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河野政府参考人 まず、お尋ねの、自然エネルギーによります電力の買い取りの
状況について御
説明をさせていただきたいと思います。
電気
事業審議会に設置をされました小
委員会の提言を受けた形で、電気
事業者の自然エネルギー買い取りが自主的な余剰電力購入
制度として行われているところでございます。
この余剰電力購入
制度は、いわゆる分散型電源の
導入促進の観点から、電気
事業者以外の方々がこうした分散型電源を
導入するに際しまして、余剰電力が生じれば、電気
事業者以外の方々にとってのいわゆる予測可能性、あるいは取引の透明性、こういったものを高める観点から、それぞれの一般電気
事業者が購入条件をあらかじめ自主的に設定をいたしまして、これをメニューの形で示すという仕組みでございます。
特に、この中でも風力発電につきましては、その発電コストが近年比較的商業ベースに近づいているということを踏まえまして、電力各社は、昨年度から長期的な、十年、十五年といった長期間のコミットをする買い取りを可能とするような購入メニューも設定しているところでございます。
こういった
制度を通じまして、
平成十年度におきます自然エネルギーの購入実績を御紹介させていただきますと、電力十社合計で、風力発電につきましては、契約件数三十七件、出力にいたしまして二万二千八百二十六キロワット、購入電力量にいたしますと二千三百八十五万キロワットアワーということになるのでございます。また、太陽光発電につきましては、契約件数が一万四千五百二十六件、出力にいたしまして五万七千二百三キロワット、購入電力量にいたしまして一千七百四十五万キロワットアワーという実績でございます。
また、私
ども政府といたしましても、これまでも、民間
事業者の方々あるいは
地方公共団体が行われます新エネルギー設備の初期投資に対しまして、設置費の二分の一から三分の一程度の補助をさせていただいているということでございまして、これと電力会社の余剰電力購入
制度とが相まちまして、新エネルギーの
導入が進展をしているという
状況にあろうかというふうに
考えております。
また、こうした電力会社の自主的な取り組みをさらに
制度化するべきではないかという御
指摘でございます。
この自然エネルギーは、一方で現時点では、御
指摘のように非常に有益なものでございますけれ
ども、一般的な電源に比較いたしますとコストあるいは出力が自然条件に左右されるといったような
課題も抱えております。電源といたしましては補完的な位置づけという
状況にあるわけでございますので、今御紹介いたしましたような
制度を
活用いたしまして、いかにコストダウンを図り、あるいは不安定性の解消を行うかということについて、私
どもは
努力をさせていただきたいというふうに
考えているわけでございます。
買い取り義務化につきましては、確かに、欧州諸国で
導入拡大に貢献したということも伺っております。
我が国におきましては、この電源を固定価格で買い取る、その義務をつけるということにつきましては、やはり、電力分野についても今まさに競争原理を
導入して市場競争の
活性化を図ろうとしているといった国の政策との一体性の
確保等々、
考えるべき点も多いということでございまして、これは慎重に
対応すべきものというふうに
考えております。
ただ、いずれにいたしましても、現在、総合エネルギー
調査会に新エネルギー部会を立ち上げまして、海外の
導入政策の動向も
調査するなど、さまざまな論点について
検討を行っているということでございますので、その
検討結果を踏まえて
対応してまいりたいというふうに
考えております。
次にお尋ねの、高レベル放射性廃棄物の最終処分の件でございます。
高レベル放射性廃棄物の処分に向けての基本的な
考え方につきましては、
平成十年の五月に、原子力
委員会高レベル放射性廃棄物処分懇談会報告書が取りまとめられております。また、同年六月の原子力
委員会決定におきまして、この結論が妥当だという判断に至っているのでございます。
この報告書によりますと、高レベル放射性廃棄物は、地表において超長期にわたって管理するよりも、地層処分をすることが、
我が国も含めまして国際的に最も好ましい方策としての共通の
考え方になっているのであるというふうにされております。また、実際、諸外国におきましては、地層処分を
実施するために、既に処分費用の
確保、あるいは処分
実施主体の設立といった準備を進めているところでございます。
こうした
状況を踏まえまして、現在私
ども通商産業省におきましては、特定放射性廃棄物の最終処分に関する
法律を、これは仮称でございますが、今次通常国会に提出させていただくよう鋭意作業をさせていただいているという
状況にございます。
また、この最終処分の
制度化に際して、処分場の選定等において
地元の方々の御意見を
配慮すべきであるという先生の御
指摘でございますけれ
ども、確かに、高レベル放射性廃棄物の処分場の選定等におきましては、国民の皆様あるいは
地元自治体の方々の御理解と協力が不可欠でございます。こうした観点から、現在私
どもで策定作業を進めております、先ほど御紹介を申し上げました
法律案におきましては、処分地選定のさまざまな
段階に応じて、所在地を管轄する
都道府県知事及び
市町村長の意見を伺うということを念頭に置いて策定をさせていただいております。
いずれにいたしましても、国民あるいは
地元の皆様の御理解を得て、この高レベル放射性廃棄物処分
対策を着実に進めてまいりたいというふうに
考えております。