○横光
委員 確かに、そのようになるために恐らく導入するんでありましょうし、そういうふうになってほしいんですが、ちょっと心配されるのは、画面の一部が消されるわけです。完全な画像ではなくなるわけですね。いつでもどこでも見られるというのが
NHKの最大のメリットですが、この部分にちょっと影響を与えはしないか。
あるいは、今お話ししたように連絡してくれればいい、しかし、ついていてもいいじゃないかという人もおるかもしれない。そして、むしろ
受信料を払わない理由づけになる可能性さえあるわけですね、それを我慢すればいいのですから。そういったことはあり得ないのか。
あるいは、私が言っているのはちょっと心配のし過ぎかもしれませんけれ
ども、また逆に、ちゃんと
受信料を払っている人たちから見ると、やはり公平性の面から、ただ一部そういったメッセージを送るだけじゃ弱いんじゃないか、我々はちゃんと払っているんだ、そういった意味から、先ほど言ったように、全部消してしまえという声が上がらないとも限らない。いわゆるスクランブルの道を一歩開くことにつながるのかもしれないという心配があるんですが、そういうことがないというふうに私も期待いたしております。
これだけはやってみなければわかりませんし、どんどんやってみて、やってみた結果、いろいろな問題が起きたときに、また素早い対応をしていただきたい、このように思っております。
それから、これもちょっと重複するのでございますが、テレビ映像と青少年の健全な育成ということでちょっとお尋ねいたしたいと思うのです。
学校では知識、教養を教える、そしてまた、家庭あるいは
地域社会ではそれ以外の面をいろいろと教わってくる、成長段階で子供たちは。子供は親の背中を見て育つという
言葉がございます。今もその分野は大きいと思います。しかし、大きな
時代の変化で、家庭が核家族化していった、そしてまた共働き世帯がふえていった。
そういった中で、子供が親の背中を見る時間が少なくなってきた。むしろ、親の背中を見る時間よりもテレビを見る時間の方がふえてきた、これが現実であろうと思うのですね。ですから、もちろん子供たちは
番組を選ぶ権利がございます。しかし、余りにも判断力がまだまだ十分でない子供たちのことを考えれば、やはり
番組を
提供する
放送事業者の責任、
役割というのは非常に私は大きいんであろう、このように思うわけでございます。
NHKは、質の高い、あるいは
信頼感のある、共感を呼ぶ、豊かで潤いのある
番組提供に努めると先ほどお話がございました。そのように
努力されているんだと思います。
民放も同じ
趣旨でなければなりません。しかし、現実には、大変
番組が低俗化しているという声をよく聞くのです。そういったことから、やはりこの問題、これから非常に重要になってくるのではなかろうか。
テレビ
番組が事件の誘発の原因にもなりかねないという
時代でもあるんですね。例えば、神戸市の中学生による児童連続殺傷事件や、あるいは黒磯市で発生したバタフライナイフを使った女性教師刺殺事件、こういったものはテレビ
番組で使われていたということがヒントである、そういうようなことも言われております。
そういった中、
郵政省は先ほど、第一に
放送事業者の自主的判断にゆだねるということでございましたし、またその上にさらにいろいろな取り組みをなされるというお話でございました。この問題は、私はこれから非常に大事になってくるであろうと思う。
きょうの新聞で御存じかと思いますが、
日本PTA全国協議会が、ある
番組のスポンサー五社に、その
番組は中止してほしい、あるいは内容を改善してほしいと要請したんです。
提供している局に恐らく何度も申し入れたんだと思います。しかし局では対応できない、ならばその
番組を
提供しているスポンサーに今度は要請に行っている。私は、事態はここまで来ていると思うんです。この新聞を見たときにびっくりした。
PTA全国協議会が、子供たちに見せたい
番組あるいは見せたくない
番組のアンケートをとったんです。その見せたくない
番組のナンバーワンの
番組、ある局のある
番組に要請に行ったのです。見せたくない
番組の中には
NHKの
番組はなかったそうです。しかし、
NHKも、先ほど
会長言いましたけれ
ども視聴率、私は視聴率至上主義がどうしても根底にあるんだと思うんです。
先ほど
会長は、これは
番組の評価には使用していないんだというお話でございましたが、それでも、
受信料をいただいている以上、一人でも多くの方々に見ていただかなければなりませんし、やはり視聴率に無関心でいられるわけではありません。
しかし、
民放の場合は、御案内のように、スポンサーで成り立っているわけですから、一人でも多くの
視聴者を獲得せざるを得ない。しかも多
チャンネルの
時代が始まる、
番組の
放送の量はふえる。そうした場合、物すごい
番組制作の競争が始まると思うんですね。それが、よりよい、より質のよい
番組の競争ならばもちろん大歓迎ですが、どうしても、一人でも多くの方たちに見てもらうためには、より刺激的な、より衝撃的なものに走りがちになる。それはどうしても低俗な
番組につながりかねない。こういう気がいたしているわけでございます。
ですから、先ほど富田
委員の
質問にございました、今度、向上協の中に第三者機関として青少年
委員会を設置する、私はここに非常に期待をしたい。これから始まる第三者機関の七人のメンバーですか、ここに非常に期待するしかない。そして、この提言を受けて、
NHKと
民放連がつくっております
放送番組向上協議会の中で十分、提言を受けて対応していかなければ、下手をすると、これはもう、今回はPTA全国協議会ですが、これが市民運動に広がって、テレビ見ない運動でもなったら大変な問題になるなという気がしておるわけでございます。
放送の自由というものがありますし、非常に難しい問題ではありますが、アメリカやカナダが導入を予定しておりますVチップ等を絶対導入させないためにも、私は、
事業者がここは
努力しなきゃいけない。
NHKは恐らく低俗な
番組をつくられておりません、私はそう思います。しかし、向上協議会の中には参加しているわけですから、これらの問題をしっかり受けて、提言があったならば、この問題も恐らく四月の
会議に提言されると思います。このPTAが要請したことは、スポンサーにもうやめてくれ。テレビ局にやめてくれというんじゃない、スポンサーにやめてくれというんですから、大変なところまで来ている。ですから、
NHKも、向上協の中で、みずからの問題ではないとはいえ、みずからの問題であるとも言えるわけですから、強く強く私は提言をしていってほしい、その意欲をまずお聞きしたいと思うんです。