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宮澤国務大臣 今の御
質問それから答弁をずっと伺っていましたが、確かに、これからどういう見通しになっていくのかということについて、十分なことがお示しできないわけであります。
中川委員の言われるように、これによっていわゆる
特殊法人というものを、その業績によっては整理してしまう、あるいは直接政府の
仕事にする、そういう
目的をこれは確かに持っておるわけで、今まで親から金をもらっておったものを
自分で金を調達してこい、できなければという部分が確かにあるわけです。
それはつまり、一言で言ってしまえば、政府が
財投機関債というものはなかなか出せない、出そうとすれば非常に
コストリーになる。どの程度まで
コストリーになってもいいのかというようなことを言えとおっしゃるのは無理もないと私は思いますが、それを計数的に今、そうすると実際はこの
財投機関はなくなる、これは生きそうだとかいうようなことを
一つ一つやって、そしてなくなったら、どれだけ今度は本当に、そういう
特殊法人のやっている
仕事をもうしなくてもいいという、それでいいのかどうかという判断をしなければならぬとかいう大変難しい問題を含んでいますが、それにもかかわらず、おっしゃることはごもっともだなと私は思うところがあるわけです。そこを何も申し上げていませんから、非常に甘く運用すれば何でもないことになってしまいます。
しかし、そうでない保証もないということでありますと、どうも私は思いますが、現実的な方法としては、
財投債というものをできるだけ辛くするということにならざるを得ないのかなと思っています。つまり、みんながそこへ逃げ込もうとするわけですから、そんなに逃げ込めないという状況をだんだんにつくっていくということではないだろうか。消化については今総括
政務次官が言われましたように、消化のことは経過的な措置をいろいろ郵政省とも
お話をして、そのやりようはございましょうけれ
ども、また郵政省も、自主運用といっても、そんなに安全有利というものがたくさんあるわけではありませんから、そういう経過的な話が成り立つ余地は大きいと思うのですが、しかし、そこを大きくしますと、今度はみんな
財投機関債なんかはやらないです。
財投債にみんな頼ってくるということになるじゃないかというのは、どうも私はそういうふうになるのだろうなと。
これは、実は今大蔵省が、どれだけ
財投機関債ができるのかねということについて、どれだけ厳しい方針を持っているかということにも
関係があると私は思います。まあいいよ、あなたのところは無理だろうから、それなら
財投債で拾ってあげるよと、言ってはいないのだろうと思いますけれ
ども、お互いにそういうことはシステムとしてはあるわけですから、君のところはやはり
財投機関債さえ出せないのではちょっと難しいねとかなんとかいうことをぎりぎりまでやらないと、これは今と余り違わないことになってしまう。おっしゃっていることは、どうも私は
自分もそういう疑問を持ちます。
そこで、お答えとしては、まずこれからの
行政の問題として
財投機関債というものを、ぎりぎりやはり各
財投機関と交渉するということが
一つ。がしかし、そのバックアップには
財投債というものがそう無限には出せないのですよというところで
一つ。そういうふうな
行政をやっていって、
中川委員のおっしゃっているような
方向に全体を向けていくということしかないのかなと。
本当は、計数的に言えとおっしゃるのは、私は、筋道としてはそうかなと思いますが、それを計数的に出すことは恐らく非常に難しいわけでございましょうから、そういう運用のところで我々が
考えていかなきゃならないのではないか。
政務次官がお答えしていることは、そのお答えは
一つも間違っていないのですけれ
ども、しかし結果として、法律が指向しているところ、あるいは政府が指向しているところは、そっちの方へ物事が動くギャランティーというものがないじゃないかということになりますから、したがって、運用についての今申し上げたような方針というものをはっきり申し上げておくということが、おっしゃっている
方向へ物を向けていくための最小必要なことではないかというふうに
考えております。