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細田政務次官 まず、所管官庁を例えば新しくできる
環境省に
法案も含めて全部一元化すべきかどうかという点は、これからの
省庁再編の
過程における大きな課題だと思っております。
私は、やはりこの問題は、個々の経済、あるいは中小企業、
商工委員会の先生方には特に御理解が深いと思うわけでございますが、
循環型社会というものを考えた場合には、物の規格を統一した方が循環型という
意味ではいいわけですね。あらゆる家電
製品はもうこういう規格にしなさい、ガラスはこういうふうにしなさい、あるいはテーブルは足に金属などをつけないでもう全部木材でやりなさい、あるいは洋服には金属
製品を使っちゃならないとか、すべてを統一規格にすればもう手間暇がかからないことは明らかであります。
しかし、では、瓶を統一できるのか。薬瓶も全部統一しなさいというふうにやれば、この自由な経済競争
社会において非常に競争制約的にもなるし、それから逆に、大企業で大量に販売して利益の上がっているところにとっては大した
負担ではないけれ
ども、小さいところで小さい
製品をつくっている中小企業にすべて義務づけて、こうでなきゃならないよと、
製品の差別化という知恵を働かせる余地をなくしてしまうことが著しく企業間格差を広げてしまう
可能性もあるわけですね。
したがいまして、やはりナショナルミニマムからくる要請と、それから、上から
政府が押しつけて規格を統一させて、その方が
循環型社会にとっていいのだからやりなさいという
考え方とのちょうどバランスでやらなきゃいけない。
ドイツのような国は、やはり伝統的に経済統制型の
考え方の人も多いし、論理が先に走ると、それでいいじゃないか、その方が循環型にいいのだからということが先走るような物の
考え方の人も多いんじゃないかと推測しているのです。
日本の場合は、あらゆることを事情として考えていった上で、しかし我々はやはり、大量な
廃棄物だとか
資源のむだ遣いとか、そういうことを考えるべき時期に来たわけですから、市場
社会と
環境という面をうまくマッチさせながら進めなきゃならないというところに来ておりますので。
この制度が、
消費者教育も含めまして、
消費者がまたどんどん賢くなって、分別もするようになる、
リサイクルの輪も家電でも何でも乗ってくるということになれば、もう一段進んで、経費
負担をどうするかという議論に必ず発展すると思います。
そのときには、あのときも例として申し上げましたけれ
ども、介護保険制度というのは、昔から介護保険をやればいいじゃないかといっても難しいので、制度、
施設、そういったものが全部整ってくると、次の
段階に新たな
施策、最もコストが安くて
社会的に有用な制度というものを考える素地ができてくるであろう。その第一歩、第二歩であるという
意味で御理解いただきたいということを申し上げたわけでございまして、ただこれはやたらにコストが高くなるからとだけ申し上げたわけじゃなくて、そのコストがだんだん下がってくる第一歩ではないかと思っているわけでございます。