○鰐淵
委員 御苦労さまでございます。自由党の鰐淵俊之でございます。
短い時間でございますので、今皆さんの
質問と若干ふくそうすることがあるかもわかりませんが、この
委員会で
質問をさせていただくに当たりまして、先ほど来
お話ございましたように、長い間の
石炭政策が終了を告げるという非常に意義の深い
委員会でありまして、私個人にとりましても非常に感慨ひとしおのものがあるわけでございます。
と申しますのは、私ごとで恐縮ですが、昭和二十年、敗戦間もなく、私は、釧路炭田の、いわゆる三菱系の
炭鉱でございますが、尺別
炭鉱というところに小学校、中学校時代を送ったわけでございます。当時は、都会におりますと、もう食べるものがございません。着るものも満足にございません。そういう中で、父の転勤で
炭鉱に行ったわけでありますが、そのときの
炭鉱は、とにかく増産、増産、まさに石炭は黒ダイヤ、そして働く
人たちは特配、特配で、町から行った私
どもがびっくりするほどいろいろなものが当たるわけであります。軍手も作業服もあるいは食べるものも、本当に私はびっくりしました。そんなことで、そのときのことを考えますと、日本の戦後の復興というものは、まさにこの石炭
エネルギーあったればこそ復興したと言っても過言ではない、このように思うわけであります。
私は、小学校、中学校ですから、その当時の学校は一クラス大体六十人、一クラスだけでしたから、多いときは八十人くらいもおりました。勉強した記憶は余りございませんけれ
ども、私は、実に人間らしい、そしてすばらしい生活学習をする中で少年期の人間形成をしてきた、こういうぐあいに自負しております。それは、最も人間として大事な、お互いにないものは分かち合う、
協力し合う、そういったことをお互い子供たちがやってきたわけであります。
もちろん、すぐけんかはします。けんかをして殴ったりけ飛ばしたりはいたしますけれ
ども、これはまたすぐ仲直りして、川に行って泳いだり、山に行って、秋ですとヤマブドウをとったり、そういう今の教育に非常に欠けているものを一〇〇%、そういう時代、山の中の
炭鉱で過ごしたことを私は誇りに思っておるわけであります。
そんな中で、今、四十年の
政策が終わろうとしているときに、確かにいろいろな
政策がなされてまいりました。このことは大変大きな成果もありましたし、また、非常に必要な
政策でもあったと私も評価をするものであります。
しかしながら、石炭の
政策がどんどん進んでいくことによりまして、
エネルギーに占める
国内炭の割合というのはどんどんシェアを落としていくわけであります。恐らく、かつては最高五千五百万トン日本でも出しておったと思います。今は三百万トン余、
二つの
稼行炭鉱しかございません。しかし、大体一億二千万トン程度輸入いたしておりますから、日本の石炭の需要は旺盛であるわけであります。私は、これからも非常に大事な
エネルギーだと思います。
そういうことを考えますと、
国内炭の、言ってみれば
稼行炭鉱の持っている
意味はもう余り多くないんだ、
技術の
移転だけが何かすべてのような
お話が各新聞や何かを見るとあるんですが、しかし、私は、そうではない、やはり長い間の
炭鉱の歴史が私たちに教えているもの、あるいはその蓄積したものというのは、これからの
エネルギー政策にとっても非常に大きな勉強になった、そのように思うわけでございます。
そういう
意味では、
政府がこれまでとってきた
石炭政策というのは、私は、やはり時宜を得た、大変よかった
政策であろう。しかし、これは、すべて終了することによってその
目的を完全になし遂げたと私は思っておりません。まだまだ、
石炭政策によってすべての問題を解決ということにはなりませんから、先ほどから、その以降におけるいろいろな
課題をどう処置していくかという
質問がございました。そういう
意味では、私
どももこれからも真剣にこの問題について考えていくことが必要であろう、このように思うのであります。
そこで、四十年にわたる、九次にわたった
石炭政策が終了するわけでございますけれ
ども、その間、石炭の
構造調整対策、あるいは
炭鉱労働者の雇用
対策、あるいはまた
産炭地域の振興
対策、あるいは
鉱害対策、いずれも、これらの成果につきましては、それぞれの皆さんの評価があろうかと思いますが、とりわけ石鉱審あるいは産炭
地域振興審議会、こういったところは、私自身も長い間市長といたしまして、五期二十年近くにわたりまして、毎年のように陳情に赴いたものでございます。そんなことを考えてみますと、先ほど申し上げましたとおり、非常に感慨ひとしおのものがあるということであります。
そういった
意味で、これまで
政府がなしてきた
政策は、審議会の
答申を受けていろいろと
実施したとは思うわけでありますが、この審議会の皆さんも四十年の間には全部人がわりしているわけでありますが、現在、審議会の皆さんは今までやってきた
政策について一体どんな評価をされているのであろうか。そういった点について、石炭部長の御
答弁をお願いいたします。