○渋谷
委員 民主党の渋谷修でございます。
先般の両
大臣の所信表明演説に対する
質問の際に、京セラの補助金の不正流用の件、税金の不正使用の問題を取り上げながら
質疑をさせていただきました。
その中で、両
大臣にも、こうした問題、実は京セラの問題は、単純に、
企業の中で、ある
企業が税金の不正使用をしたというような事件として私も最初は取りかかったのでありますけれども、道端に転がっている邪魔な石があるから、後に通る人のことを考えて取り除いてやろうと思って取り除こうとしたら、意外にこれは大きな石の先っぽでありまして、その下にでかい岩が実は埋まっているという
状況がだんだんわかってまいりました。これは先般もお話を申し上げました。
最高責任者である稲盛さんが政府の幾つかの審議会の
委員をやっているということ、あるいは
通産省のOBが京セラに天下っているということ、さらに、この十年ぐらいの間に十億円に上る税金が京セラには投入されているわけでありますけれども——いや、
通産大臣、京セラの件はあしたやりますから、きょうは
答弁はいただきませんので、あしたやりますから大丈夫です、おさらいですね。そういうことなどのお話を申し上げ、さらに、これには会計検査院も一部どうもかかわっているということなどがありまして、これは単なる小さな石ころの話ではない。どうもこれは、ある
意味では、この国の一番深刻な部分をあらわしているのではないかというぐあいにつくづく思いました。
これらについては、先般の
質疑の後、また改めていろいろな
方々からの助言もあり、私なりに調べたこともありますので、あしたの
委員会において改めて取り上げさせていただきます。
その際に、いろいろ起こっているこの間のスキャンダルについては、ばらばらではない、どうも共通している意図があるというぐあいに考えまして、これは両
大臣にも申し上げましたのですが、小信を守って大信を失う、小さな信義を守って大きな信義を失ってしまう。これは日常の私ども庶民の生活であれば、みずからの身を守る、当たり前の話でありまして、そしてまた、いわば家族を守る、身内を守る、一番近くにいる人たちを大事にする、あるいは
組織を守るというのは、美徳であります。
ところが、社会の
指導的な立場にある人間、あるいは政治家として私どもは一般の
方々から見れば途方もない権力を持っているわけでありますから、そうした権力者が自分の懐のことを第一番に考え、あるいは身内を大事にし、そして
組織を守ることにきゅうきゅうとするなどということになりましたならば、これが常態化いたしますと、実は、今起こっている国家
組織の崩壊ということになっていくわけであります。このことは私どもがきちんと戒めなければならない、そうしたことを行ってはならないというぐあいに私は思います。
この間に起こってまいりましたいろいろなスキャンダル、例えば神奈川県の県警の事件も京都の警察の事件も、あるいは新潟の、これはもう唖然とし、声も出ないほどの警察の失態でありまして、あの九年以上にわたって束縛をされていた少女につきましても、警察がしっかりしていればもっと早く見つかったのではないかというぐあいにも思います。そしてまた、その後始末。いずれ自分も何とか出世をしたい、だから中央から来た偉い人にはいい顔をしなきゃならない、接待もする。上から来た人は、自分の職務を忘れて雪見酒で一杯飲んでしまう、そしてマージャンにうつつを抜かすなどということになりましたならば、これはもう何をか言わんやの話であります。
越智発言についても同じでありまして、自分の身内の議員をヨイショし、そしてその人を通じればいろいろ話は聞いてやるよと。銀行に対しては今ある
意味では厳しく姿勢を正さなければならないときであるにもかかわらず、
国民の貴重な税金、あとまた四十兆円残っているから、言ってみれば自分の財布の中の札びらを切るように、面倒を見てやるよという発言をする。やめた本人は、何で悪かったかというのは多分わかっていないのかもしれませんね。なぜ自分が責任をとらなきゃいけないのかということはわかっていないのかもしれません。実はそんな発言などもございます。
実は、小渕さんのドコモ株の事件もそうであります。どう考えたって、普通の人が手に入れられない株を小渕さんの周辺の人たちが持っていて、今、時価
評価が九十億にも達するなどという話になりましたならば、これは疑惑を持たれるのが当たり前。みずからも疑惑を晴らすと言っているわけでありますから、晴らすためならば、必要な書類、紙切れ何枚かを出せば済む話なのに、それはまさに捜査が行われているからそれに任せるという話になりましたならば、秘書や身内をかばうということが先でありまして、納税者、
国民に対する信義というものを優先して考えている姿勢ではない。ここに実は、今の政治の基本的な危機があるわけであります。
小信を守って大信を失ってはならないというのは、政治家としての必ず守らなければならない戒めの言葉だというぐあいに私
自身は思っておりますけれども、これは私
自身のただ個人の思い込みの話なのか。通産
行政、あるいは経済企画庁としての
行政のあり方、きょうもたまたま
法律案の審議をしておりますけれども、そうした
法律についても、以前から言っておりますように、
国民の
協力、理解、信頼がなければ、その
法律の実効性を確保するなどということはできません。そういうことでいえば、今申し上げたことはとても重要なことだ、そのことがすべての議論の出発点でなければならないというぐあいに私は考えますが、両
大臣の見解をまず先にお
伺いをしておきます。