○矢島
委員 今までが過剰
サービスだった、あるいは
状況の変化の中で今度は
NTTの方からは
サービスの提供のために出張する、いろいろ
お話はありましたけれ
ども、実際に地域の住民の
皆さん方にとっては、今までが過剰
サービスなのかどうかは別として、不便になることだけは間違いないんですよ。だから、やはり
サービスが低下したな、こう思うし、それからこの営業窓口というのは、やはりお客様にとっては
一つの地域の中心的な
部分であって、いろいろの交流の場でもあったり、いろいろな効果を果たしてきてい
たんですよ、今まで。そういうものがなくなってしまうということに対するいろいろな御意見があるということはぜひ心にとめておいていただきましょう。
郵政省は、一九九七年のあの郵政民営化攻撃、これが吹き荒れたときに、郵便局ビジョン二〇一〇、これを発表しました。郵便局
ネットワークは、
ユニバーサルサービスの一環として、民営化されればその維持ができなくなる、郵便局を
民間企業ベースで運営したら大変なことになるということをその中で述べているんですね。こういうふうに言っているわけです。
「郵便局は、郵便・貯金・保険等の国民生活に必要不可欠な身近に利用できる生活基礎
サービスを、全国あまねく、いつでも、公平に提供しているが、仮に「営利性、収益性」が重視される
市場原理のみに基づく運営を行った場合には、不採算地域における
サービスの維持が不可能になるものと考える。」
つまり、
市場原理による
競争というのは、
サービス一般を向上させるのではなくて、もうかる分野ではもうけを追求するけれ
ども、もうからない分野では、その分野からいかに撤退し
サービスを切り捨てるか、そういうものだというようなことを書いているわけです。
そこで、そのときの
答申の中に、資料として資料番号で七十九というのがあるんですね。その資料番号七十九に、「
NTTの民営化後の支店数の推移」というのを載せているんですよ。それは、
NTTの支店が民営化前の八四年には千七百あった。ところが、九五年にはわずかに百十になってしまっ
たんですね。こういう資料を今のビジョン二〇一〇の中で
郵政省が載せているわけなんです。つまり、民営化すれば郵便局も減るぞ、
NTTだってこうだっ
たんだ、こういう資料として載せているわけなんですよ。
つまり、郵便局
ネットワークと同じように、電気
通信インフラを、これも
ネットワークですね、全国すべての地域とつながっている、このことが
意味があるんですね。コストから見ますと、インフラを整備し維持するコストが高い地域もあれば低い地域もあります。コストが高いからといってそこを切り捨ててしまったら、それは
ネットワーク自身が成り立たないということになるわけですね。
今
NTTがやっていることは、この電気
通信ネットワークに不可分な
サービス、窓口の問題、こういうものを削減するということですから、
NTTが、電気
通信インフラを全国に張りめぐらせる唯一の電気
通信事業者として、まさしく
ユニバーサルサービス提供者の
義務を法律で
義務づけられている。国民生活に不可欠な
電話の役務のあまねく
日本全国における適切、公平かつ安定的な提供の確保に寄与し、そのことを通じて公共の福祉の増進に資するよう努めなければならない、こうなっているわけですよ。
そこで私
たちは、こうした事態を予想して、
利用者サービスが低下するような分割再編ということにならないよう主張し、
大臣も
利用者サービスの低下ということはあってはならないと
答弁している。しかし、こういう
状況を見ますと、どうも私
たちの指摘したことが現実の問題になり、実際にこの
国会で約束されたことがほごになっているのではないかと思うのです。
そこで、窓口の問題はこれくらいにしまして、時間がなくなりますので保守の問題に入っていきます。
今も私申しましたように、もうからない分野での
サービスの撤退、こういう
一つの例として、
ネットワーク維持経費、つまり保守費用、これを削減していくという問題があるわけです。
今回の
長期増分費用方式モデルをめぐって、
日本の
NTTの設備の耐用年数、これが諸外国に比べて半分だということが問題になりました。これは逆に、償却し切った資産は、実際に使っているけれ
ども経費はかからないということになるわけです。
そこで、
NTTの有価証券
報告書をちょっと調べてみました。九九年三月末現在の
NTTの有形固定資産税、建物や機械設備などの取得原価は二十六兆三千五百二十八億円、このうち既に十七兆八千三百八十四億円は減価償却しております。簿価は、既に取得価格の三分の一、八兆五千百四十一億円、こうなっています。
NTTの中でも、また
利用者の中でも、一雨苦情五千件という
言葉があるのですよ。
社長あたりは知らないと思いますけれ
ども、職場の中ではそういう話があるのです。これはどういうことかといいますと、雨季になりますと極端に
電話の故障というのが増加するんです。だから、一雨降りますと五千件も苦情が寄せられる、こういうのをあらわした
言葉なんです。
つまり、
電話局から家庭の
電話をつないでいるあのメタルケーブル、これがいわゆる耐用年数を過ぎてもそのままになっている。雨季に入ると絶縁状態が悪くなって、
電話の故障が次々と起こる。だから、古いケーブルを張りかえないでそのまま使っているというところに問題があるんだから、これは早く張りかえることが必要だという意見はこれまでも多分
NTTには寄せられていると思うのです。
長期増分費用モデル研究会は、光ファイバー、デジタル交換機の
経済的耐用年数が、光ファイバーだと十一・二年、デジタル交換機だと十一・九年、こう
報告していますが、この
ネットワークのほとんどを形成しているメタルケーブルの実質的な耐用年数というものがこの
報告になかったのですね。
そこで、調べてみましたら、このメタルケーブルを、
NTTでは法定では十三年、こうしていると思うのです。現実に一体どれくらいこのメタルケーブルを使用しているのか、お答えいただきたい。
〔荒井
委員長代理退席、
委員長着席〕