組合貯金保険
制度の充実強化を図るとともに、農漁協系統金融機関が破綻した場合の迅速かつ円滑な破綻処理システムを確立することとし、この
法律案を提出した次第であります。
次に、この
法律案の主要な内容を御
説明申し上げます。
第一に、ペイオフ解禁時期の一年延期であります。
貯金の全額保護のための特例
措置の期限を一年延期して、
平成十四年三月三十一日までとすることとしております。
第二に、
農水産業協同組合貯金保険
制度の適用対象の拡大であります。
農漁協系統
信用事業全体としてのセーフティーネットを構築するため、保険
制度の適用対象として、これまでの
農協等のほか、
信用農業協同組合連合会、農林中央金庫等を追加することとしております。これに伴い、
信用農業協同組合連合会等が破綻した場合の資金援助の限度額について、その
信用農業協同組合連合会等のペイオフコストだけでなく、連鎖破綻のおそれのある会員
農協等のペイオフコストを加算することとしております。また、付保対象として、農林債券等を追加することとしております。
第三に、
農水産業協同組合貯金保険機構による資金援助の充実であります。
これまで経営が困難となった
農協等の合併と
信用事業の全部譲渡のみが貯金保険機構の資金援助対象となっておりましたが、多様なスキームにより円滑に破綻処理を行うため、
信用事業の一部譲渡等も資金援助の対象に追加することとしております。
また、このこととの
関係において、農林中央金庫と
信用農業協同組合連合会との
合併等に関する
法律を
改正し、
信用農業協同組合連合会から農林中央金庫への
事業の一部譲渡が行えるよう
措置することとしております。さらに、資金援助の手法を充実し、優先出資の引き受け、事後的な損失の補てん等を追加することとしております。
第四に、貯金保険機構の不良債権等の買い取り、回収
業務の円滑化であります。
貯金保険機構は、経営が困難となった
農協等の不良債権等の買い取り、回収を円滑に行うため、債権回収会社に対して
業務委託を行うことができることとしております。
第五に、公的管理人
制度の導入であります。
経営が困難となった
農協等の
合併等を迅速かつ円滑に進めるため、その
農協等について、行政庁が公的管理人を任命する
制度を導入することとしております。
その他、金融危機への対応等につきまして、他の金融機関と
基本的に同様の
規定の整備を図ることとしております。
以上が、この
法律案の
提案の理由及び主要な内容であります。
何とぞ、慎重に御
審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
続きまして、
農水産業協同組合の
再生手続の
特例等に関する
法律案につきまして、その
提案の理由及び主要な内容を御
説明申し上げます。
農漁協系統の
信用事業のセーフティーネットにつきましては、従来から他の金融機関の預金保険
制度と同様の
農水産業協同組合貯金保険
制度を設けているところでありますが、ペイオフの解禁に向けた金融情勢の急激な変化の中で、今後とも農漁協系統の
信用事業の安定を図り、
組合員等が安心して農漁協系統金融機関を利用していけるようにするためには、そのセーフティーネットについて、他の金融機関と
基本的に同様の整備、拡充を図っていくことが必要であります。
そのセーフティーネットの一環として、
農水産業協同組合が破綻した場合に、
組合員、貯金者の利益の保護を図るためにも、迅速かつ円滑に破綻処理を行っていくことが重要であります。
このため、
農水産業協同組合の
再生手続及び破産手続について特例を設け、迅速な破綻処理が可能となるよう
措置することとし、この
法律案を提出した次第であります。
次に、この
法律案の主要な内容につきまして御
説明申し上げます。
第一に、監督庁は、裁判所に対し、
農水産業協同組合について、
再生手続開始または破産の申し立てをすることができることとしております。
第二に、
農水産業協同組合貯金保険機構は、貯金者表を作成して、裁判所に提出することにより、貯金者を代理して、
再生手続または破産手続に関する一切の行為をすることができることとしております。
第三に、
再生手続開始後において、
農水産業協同組合がその財産をもって債務を完済することができないときは、裁判所は、
信用事業の譲渡について、総会または総代会の決議にかわる許可を与えることができることとしております。
以上が、この
法律案の
提案の理由及び主要な内容であります。
何とぞ、慎重に御
審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。