○小平
委員 大臣、これについて反論しましたら切りがないのですけれども、どうしてもやはり反論せざるを得ないんですけれども、米を単なる商品として見た場合には、おっしゃるとおりであります。
しかし、安全保障というか、国を守るという
観点でいうと、そういう
考えで、単なる財政論だけでいいのかなという、確かに負担はかかります。そこは私も、選挙区に帰ったり、あるいはいろいろな団体等の皆さんとも接触しますと、皆さんが本当に不条理に思っていますことは、言うなれば、住専のあれから始まって、いわゆるバブルに踊り狂っている
我が国の拝金主義の中において、銀行のああいう放漫経営のあげくの破綻、それに向かっての公金のあの大量投入、現在もそれが綿々と続いている、今回、東京都の石原知事はああいう外形標準課税という方法を発表しましたけれども、一方では、地方でしっかり頑張っている中小零細企業、これらに依然として貸し渋りが続いている。
そういう
状況の中で、
政府は、
平成十二年度のこの八十二兆円という
予算編成の中で三十二兆円もの赤字国債、この借金を、財政放漫経営というか財政の悪化、こういうことを一方でしていて、何で人間が生きていくために必要欠くべからざる米というもの、特に
日本においてですよ、これについてそういうことが軽んじられていいのか、こういう質問、
指摘に対して、私は答えることができないんですよ、政治家として。だから、その
気持ちを今こうやって
大臣にぶつけるしかないんですね。
私は、そこを思うときに、やはり政治の選択、判断というものはもっと大きく構えていくこと、これは時間が非常に切迫しましたので、この後、WTOのことでも申し上げようと思っているんですけれども、
我が国はこれからWTOに向かっていわゆる新しい
交渉に入っていくんですけれども、もちろんアメリカを初め、諸外国との大事な国際
交渉はありますが、私は、あのときのウルグアイ・ラウンドと同じように、今回ももう
一つの大きな
交渉相手は
国内の世論だと思います。
あのウルグアイ・ラウンドのときも、自由化を軽々に論じる、そういう動きは結構ありましたよね。今回も
国内のコンセンサス、合意形成、これも私は大きな問題だと思うんですね。そういうようなことも、農水省はこれから先頭に立ってやっていかないといかぬと思う。そんなことを含めて話をしたら次に進めませんので、このことを概略申し上げて、私は、
大臣の答弁には大いに不満であります。
そこで、もう一点。
私は、質問に立つたびにどうしても
指摘をせざるを得ない問題でありますので、さきの臨時
国会でも質問で触れましたし、今回も重ねて質問いたしますが、
農家の負債
対策であります。
今まで質問してきた経緯、また
大臣が答弁されたことと重複をする点もあると思いますが、負債
対策、解消、この点に的を置いてひとつお聞きをしたいと思います。少しく長くなると思いますが、まず質問いたします。
大臣の
所信表明では、新
基本法に基づいて
自給率の
向上を初めとした各般の
施策を展開するということが提起されております、抽象的に。しかし、これで、
大臣の言われるように、二十一世紀における
我が国農林水産業及び農山漁村が希望にあふれ、活力に満ちたものとなるかについては、根本的な疑義があると言わざるを得ません。
といいますことは、これら各般の
施策が、
農業経営の現に置かれている生々しい窮状から出発をし、その解決を真剣に
考えているかどうかという点からすると、極めて不足をしていることがあると私は大いに感じます。
端的にそのことをあらわしているのが、
政府の
施策に沿って規模拡大や土地改良投資、機械化投資を積極的に行ってきた意欲的な
農業者が多額で過重な負債を抱えるに至っていること、これについての現状認識と、その緊急の解決のための方策が
大臣の
所信表明においては一言も触れられていない、まずこのことであります。これでは、新
基本法の
趣旨に沿って前向きに経営を展開していこうとする意欲的な
農業者であっても、一縷の望みをつなぐどころか、離農へ向かう
決意をせざるを得ない、こう思うのであります。
私の地元であります北海道の
農業をとってみても、稲作、畑作、酪農、
畜産、大きくこの分野に分かれ、それらの分野ごとに産地を形成いたしております。そして、北海道の
農業は、
基本法の路線に沿った
努力の結果、これは前の
基本法ですよ、各分野とも専業比率が高く、経営規模も大きなものとなっております。
農業基本法の優等生であると言われており、もっと言うならば、農水省を守っているのが、支えているのが北海道
農業である、私は、こう言っても過言でないと思います。いわゆる
農業基本法の優等生であると言っても過言でない、こう思いますが、本来ならば、
農業経営の発展と
農家経済の安定が同時に図られてきたはずであります、また、べきでありました。
しかし実態は、これらに反し、どの分野でも一方で離農が続出し、他方で多くの存続
農家は多額の負債を抱え、農
畜産物の
輸入の増加、
生産者価格の下落ないし低迷によって、
農家経済の再
生産が困難な
状況に陥っているのであります。とりわけ、北海道
農業の基幹である稲作は、長年にわたる過大な減反と新食糧法施行以来の
生産者米価の暴落と低迷によって、現在危機的な局面に直面をいたしておる。特に、規模の大きな専業
農家ほど、さらに、
後継者があり、そのために頑張っている
農家ほど苦しいというのが実情であります。
大臣の
所信表明では、
水田における麦、
大豆等の積極的
生産に言及しております。ここは重複しましたところでありますけれども、
水田で麦、
大豆等をつくる場合、
作業体系も違い、現に抱えている多額の負債に加え、機械や
施設の
整備に対しても重ねて新たな大きな出費がかかります。こうした
農家の負債
対策をしっかりやることなくして、麦、
大豆等の
本格的生産などはとてもおぼつかない。さらに、あの発表された七万三千円、これは例外の最高値であって、いろいろと
検討した結果、この春に向かって転作
配分している各農協や
現場の実態の声を聞きますと、とても麦、
大豆等の
本格的生産はおぼつかない、こういう厳しい
現場の声が聞こえてきております。
であるならば、何らかの
所得補償
対策、例えば国営、道営事業の受益者負担を全額国庫負担に切りかえるとか、
政府等が負債を抱えている
農家の農地を一時的に買い上げ、これを
農家の
生産手段として貸し付ける、これらのための各種制度資金の金利を凍結するなど抜本的な
対策を講じなければ、展望ある
農業経営の確立は、入り口でこの基本大綱は挫折をすることになると
考えます。まず、これについてお答えいただきたい。
私は、昨年十一月の米審に関する一般質疑の中でも、この専業地帯の稲作
農業の実態について、現代版の農民一揆が起こるかもしれないとまで申し上げました。
大臣からは、そのときに、「今後、そういう点でもっと実態につきまして
調査をさせていただければ、このように思います。」とお答えをいただいております。また、特にM資金、
農家負担軽減
支援特別
対策資金、これについても、
対策の強化あるいはこの制度資金の不備を
指摘し、
大臣に御意見を求めたところ、
大臣は、「これらの資金の融資の実態等を踏まえて、運用面も含めて
検討してまいりたいと思います。」こう御答弁をいただきましたが、これらにつきまして、あれ以来今日までどのような
検討がなされてきたのか、どう具体的な対応をしようとされているのか、まだ決まっていないでしょうから途中経過で結構ですので、これについてのお答えをいただきたい。
長々と申し上げましたが、私は、今、米の
生産を
促進するために土地改良を進めてきた
地域において麦、
大豆、
飼料作物の
本格的生産を行うことになるとすれば、土地改良負担金の償還についてもどう
考えておられるのか、これもお答えいただきたいと思います。畑という扱いになるならば、水利費の負担については、これは地目が
水田ですから、これについてはやはり負担増という問題があると思いますけれども、これについてもどうお
考えになっているのか。これらもあわせて、今るる
指摘をし、御質問したことに対しての御答弁をいただきたいと思います。