○今村
政府参考人 御
説明申し上げます。
まず、和歌山のスクラップ入りコンテナからの放射線の検出の件でございますが、四月二十八日に、三井物産金属原料がフィリピンから輸入いたしましたステンレススクラップ入りコンテナを住友金属工業和歌山製鉄所が購入しようとした。その受け入れようとした際に、コンテナから放射線が検出されたということでございます。
科学技術庁では、住友金属からの報告を得まして、同日、直ちに検査官を現地に派遣いたしまして、現場の安全を確認するとともに、専門家による放射線の計測を実施しております。幸い、放射線の量は法令で決められております輸送容器の表面の
レベルよりもはるかに低い、最大約七十五マイクロシーベルト毎時のガンマ線、さらにそれより微量の中性子線が検出されたところでございます。
科学技術庁といたしましては、直ちにその場で縄張り等の措置を指示いたしまして、現場の安全の
確保を図ったところでございます。原研の専門家によりまして、コンテナ外から
放射性物質の種類の特定等をいたしまして、現在コンテナの中に存在する放射線源の種類、量、あるいはその位置というものはおおむね特定されてきております。
今後は、
関係者によりまして、作業要領書の作成、住友金属工業株式会社、現地における
放射性物質の取り出し、輸送容器への収納などを、安全を確認しつつ、一歩一歩行うことといたしております。
御
質問の、こういう問題の根絶ということでございますが、もちろんこういうことはあってはならないということでございまして、まず根絶、こういう物が混入した経緯等につきまして、現在、
関係者からの情報収集をいたしておりますとともに、
関係省庁とも連携をとりまして、対応策について大至急
検討することといたしておるところでございます。
また、神戸の件につきましては、五月九日、これはスクラップを扱う株式会社であります島文が、神戸製鋼所の加古川製鉄所にスクラップを搬入しようといたしました際に、スクラップから放射線が検出された。島文において確認いたしましたところ、円筒形の鉛容器が発見されたというものでございます。先生御
指摘のとおり、表面をテープで覆ったというような形跡もあり、悪質なケースでございます。
科学技術庁といたしましては、直ちに検査官等を派遣いたしまして、専門家による現場の安全を確認いたしました上で、現在、この
放射性物質の入った鉛容器につきましては、直ちに専用の容器に収容いたしまして、専門機関でございます
日本アイソトープ協会に搬送いたしまして、現在アイソトープ協会にございます。
この点につきましても、和歌山の件とあわせまして、
関係機関でございます県警、神戸市等と連携をとりつつ、鉛容器の
内容物の確認を行うとともに、このような事態が発生した経緯をまず確認するということを
重点的にいたしておりますとともに、この点につきましても、
関係省庁と協力をいたしまして対応策を至急立てたい、このように
考えております。