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渋谷委員 実は、これは杞憂であればいいんですけれ
ども、幾つか心配をしております。
この京セラの件でも、まさか検査院のOBが京セラの東京本部次長にいるということなどは私は知りませんでした。いろいろ調べていく中でそれが実は明らかになったわけでありまして、過去の会計検査院の俗に言う天下り
状況といいますか、これは普通ならばいろいろ四の五の言うんでしょうけれ
ども、会計検査院はさっと資料を全部出してきました。これは、真剣にやろうという姿勢だと思います。
やはり、
通産省あるいは大蔵省の関連に随分とお世話になっているんですね。会計検査院というところは許認可権限を持つ組織じゃありませんから、OBのポストを確保するというのは実に難しい
役所であることは私も承知をしております。したがって、いろいろな意味で関係のある
通産省や大蔵省、そことの協力を得ながらその関係にポストを得るということも、実は、これは余り思い出していなかったんですが、昔々会計検査院の方といろいろな雑談をすることがありまして、お話を聞いて、ああそうか、あのことだったんだということで、なるほどと思いました。
貴重な時間ですが、閑話休題で若干申し上げますと、私
自身も政治家としてのいろいろな関心があったんですが、あの湾岸戦争のときに
日本がアメリカに一兆五千億の資金援助を行ったんです。金だけ出して人を出さないで何だという
議論も一方でありますけれ
ども、この一兆五千億の金というのは一体どうなったんだろうか、どこにどういうぐあいに使われたんだろうか、国民の税金なのに会計検査院がこれをチェックするということは行われているんだろうかという関心で、実は会計検査院の担当者に連絡をしまして、これは私が落選しているころの話ですけれ
ども、いろいろお話を聞いたことがあります。
アメリカにこれは直接に金を渡したわけじゃなくて、当時、湾岸のアラブ諸国協力
理事会の事務局長とサウジアラビアの
日本の大使と、この二人だけが管理する口座に都市銀行を通じて約一兆五千億円のお金が振り込まれたんです。これの調査を会計検査院としてはやりたいというぐあいに言ったんですが、外務省は、これは外交にかかわることなので一切だめだということで、一年ぐらい必死の交渉をしてやっとこさ会計検査院が検査に入ることができた。ところが、資料等はコピーさせてくれない、ただ見せてくれるだけということですから、実は大変な
状況があったわけであります。
皆さんも御承知のように、このうちの一兆一千五百億は、実はアメリカのペンタゴンに直接振り込まれたんです。これは、アメリカ大使の一片の紙、請求書ですね、これだけの金がかかったということでの請求書でこれだけの巨額の金が実は振り込まれたんですね。それ以外にはイギリスやフランスなどにも支出されまして、これの総額が九五%を占めている。それ以外の部分はサウジアラビアとかその地域でありますけれ
ども、これほどの巨額の金でありますから、家計簿だって、最後、帳じりゼロにするというのは、これはなかなか難しい話であります。当然幾らか端数は残ったんだろうというぐあいに思いましたが、いろいろ調べてみたら、何十億かは残ったようでありますけれ
ども、その使途というのは、実は余りはっきりしておりません。
外務省はその資料を今も持っているとは思いますが、このことについては時効というのはありませんからね。政権交代すれば、これは海部さんと小沢さんが幹事長のときにやったことでありますけれ
ども、その事実がいずれ明らかになるでしょう。
このことをやっている間にアメリカは、皆さん御承知かどうかわかりませんが、東西冷戦構造崩壊の後でありますから、約四兆円の武器を中東諸国に売ったんですね。大したものであります。
そういう
状況の中で、実は、会計検査院の方々とお話をいたしまして、なかなか
自分たちには天下りをする先がない、また、会計検査といいましても結局は
役所側の協力姿勢がないと実効が上がらないんだと、率直なことを漏らしておりました。
そういう意味で、今度の
補助金の件も、これは杞憂ということであればいいんですが、いろいろなところからの情報で、京セラの東京本部の次長に行かれた土井さんから会計検査院の方に、京セラを外してほしいといった
趣旨の連絡があった。それについてどう応じたか、きちんとやったか、あるいはそれを受けてやらないということにしたのか、そこのやりとりはわかりません。
前回ここで
指摘をしていますから、当然、検査院の中ではそれは問題になったはずでありますが、事実を確認されていると思いますけれ
ども、いかがですか。