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中川(正)
委員 こうして、それぞれに情報が伝わった時間を確認しただけでも、危機管理といいますか、そのときの情報伝達の重要性というのがここでも認識されていないのだなという感じがします。
仮に、記者会見の直前に知ったということ、このこと自体が、長官、組織から伝わってくるのが遅いのだと思うのですね、
一つは。しかもその後、翌日の午前中まで国家
公安委員長にその事実が知らされていなかったということですね。これも
警察の中の、臨機応変に、そのときそのときの事の重大性というのを判断しながら情報が伝わるというシステムができていないということを
一つ指摘ができるのじゃないかというふうに思います。
そのことを含めて、また、全党的に今問題意識を持ちながら
議論を進めているところでありますので、改めての
議論にしていきたいというふうに思います。きょうは、通告がなかったので、その程度にさせていただきます。
さて、次は
警察の問題に入りますが、先ほど長官の再
答弁がございましたが、今回の
警察不信というのは、この問題が出てからも、まだいまだに次から次へといわゆる
不祥事と言われる
警察対応の鈍さといいますか、そういうものが出てまいります。
国民からすると、今の
警察は本当に大丈夫か、どうなっているのだろうかという気持ちの中に、四つぐらいの要素があるように思うのですね。
一つは、
現場対応、これがなっていない。本当に
国民のために働こうという、あるいは、いろいろな相談が持ち込まれたときに、それを
警察の仕事として受け取っていきながら親身になって問題解決をしていく、そういう
一つのモラールというか
警察官自体の職業意識と
誇り、そんなものが
現場の中で死に始めてきているのじゃないかという、そうした基本的な不満が
一つはあります。
それからもう
一つは、それでもやはり
警察官というのは、それは一〇〇%聖人じゃないわけでありますからいろいろな問題を起こす場合がある。その問題が起きた場合に、
警察官そのものが罪を犯した場合に、
一つはそれを厳正に、悪いことは悪いということで処罰をできるような
体制ができているのだろうか、どうだろうかということです。端的に言えば、どうも身内に甘いということが
一つ。
それからもう
一つは、事実を隠しているということ、情報公開が十分でないということ、この二つがあります。
そして、今回の
答弁をしていただいた中に含まれている問題というのは、この身内に甘いということです。これがあったのじゃないかという
国民の批判がここでしっかり出てきた。出てきたから、
中田局長それから小林前本部長に対して、まあ諭旨免職という
制度はないのですが、とにかく辞表を出せよと言ってやめさせた後、
国民の批判に対して、改めて退職金を返上しろという話をして退職金を返上させた、こういう経緯があったわけです。
片方、その事実があった中で問題となったのは、ではそのときに
田中長官が、今のいわゆる表の部分、
警察のこれまでの
処分という基準に照らし合わせて、どういうふうにそれを
考えていったらいいのかという
議論の経過の中で、
審査会があったのか審査
委員会がどうだったのか、そういう経過の話ですね。
それで、さっきの
答弁は、小林元本部長に対しては
懲戒処分の
対象にした、だから
審査会をそこで開いた。この
内容というのは、懲戒免職じゃなくて減給ですね。しかも一カ月減給するだけ、こういうことなのです。それで、
中田局長に対しては
懲戒処分の必要がないから、これは
委員会を開くということもしなかった、そういう
答弁だったわけです。これは、聞いていると、どう見ても
国民の常識とは相当かけ離れているのですよ。片方、表の舞台で、
中田局長に対しては
懲戒処分なし、それで小林元本部長に対しては一カ月の減給
処分ということですね。
ところが、実際に
田中長官が二人に命じたことは、すぐやめろ、退職しろ、こういうことで辞表を書かせたわけですね。しかも、その後に退職金を返しなさい、こういうことを言ったわけですね。それで返してきた。トータルで見ると、これは正式な
処分からいくと、懲戒免職に相当するような
処分がプライベートに、私的に二人に対して行われている、こういう結果になるわけです。
私は、なぜ
審査会とか審査
委員会にこだわったかというと、どうもトータルの
処分の話を見ていると、こういう
審査会とか
委員会とか、あるいは、もっと言えば
国家公安委員会というような、こうした正式の組織を通じての十分な
議論をした上で、そして
処分を決めていくというプロセスが、全くこれは形骸化していって、形の上だけになって、しかも
国家公安委員会には、ここで
議論されるということじゃなくて、持ち回りでそれを承認されるという話だけに終わって、本当の
処分は
田中長官一人がプライベートな判断でやっているのだ。しかも、そういう事犯が起こったときに慌て込んで、そうした
処分をどうするのかというふうなプロセスに持ち込まないで、その時点で、おまえすぐに辞表を書けという形で済ませてしまったということですね。
これが、これから先にもいろいろな事犯が起きてくるだろうと思うのですが、これから先の
警察のそうした
処分のあり方、それから
ルール、それからだれが本当にそこを判断して、厳しく罰していくところは罰していくのだというようなシステムをつくっていくのか、それが
信頼性を取り戻すという
一つのポイントになるわけですけれ
ども、それに対してしっかりとした方向性が出てきていないということ、そこを私は言いたかったわけなんです。
だから、重箱の隅をつっついたような、
審査会をしたかしないか、
委員会をしたかしないかというようなこと以上に、本来は、そのプロセスを十分に
議論していないのであれば、
国家公安委員会も含めて、こうした
処分についてはもう一回やり直す。これは訓令の中にあるんです。間違っていたらやり直さなきゃいけない、審議していなかったらやり直さなきゃいけない、そういう規定があるんです。だからできるんです。だから、そういうようなことも含めて、しっかりとした
ルールをここで実行したらどうですか、実はそういう意味合いを込めて前回質問をさせていただいたということなんです。
それについて、まず長官の方から御
答弁をいただきたいというふうに思います。