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2000-04-18 第147回国会 衆議院 災害対策特別委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十二年四月十八日(火曜日)     午後二時四十七分開議  出席委員    委員長 青木 宏之君     理事 稲葉 大和君 理事 今村 雅弘君    理事 宮路 和明君 理事 吉田六左エ門君    理事 日野 市朗君 理事 渡辺  周君    理事 上田  勇君 理事 平賀 高成君       浅野 勝人君    木村  勉君       栗原 博久君    小島 敏男君       小林 多門君    佐田玄一郎君       佐藤 静雄君    砂田 圭佑君       田中眞紀子君    竹本 直一君       蓮実  進君    桧田  仁君       松下 忠洋君   三ツ林弥太郎君       宮本 一三君    目片  信君       望月 義夫君    山本 幸三君       渡辺 博道君    渡辺 喜美君       池端 清一君    小林  守君       辻  一彦君    葉山  峻君       松崎 公昭君    山本 譲司君       漆原 良夫君    旭道山和泰君       丸谷 佳織君    藤木 洋子君       三沢  淳君    佐々木洋平君       達増 拓也君    北沢 清功君     …………………………………    国務大臣    (国土庁長官)      中山 正暉君    国土政務次官       増田 敏男君    政府参考人    (警察庁長官官房審議官) 佐々木俊雄君    政府参考人    (国土庁防災局長)    生田 長人君    政府参考人    (文部省初等中等教育局長    )            御手洗 康君    政府参考人    (文部省教育助成局長)  矢野 重典君    政府参考人    (文部省高等教育局長)  佐々木正峰君    政府参考人    (厚生大臣官房審議官)  堤  修三君    政府参考人    (厚生省社会援護局長) 炭谷  茂君    政府参考人    (農林水産省経済局長)  石原  葵君    政府参考人    (農林水産省経済局統計情    報部長)         西藤 久三君    政府参考人    (水産庁長官)      中須 勇雄君    政府参考人    (中小企業庁長官)    岩田 満泰君    政府参考人    (運輸省運輸政策局観光部    長)           藤野 公孝君    政府参考人    (気象庁長官)      山本 孝二君    政府参考人    (労働省職業安定局長)  渡邊  信君    政府参考人    (建設省道路局長)    大石 久和君    政府参考人    (自治省財政局長)    嶋津  昭君    政府参考人    (消防庁長官)      鈴木 正明君    衆議院調査局第三特別調査     室長           澤崎 義紀君     ————————————— 委員の異動 四月十八日  辞任         補欠選任   奥谷  通君     小島 敏男君   宮本 一三君     山本 幸三君   渡辺 博道君     佐藤 静雄君   小林  守君     池端 清一君   赤羽 一嘉君     丸谷 佳織君   鰐淵 俊之君     達増 拓也君 同日  辞任         補欠選任   小島 敏男君     木村  勉君   佐藤 静雄君     渡辺 博道君   山本 幸三君     宮本 一三君   池端 清一君     小林  守君   丸谷 佳織君     赤羽 一嘉君   達増 拓也君     鰐淵 俊之君 同日  辞任         補欠選任   木村  勉君     奥谷  通君     ————————————— 本日の会議に付した案件  政府参考人出頭要求に関する件  災害対策に関する件(平成十二年有珠山噴火及び対策状況)     午後二時四十七分開議      ————◇—————
  2. 青木宏之

  3. 青木宏之

    青木委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     —————————————
  4. 青木宏之

    青木委員長 平成十二年有珠山噴火及び対策状況について、政府から説明を聴取いたします。生田国土庁防災局長
  5. 生田長人

    生田政府参考人 有珠山火山活動対策につきまして、お手元に配付しております資料に基づきまして御報告を申し上げたいと思います。  有珠山は、御承知のとおり、三月二十七日午前から火山性地震が発生し始めまして、四日後の三月三十一日十三時十分ごろ、西山山ろく噴火をいたしました。  政府は、噴火前の三月二十九日十一時三十分、頻発する地震噴火につながる可能性を考慮いたしまして、有珠山関係省庁局長級会議を開催して対応検討し、十三時三十分、ハザードマップに従いまして、地元市町避難勧告を行いました。  その後、事態の変化対応いたしまして、十八時三十分、避難勧告避難指示に切りかえられ、十八時五十五分には、既に現地に入っておりました国の関係省庁北海道庁、地元市町から成る現地連絡調整会議を開催いたしまして、対応検討を開始いたしました。  避難は三十日にほぼ完了いたしましたけれども、この日、現地の指揮をとるために、国土庁総括政務次官現地に派遣しております。  三月三十一日に噴火が生じたわけでございますが、噴火の五十分後、関係閣僚会議が開催されまして、その場で、総理から非常災害対策本部設置するように指示がなされました。これを受けまして、十四時三十分に、中山国土庁長官本部長とする平成十二年有珠山噴火非常災害対策本部設置するとともに、現地伊達市に現地対策本部設置いたしました。  その後、直ちに第一回の非常災害対策本部会議が開催されまして、応急対策基本方針を決定するとともに、十六時には国土庁長官を団長とする政府調査団現地に派遣いたしました。  一方、現地では、今日に至るまで連日、現地対策本部会議が開かれまして、地元地方公共団体との間で被災者対策中心に具体的な方針協議するとともに、住民に対する情報提供を頻繁に実施しております。  その後、四月の十二日でございますが、火山噴火予知連絡会が、現状観測データでは山頂部での大規模噴火に移行することを示す現象は見られない、その前には地殻変動等変化観測されると考えられ、当面は北西山ろくでの噴火活動に対する警戒が最も重要であるという新見解を発表いたしました。これに伴いまして、十三日から避難指示対象区域の一部を一時的に解除することにいたしました。  次に、避難状況現状について申し上げます。  一部地域避難指示の解除の結果、避難指示対象者は、表にございますように、それまでの一万三千三十九人から八千二百九十人に減少しております。避難所避難中の者は、現在、四千百四十五人となっております。  現在のところ、人的被害報告されておりませんけれども、橋の流出、道路の破損、詳しくは確認できておりませんが、家屋の全壊も見られるに至っております。  次に、現地における主な対応状況について報告をいたします。  現地対策本部は、国側の二十一省庁と、道庁、伊達市長虻田町長壮瞥町長出席いたしまして、連日、医療保健などの避難者対策から短時間帰宅まで、現場実施するすべての対策につきまして綿密な打ち合わせを行い、避難住民要望にきめ細かくこたえているところでございます。  以下、具体的に実施に移している対策について、主なものを説明いたします。  まず、避難者の不安を少しでも軽減するために、現時点における火山状況、それから、行政側がとっている、あるいはとろうとしている具体的な対策、自分の家の状況がわかるような空撮ビデオの配信など、可能な限りの情報提供に努めております。  なお、北海道警察では、すべての避難所女性警察官七十人を含む警察官を派遣して、各種の困り事相談に応じているところでございます。  次に、長期に及んでおります避難生活対応いたしまして、各避難所救急隊、救護班、保健婦、心のケア担当精神保健医二班を派遣いたしますとともに、避難所生活環境の向上に努めているところでございます。  次に、避難者の方の住宅確保につきましては、現在、五百戸の応急仮設住宅建設に着手するとともに、既存公営住宅約三百六十戸、民間の空き社宅七十戸の提供を行いつつあります。  次に、避難に伴いまして休止を余儀なくされております商工業観光業農林漁業といった事業者方々に対しましては、つなぎ資金を初めといたしまして低利資金融資を行うとともに、既往債務償還猶予など返済条件緩和実施中でありますが、相談窓口を設けまして具体の相談に応じております。  また、従業者方々に対しましては、生活資金の手当て、休業中の雇用保険基本手当支給などを行うほか、雇用相談窓口を開設いたしまして、新たな就職相談などに対応をしているところでございます。  次に、避難者児童生徒の就学問題についてでありますが、一時転入を認めるとともに、避難所近隣の校舎を借りまして、四月十七日より授業を再開しております。  最後に、避難指示が出されている区域道路につきましては、危険に応じた交通規制実施しております。その内容につきましては、お手元に配付しております図のとおりでございます。  今後、火山状況変化対応いたしまして、迅速かつ柔軟できめの細かい対応現地本部中心実施していくこととしております。国は、全力を挙げてこれを支援する方針でございます。  以上、御報告申し上げます。
  6. 青木宏之

  7. 山本孝二

    山本政府参考人 このたび、気象庁長官を拝命しました山本孝二でございます。  委員長を初め委員先生方には日ごろからお世話になっております。今後ともよろしくお願いいたします。  さて、有珠山火山活動状況について御報告いたします。  有珠山では、これは北海道胆振支庁にあるわけですが、三月三十一日、西側山ろくでの最初の噴火が発生し、四月一日には北西側金比羅山西側山ろくでも噴火し、その後、これらの有珠山北西部地域で断続的に小規模噴火、これは水蒸気爆発ないしはマグマ水蒸気爆発を含んでおりますが、これを繰り返しております。  気象庁は、四月十二日に伊達市内におきまして、火山噴火予知連絡会の全体会議を開催し、有珠山活動現状と今後の見通しについて検討を行いました。  その結果、今後の見通しにつきましては、当面は現状と同様に、水蒸気爆発ないしは弱いマグマ水蒸気爆発が継続する見通しであること、今後、地下水マグマ関係変化した場合には、北西山ろくでやや大きな爆発が発生し、時には火砕サージを伴う可能性があること、このような活動に推移するとすれば、その前には噴煙等変化地殻変動等を総合的に解析し、監視することにより、その到来を事前にとらえることは可能であること、山頂部の大規模噴火に移行する兆候は、現在のところ見られないことなどのことを統一見解として発表しております。  統一見解発表以降の現地での観測によりますと、有珠山北西山ろく火山活動については、この二、三日でございますが、白い噴煙に加え、泥のまじった灰色の噴煙が生ずるようになり、比較的大きなマグマ水蒸気爆発が約一時間間隔で見られるようになってきております。また、一部地域では、これはちょうど金比羅山北西山ろく中間地点でございますが、おおむね一日当たり約一メートルの地盤の隆起が続いております。  これらの現象につきましては、十二日の統一見解見通しの範囲内にあるものと考えられますが、今後さらなる変化変動加速等が見られた場合は新たな活動期に移行するものと考えられ、次の爆発的噴火に備える必要がございます。  以上のように、有珠山火山活動は、依然として高いレベルでの活動が継続しており、特に、当面は北西山ろくでの噴火活動に対する監視が重要であり、今後とも厳重な警戒が必要であります。  また、活動が新たな状態に移行する前の噴煙地震地殻変動等変化を確実にとらえるためには、観測体制整備が極めて重要でございます。気象庁は、このため、噴煙については監視カメラの増設を、地殻地震活動については地震計GPS等を増設して観測密度を上げるなどの整備を計画しております。  今後とも、大学、国の研究機関、その他関係機関等と緊密な連携を図りつつ、火山活動状況に応じた適切な観測監視体制をとってまいる所存であります。  以上、有珠山火山活動について御報告いたします。
  8. 青木宏之

    青木委員長 これにて説明は終わりました。     —————————————
  9. 青木宏之

    青木委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。佐藤静雄君。
  10. 佐藤静雄

    佐藤(静)委員 自由民主党佐藤静雄です。  我々自由民主党も、三月三十日、対策本部をつくり、その日のうちに、私も現地対策本部長として現地入りをいたしました。そのときは増田総括政務次官は既に現地に入っておりまして、北海道開発政務次官米田政務次官も入っておられましたけれども、早速対応に当たっておりました。  今回、政府としても相当早くから、研究者予知が非常に正確であったということもあって、政府対策が非常に迅速にいったと私は思っております。ですから、地元方々も非常に感謝をいたしておりました。増田政務次官も、時たま国会の都合でこっちへ帰ってこられますけれども、ほとんど向こうにいるような状態で、大変な御尽力をいただきまして、私は北海道の人間でありますから、本当に心より感謝を申し上げたいと思います。  向こうへ行きましてから、総括政務次官といろいろ打ち合わせをさせていただきまして、三十日、早速、避難者の皆さんの対応等について話し合いをしまして、またいろいろな提案を私もさせていただきまして、いろいろなことをさせていただきました。そしてまた、翌日、避難地をずっと一緒に回らせていただいたりしまして、政務次官の積極的な対応に非常に私も感謝を申し上げておったわけであります。  そこで、先ほど国土庁から説明がありましたけれども、いろいろな対応があったわけであります。  特にその中において、家畜の移動ですとか、金融機関窓口設置ですとか、それからペットペットというのは、これはみんな愛情が移っておりますから、置いてきたことに対して非常に気にしておりましたけれども、ペットの収容の問題。それから、下着等生活用品の供給ですとか、洗濯機乾燥機などの設置。それから、避難者への十分な情報提供ということが必要でありますから、避難先にNTTの協力をいただいて映像配信をしたことですとか、高齢者方々医療面対応ですとか、まだ畳を敷いていないところがあったりしまして、畳を早く敷いてくれとか、いろいろなことをお願いし、本部長である増田政務次官、どんどん処理をしていただきまして、非常によかったと私は思っております。  続けて、今度は国土庁長官がすぐ入る、開発庁長官も入ってくる。非常に次から次へと手を打っていかれたと思っています。  そこで、幾つかまだ現地方々が、当然もう手を打っていただいておりますけれども、さらに一歩進んだ対応が求められるということがあるわけであります。  例えばホテルや旅館などを経営している方々事業者方々、この方々は、営業ができないわけでありますから、現在の制度資金では金利がついてしまう、利息がついてしまう。営業していないで利息を生み出すことはできないわけでありますから、そこで、何とかして新しい無利子の枠を設けることはできないか、そういう要望があるわけでありますけれども、それは今後どういうふうに考えるのか。それから、従業員方々生活資金、学費を送ったりする生活資金。そして、パートが圧倒的に多いわけでありますから、仕事ができない、そんなことの対応策。  それから、国道二百三十号線という、その国道の真ん中に噴火口ができてしまって、もう今の段階では使い物にならない。将来がどうなるかもわからない。別ルートを早く発表して、別ルート建設に取りかかってくれないかという要望もありましたけれども、それは一体どういうことを考えておられるのか。  それから、火山灰が非常にたまっております。まだ雪が残っていますが、雪も解けてくる。雨の季節になると、それが泥流となってどんどん下に流れ出してきます。砂防ダムも少ないですし、まだ現地に入ってそういうものをつくるような段階ではございませんけれども、将来、相当大規模砂防ダムなどをつくったりすることがどうしても必要かと思います。そんなことを含めて、どういう対応をこれからされるおつもりなのか、お聞きしたいと思います。
  11. 増田敏男

    増田政務次官 お答えを申し上げますが、先生には、地元出身の議員ということももちろんおありかと思いますが、早速に現地対策本部おいでをいただきまして、今回の噴火対策にいろいろと御尽力をいただいておりました。特に、数多くの御助言には感謝をいたしております。  御承知のとおり、実施に移した施策は、すべて現地合同会議におきまして地元の市、町との協議を行った上で、国の支援として実施してきたところであります。  今お尋ね観光あるいは商工業農林漁業等生業対策につきましては、政府系金融機関による低利つなぎ資金融資既往債務返済猶予等返済条件緩和などを行ってきておるところであります。  先生の方からは、もう一歩進めて金融対策はどうかという今御質問、御要請があったものと考えております。  融資につきましては、地元市長さん、町長さん、そして、過日、森内閣総理大臣現地おいでをいただいた折にも、北海道堀知事からも要請がなされました。そこで、地元十分協議をしながら、しかも早急に何かいい方法はないかという協議を整えなければというのが、現地にいる私の感じ方、考え方であります。したがって、それに基づいてという頭を持っております。  なお、生活資金確保につきましては、雇用保険基本手当支給生活福祉資金特別枠所得制限撤廃等でありますが、行っております。また、学資対策につきましては、道の教育委員会判断により、授業料等の負担が困難となった生徒さんについては、その減免措置が講じられるものと考えております。  また、噴火により長期に不通となることが予想されております道路につきましては、直轄事業によるお尋ね国道二百三十号の代替機能確保や、あるいは現在の位置での復旧が困難な町道ルート変更を含めた復旧方針検討など、今後、地元自治体調整をしながら所要の対策検討していく、このように聞いております。実態佐藤先生よく御案内のとおりで、私も二百三十号は、あの通りは使えないと判断をいたしておりますので、担当の者としては真剣な取り組みがなされておると思います。  そこで、有珠山に係る砂防工事につきましては、建設省等土砂災害専門家チームによる火山泥流や土石流の監視観測を踏まえまして、無人化施工機械を使用した除石等緊急対策実施して、火山活動が鎮静化し次第、早急な対応対策を講じる、こういう予定であると聞いております。  今後とも、引き続きまして、火山活動を注視しながら、住民方々安全確保に万全を期すとともに、被災者方々生活あるいは生業対策について、地域のニーズを踏まえ、地元自治体と十分に連携をとりながら、政府一丸となって対応してまいりたいと考えております。その際、私は、現地最高責任者として、現場政府との連絡を密にし、迅速な対応に努めようという意欲に燃えているところでありますので、引き続いて御指導、御支援をお願いしたいと思います。
  12. 佐藤静雄

    佐藤(静)委員 増田本部長から非常に積極的な御答弁をいただきました。なお一層、生業経営者方々に対する資金の問題、今非常に前向きな御答弁をいただきましたけれども、ひとつできるだけ早く実現できるようにお願いいたしたい、そう思っております。  それから、今従業員方々などのお話がありましたけれども、労働省にちょっとお聞きしたいのですが、今、温泉街があのように全く営業できない状態にあります。さらに、その温泉街に通っていた方々も全く今は失業状態にあると思っております。  初めのころ、労働省から現地担当者がまだ常駐していなかったということでありまして、私も本部長にお願いをして、労働省からも常駐していただいて、その後の対応策をやっていただいているのでありますけれども、失業者発生状態、また失業保険給付対象者数、それから早期の失業保険給付雇用対策、これは非常にみんな不安な状態にあるわけでありますけれども、それらの問題に対して、どのような実態になっているのか、どのように対応しようとしているのか、御答弁をいただきたいと思います。
  13. 渡邊信

    渡邊政府参考人 まず、失業状態でございますけれども、災害救助法適用区域であります伊達市、虻田町及び壮瞥町を含みます室蘭の公共職業安定所伊達分室管内、ここにおきます雇用保険の被保険者数は二月末で一万四百十九人でございますが、このうち、現在までに五十二人の方が失業給付支給決定を受けております。  この失業給付あるいは迅速な支給ということにつきましては、この災害によって事業休業している、失業はしていなくても休業状態失業給付を出せるという特例措置を現在はとっております。  さらに、事業主の方がなかなか行方がつかめないというときには、安定所におきましてその事業主の所在を確認するという努力をするようにしておりますし、仮に事業主の方の行方がわからないというときには、安定所におきまして事実確認をした上で離職票を発行するという特例的な手続をとることにしております。  また、この地域におきます雇用対策でございますが、以上述べましたような雇用保険の特例的な支給等に加えまして、労働問題に関します総合的な相談窓口安定所伊達分室に設けておりますし、雇用調整助成金を四月十四日からこの地域に適用するということにしておりまして、休業等に対しては、その三分の二を中小企業については助成をするというふうな措置をとっているところであります。  また、新規高校卒業者採用時期の繰り下げが行われておりまして、私ども把握しておるところでは、高卒内定者が百三十八名おられるそうですが、この方たちの大部分について採用の繰り下げが行われているというふうに聞いております。  この方につきましては、内定が取り消されることがないように安定所の方から要請をするという努力をしておりますし、また、この内定者の方を採用して直ちに休業するというふうなときにも、先ほど申しました雇用調整助成金支給対象とするということにしております。通常は採用後六カ月以上たった方を適用対象にしておりますが、採用後直ちに休業に入るといった場合にも雇用調整助成金対象といたしまして、採用内定が取り消されることがないように努力をしているところでございます。  また、昨年の夏の補正で組んでいただきました緊急地域雇用特別交付金事業を活用いたしまして、農漁業者等の自営業者、あるいはその入職時期が繰り下げになりました学卒の内定者も含めた休業者、こういった方を雇用して臨時的な就業の場を確保できる事業、これはどういったものができるかということを、今、道の方において真剣に検討中でございます。私どもとしても、そういった相談に乗るというふうなことに努力をいたしまして、雇用対策に努めていきたいと考えているところであります。
  14. 佐藤静雄

    佐藤(静)委員 たくさん質問があるので、お答えはなるべく短くお願いしたいと思います。  もう一つ、参考に聞かせていただきたいのですけれども、道路の方の通行規制によって農業のハウス栽培農家が全滅だと言われているのですけれども、その被害状況、それから同様に、ホタテ養殖業者の被害状況、今つかめるだけのところではどういう被害状況だったか、お聞かせいただきたいと思います。
  15. 西藤久三

    西藤政府参考人 ハウス栽培農家の被害状況について御説明させていただきます。  四月十三日から伊達市内で、今回一時避難解除がされた地区の農作物の被害状況を把握いたしております。この地区は、耕地面積が約五百ヘクタールで、野菜のハウス栽培が非常に盛んな地域でございまして、調査におきましては、ハウス栽培農家三十七戸に聞き取りを行っております。そういう中で、収穫期にあったホウレンソウなどは管理ができなかったことから出荷できず廃棄されているとか、あるいは育苗中の野菜、キャベツ、レタス、メロンなどでございますけれども、これらについても苗の廃棄が行われているというような状況でございます。  ただ、現時点では被害状況を定量的に把握するまでに至っておりませんで、引き続き虻田町、壮瞥町の一時避難解除地区の被害状況等の把握を行っているところでございまして、今後継続的に調査を行いまして、正確な被害の把握に努めたいというふうに思っております。
  16. 中須勇雄

    中須政府参考人 ホタテ養殖の状況について御説明申し上げます。  御承知のとおり、この有珠山噴火によりまして、有珠漁協あるいは虻田漁協におきましては、避難指示区域あるいは規制海域の設定によりホタテ養殖の管理作業が一時的にできないという事態が生じました。  この後四月九日には、関係方面の御努力によりまして、厳重な監視態勢のもとに、一時的に養殖管理作業を実施するということが行われました。そしてまた十三日以降は、避難指示区域の縮小を受けまして、作業がかなり本格化しております。有珠漁協においてはほぼ通常の放流用稚貝の出荷作業というのが行われております。ただ、虻田漁協におきましては、漁港が昼間七時間の立ち入りに限られておるということで、時間が限定されて作業が進められているということであります。  これから、ちょうど今出荷あるいは耳づり作業の最盛期でございまして、おくれをどこまで取り戻せるか、今懸命の努力を漁業者がやっているところでありまして、被害状況をどこまで回復できるか、まだ確かなめどは立っておりません。
  17. 佐藤静雄

    佐藤(静)委員 私は今なぜそのことをお聞きしたかと申しますと、道路が規制をされて、そのためにハウスを見に行けなかった、そしてまた海にも出られなかった、そのことがこういうことになったわけであります。  もちろん人の命が第一の優先でありますから、入れないように規制をするのは当然であります。しかし、後になって考えると、もっと自己責任というものをここに入れれば、ある程度の規制をしいたとしても、その人の入る自己責任というものをしっかりとやればもっと早く管理をできたのではないか。やはりその方々は、もう少し自分たちに緩やかなことをやってもらえれば助かった、そう言っておるわけですね。  ですから、それは非常に難しい問題があるけれども、しかし、これからの時代というのは、自己責任というものを確立していくということが私はどうも大切なような気がします。それについてちょっと御見解をお聞かせいただきたいと思います。
  18. 佐々木俊雄

    ○佐々木(俊)政府参考人 先ほど報告がございましたように、今回の噴火に伴いましては、北海道警察では、関係市長さんあるいは町長さんが災害の防止のため行いました避難勧告あるいは避難指示、この対象地域中心といたしまして、交通の安全と円滑及び災害応急対策の的確・円滑な遂行を目的としまして交通規制実施しておるところでございます。  この交通規制実施に当たりましては、関係市や町あるいは関係機関と十分に協議をいたしまして、地域住民の日常生活への影響を最小限度とするということを方針といたしまして、事態の推移に応じ、規制区間の変更や安全を見きわめた上で交通規制の解除を行うとともに、地域住民の日常生活にかかわる車両を交通規制から除外するなどの措置を講じ、きめ細かな交通規制の見直しを行ってきたところでございます。  今後も、地域住民の皆様方の安全と日常生活への影響等を十分に考慮いたしまして、関係機関とも十分に協議を行い、適切な交通規制実施してまいりたい、このように考えております。
  19. 佐藤静雄

    佐藤(静)委員 いやいや、僕はそういうことを聞いたのではなくて、それはいいですよ、警察だからその辺の答えしかできないでしょう。  大臣、ひとつこれからぜひともそういうことを考えてください。自己責任の確立というものがやはりある程度必要だ、そういう時代が来ていると思っています。何でもかんでも全面的にこうした規制をしてしまうのではなくて、今後の問題としてぜひとも考えていただきたい、そう思います。  それから、時間がないのでちょっと急ぎますけれども、ある程度になったときに復旧段階に入っていくわけでありますけれども、北海道関係自治体、避難者を受け入れた地域、そういう地域に対する十分な財政的支援をひとつぜひともお願いいたしたいと思います。  この間、関係自治体への普通交付税の前倒し交付を実施していただいたわけでありますね。六月にすべきことをついこの間やっていただいたわけですけれども、しかし、関係市町村というのは、伊達虻田壮瞥ばかりじゃなくして、避難者をたくさん受け入れた豊浦町ですとか洞爺村ですとか長万部町、登別市、室蘭市があったわけでありますけれども、そういうところも非常に多くの支出をしているわけですね。ですから、ぜひとも六月の交付の前に第二回目の前倒しをやっていただきたいということが一つ。  それから、総理が行かれたときに、激甚災の指定もできるだけ早くしたいということをお答えになっておりますけれども、この激甚災には本激と局激の二種類しかございません。私は、北海道のようなああいう広いところを見てみますと、本激と局激の中間的な都道府県単位の基準を設けて、局激よりもより広域的な災害対応できるようなものをつくるべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。
  20. 嶋津昭

    嶋津政府参考人 お答えいたします。  今委員御指摘のように、一市二町に対する普通交付税の繰り上げ交付は、きょう、六月分の現金交付の繰り上げ交付を行いました。周辺の町村も避難民の受け入れあるいは応援、そういうようなものがあるじゃないかという御指摘でございますが、そういう点につきましては、具体的なそれぞれの地域資金需要なり財政需要をよく調査させていただきまして、適切にこれから対処していきたいというふうに考えております。
  21. 中山正暉

    中山国務大臣 先生には当初からいろいろな御示唆をいただきまして、特に先生建設政務次官も御経験でいらっしゃいますし、御地元でございますので、適切な御指示によりまして、増田政務次官には噴火前にお入りいただきました。先般、三十一日に噴火いたしました際、私たち現地に入りまして、現地でも御指導いただいておりますことを心からまず敬意を表したいと思います。  私は、帰ってまいりましてすぐに総理のところへ作業服のまま御報告に行きまして、そして先ほどのいわゆる災害基本法で指示を出すのは地方自治体の長でございますから、全部指示を出して、その地域を危ないということで指定をして、そして、指定したら責任がないという形になっているところが少し問題じゃないだろうかと総理大臣と話をいたしまして、できるだけ地域を選別して、おうちへお帰りになりたい方、それから家畜にえさをやりたい方、またホタテの問題、そんなものをやるようなことを考えなければいけないという話をしたのが、総理との最後の、総理大臣としてのお話になったわけでございます。  今、いろいろな措置を講じなければいけないということで、先生御指摘になりました、災害地域を特定せずに激甚災害として指定するいわゆる本激については、指定基準がA基準とB基準の二通りに区分をされております。  このうち、全国的に大規模な被害、約一千五百億円以上ということでございますけれども、これは平成十一年度でございますが、もたらすような災害についてはA基準で指定することになっておりますが、ある特定の都道府県を中心に激甚な被害、いわゆるこれは六百億以上ということでございますが、そういう災害が発生した場合にはB基準を用いることになっておりまして、都道府県レベルでの大災害はこのB基準で対応いたしております。  今回のような災害では、施設等に被害が発生していると考えられる現地への立ち入りが難しいために、どの程度の被害が生じているかの把握が困難であるということで、現時点における大胆な推計によれば、被害の程度から、局激のレベルの災害でないか、かように思っております。  参議院での御答弁でも私は申しておきましたが、時間の問題で、これは早く適用するような方向に向かいたい、けさの閣議でも総理から現地に入られた御報告がありましたが、その際、そういう答弁を私はいたしておりますということを言っておきましたので、できるだけ災害状況を把握して体制をとりたい、かように思っております。
  22. 佐藤静雄

    佐藤(静)委員 これは突っ込んで話したいんですけれども、もう時間がありませんから別のに移りますけれども、ちょっと続けてやってしまいます。  全国的に、噴火等による自然災害の発生の確率が高い地域気象庁の資料を見てみますと、気象庁の常時観測火山というのが、精密火山として五火山、普通観測火山として十四火山、二つ合わせて十九ある。さらに、活動的で特に重点的に観測をしているところ十三、さらに、潜在的爆発力を有する火山二十三、合計で三十六。全部合わせて五十五の火山があるわけですね。  今回、私はつくづく思ったんですけれども、そういう地域というのは、公民館ですとか、スポーツセンターですとか、コミュニティーセンターとか、そういうところはやはり何かのときに避難できる施設というものをふだんからつくっておくべきではないのか、そして、今そういう施設がないところは増設してつくるべきではないのか。例えば、洗濯機を置くといっても、電気の容量が足りなくて置けない、それからさらに、排水の設備もない、トイレも不足する、いろいろなことが起きてきているわけですね。ですから、ぜひともそういうことを考えていただきたいということが一つ。  それから、今度省庁再編で、防災局というものが格下げされるような機構になっているわけです。今度、防災や何かは内閣府でやるんですけれども、内閣府には、特命担当大臣というのは置けることになっておりますけれども、私は、防災というものに対して特命担当大臣というものを置いていいんじゃないか。火山ですとかいろいろな災害、日本は年がら年じゅうあるわけですね。やはりその専門家がいて、そして、いつも全国を回っていろいろなことをやりながらそのときに対応しておく、いつでも対応できるという体制をつくり上げていく、そのためにぜひともそういうことを考えていただきたいと思うわけです。  以上、お答えをお願いいたしたいと思います。
  23. 炭谷茂

    炭谷政府参考人 災害における場合の避難施設としての公的施設の整備の問題でございます。  御指摘のように、自然災害の発生する可能性の高い地域において公共施設を整備する場合には、避難先として使用される公共施設についてもできる限りこれに対応できるような構造や設備を備えること、また、災害時に必要な物品の備品についても可能な限り配慮することが必要であると考えております。  このような対応が行われるよう、厚生省の施設、例えば老人福祉センター、地域福祉センターなどがございますでしょうけれども、これらの取り扱いに取り組むとともに、関係省庁にもお願いしてまいりたいというふうに考えております。
  24. 中山正暉

    中山国務大臣 今回の場合でも、ハザードマップというのが十五地域、これは伊豆半島の東側だけが今海中でございますのでありませんけれども、日本には八十六の火山があります。北海道が十五、北方領土を入れますと二十五ということでございます。アメリカにはFEMAみたいな組織がありまして、二千六百人の人を常時抱えておりますが、日本には五十名。それからまた、アメリカのFEMAなんかは四千人動員できるような体制があります。  先生お話しのように、内閣府に移行いたしましたら内閣総理大臣がリーダーシップを発揮する、そういう体制を確立することになっておりますので、今回の場合は、国土庁としての調整機能を持っている私が、噴火前から総理大臣からいざというときにはあなたが本部長をやってくれという御指名をいただいておりましたので、直ちに、五十分後に本部が立ち上がりまして、総理大臣から指名がありました。  これから、そういう意味で、火山列島の日本としては、こういう災害にどう対応するかということを懸命に、真剣に、これからの行政機構の改革、来年の一月の六日からスタートするわけでございますが、私どもはこれは危機管理という問題で真剣に考えなければいけないことだ、かように思っております。
  25. 佐藤静雄

    佐藤(静)委員 終わります。
  26. 青木宏之

  27. 池端清一

    池端委員 今回の有珠山噴火災害対策につきまして、中山国土庁長官初め増田国土総括政務次官、そして関係省庁の皆さん方が連日、不眠不休で大変な御苦労をいただいておる、御精励、御奮闘いただいておることに、私は心から敬意を表し、感謝を申し上げるものでございます。  私ごとで恐縮でございますが、有珠山は私の地元でございます。私が本院に議席を得たのが昭和五十一年十二月の総選挙でございました。翌年の昭和五十二年の八月七日に有珠山が大噴火をいたしたわけでございます。  そのときの惨状は、降灰に埋まったあの虻田町、洞爺湖畔は、本当にこれで再生できるのだろうか、復興できるのだろうかと思わせるような大変な惨状でございましたが、関係省庁の皆さん方の大変な御尽力と、地元住民の一致団結した御苦労によって、洞爺湖は北海道有数の観光地として復興したわけでございます。  ところが、今回、残念ながら三月三十一日に二十三年ぶりに噴火をいたしました。私は、今国会をもって政治から身を引こうと思っているものでございまして、くしき因縁と申しますか、有珠山噴火に始まり、有珠山噴火に終わる、こういうような状況でございます。それだけに、最後の有終の美を飾るためにも、皆さん方と力を合わせて、また党派を超えて、この問題については真剣に取り組んでいかなければならない、こういう決意を固めておるところでございます。  今回、速やかな避難態勢によって幸いにも犠牲者は現段階では出ておりません。本当にこれも、二十三年前の噴火の教訓が生かされる、あるいは奥尻の津波災害の教訓、そして雲仙・普賢岳の教訓、そしてさらには阪神・淡路大震災の教訓が見事に生かされたものである、そういう意味で、今日、犠牲者を出しておらぬことは本当に不幸中の幸いだ、こう思っておるわけでございます。  私は、そういう意味において、政府の今般の危機管理のしっかりした体制の確立、心から感謝を申し上げるところでございますし、また、関係省庁、それに道、関係自治体の長の皆さん、職員の皆さんが連日、不眠不休で頑張っておられる、このことにただただ頭が下がる思いでございます。増田政務次官にも、長らく現地に張りついて御苦労をいただきましたこと、重ねてお礼を申し上げる次第でございます。  さらに、私は、今回のこの状況は、北大の岡田教授を初めとする噴火予知連絡会の皆さん方の本当にたゆまぬ、献身的な活躍も大いに寄与、貢献をしたのではないか、こう思いますし、ボランティアの皆さんの活動もあります。さらには、報道陣の正確、迅速な報道、これによって住民の皆さん方の対応も素早いものになった。いろいろな要素があるわけでございまして、地元の一人として、改めて感謝を申し上げるものでございます。  我が党としても、民主党としても、いち早く災害対策本部を立ち上げまして、三月二十九日に設立をいたしまして、三月三十日には、鳩山代表を先頭にして現地調査並びに関係者の激励、被災者の見舞い等も行ってまいりましたし、四月の七日には、森総理にも具体的な要請等についても陳情を申し上げた、こういうような状況になっておるわけでございます。  そこで質問になるわけでありますが、私の質問は、一時間という時間を与えられておりますので、広範多岐にわたっておりますので、御答弁はひとつ的確にお答えをいただきたい、こう思うわけでございます。  まず、今後の噴火活動見通しといいますか、火山活動見通し、予測について、気象庁長官お尋ねをしたいと思うのであります。  去る四月十二日、先ほども御報告ありましたように、噴火予知連絡会は、当面は現状と同様の水蒸気爆発、弱いマグマ水蒸気爆発を継続する、こういう統一見解を発表いたしました。この統一見解を受けて、三つの市と町の約一万三千人の避難している方々のうち、約三分の一の四千七百人の方が避難指示が解除されたわけでございます。これは四月五日に同部会が発表いたしました、爆発的噴火が発生するとすれば一両日ないしは一、二週間以内という見解を修正したものだと思うわけでございます。  この予知連絡会の統一見解の中で、言葉じりをとらえるわけではありませんけれども、当面はという文言が二カ所使われているわけでございます。当面は現状と同様の状況を継続する、当面は北西山ろくでの噴火活動に対する警戒が最も重要である、こう述べておるわけですが、ここで言う当面とはどのぐらいの期間を指すのか。これについて、なかなか難しい問題ではあると思いますけれども、予知連絡会では、有珠山については科学的な力でもってこの予知はできる、こういうふうにも言っておりますので、この辺の見解について気象庁長官の御判断を承りたいと思います。
  28. 山本孝二

    山本政府参考人 お答えいたします。  有珠山火山活動でございますが、先ほど申し上げましたように、現在、依然として高いレベルでの活動が継続しているところでございます。  四月十二日の火山噴火予知連絡会におきまして、私ども気象庁といたしましては、全国の大学の日本の火山のトップレベルの方にお集まりいただきまして、噴火以来蓄積されたデータを総合的に解析していただきました。その結果、やや大きな爆発的噴火が発生する地域に関しては有珠山北西山ろくに絞られてきたということでございまして、山頂における爆発的噴火のシグナルは今のところ見られないということで、地域についての特定はある程度できたのではないか、これからもその地域中心とした爆発的噴火が起こる可能性があると考えております。  しかしながら、その北西山ろくでのやや大きな爆発的噴火の発生時期でございますが、現在、マグマが依然として供給されている状況にございまして、その時期を特定することは現状ではなかなか難しいということで、火山噴火予知連絡会統一見解にございますように、次の新しいステージに移るときには前もってシグナルが出るので、それを的確にとらえることが重要であろう、肝要であろうというふうに考えてございます。  なお、有珠山火山活動につきましては、十七世紀以降七回、噴火活動の記録がございます。そのうち、非常に明確なのは、明治四十三年、昭和十八年あるいは昭和五十二年、過去三回については記録がございまして、この火山活動については、おおむね数カ月、場合によっては二年程度継続したということもございます。  しかし、先ほど申し上げましたように、今般の活動については、当面現状のままで推移すれば北西山ろくであるが、時期についてはなかなか特定するのが困難であるというのが気象庁見解でございます。
  29. 池端清一

    池端委員 当日の記者会見で、予知連の井田会長が、記者団の質問に対してこういうふうに言われているんですね。当面の意味というのは非常に短いということではない、溶岩の移動には長い時間がかかるし、表面現象が違ってくるので結構余裕があるのではないかということを言われているんですが、これは、現段階では切迫した状況には必ずしもない、こういうふうに理解してよろしいですか。
  30. 山本孝二

    山本政府参考人 先ほども御答弁させていただきましたが、北西山ろく噴火活動は現在集中してございます。この活動は弱いマグマ水蒸気爆発水蒸気爆発が入りまじって起きているわけでございまして、次の、例えば溶岩ドームを形成するような爆発的噴火が起こる前には、地殻変動あるいは噴煙の様態、そういうものに変化があらわれる、その変化を注意深く追跡することにより、事前に火山に関する情報をきめ細かく出すことができるものであるという考えでございます。  したがいまして、余裕があるということではございませんで、防災活動に必要な情報という観点からは、情報を何とか的確に出していきたいというのが私どもの考えでございます。
  31. 池端清一

    池端委員 わかりました。  そこで、国土庁長官お尋ねをしたいわけでありますが、今度の噴火は終わりではなくてむしろ始まりである、こういうふうに私どもは理解をしているわけであります。前回の噴火活動は、昭和五十二年の場合、一年二カ月続きました。終息宣言、安全宣言が出るまで五年かかったわけでございます。  要するに、今回の問題は、長期化する備えと体制を整えた長期的展望に立った対策を進めていくことが極めて肝要ではないか、私はこう思うのでありますが、これについての国土庁長官の所信と決意をお聞かせいただきたいと思います。     〔委員長退席、稲葉委員長代理着席〕
  32. 中山正暉

    中山国務大臣 御引退を前にされての先生の感慨を込めての御質問でございまして、長い間御一緒させていただきましたことをいろいろ思い起こしながら、また、村山内閣では国土庁長官として、私どもの先輩として御努力をいただいておりますわけでございまして、先生の御地元、今は民主党の鳩山党首の御地元でもあるわけでございまして、この噴火が本当に災害なく無事に終息してもらいたいと心から神様に祈るような気持ちでございます。  しかし、昭和新山の場合も、この間御令息の三松さんという方にお目にかかりましたが、麦畑が突然四百メートルばかりの山になった。そうなりますのに六カ月ぐらいかかっておるようでございますから、その意味で、有珠山火山活動の今後の見通しを現段階判断するのは大変難しいと思いますけれども、政府といたしましても、この噴火長期化することを視野に入れて対応する必要は先生の御指摘のとおりでございます。  特に、地元住民方々に切実な帰宅希望があることも事実でございますし、洞爺湖温泉という立派な温泉もございますし、皆さんのニーズに対応しつつ、応急仮設住宅建設を初め住居の確保、それから就職の相談といった生活再建をめぐる生業支援策の実施に配慮をしていく考え方を持っております。  特に、伊達市役所を占拠しているような形で、増田政務次官にもずっと現地対策本部長として伊達市役所の皆さんにも大変御不便をかけておりますが、そういう場所をどういうふうに確保するか、今後の対応が大変重要な問題になってくる、かように考えております。
  33. 池端清一

    池端委員 一層の御努力をお願いしたいと思うわけでありますが、噴火活動長期化に備えて、北海道は二十三億円の補正予算を組んで、四月十四日から、つい先日から仮設住宅建設に着手をしております。そしてまた、道営住宅であるとか市町村の公営住宅確保に努めている。こういうことで、厚生省あるいは建設省、国土庁三省の強力な対応によってこういう情勢が着々できておることは非常に結構だと思うのであります。労働省も雇用促進住宅提供について十分用意をしておる、こういうような状況でございます。  そこで私は、これは非常に難しい問題だと思うのでありますけれども、虻田町の高台に建っておりますホテルエイペックスの活用について、何とかできないものだろうかということでございます。  北海道拓殖銀行の破綻に伴いまして、関連するホテルエイペックスも破産をいたしました。現在、破産管財人の手にこのホテルはゆだねられておるわけで、極めてデラックスなホテルであります。そして、安全な場所にあるということが第一でありますし、部屋数も四百五室、この四百五室が現在宝の持ちぐされのように無人のホテルと化しているわけでございます。  このホテルの活用は一体できないものだろうか。破産管財人の手にゆだねられているという非常に難しい問題もありますけれども、ここでは、少なく見積もっても約二千人の人々を賄い切れるホテルではないか、こう思うのでありますが、これは、国や道が英断すれば私はできると。破産管財人の方々も協力するにやぶさかではないと言われているわけなんですが、この辺についての厚生省と国土庁長官の御所信を承りたい。
  34. 炭谷茂

    炭谷政府参考人 災害救助におきましては、できる限り地域の資源を活用いたしまして、安全かつ環境のよい生活を可能にすることが望ましいと考えているわけでございます。  特に今回の災害では、多数の避難者が不安定な避難生活を余儀なくされていることでございますので、北海道庁におきましても、御指摘の倒産したホテルを一時使用する方法がないかと考え、破産管財人とも接触を持ったところでございます。  これに対して、破産管財人からは、全く協力しないわけではないが、一つは、当該物件が売却に出されていることから、返還の際に原状回復することが絶対的な条件であり、通常の経費の見積もりからすれば極めて多額の原状回復費を要すること、二番目に、二年にわたり休止していた施設であるため、使用開始に当たり極めて多額の整備費を必要とするという話があったというふうに聞いております。  これを踏まえまして、道といたしましては、一つは、多少値引きが期待できたとしても、必要な費用が莫大に上ること、二番目に、豪華な設備のリゾートホテルであり、他の避難所避難者との公平を欠くおそれがあること、人里離れた山の上にあり立地条件が悪いことなどの理由から、これ以上の交渉は北海道庁の方で無理と判断したというふうに聞いております。
  35. 中山正暉

    中山国務大臣 今厚生省の方からもお答えをいたしまして、その三つの問題があるわけでございます。現状回復の多額の費用、それからまた豪華であってほかの避難所の問題と公平を欠くこと、それから立地条件が悪いということでございます。  私ども、これまでの避難所生活環境の改善とか保健医療対策とか、それから応急仮設住宅、特にこれは清水地区で百戸とか月浦で二百戸、豊浦で八十二戸、壮瞥で八十四戸、四百六十六、そのほかまだ五百戸ばかりをつくろうということで今努力をいたしておるところでございます。そういう意味で、これから、応急仮設住宅の緊急整備への着手、公営住宅確保、それからまた民間企業の社宅や寮の活用によりまして、避難されている方々への生活の場の確保、そういうことを講じてまいりたい。  このような状況を踏まえまして、今後も引き続き、自治体の意向を極力尊重しながら、災害対策本部長といたしまして、応急仮設住宅建設等を通じて、総合的な生活環境の改善に鋭意邁進いたしたいと思います。
  36. 池端清一

    池端委員 応急仮設住宅建設、私は否定するものではございません。しかし、阪神・淡路の際にも見られたように、孤独死であるとか、コミュニティーから疎外をされるというようないろいろな問題があったわけでございまして、仮設住宅建設は、撤収費を含めて一戸約三百万円というふうに私は承知をしているのですけれども、これを五百戸建設するということになれば十五億ですかね、こんな計算ができるわけでございます。  確かに、ホテルエイペックスは数十億円の単位で売りに出ている物件でございます。なかなか面倒な問題でありますけれども、もうこれは無理だというふうに今の段階で断念すべきではない。やはり避難所も、皆さんに快適な生活をしてもらう、このことが重要なわけでありますし、ほかの避難所と格差ができるからこれはだめなんだということではない。  むしろそこは割り切って、これは首長さんたちが、私たちがそれは責任を持ちます、こう言っている問題でもありますし、森総理もこの間の要請に対しては、十分検討したい、こういうようなこともおっしゃっておりますので、これは現状でもう無理だというふうに断念するのではなしに、引き続き継続して交渉を進めていただきたい、このことを要望しておきます。  それから、先ほど同僚議員からも質問がございましたように、自治省は伊達市、虻田町、壮瞥町の三市町に対して、六月に定例交付すべき普通地方交付税を、四月十八日、本日付で、繰り上げ交付する、こういう英断をされました。本当に心から敬意を表するわけでございます。  ただ、先ほどもお話がありましたように、その近隣の市町村、例えば豊浦町、洞爺村、長万部町、室蘭市、登別市。室蘭市、登別市は市でございますので、財政的に今すぐに困っているという状況ではございませんが、例えば豊浦町は、町民が五千人です。その五千人の町民のところへ、今三千名の避難住民を受け入れているわけでございます。そして、公共施設も開放している、あるいは虻田の花和地区あるいは清水地区に水も供給している。大変な御苦労をされているわけであります。  私、四月十五日に現地に参りましたら、皆さん方から、この三市町に対するこういう措置は非常に適切な措置であるけれども、我々のことも忘れないでほしいと強い要望がございました。  これは交付税の問題に限らず、これからのいわゆる国の財政支援についても十分な配慮があってしかるべきではないか、私はそう思うのでありますが、この点について改めて政府見解を、自治省の見解を承りたいと思います。
  37. 嶋津昭

    嶋津政府参考人 お答えいたします。  今の周辺市町村に対する交付税の繰り上げ交付等でございますが、きょう、とりあえず災害救助法の適用を受けた一市二町に対する繰り上げ交付をしたわけでございまして、今後、今御指摘されたような事情もよく調査をしまして、特に豊浦町でも、例えば避難民に対する食事供与等は立てかえて支払いをしているというような状況も聞いておりますので、地元要望なりあるいは状況をよく調査した上で、これから適切に対処させていただきたいと考えております。
  38. 池端清一

    池端委員 適切に対応していきたいという答弁でありますので、速やかな措置がなされるものと確信をして、この質問はここで終わりたいと思います。  次に、労働省について、雇用対策の問題で一、二、お伺いをしたいと思うのであります。  洞爺湖温泉には年間約四百万人の観光客が訪れます。ホテル、旅館などの宿泊施設の従業員は千二百人以上、関連業者も含めると三千人にも上る、こういうふうに言われておるわけでございますが、大手のホテル業者は従業員の削減方針をいち早く決め、主に地元主婦らを中心に、パートの二百六十九人の全員、契約の打ち切り、正社員の三百十七人のうち約百人を道内の別のホテルに、系列のホテルに振り分けるという措置もされております。残りの従業員も自宅や避難所待機の状況にある、こういうことでありまして、売り上げが全く見込めない状況では、この五月のゴールデンウィークを控えて、繁忙期を迎えるこの状況の中で、従業員の給与支払いは大きな負担になっております。  観光業に限らず、地域の中小業者並びに商工業者にとっては、まさに同様の問題を抱えている、これはもう率直なところでございます。  そこで、ちょっと時間がありませんので、一括して申し上げたいと思います。  一つには、この四月十四日より六カ月間、雇用調整助成金が適用されまして、特例期間内の休業手当を助成することになりました。しかし、現状でも噴火長期化が避けられない。こういう状況になった場合、六カ月の支給期間をさらに延長するということが考えられないかどうか、これが一つであります。  二つ目には、雇用調整助成金支給を受けてもなお、中小企業の皆さん方の事業主負担は三分の一ということになっております。三分の一負担でも非常に大きい。これにかわる救済の道はないのかどうか、これが二つ目。  三つ目は、離職された方は、私の資料によると、四月七日で二十四人というふうになっておりますが、これは毎日毎日ふえているはずでございます。この離職された方についての職業相談、今、室蘭公共職業安定所伊達分室において相談体制をとっているということでありますが、こういう状況について行政相談のきめ細かな対応が望まれておると思うのでありますが、これらについてぜひお願いをしたい。  同時に、阪神・淡路大震災の際にとられました震災地域における被災失業者の公共事業への就労促進の特別措置、これは既に五年をもって失効いたしておりますけれども、阪神・淡路大震災の際に特例措置として設けられた制度を、今回も復活してやる意思はないかどうか。  それから、緊急地域雇用特別交付金の活用によって被災地域周辺の雇用促進を講じてはいかがか。既に政府は、北海道に対して、平成十一年から平成十三年度末まで約百十四億円の交付金を交付済みでありまして、道はこれに基づいて基金を造成しております。これを北海道のいろいろな特殊事情において活用する道が講じられないものかどうか、これを一括して労働省お尋ねをしたいと思います。
  39. 渡邊信

    渡邊政府参考人 まず、雇用調整助成金の適用期間でございますけれども、四月十四日から六カ月間ということで適用することにしておるところであります。この期間につきましては、災害長期化するという場合には当然これを延長するということを考えたいと思います。  それから、中小企業の負担ですが、雇用調整助成金によります助成は三分の二で、三分の一はなお大きいではないかというお尋ねでございますが、三分の二というのもかなりの助成率でありまして、この点につきましては、この制度の適用を始めたばかりでございますから、推移を見て検討したいというふうに思います。  それから、職業相談等の窓口の問題ですけれども、現在は、先ほど御指摘がありました分室に一カ所相談窓口を設けているわけでありますが、これをさらにふやすというふうなことについても前向きに検討したいと思っておりますし、それから、阪神・淡路大震災でとられました公共事業への被災者の吸収率制度といいますか、これは、阪神の場合には一時的に大規模災害が発生したということで、今回とはやや事情が異なるかというふうに思っておりまして、この点につきましては、今後の事態の推移を見まして慎重に検討する課題であると思います。  それから、北海道に既に百十四億円の交付をしております緊急地域雇用特別交付金の活用方法でございますけれども、これは、本来は失業者の方を主体にした事業ということで各都道府県、市町村で実施をしていただいておりますが、今般は、失業者を仮に含まないでも、農林漁業休業しておられる方あるいは内定時期を繰り下げられた学校卒業者、こういった方でもって事業をすることも可能であるということに指示をいたしまして、道と相談しながら事業のあり方について考えていきたいというふうに思っております。
  40. 池端清一

    池端委員 わかりました。きめ細かな対策を講じていきますように、そして、それが十分被災住民に行き届くような、そういう対策を進めていただきたい、こう思います。  次に、文部省にお尋ねをいたします。  教育対策の問題であります。一部公立高校を除きまして、被災地域の小中学校は、おおむね四月十七日、きのう始業式を行っております。授業を再開できるようなことになったわけでございますが、虻田町では、避難所となっております花和小学校に虻田小学校や洞爺湖温泉小学校の児童が加わりまして、通常の二倍近い二十五人の生徒に校長を初め九人の教職員で対応しております。  また、洞爺湖温泉小学校は、避難先の豊浦町に臨時の職員室を設け、豊浦小学校の空き教室を利用してきのうから始業式を行っております。  高等学校の場合でございますけれども、公立の虻田高校は四月二十一日に始業式と入学式を行う、こういう予定でございます。授業は四月二十四日から。そこで、この二十四日からの授業は、一年生は豊浦高校に、二年生は豊浦町の礼文華生活館に、三年生は豊浦町の山村活性化支援センターというところで、それぞれ分散をして授業を行う、こういう方式をとらざるを得ないということでございます。  北海道教育委員会のこれに対する対応は、現状の教員の配置で対応は可能であります、こういうふうに私どもに言っております。これを変更する必要はないと言っておりますけれども、これはあくまでも始業式を迎える段階のことでございまして、授業再開後に円滑な授業だとか学校運営が図られるかどうか。特に、高等学校の場合、教職員の加配などの措置が必要ではないか、こう思いますが、これについて文部省の見解を承りたいと思います。
  41. 矢野重典

    矢野政府参考人 お尋ねの教員の加配等についてでございますが、これにつきましては、今後、北海道教育委員会からの具体の要請に基づきまして学校運営上の支障やあるいは教育指導上の混乱が生じないように、文部省としては適切に対応してまいりたいと考えております。  なお、教員の問題以外でございますが、被災した学校施設の設備の復旧あるいは就学援助等につきましても、今後、北海道教育委員会から具体の被害状況などをお伺いしながら、児童生徒の学習活動が保障されますように適切に対応してまいりたい、かように考えているところでございます。
  42. 池端清一

    池端委員 北海道教育委員会から具体的な要請があればそれを検討したい、こういうことですね。しかし、今は非常に大変な混乱期でありますので、そういう点については、教育委員会としても道教委としてもいろいろ手抜かりのところがあるのではないか、こう思いますから、これは指導とか助言とかということではなしに、お互いに連絡をとり合って、道教委から、下から上がってくれば考えますよということではなしに、あなたの方からも、こういう道はどうなんですかということで、相互に協力し合ってこの問題に対応していただきたい、こう思います。  次に、中小企業庁に金融対策についてお尋ねをいたします。  一つは、既往の借入金の返済猶予措置でございます。これは、事業者の中には、昭和五十二年の有珠山噴火災害の際に借り入れた資金を含め、各種の借入金を抱えております。一切の売り上げがない中、これらの返済はもとより、利息の支払いも見通しがつかない、これが率直な現状でございます。現在抱えている借入金等の返済について、償還猶予措置並びに猶予期間中の利息の免除等はできないものかどうか、この見解を一点、承りたい。  次に、運転資金等の特別融資制度の創設の問題であります。噴火終息、今この問題を持ち出すことは少し時期尚早かとは思いますけれども、噴火終息後は被災事業者の当面の必要資金、営業再開に当たっての立ち上がり資金が必要不可欠でございますけれども、これについてはどのような方策がとられるものかどうか、この二点についてお尋ねをしたいと思います。
  43. 岩田満泰

    岩田政府参考人 お答え申し上げます。  通産省といたしましては、既に政府系の中小企業金融機関及び信用保証協会に対しまして、既往の債務の返済猶予等につきまして、個別の中小企業の実情に応じて対応するように指示を四月三日にいたしました。先般、四月九日に深谷通産大臣が現地を訪問された折に、改めて現地の支店長等々に対して、責任者に対して指示を重ねられたところでございます。既にもろもろの窓口を開設いたしておりますが、返済猶予措置は実行に移されている段階にございます。  それから、金利の猶予措置でございますが、中小企業金融機関の既往貸付金及び災害復旧貸し付けを行っておりますので、その貸し付けにつきまして元金の据置期間中の利子の支払いを猶予することができる措置指示いたしております。これも既に実行に移されつつございます。  なお、念のために申し上げれば、据置期間と申しますのは、既往の債務で既に、いわゆる冒頭にある、当初にある据置期間が終了をいたしておる場合でございましても、元本の返済猶予の措置がとられますると、その期間は据置期間中と観念をすることによりましてその間の利子の支払いを猶予するということで、元本、利子ともに猶予がし得るような措置指示いたしておるところでございます。
  44. 池端清一

    池端委員 いち早くそういう対策をとられておることについて敬意を表します。ひとつ十分、事業者の皆さん方が今後の経営に向けて意欲を持って再開できるような対策を進めていただきたい、こう思います。  次に、農水省の方にお尋ねをいたします。農林漁業対策についてであります。  有珠山周辺の、特に伊達地区というのは、これは北海道の湘南地方と言われている気候温暖な地域でございまして、道内でも有数の早期野菜出荷地帯でございます。六月まではほぼ一〇〇%伊達産で占められている、こういう地域でございますが、今回の立入禁止措置により、有珠のメロンは全滅だと。それから、ハウス栽培、育苗の手入れができなかったために、作物被害が八割の減収が予想される。  まだ最終的な被害額は出ておりませんが、そういう心配される状況でございますので、この被災農家が営農継続可能な資金の創設、融資条件等の緩和策についてお考えを示していただきたいというのが第一点。  第二点は、四月十三日に、危険地域に指定されておりましたホタテ養殖場への入域禁止が一部地域を除いて解除されました。養殖作業は再開をされましたけれども、この二週間のツケというのが非常に重く漁業者にのしかかっておるわけでございまして、かなりの稚貝に影響が出るのではないかというふうに予想されております。これはあくまでも予想の段階でございますけれども、予想をされておりますが、これに対する支援策をお伺いしたい。  以上二点、農水省、お願いします。
  45. 石原葵

    石原政府参考人 ただいま御質問ございましたうちの前半の部分、営農継続可能な資金の問題と既貸付金の償還猶予の問題につきまして、私の方からお答え申し上げます。  被災農業者の方々に対しまして、その営農が継続できるよう必要な資金を融通することは非常に重要でございます。このための資金といたしまして自作農維持資金というのがございまして、これは、経営再建に必要な費用、それから災害による収入減の補てん費用、この二つを融通する資金でございます。これが既に設けられておりますので、この資金の円滑な融通につきまして関係金融機関を指導していくこととしておりまして、既に関係金融機関につきまして指導するための通達を発出したところでございます。  それからまた、被災農業者の既貸付金につきましても、個別の事情に応じまして償還猶予等が図られるよう、同じく関係金融機関に指導通達を発出したところでございます。
  46. 中須勇雄

    中須政府参考人 ホタテの養殖の問題でございますが、ただいま御指摘がございましたとおり、十三日に避難指示区域が縮小されたということを受けまして、大変おくれておりました管理作業を再開したところでございます。  このうち、有珠漁協におきましては、ほぼ通常の稚貝の出荷ということが行われております。当初、引き揚げたところ、ヒトデ等にかなり食べられているという食害等もあったわけでございますが、きのう聞いた限りでは、その後は一部にとどまっているということで、順調に出荷が行われているという状況であります。  ただ、虻田漁協の管内におきましては、御承知のとおり、漁港が昼間七時間、時間が制限されておりまして、作業を懸命に急いでおりますが、かなりおくれたものをどこまで取り返せるか。これは今ちょうど耳づりの最盛期であるわけでございますが、このめどがまだ立っておりません。  いずれにいたしましても、ホタテガイの水揚げ出荷作業は開始されたばかりでございまして、全体の状況がどうなるか、今後、推移を慎重に見守りながら、地元の地方公共団体からの要望等を受けまして、私どもも適切に対処していきたいというふうに思っております。  なお、被害を受けた漁業者に対しましては、沿岸漁業経営安定資金等の低利資金の融通、あるいは個別の経営事情に応じて既貸付金の償還猶予等についても図られるよう、関係機関に要請を行っております。
  47. 池端清一

    池端委員 わかりました。  それでは次に、生活支援対策資金の問題であります。これは厚生省でございましょうか。  一つは、低所得者世帯に限らず、当座の生活費を必要とする避難世帯を対象に、生活福祉資金貸し付けの特別措置を四月五日から実施されておるわけでございます。ただ、これは金額も一回限り十万円という額では、長期化する災害にはもたないのではないか、せめてこれは倍増をしてもらいたいというのが、私が避難所を回ったときの住民の皆さん方の要望でございました。額の引き上げは考えられないのかどうか、それが第一点。  第二点は、災害援護資金貸付金は、所得制限や、災害により世帯主が負傷した場合、または住居、家財三分の一以上の被害を想定しておるわけでありますが、ここに災害長期化という要件を加えることができないものかどうか。  この二点についてお尋ねをしたいと思います。
  48. 炭谷茂

    炭谷政府参考人 まず、生活福祉資金貸し付けの関係でございます。  先生御指摘のように、四月五日付で特例的な貸し付けを行ったところでございます。さらなる貸し付けにつきましては、今後の火山活動によって避難生活長期化した場合において、その避難者方々生活状況やほかの施策の適用状況なども踏まえながら、生活福祉資金の扱いについては検討していきたいというふうに考えております。  それから、第二番目の災害援護資金貸付金の問題でございます。  災害長期化の要件が加えられないかという点でございますが、現在、北海道、国におきましては、要件に該当した場合は直ちに市町村において貸し付けが実施できるよう、財源措置等の準備を整えているところでございます。  そこで、お尋ね災害長期化した場合の取り扱いについては、現段階では特別な取り扱いは考えておりませんが、例えば、避難指示が続いて、被害の有無が容易に確認できないまま避難生活長期化する場合や、住居または家財が全く使用できない状況長期に及ぶ場合であって、住居または家財の滅失等と同一視できるような場合があろうかと思います。このような場合についての被災者避難者方々への支援について、可能な対応について検討していきたいというふうに考えております。
  49. 池端清一

    池端委員 前向きの御検討をひとつお願いしたい、こう思います。  次に、避難住民の皆さん方が非常に切実に要望されている一時帰宅の拡大の問題でございます。これは現地で御苦労をされておりました増田政務次官お尋ねをしたいし、気象庁の御見解も承りたいと思うのです。  四月十二日の予知連の統一見解による避難指示の一部解除によりまして、全体の住民の皆さんの三分の一に当たる四千七百人が、一時帰宅といいますか、帰宅を認められました。その他の地区でも、厳重な警戒のもとに数時間程度の一時帰宅が実施されております。これは、ヘリコプターによる上空からの監視、その他非常に厳重な態勢のもとで行われておるわけでございます。  私は、四月十五日、避難所を見舞った際に皆さんから言われましたことは、現在、洞爺湖温泉地区の皆さんは一時帰宅も全く認められておらないわけでありますけれども、三十分でもいい、一時間でもいいから一時帰宅したい、これは切実な要望でございました。私は、これは、住民の生命と安全を守る立場から慎重にならざるを得ないと思います。今まで慎重な態度をとってきた行政の措置を、何ら非とするものではございません。それはもう十分慎重なことが必要だ、こう思います。  しかし、皆さん方が言われるのには、何とか家族の位牌をとってきたい。あるいは、四月の高校の入学式が二十一日に延びたわけでありますが、そのために入学式用の子供の服も買ったところだ、それもうちに置いてきている。あるいは、御案内のように温泉地区は全部停電ですから、もう冷蔵庫の食料品が腐敗して異臭を放っているのじゃないか。預金通帳を持ってきたい。こういう切実な要求が出てくるわけですね。  それに対して、私は、そうですねというようなことは言いませんでした。これは行政が慎重に対応すべき問題であります、しかし皆さん方の声はお伝えしましょうということで、伊達対策本部におられました国土庁の審議官に御連絡をしたところでございます。  非常に慎重に対処せざるを得ないわけでありますけれども、きょうは温泉地区は、海上からの現地の視察というようなことも行われまして、これは非常に結構なことだと思うのでありますが、一時うちに帰りたいということについては、例えば、従来から行っておりますヘリコプターによる空中からの監視、さらに自衛隊の装甲車も現地には来ているわけですね。あるいは消防庁は、東京や横浜から耐熱装甲型救助車、これも七、八台でございましょうか、現地に到着をしている。そういう態勢が整っているわけでありますから、こういう厳重な警戒態勢のもとに、短時間でも皆さん方の切なる要望を満たすことはできないのかどうか。  これは本当に、行政の立場からいえば、非常に難しい問題であります。判断に苦しむ問題であることは十分承知しておりますし、首長さん方も、住民の皆さんの声を受けて板挟みになっているという状況もございますが、この辺について、増田政務次官現地対策責任者としてどんなお考えをお持ちでしょうか。ひとつお聞かせをいただきたい、こう思います。
  50. 増田敏男

    増田政務次官 お答えを申し上げます。  私が寝ずに苦労している点でございます。ほかの苦労よりも一番大変なことだったというのが、短時間帰宅、時間帰宅、一時帰宅、こういった関係なんですが、その前に、先生には、長万部へ行かれて、いろいろ避難者のところを回られて、私たちの対策本部までお電話をいただきました。  ちょうど私が出ておりまして、応対ができなくて申しわけなかったのですが、この関係につきましては、実は今でも検討検討で、私の方がむしろ専門家の教授の先生方に、ぜひ先生方の御意見を集約をいただきたい、大丈夫ならば、市町村長さんが当面の責任者ですから、私も市長上がりですから、一緒に相談をしながら、何としても一瞬でも帰したいというような思いが、第一回の踏み切りになりました。そして、今日まで参りました。  そして、きょうは、二回にわたって船の上から洞爺湖温泉の方々が見ているわけです。三百五十人ないし四百人の方が一回、それで二回。自分のうちへ行くことができなければ、船の上から見たいということをやられていると思います。  先生のところへ紙が行ってしまったようですから結論を出すのですが、私にすれば、申し上げたいのは、たとえ二十五人でも百人でも、一時間帰宅をされるときには五機のヘリを飛ばして、ちゃんと学者の先生を乗せて、変化がないかどうか、それを五分前まで私は連絡を待って、もちろん市町村長がいます、待って、五分前で学者の先生が大丈夫だと言われると、市長さんいいですね、町長さんいいですね、それでは五分後に実施しましょうといって、一時帰宅の、一時間帰宅のゴーをするわけであります。  そのときには、警察の車両も、虻田では第一回、二十五人というのがあったのですが、八十両ぐらいの車両を用意するわけです。そして、五百人ぐらいの態勢でそのことを実施したというのが今日までの経過であります。人数が多いから、車両がどうだからという意味じゃないんです。全知全能を使ってやっている。でも、その一番のもとは、専門家の意見をどうしても、市長さん方、町長さん方も、これを尊重する以外にない。絶対の信頼を北大の先生に置いておられる町長さんがあります。あの先生がいいと言わなければおれはだめだ、こういうふうにおっしゃいます。  だから、私としては、それらの情勢の中で判断をしながらやってきたのですが、今でも特に入江地区は、見たのですが、西山から海までの距離が約三キロであります。火砕流あるいは火砕サージがもし流れたとすると、出たと言って海までは三キロですから、時速百キロだとすると、二分で来てしまうわけです。この中をどういうふうにやったらいいか。果たして装甲車が大丈夫なのか、何台あるのかというような検討までし、言いつけてこちらに戻ってまいりました。ところが、来てみたら、西山の方が、水蒸気じゃなくて幾らか黒いものがまじって噴火が始まったというので、今頭の中で大変悩んでいる。きょうは自分の実感をお答え申し上げました。  そこで、私も御期待に沿える方向で、何でも取り組んでいきたい。もし万が一みんなが全部、学者の先生もだめ、町長さんも市長さんも無理だと判断なさったときには、私も避難所まで行っていますから、現在二十八あると思うのですが、十七避難所は回っていますから、おわびをしてでも理解してもらおうと思っているのですが、一番苦労のところです。もう少し時間をいただきながら努力をさせてみてください。ありがとうございました。
  51. 池端清一

    池端委員 大変現地にあって御苦労をいただいておりますことを、本当によくわかります。本当に大変な御判断になると思いますけれども、そういう避難民の皆さん方の要望をひとつ胸にとどめていただいて、誤りのない御判断をひとつお願いしたい、こういうふうにお願いします。  最後に、国土庁長官、さっきもお話がありましたけれども、激甚災害指定の時期、見通し等について、ごく簡単で結構ですから、御答弁いただきたい。
  52. 中山正暉

    中山国務大臣 先ほども御答弁申し上げましたが、これはできるだけ、調査官が今お入りいただいて、いわゆる査定官が入っていただいておりますが、十七日から、農地とかそれから全般の被害状況視察をやっていただいております。  この結論がどういうふうに出てまいりますか、それによりまして、被害額をできるだけ、これは進行中でございますので、どこで査定を出すかということの問題があると思いますが、できるだけ皆様方に、せっかくのパーセンテージを変えていただきました国会の御努力にこたえられるような、そういう災害地に対する万全の配慮をいたしてまいりたい、かように思っております。
  53. 池端清一

    池端委員 ありがとうございました。  最後に、災害は忘れたころにやってくるということがよく言われます。これは寺田寅彦博士の言だと言う人もあるし、そうではないと言う人もいるのですが、私は、災害は忘れたころにやってくるのではなくて、災害は忘れないで必ずやってくる、こういう気持ちでこれまで政治に対処してまいりました。どうかこのお気持ちで、安全で安心な国土建設のために、これからも一段と御精励あらんことを心からお願いを申し上げる次第であります。  多分、この質問が私の国会における最後の質問になると思いますが、どうぞ皆さん頑張っていただきたいと思います。ありがとうございました。
  54. 稲葉大和

    ○稲葉委員長代理 どうも池端先生お疲れさまでございました。  次に、丸谷佳織さん。
  55. 丸谷佳織

    丸谷委員 公明党の丸谷佳織でございます。  中山大臣そして増田総括政務次官におかれましては、有珠山噴火しました三十一日以前から、現地におかれまして、また東京の対策本部におかれまして、噴火災害対策の陣頭指揮に、昼夜を問わず、本当に寝ずに頑張っていただいておりますことをまずもって心から御礼申し上げたいと思います。本当にどうもありがとうございます。  私も、三月三十日に現地入りをしまして、これまでに七回ほど現地入りをしてまいりました。公明党としましても、伊達市市役所のすぐ前に対策本部を置きまして、こちらの方で今でも、地方議員を中心としまして、交代制でいつもだれか人を常駐させて対策に当たっているという体制をとっております。  今回、幸いにして死傷者が出なかったというのは、自治体ですとかあるいは国の対応が大変に早かった。関係各位の皆様の対応については大変高く評価されるべきであろうというふうに思っておりますが、何しろ火山活動長期化してきているものですから、長期化したなりの、今までに想像しなかったような細かな問題点というものが上がってきておりますし、この問題点につきましても多様化してきているというのが、実際に私が見ております実感でございます。  そこで、きょうは、私が現地避難所を回りまして、その中でお伺いしてきました要望中心に、ちょっと細かくなりますけれども質問をさせていただきたいというふうに思いますので、よろしくお願い申し上げます。  避難が始まりましてから約二週間以上過ぎたわけなんですけれども、噴火によりまして始業式ですとか入学式はもちろん延期をされておりました。小中学校、高等学校もようやく学校を再開できるかなという見通しがついてきたところなんですけれども、今回の噴火災害で、伊達市、虻田町、壮瞥町からほかの市町村の方に転出をしなければいけなかったという児童生徒も大変多くございまして、その数は約四百人に及んでおります。転出先になりますと、四十市町村にわたっているという状況があるのです。また、噴火の影響によって就学が経済的に困難になったという例も聞いております。  昨日、中曽根文部大臣が現地の方にいらっしゃったというふうにお伺いをしておりますけれども、実際に現場の声を聞かれまして、また教育の場の確保ということに、対策に当たっていただけるものというふうに期待をしているのです。  高等学校になりますと、おおむね今週の金曜日に始業式を行いまして、入学式についても大体週明けの月曜日ぐらいまでには行われる予定となっております。  ただ、この中で、やはり授業を再開する際に、教科書がない場合というのが実はございまして、被災により教科書を滅失したり毀損したというケースに対して、速やかに授業を開始することを重要視しまして、何らかの文部省の措置、例えば高等学校においては教科書について無償で給付するなどの措置ということが必要だと思いますけれども、この点についてはいかがでしょうか。文部省、お願いします。
  56. 御手洗康

    御手洗政府参考人 お答え申し上げます。  義務教育の小中学校の教科書につきましては、災害救助法の適用の地域であります伊達市、虻田町、壮瞥町の小中学校につきましては、同法の規定によりまして、滅失、毀損した教科書については改めて無償配付が行われるということになってございますが、あわせまして、文部省といたしましては、今回の状況にかんがみまして、災害救助法適用地域以外の小中学生並びに今御指摘ございました高校生で今回の有珠山噴火によりまして教科書を滅失、毀損した場合におきましても、社団法人教科書協会並びに社団法人全国教科書供給協会にお願いをいたしまして、すべて無償で教科書が配付されるようにということで要請をしたところでございまして、両協会からは全面的な協力をするということで回答を得ております。  実際に、昨日、四月十七日までにすべての小中学校で授業を再開いたしましたし、また、これまでに授業を再開いたしました高等学校とあわせまして、必要な教科書につきましては、関係の学校、教育委員会と、教科書を実際に供給いたします書店との間で十分連絡をして、既に行き渡っているという報告を受けているところでございます。
  57. 丸谷佳織

    丸谷委員 完全とまではいかないのですけれども、教育をする場は確保できた、そして材料もそろった。ただ、これだけではやはりまだ不十分な点がございまして、噴火災害によりまして経済的に不安定になっている家庭というのは非常に多くございます。  その中で、親の経済的な理由から、今回の就学に当たって、就学を続けていくに当たって困難が生じてくる児童生徒が出てくるというふうに予想できるのですけれども、この場合、例えば奨学生、奨学金の緊急採用枠の確保ということについてはお考えになっていますか。
  58. 佐々木正峰

    ○佐々木(正)政府参考人 奨学金の件でございますが、日本育英会では、保護者の失職や倒産のほか、火山噴火等の災害などによって家計が急変をし、そのまま勉強を続けることが困難となった生徒学生に対応するため、年間を通じて随時無利子で貸与を行う緊急採用奨学金制度を実施しているところでございます。  この奨学金につきましては、生徒学生の在学する各学校を通じていつでも受け付けを行っているところでございまして、今回の噴火災害により被災した生徒学生についても、申請があれば速やかに奨学金の貸与を行うこととしているところでございます。  このことにつきましては、文部省から北海道教育委員会に対し、また日本育英会から北海道支部及び全国の大学等に対してその旨の連絡を行っているところでございまして、北海道教育委員会や大学等においては、生徒学生等への周知も含めて適切な対応が行われる、そういうふうに考えているところでございます。
  59. 丸谷佳織

    丸谷委員 わかりました。よろしくお願いいたします。  続きまして、生活支援策として、厚生省の方にお尋ねをします。  避難生活を強いられている方々の不安としまして、お話をお伺いしましたら、初期のころは、自分の家あるいは自分の会社がどうなっているのかいち早く知りたいという、情報提供の不足に対しての不安というのが非常に多かったというふうに私の感想として持っております。  ただ、日がたってくるにつれまして、避難所に必ず一台はテレビが設置されるなど、情報提供ということに関してもかなり御努力をされていたという気がするんですけれども、今後、長期化される避難生活に当たりまして、テレビですとか、そういったニュースソースだけではなく、例えば広報紙ですとかパソコンの導入、パソコンを導入することによって新たな情報の伝達手段を確保するということも必要なのではないか。ひいては、こうすることによって避難をしている皆さん方の不安の解消というのが図られるのではないかというふうに思うわけなんです。  現在、避難所に向けましての情報提供というのはどのようにされているのかをお伺いしますとともに、災害救助法の中で、広報紙そしてパソコン配備などについても対象となるような、負担基準の対象拡大というのを図ることができないのか、お尋ねします。
  60. 炭谷茂

    炭谷政府参考人 先生御指摘のように、避難所避難された住民方々に対して、被害の状況災害対策に関する情報を迅速に伝えることは極めて重要なことでございます。  したがいまして、今回の災害におきましても、避難を余儀なくされている方々の不安を少しでも和らげるため、四月十六日現在、最近新設された二カ所を除きまして、三十二の避難所に、ヘリコプターからの被災住家の映像や、固定カメラからの火山活動の映像を放映するための大型テレビ及びビデオデッキ各四十三台を設置するとともに、行政情報提供するためのファクスを設置しているところでございます。  また、先生が特にコメントされましたパソコンの関係でございますけれども、二十九の避難所におきまして、インターネットによる災害対策交通規制などの情報確認やEメールのやりとりができるよう、パソコンを四十六台配備しております。これらは災害救助法対象になります。今後さらに必要に応じて増設することにいたしております。  避難長期化することも心配される中、今後とも各種の情報に対する避難者のニーズにこたえるため、厚生省としましても、道庁や地方自治体と連携を図りながら、きめの細かい情報提供がされるよう支援してまいりたいと考えております。
  61. 丸谷佳織

    丸谷委員 次に、高齢者及び障害のある方々についての対応をお伺いします。  噴火の翌日からちょうど実施をされました介護保険なんですけれども、実際に避難されている方々、時間がたってきますと、テレビなんかで介護保険のニュースを見ますと、今働くところもない、家もないのに、高齢者以外の方、四十歳以上の方なんですけれども、介護保険なんて払えないよなというようなお言葉も聞いたりしたわけなんです。  この介護保険制度についても、どんな対応になるのかというようなことを大変不安に思っていらっしゃる方も少なくないと思っておりますので、保険料徴収等、介護保険制度についてはどのくらい弾力的に対応していただけるのか、まずこの点をお伺いしたいことと、今後、仮設住宅に入居しながら、した後も在宅介護サービスを受けているような方も考えられるわけですね。そのときの本人の一部負担についても、一割負担でさえ支払うことが難しいといったような経済状況の方もいらっしゃるかと思うんですけれども、この扱いについていかがされるのか、お伺いします。
  62. 堤修三

    ○堤政府参考人 高齢者の方に対します介護サービスでございますけれども、まずサービスの利用の面でございます。  介護保険の被保険者証を提示するということが必要でございます。それを自宅に置いてきたといったような方がいらっしゃるわけでございます。その場合でありましても、氏名と住所などをサービス事業者に申告していただければサービス利用ができるというふうにいたしております。  それから、要介護認定をまだ受けていないという方もいらっしゃいますけれども、この場合には、関係市町村間で連携をとって、早く認定を受けていただいてサービスに結びつけるように、この二点につきまして、北海道の方にも、道庁の方にも御連絡をお願いいたしております。  それから、負担の関係、まず保険料でございます。  高齢者の保険料につきましては、ことしの九月までは徴収をしない、負担していただく必要はない、こうなっております。十月以降からの一年間は、本来の保険料の二分の一を負担していただく。この保険料につきましては、被災によりまして著しい財産損害とかあるいは収入の減少があるという場合には市町村の条例で減免ができる、まずこういう仕組みになっております。  それから、四十歳から六十四歳までの現役の方の介護保険料でございます。これは、医療保険料と一体となって負担をしていただくということでございます。  まず、国民健康保険に入っておられる四十歳から六十四歳までの方の介護保険料、これは国民健康保険法、それから市町村の条例で同じように、被災状況に応じて減免ができる、こうなっております。  それから、健康保険、被用者保険の加入者につきましては、一定の地域を指定して、納付期限の延長という措置を既に講じているということでございます。  それから、サービスを利用する場合の一割の利用者負担でございますけれども、これも、被災によりまして著しい財産損害とか収入減少があるという場合には当該市町村の条例で減免ができる、こういうふうになっております。  こういう措置ができますよということを、道庁、それから関係の市町の方にも連絡をいたしておるところでございます。
  63. 丸谷佳織

    丸谷委員 今のはわかったんですけれども、そうしますと、市町が減免措置を講じた場合に特別調整交付金等の交付というのが必要だと思うのですが、この点についてはいかがですか。
  64. 堤修三

    ○堤政府参考人 保険料の減免をした場合、あるいは自己負担金の減免をした場合につきましては、その実情に応じまして国の特別調整交付金を交付する、こういう仕組みがございます。
  65. 丸谷佳織

    丸谷委員 ありがとうございます。  次の質問なんですけれども、被災地にあります老人福祉施設から、今回、ほかの老人福祉施設に避難されたケース、あるいは社会福祉施設等、実際に御意見を聞いてまいりましたけれども、被災地にあったグループホームから社会福祉施設の方に避難された方々もいらっしゃいまして、実際に施設の定員を超えているところもあるわけですね。  入所者数の増加に見合った施設の整備というのが今後必要になってくることは言うまでもありませんけれども、同時に、今回、被災地に現在なお破損しながら建っている養護老人施設、これは虻田町内には二施設あるというふうに存じ上げておりますが、ほかにも、知的障害者更生施設に関連します小規模作業所の施設側が、この建物について、施設について移転再建を望まれた場合、財政支援というのを早期に決定をし、行っていかなければ、着工から入所するまで数年かかってしまうおそれがあります。この点については、いかが対応されますか。     〔稲葉委員長代理退席、委員長着席〕
  66. 堤修三

    ○堤政府参考人 現在も入所者の方の避難が続いております虻田町内には、養護老人ホームが一カ所と、特別養護老人ホームが一カ所、二カ所ございます。いずれも火口から近い、一キロ以内というところにございますので、同じ場所での施設の再開というのは大変難しいというふうに報告を受けております。  そこで、現在、北海道庁におきましても、施設全体の移転改築、そういうものを含めまして、今後どういうふうにこの施設の運営をやっていくかということで、今経営をしております社会福祉法人の意向も聞きながら検討しておるということでございます。結論が出ましたら、地元の意向を最大限尊重いたしまして、その整備につきましてのいろいろな財政的な支援、できる限りのことをやってまいりたいと思っております。  もう一つ、虻田町内には知的障害者の更生施設が一カ所あるわけでございますが、これは避難勧告地域の外で、むしろ今はグループホームの利用者の方とか在宅の障害者の方がこの施設に避難をしていただいている、こういう状況だというふうに報告を受けております。  今後、実地の調査等を踏まえまして、もし万が一建物等の被害が発生したというようなことになりましたら、また災害復旧費の補助について検討していきたいと考えております。
  67. 丸谷佳織

    丸谷委員 移転改築について前向きに御検討していただいて、最大限に対応していただきたいというふうに思います。  続きまして、時間もなくなってまいりましたが、運輸省にお伺いをします。  現在、洞爺湖温泉街を初めとしまして、観光地であります被災地が大変に大きな打撃を受けているのはもうよく御存じだというふうに思うのですけれども、間接的な風評被害とでも申しますか、近郊にあります登別の温泉街の方でも、噴火が始まってからこの二週間で約一万五千人分のキャンセルが出ておりまして、四月の入れ込み客は約二〇%ダウンの見通しという状況にあります。特に道内のパックツアーのキャンセルが相次いでいるということを考えますと、実際には噴火災害地域ではない登別温泉街への認識というのが正しくなされていないのではないかというふうに言えると思います。  ゴールデンウイークも近いということもありますし、道内観光業のPR活動を展開しなければ、北海道経済にとっても大変な打撃になってしまうと言えると思うのですが、この点について、運輸省で観光業に対するPRとバックアップの速やかな対応をお願いしたいのですが、いかがですか。
  68. 藤野公孝

    藤野政府参考人 先生今御指摘いただきました、今回の有珠山噴火に伴いまして、地元の洞爺湖温泉はもとより、直接被害を受けていない登別温泉を初めといたします他の北海道内の観光地につきましても、キャンセルが生じる等大きな被害、影響を受けているということは承知しておりまして、観光客の入り込みがこれ以上落ち込むことがないように、道内の他の地域観光地に関する風評被害対策も極めて重要な課題であると認識しております。  このため、本日の十二時半からでございますが、有珠山噴火に伴う北海道観光対策連絡会議というものを緊急開催いたしまして、旅行業者や交通事業者に対しまして、地元状況あるいは道内の他の地域には影響がない旨の周知徹底を行いまして、関係者が一致協力いたしまして、北海道を訪れる旅行者に対して道内の観光情報の正確な提供に努めるよう決定したところでございます。  また、明日十九日から千葉の幕張におきまして、国内観光のPRのための旅フェア二〇〇〇というものが開かれるのですが、約二十万人ぐらい訪れるという予定でございますが、ここを訪れます人々に対しましても、北海道状況説明を行うとともに、道内の他の地域は安全であるといったような旨の広報を行うことといたしておりますし、海外に対しましても、国際観光振興会を通じまして同様の広報を行う予定でございます。  運輸省といたしましては、今後とも、今申しました連絡会議を随時開催いたしまして、御質問の登別温泉についてはもとより、北海道の他の地域観光地の風評被害対策に対しまして、正確な情報提供することにより、今後ともこれの防止に努めてまいる所存でございます。
  69. 丸谷佳織

    丸谷委員 こちらの方も最大限に北海道観光をPRしていただきたいと思います。至るところでよろしくお願い申し上げます。  先ほど佐藤静雄先生も御質問の中で主張されていましたけれども、道路確保というのが、観光面でも、また北海道という広い地域においては物流、人的交流の面から非常に大切になってくるわけなんですが、今回は国道三十七号線、そしてJR室蘭線の完全復旧というのが何よりも一番強く望まれていると言うこともできます。  ただ、この道路復旧等に関しましては、火山活動の終止を見ない中でありますから、復旧のめどというのも立たず、現在はまさに有珠山次第という要素が非常に大きいのかなというふうにも思うのですけれども、地元方々の御要望をここでお伝えさせていただきますと、火山活動状況を見ながら、国道三十七号線の通行許可の時間帯をなるべく延長していただきたいという御要望をお伺いしております。これは一時帰宅と同様に非常に難しい判断になってくると思うのですけれども、ここでは御要望としてお伝えしておきたいと思いますし、もちろん今後も人命尊重を第一に取り組んでいただきたいというふうに思います。  こういった状況の中で、建設省としまして、アクセスの確保、特に登別温泉街までのアクセスの確保というのが大事になってくるかなと思うのですが、この点についていかが取り組んでいらっしゃいますか。
  70. 大石久和

    大石政府参考人 一般国道三十七号は長万部町と室蘭市を結ぶ幹線道路でございますが、有珠山噴火によりまして、虻田町と伊達市内の一部が通行どめとなっていたところでございます。  四月十七日現在、一般国道三十七号の虻田町旭町から伊達市有珠までの間二・六キロメートルにつきましては、避難指示区域内でございますが、噴火や地盤変動による直接の被害を受けておりませんので、朝九時から夕方四時までの七時間に限り一般車両の通行が可能となったところでございます。  また、それ以外の時間帯につきましては、一般国道二百七十六号、一般国道四百五十三号等を迂回路として設定し、迂回路情報等を提供しているところでございます。  今後とも、今先生御指摘ございましたように、噴火や地盤変動状況を適切に把握いたしまして、この三十七号の通行状況、運用路の確保に努めてまいりたいと考えております。
  71. 丸谷佳織

    丸谷委員 時間がなくなりましたので、最後の質問を大臣にさせていただきたいと思います。  今後も有珠山噴火に関しては、活火山でございますから、今回が終息したとしても、何十年か後にまた噴火が続いていくのだろうというふうに考えましたときに、やはり地域住民火山との共生という部分での町づくりを考えていかなければいけないのだろうと思います。  今回、避難所を回りますと、ほとんどの避難所が最初は体育館でした。もちろん体育館には畳もございませんので、そこに毛布を一枚敷いて、寝ていても背中が痛いとか冷たいとかといった声も聞いていたわけですけれども、今度、町を再建する際に、また学校ですとか体育館を直すときに、例えば何十年か後にそこを避難所としても使えるような、多目的な要素を持たせた建物づくりあるいは町づくり、火山と共生できる町づくりという視点で考えていただきたいというふうに思うのですが、この点について大臣はいかがお考えになるか、お伺いしたいと思います。  また、現地対策本部長におかれましては、今後も現地に入られて、昼夜を問わず陣頭指揮に当たっていただくと思うのですが、長期化しておりますので、どうかお体に気をつけて頑張っていただきたいというふうにお願いを申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
  72. 中山正暉

    中山国務大臣 三十一日の噴火直後に第一回の対策本部国土庁の三階で開きました後、すぐに現地入りをいたしましたら、丸谷先生、それから近江巳記夫議員、それからまた旭道山議員、お三方が早速に要望書を持って、私お目にかかる機会を得ましたこと、本当に御熱心に御対応いただいておりますこと、まず敬意を表したいと思います。  また、先生も昔観光会社にお勤めであったようでございますから、特に観光のことについてお詳しいと思いますが、私も、現地方々が、自分たちは火山と共生をしている、火山があるから旅館ができるんだ、観光事業に従事できるんだというお話をしておりましたが、これまた、きょうの先生のお話にありましたように、三十年に一遍ぐらいの感じで、一六六三年に最初爆発してからずっとこれが続いておりまして、周りにラクダのこぶのように、明治新山とか昭和新山とかいろいろなものができて、西山、金比羅山、いろいろな山ができていっている事情を見ますと、これから一体どういうふうに考えていったらいいのかなと。  私も、大変美しい景色のところでございますから、観光事業が続いていくことを、日本はこれから観光国家として世界に喧伝をしていかなければならないと思いますし、日本のヨーロッパと言われる北海道の重要性を感じております。  国土庁といたしましても、防災町づくりを支援していくために、適正な土地利用を誘導して、迅速かつ的確な避難等を実施する防災計画の策定につきまして、火山噴火災害危険区域予測図、いわゆるハザードマップと申しますか、そういう火山の危険度をいかに計画的なマップにつくり上げていくか。そうしたものをつくり上げて、それから災害復旧とか復興事業を進めるに当たりまして、地域の環境に配慮をしつつ、再度災害の防止を可能にする防災町づくりが進められるよう、各省庁、地方公共団体と連携協力できる体制を組んでまいりたいと思っております。  もう一つ、御質問の御趣旨の中にありました、いわゆる避難施設として、設備面で一体、三十年に一遍ぐらいの周期で回ってくるこの火山避難対策に備えて、緊急の場合にどう対応するか、これも私は大変重要な御指摘だと思っております。今後、火山国家としての日本が、周辺に生活をしていらっしゃる方々の安寧を考えて、そういう施設づくりにもいろいろな配慮がなされるべきである。御提案のとおり、研究をさせていただきたいと思っております。ありがとうございました。
  73. 丸谷佳織

    丸谷委員 ありがとうございました。
  74. 青木宏之

    青木委員長 平賀高成君。
  75. 平賀高成

    ○平賀委員 日本共産党の平賀高成でございます。  私ども日本共産党も、この有珠山噴火災害では、ちょうど三十一日の日に志位書記局長が現地に行っておりまして、本部や避難所をいろいろ訪問しているさなかに噴火が始まりました。私も第二次調査団で現地に行ってまいりましたが、既に二週間以上たっても、虻田町を中心にして八千人以上の住民避難指示が出されております。  虻田町の住民は八割近くが避難生活を余儀なくされておりまして、洞爺湖温泉は北海道観光中心をなすもので、有珠山噴火によって全道的に観光のキャンセルが相次ぐなど、北海道観光業に深刻な影響を今与えているわけです。  洞爺湖温泉のホテルなど、観光業に従事をされている従業員は、現在、深刻な雇用不安に陥っております。既に大型ホテルのパートの従業員全員の解雇が報じられるなど、雇用問題が深刻化をしています。ホテルに就職が内定している新卒の入社予定者百六十名も待機の状態にあります。  カラカミ観光・洞爺サンパレスホテル、パークホテルへの新卒入社予定者は九十人、定山渓ビューホテルが七十人、そのほとんどが高校卒業者であります。洞爺の方は四月二十四日、定山渓は四月二十日に入社式の予定であります。カラカミ観光は大手でもあることから、予定どおり採用を行うように労働省としてもこれらの会社に要請していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  76. 渡邊信

    渡邊政府参考人 ただいま定山渓の地域内定についてもお話がありましたが、被災地に限って、私どもの把握しております高卒内定者の数は、百三十八人ということになっております。これらの方々はいずれも採用の繰り延べが行われているというふうに聞いておりますが、今御指摘のカラカミ観光を含め、安定所の方を通じまして、採用内定の取り消しがないように要請をしてまいりたいと思います。
  77. 平賀高成

    ○平賀委員 高校卒業で内定されている方がスタートからつまずかないように、ぜひきちっとした対応をしていただきたいことを改めて要請しておきたいと思います。  それから、カラカミ観光は、売上高が百九十六億円の観光大手です。正社員、パート従業員の雇用継続を行うように要請すべきだと思います。  また、この被災地は雇用調整助成金支給対象地域になりましたけれども、助成率が、中小企業で三分の二です。特に中小業者は、従業員に支払うための資金も非常に苦慮しています。したがって、阪神大震災並みに、休業は四分の三、教育訓練は五分の四に引き上げてほしいという要求が強く出されております。雇用継続の上でも、雇調金の助成率を引き上げる、こういう措置検討していただきたいと思います。  さらに、教育訓練を事業主が行うにしても、この洞爺湖温泉街避難指示区域で、施設が使用できません。労働省として、教育訓練のための施設と宿泊施設を提供して、制度の活用を促進すべきだと思いますが、全部で三点にわたってお答えいただきたいと思います。
  78. 渡邊信

    渡邊政府参考人 被災地域事業主に対します雇用調整助成金は、この四月十四日から六カ月間ということで適用することにしております。さらに、これは今週末に交付をし、四月十四日にさかのぼって施行することにしておりますが、内定者で、採用の繰り下げが行われている方につきましても、採用後直ちに休業するという方についても、この雇用調整助成金適用対象にするという方策をとることを考えているところであります。  今申しましたように、この雇用調整助成金は、この十四日から支給を始めたばかりのところでありますから、この助成率のあり方については、さらに推移を見て慎重に検討すべき問題かというふうに考えているところであります。  それから、能力開発の機関でございますが、確かに、被災地域におきましては、休業中に訓練を行おうとしましても、訓練施設そのものが使えないという問題があろうかと思います。雇用能力開発機構や道が設置する公的な能力開発施設が例えば室蘭等にございますので、宿泊はなかなか難しいわけですが、こういった能力開発施設の適用ということについて検討してまいりたいと思います。
  79. 平賀高成

    ○平賀委員 依然として八千名以上の人が避難生活を余儀なくされているわけですから、ぜひ万全な対応策を講じていただきたいということを改めて要請しておきたいと思います。  それで、有珠山噴火災害では、噴火予知されて人的な被害は発生しておりません。しかし、避難指示のもとで、洞爺湖温泉の旅館やホテルは休業状態にあるわけです。虻田町では八割の住民避難指示が出されまして、経済活動が停止した状態にあります。観光業に町民の八割の方々関係しているために、長期化をしてくることになりますと、噴火災害による損失を補償する個人補償や営業補償がなければ、安心して避難をすることもできないわけです。  噴火災害というのは、これは大規模長期化、終息予見が難しいのが特徴であって、他の災害と一様に論ずることはできない、そういう性格を持つ災害だと思います。雲仙・普賢岳の災害の教訓からいいましても、これから生活再建や営業再建を考えるならば、国として、個人補償や営業補償に踏み込んだ支援が必要だと思いますが、大臣、この点ではいかがでしょうか。
  80. 中山正暉

    中山国務大臣 先生のお話のように、鉄とそれからまた石炭が近くの室蘭でも、今、昔とはさま変わりでございますので、観光事業に力点を置くということが私はあの地方、地域の発展には大きな効果があると思います。  先生のお話でございますが、しかし、自然災害、国民の税金をお預かりして我々行政というものをやっておりますことから考えますと、保険や共済といった制度も含めて、個人の自助努力による回復というのがやはり今の段階では私どもの申し上げる限度であろう、かように考えておりまして、避難指示長期にわたった場合でも、この指示自体は地域住民の生命とか身体の安全を確保する観点から必要と判断される限度において行われるものでございますけれども、個人補償が必要であるということはなかなか、先ほど申し上げましたような理由でこれは難しい問題だと思っております。  しかし、避難長期化した場合に生じる、生業生活の問題については、地元要望も十分拝聴した上で、その維持ができるように行政で今いろいろな支援策、各省庁が持っております支援策を動員いたしまして対応してまいりたい。一日も早くこの噴火災害がおさまってくれることを祈っていたいと思っておりますが、皆さんの御無事をこれまたあわせて、私どもも何とかその対応を充実させることによって、個人補償というところまではいきませんが、先生方の御示唆を受けてまいりたいと思っております。
  81. 平賀高成

    ○平賀委員 私は、今までいろいろな災害がありましたけれども、自助努力ということでなかなか再建できないというのが今の実態だと思います。  それで、特に現地の新聞などを見ておりますと、例えば、これは北海道新聞の四月十一日付の夕刊ですけれども、ことし一月には夏の観光シーズンに向けて、一千万円近くの商品を仕入れた。大半の土産物店も同様だ。従業員がいなくなっても、一人でも営業を続けるよ、身の危険よりも店が大事なんだ、こういうことを現地のこの土産物業者の方は言われているわけです。  それから、これは毎日の四月八日付ですけれども、ローン返済は二十年残っており、住むところがなくなったらどうしようか、こういう不安。それから、読売の四月十一日付ですけれども、月々十万円を超すローンが十五年も残っている。今月は期日の十六日までに払い込めるが、来月からは一体どうすればいいのか。その方は、何だかアリ地獄に落ちていくみたいだ、こういうふうに自分の将来について不安を述べているわけです。  それで、洞爺湖温泉は二十三年前に噴火が起こりまして、そのときに多くの事業者が借金をして再建に踏み出しました。ところが、その返済期間が三十年になっていまして、まだそのローンが残っている状況なんです。ですから、現地で一番強い要求といいますか、切実な要求というのは、この返済を凍結してもらいたい、そういうふうな要求が出されているわけです。  政府として、こういうふうな被災者の切実な要求にこたえていくためには、債務の返済の凍結をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  82. 中山正暉

    中山国務大臣 私も、昨日の晩、夜中のテレビを見ておりまして、雫さんという人が、脱サラで東京からやってきてペンションをやった。そして、若夫婦を呼んだら、その若夫婦に赤ちゃんが産まれて、三カ月の赤ちゃん。ところが、噴火して収入がなくなった。それで、その若い御夫婦が、今度は札幌へ行ってワンルームマンションを借りて、そこで就職をして何とか切り抜けていきたいとか、いろいろな現地のお話を伺いますと大変胸の痛む、今の先生のお話を伺っていましても、さもありなんという気持ちで、本当に心が痛むのでございます。  しかし、今のところは、先ほど申しましたような、民間金融機関資金をお借りになる方のお世話と同時に、返済にお困りになっている方への対応というものが、既往の債務の償還猶予、これは農林漁業金融公庫の問題でございます。それから、既往債務返済条件緩和、これは国民生活公庫、それから中小公庫、商工中金。それからまた、既往債務等にかかわる利子の支払いの猶予、これも国民生活公庫とか中小公庫、商工中金。それから、既往住宅融資の返済方法の変更、住宅金融公庫、それから年金福祉事業団。そういういろいろな、何枚かの紙にびっしりと書き込んであります、先生方に国会で法律をお通しいただいたものの範囲でできること以外は、これはなかなか難しい問題である。  どこへ住まれるかは政府が決めたわけではありませんが、災害の多い地域に住んでいらっしゃる方々に私どもがどんな配慮をするかというのは、そういう意味での万全を期すには、それは一つ一つのミクロの世界に入っていって対応を御相談申し上げるというような、地方自治体、それから私ども政府、あらゆる機関を通じて対応してまいらなければならないと言う以外に今のところ申し上げられないのが、非常に心苦しい思いはいたしますが、御理解をいただきたいと思います。
  83. 平賀高成

    ○平賀委員 いろいろな支援策が講じられてきたのだということだったと思いますが、私も現地に行きますと、もう金利つきの融資は要らないんだ、幾らお金を借りても返す当てがないわけですから。ですから、そういうふうな声がどんどん上がってくるわけです。  それで、例えば、有珠山噴火災害において、二週間ぶりに避難指示が解除された伊達市の有珠地区で、メロン栽培の農家の方は、もう大半がメロン専業で、ハウスの苗の管理ができなかったために、枯れてしまって全滅だ、被害額が七千万円から八千万円だ。避難指示が出されて、半月も苗の管理に手が入れられなくて、それで一番大事な時期に避難生活を余儀なくされたために、ビニールハウスの二十棟分の苗が全滅した農家は、もう何もしないで一年が終わり、泣きたい、そういうふうなことが新聞でも報道されておりました。  災害基本法による避難勧告指示により行政の側が立ち入りを制限しました。損失補償がなければ、避難指示が出された場合でも生活のためには従えない。危険を冒すことになりかねないわけです。  火山災害では、予知に基づく住民避難災害防止の柱の一つとされているわけですが、有珠山噴火予知が行われて、噴火前に一万数千名の方が避難をしたという点では画期的なことだったと思います。しかし、避難による損失を担保するものがありません。ですから、私は、個人補償や営業補償というのはそれに経済的裏づけを与えるものだということだと思いますが、この点について、大臣は改めてそういうふうな補償が必要だと考えないでしょうか。
  84. 中山正暉

    中山国務大臣 確かに大事な問題だと思いますが、私は、先生の御質問を伺いながら、ちょうど私が小学校三年生のときから中学一年生まで戦争がありまして、防空ごうへ入りなさいというのに入らずに爆撃で死んだ人のことを今思い出しておりました。防空ごうへ入るか入らないか。それはもう警戒警報が鳴って、空襲警報が鳴って、そして防空ごうへ入るか入らないか、この判断を一体どうするのかなと。それと、今の命あっての物種というのが私は人生の基本だと思います。  命より店が大事だ、そうおっしゃる方がいらっしゃるということでございますが、私どもは、その災害を乗り越えて、それから雄々しく生きていくといいますか、先ほど申しました雫さんの若い奥さんが、小さな三カ月の子供さんを抱いて、この子の将来のために自分は頑張りますということをおっしゃっておられましたのを、きのうテレビで、夜中でございましたが、四月十六日の再放送と言っておりましたが、NHKで見ましたものですから。  私は、そういう意味で、これは全部を救い上げるというのは、本当は国家の責務かもわかりませんが、それがまた、ある意味でそういうことができないというジレンマでございまして、答弁になるかどうかわかりませんけれども、感想ということで申し上げたいと思います。
  85. 平賀高成

    ○平賀委員 私は、現地方々が、実際に避難指示、勧告が出て、事実上、いわば強制的にといいますか、結果として移転するわけでしょう。それで、例えば移転した後は自分でやれということになったら、確かに低利融資はあります。しかし、これを借りたとしましても、借金を背負って、借金でとうとう行き詰まってしまったという方がいろいろな災害で発生しているでしょう。ですから、現地に行ったら、確かに、今死ぬのか、それとも命からがら逃げて、命は助かったけれども、再建のために一生懸命お金を借りて、しかし、返す当てがないために借金で行き詰まってしまった。要は、どっちで死ぬかだけの問題なんだということを言わざるを得ないような実態にあるわけですよ。  それで、この避難勧告避難指示を出すに当たって、私は、一番苦しむのは市町村の責任者の方だと思うのです。それで、被災地の住民は、長期災害で損失補償が担保されていれば安心して避難することができるんですよ。これは四月十五日付の北海道新聞で伊達の菊谷市長が言っているのですが、避難解除のタイミングは最後の最後まで悩んだ、万一の事態が起きて犠牲者が出たらと夜も眠れなかった。こういうふうな立場に各町長さんや市長さんはいるわけですよ。  それで、私は、避難勧告を出して避難してもらう。しかし、後のことは自分で全部やらなければならないということになったら、幾らお金を借りていても、借金を返すためには自分の農業や観光や漁業を守らないといかぬでしょう。ですから、もしそういうふうなことでお金を借りている方は、幾ら避難勧告と言われても、自分たちの借金を返すためには、現場に残って、家を守り、農家を守らないといけない。そういうことになっていきますと、住民の命や安全を守ることができなくなるというふうに思いますが、その点大臣、どのようにお考えでしょうか。
  86. 中山正暉

    中山国務大臣 先ほど申し上げたことで、例えば、赤紙一枚で戦地に動員をされた人たちには、いわゆる遺族の方々にまでいろいろな配慮をいたしておりますが、爆撃を受けて国内で亡くなられた方との差があります。  勇躍して戦地に赴いた人に対する、その人たちの遺族に対する問題と、それから、ちょっと例が悪いかもわかりませんが、国内で爆撃で死んだ人に対する補償は今でもまだしておりません。ですから、本当に、できれば全部、同じ戦争で死んだんじゃないかという思いが私なんかにもありますが、それがそういう意味での不行き届きといいますか……。  おっしゃるとおり、災害基本法で避難しなさいという指示を出すのは市町村長でございますから、その間に、今おっしゃったメロンの苗が枯れてしまった、そして、ホタテが下へ沈んでヒトデに食われてしまった。その補償は、やはり元気で生きていて、いわゆる政府、自治体の対応に乗って、そしてまた、この日本の経済がしっかりしていましたら、その立ち直りを御支援申し上げるいろいろな手を、政府が一生懸命に地方自治体と協力をして、そういう制度を動員して、お互いの災難を乗り越える。  ありがたいという字は難儀が有ると書いてあるそうでございますが、難ありありがたしと申しますか、それを乗り越えていくところが人生であり、そして、仕方がない、人間と神様の関係といいますか、自然災害と、時速千三百七十キロぐらいのスピードで、自転で走っておりますこの地球、それから太陽の周りは秒速二十九キロで走っていますし、太平洋プレート、フィリピンプレート、北米プレートというプレートが日本の下へ潜り込むその接点にある日本としての、災害が予想される立地に我々が住んでいるということ。これは、北海道の方も有珠山のそばに住んでいることを選べませんが、日本人もそういう場所を選んでしまった、お互い日本人でございますから。その日本国家として、どういうふうに対応していくか。  くだらないことを申しまして恐縮でございますが、そういう感想しか言えないという気持ちで拝聴いたしておりまして、できれば、それはもう先生のおっしゃるとおり、本当にそういうふうにしたいな、そんなふうにできたらいいのにな、こんな気持ちで拝聴いたしておりました。
  87. 平賀高成

    ○平賀委員 私は、最後に一言訴えたいと思いますが、阪神・淡路の震災で、五年たちましたけれども、個人補償や営業補償ができなかったがために、仮設住宅で二百三十二人の方が自殺や孤独死になった、こういう冷厳な事実があると思うんですね。  それで、私はやはりこの問題について、少なくとも個人補償や営業補償がやられない限り、住民の命や安全を守ることができないんだと。この点では、増田敏男現地対策本部長も新聞のインタビューで、個人補償の問題は今後の検討テーマだというふうに言われておりますので、ぜひこの問題について誠実な検討をやっていただきたいということを最後に申し上げて、質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。
  88. 青木宏之

    青木委員長 三沢淳君。
  89. 三沢淳

    ○三沢委員 まずは、五分ということで大変質問時間がないんですが、今回の有珠山噴火に伴い、なお不自由な避難生活を送っておられる皆様には、心よりお見舞いを申し上げたいと思います。  有珠山噴火がこの三月三十一日にありまして、前後いたしまして、私は、中山国土庁長官初め二階北海道長官を筆頭に、やはり行政側が本当に十分な、迅速な対応をされたと思っております。これも普賢岳や阪神・淡路の災害の教訓が生きてきているのではないか、そういうふうに思っております。  特に、私は、四月八日に現地に、保守党といたしまして、党首とともども視察をしてまいりました。そのときに、本日おられます、現地対策本部長を務めておられます増田国土庁総括政務次官が、今回のこの噴火に対しましての現地での対応説明していただきまして、本当に、増田本部長の手腕を高く評価したいと思います。地方自治体、公共団体も本当に団結して今回の災害に当たられまして、この有珠山災害に対しましては、国民の皆さんの評価もやはり相当上がったんじゃないか、そういうふうに思っております。  これからまだまだ大噴火がされるんじゃないかと予測されまして、これまでのような本当に迅速な、十分な対応がこれから大噴火の場合にできるのか。そして、大噴火が起きた場合に、周りの避難民の人たちを、今度大量に出た場合はどう避難させればいいのか、その場所はどういうふうに確保されるのか。そして、避難民の皆さんも本当にこれから、大変な生活をされまして、健康状態も気になります。  今、介護の問題ですが、介護される側が体の調子が悪くなる、健康を害してしまうということがよくあります。今回も、この有珠山噴火に対しまして、現地総括政務次官初め本当に御苦労なされまして、私は、そういう災害に携わっております皆様方が、これから長期になられた場合の健康問題、避難されている皆様方の健康問題はもちろんなんですが、そういう従事されておられます皆さんの健康問題は本当に十分にされているのかどうかお聞きしたい、そういうふうに思います。
  90. 増田敏男

    増田政務次官 三沢先生には現地までおいでをいただいて、助言などいただきました。ありがとうございました。  時間に限りがあるようですから、簡明にお答え申し上げていきますが、大きくは二つ質問がございました。  まず一点の、今回の現地対策本部設置は、平成七年の災害対策基本法改正で現地対策本部設置に関する規定が設けられて以降、初めて行われたことでありますが、三月三十一日の噴火直後の初期対応においては十分な役割を果たし得た、このような認識をいたしております。もちろん、住民の方、地方自治体、国の関係、あるいはあらゆる行政から民間ボランティアの方々まで、全部くるめて総合力で運ぶことができた、このような理解をいたしております。  また、四月十二日の火山噴火予知連絡会の新見解の発表に伴い、伊達市を初めとして一時的に避難指示を解除した地域については、再度避難に備えて各市町が緊急時にとるべき措置、例えば住民に対する再避難準備のお願い、あるいは住民に対する具体的な避難指示の伝達体制の整備、また緊急避難計画の作成等を現在講じているところであります。  現地対策本部としては、今後とも、観測監視体制の充実強化を図ることとあわせて、各市町に協力をし、噴火等の不測の事態に迅速かつ的確に対応できるよう努めてまいりたい、このように考えております。  なおまた、住民方々の心の問題もありますので、先ほど来御質問がございましたが、それらを踏まえて、安全が確認できる限りは、短時間帰宅でも一時帰宅でも実施はし続けていきたいというような考え方が基本にあります。  それから、健康の御心配をいただいてありがとうございます。非常災害現地対策本部員は、被災地における情報及び支援要望の収集や国の施策に係る情報の被災地への提供、あるいは被災地の地方公共団体の施策に対する支援等、迅速かつきめ細やかな災害対応する対策実施するため、さまざまな業務を行って、先生がごらんをいただいたとおりであります。  このように現地本部員の業務は多岐にわたっておりますが、火山活動状況に的確に対応する必要性等からその勤務時間は不規則なものとなっており、長期にわたる現地での勤務は大変な疲労を伴うものとなっております。  でも、先生おいでいただいたころは、幾らかよくなりました。あの前は、大体十分から二十分ぐらいの間に、私は三か四かと思ったのですが、二から四ぐらいの地震が昼夜参りますので、非常にそのことは大変でございました。しかしながら、現地対策本部の機能が低下しないように、適宜要員の交代を実施して健康状態の維持管理に努めているところであります。  いずれにしても、現地では多くの方々が引き続き不自由な生活を余儀なくされておりますので、その大変な御労苦に心からお見舞い申し上げますとともに、現地での具体的な実情を踏まえまして、今後とも適切な災害応急対策を推進すべく努力してまいりたいと思います。  なお、虻田は小さな町ですから、町の職員が少のうございます。道にお願いをして、道職員を派遣して何とかその体を守ってくれというようなことの対応が現実です、今進められております。よろしくまた御指導願いたいと思います。
  91. 三沢淳

    ○三沢委員 現地対策本部長、増田先生、本当に健康に留意されまして、これからどのぐらいまでか、また、この噴火がいつ終息するかわかりませんので、どうか頑張っていただきたいと思います。我々も一生懸命後押ししてまいりたいと思いますので、ぜひ頑張っていただきたいと思います。  どうもありがとうございました。
  92. 青木宏之

  93. 達増拓也

    達増委員 自由党の達増拓也でございます。  今般の有珠山噴火によりまして被災された皆様、また避難所生活を余儀なくされている皆様に、まず心からお見舞いを申し上げたいと思います。  さて、今回の有珠山噴火をめぐります災害対策、また国家としての危機管理上の決定的瞬間の一つが、三月二十九日午前十一時十分、室蘭地方気象台が、数日以内に噴火が発生する可能性が高いという内容の緊急火山情報を発表したことだと思います。  初めて噴火前に緊急火山情報が発表される、いわばその予知が発表される、あるいは、通常の気象情報でいえば警報に当たるものが発表される、それによりまして周辺市町村の避難勧告が出され、被害を最小限に食いとめることに大きく資するところがあったと思います。  この予知を行うに当たっては、室蘭地方気象台のみならず周辺の気象台、例えば札幌管区気象台が伊達市周辺の地震観測するなど、そういった気象台間の連携、また火山課を中心とする気象庁本庁の判断、そして岡田弘教授の北大有珠火山観測所、こうしたところの連携が非常にうまくいって、今回のような事前の緊急火山情報の発表ということになったのだと思います。  今後、このような火山観測監視体制の重要性が非常に明らかになったと思いますので、他の火山、特に今心配されております岩手山等周辺の火山有珠山に近いところの火山など特に重要だと思うのでありますけれども、そうした他の火山観測体制を一層充実させて、万が一の場合、事前にこのような緊急火山情報が出せる体制を整えておくことが重要と考えますけれども、この点、気象庁に質問いたします。いかがでしょうか。
  94. 山本孝二

    山本政府参考人 お答えいたします。  気象庁では、有珠山あるいは桜島などの活動的な二十の火山について、地震計等を設置して常時監視しております。また、ほかの山についても、大学等が観測しているデータがございますので、それらを相互交換いたしまして、監視に努めているところでございます。  さらに、火山機動班というものが気象庁にございまして、定期的に山の活動状況の把握に努めている、こういうことで、今後とも観測体制整備努力してまいりたいと思っております。  先生が今御指摘ございました岩手山でございますが、これは、平成七年秋以降の活動の活発化に伴いまして、気象庁では、東北大学、岩手県等、関係機関と連携しながら、順次、地震計、空振計等を設置し、常時監視してございます。それで、噴火する前の異状がもしも認められた場合には、直ちに火山機動班を派遣し、観測体制を強化し、事前の信号をとらえて適切な防災情報を発表したいというふうに考えているところでございます。
  95. 達増拓也

    達増委員 今回の経験を最大限生かして、他の火山についても遺漏なき体制を充実させるよう希望したいと思います。  さて、引き続き気象庁に伺います。  火山噴火によりまして、火山灰等降下物が発生している。また、それが積もって、大雨になりますと泥流になる、そういう災害の危険性もあるわけでありまして、大雨の予測あるいは風向きの予測等々、ふだんであれば何げない気象情報であっても、こういう噴火ということと相まって、有珠山周辺の気象情報が非常に今重要になっていると考えます。平時以上の気象情報提供体制を強化していくべきと考えますが、この点いかがでしょうか。
  96. 山本孝二

    山本政府参考人 お答えいたします。  先生御指摘のとおり、有珠山周辺では噴火以来、火山灰が堆積しているという状況でございますので、特に有珠山周辺における大雨による土石流あるいは泥流が懸念されるところでございます。  そのため、気象庁では、噴火直後から、胆振西部地方における大雨注意報、警報、これを、大雨の基準を下げることによって土石流の危険を事前に呼びかけることができますので、その警報基準を下げたところでございます。  また、平時から、気象情報の発表の中で、この周辺地域においては泥流、土石流による災害が発生する可能性があるということで、注意喚起をしているところでございます。  また、火山対策の一環で、上空の風が非常に重要でございますので、札幌管区気象台と室蘭地方気象台と共同して、有珠山周辺における上空の風の予報を、噴火直後から一日二回発表しております。  また、室蘭地方気象台から、有珠山周辺の三時間ごとの天気、これは雨が降るか降らないかということが非常に重要でございますので、この三時間ごとの天気予報を、特別に地点を設定いたしまして、現在、天気予報のほかに気象情報として提供しております。  このように、有珠山周辺に対する気象情報全般についての提供体制を気象庁としては強化しておるところでございます。
  97. 達増拓也

    達増委員 この委員会に来る前に、インターネットを利用しまして気象庁ホームページを検索しましたところ、ちゃんと有珠山情報というコーナーがあって、随時更新されている。そういうきめの細かい対応をさらに充実させていただきたいと思います。  最後に、有珠山活動長期化していけば、そういう気象観測体制情報提供体制の充実ということも中長期的な観点からもやっていかなければならないと思うのですけれども、この点についてどう取り組んでいかれるでしょうか。
  98. 山本孝二

    山本政府参考人 お答えいたします。  先生御指摘のとおり、繰り返して恐縮でございますが、泥流、土石流対策という観点で雨の情報が非常に重要でありまして、短時間の雨の予測につきましては、先ほど申し上げましたように、三時間先だとか六時間先については、現在、かなり精度よく、きめの細かい情報提供がなされております。さらに、私ども、一週間先あるいは一カ月先の中長期的な雨や気温の予測情報も行っておりまして、引き続きこの精度の向上を図る等、こういう長期間にわたる雨の問題について今後とも取り組んでいきたいというふうに考えているところでございます。
  99. 達増拓也

    達増委員 以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。
  100. 青木宏之

    青木委員長 北沢清功君。
  101. 北沢清功

    ○北沢委員 社民党の北沢でございます。  このたびの有珠山噴火に基づきまして、被災者の皆さんに深くお見舞いを申し上げるとともに、その対策に日夜を分かたず御活躍をされている皆さんに深く敬意を表したいと思います。  今まで私もいろいろと災害対策については質問をしてまいりましたが、今回、改正をされた災害対策基本法が初めて本格的に運用されたわけでありまして、この災害対策基本法の運用について、今回どうだったのか、スムーズに運用されたのか、また、現段階での反省点等がございましたら、お答えをいただきたいと思います。
  102. 生田長人

    生田政府参考人 お答え申し上げます。  三月三十一日に有珠山噴火いたしましたけれども、その一時間二十分後に非常災害対策本部現地対策本部設置したわけでございます。非常災対では、この後すぐに、この災害に対する六つの対応方針を決めて、政府調査団を派遣するということを決めておりますので、比較的迅速な対応ができたものというぐあいに私どもは認識しております。  また、今回の噴火対応につきましては、災害対策基本法の改正後、初めて正式な形で現地対策本部設置したところでございますけれども、非常災害対策本部方針といたしましては、現地実施に移すべき具体的な措置というのは、すべて地元市町現地本部合同会議で決定していただいて、国が全面的にその決定を支援する、こういう基本方針対応をしているところでございます。  現地本部におきましては、増田現地対策本部長の指揮のもとで、国の関係省庁だけではなくて、地元の市町、それから火山の専門家の方々が密接に協力をしていただきまして、現在のところ、打つべき措置は迅速かつ的確に行われているものというぐあいに認識をしているところでございます。  それでも、反省すべき点は、細かい点は多々ございます。ただ、現在まだ有珠山は活発に活動しておりますので、私ども、当面は応急対策に万全を期したいと考えておりますが、火山活動が一段落するといいましょうか、終息した時点で、一度きちんと今回の対応を省みる必要があるというふうに考えておりまして、改善すべき点は改善していきたいと考えております。
  103. 北沢清功

    ○北沢委員 私ども、今回の有珠山の問題については、テレビだとかニュースその他で刻々と見ておりまして、非常に理解をされるわけでありますが、特に地元の自治体の皆さんとの関係について、北大などの学者が非常に信頼関係が、連絡をされておりまして、そういう中では事態を深刻にさせずに済んだという面が言われております。  国が当然主導的な立場をとるということもありましょうが、あくまでも、やはり地方と現地の北大等の観測体制についても十分に理解を示し、国は協力するという立場に立つべきではないかと思うわけであります。  もう一つ質問をいたしますが、今回の有珠山予知は大変成功した例と言われております。確かに、その火山の性格によるということが、我が国のような火山の多い国では避けて通ることのできない重要な課題であります。今回の体験を踏まえて、また科学技術の長足な進歩もあるわけでありますから、もちろん有珠山観測を慎重にしなければならないが、今後の予知について、より充実すべく、対応してほしいということを申し上げて、お答えをいただきたいと思います。
  104. 山本孝二

    山本政府参考人 お答えいたします。  今般の有珠山活動では、この山の過去の活動履歴が割とわかってございましたので、噴火前から適時に火山情報を発表することが可能であったわけでございます。  しかしながら、一般的には、噴火規模、様式及び推移を正確に予測することは現状では容易ではないというのが実情でございます。  気象庁では、有珠山、桜島などの活動的な二重火山について、地震計やその他の観測施設を設置して、常時監視しております。また、その他の火山についても、火山機動班が定期的に観測し、大学関係機関と連携しつつ、火山活動の把握に努めております。  また、気象庁は、今回の有珠山噴火の場合でも同様でございますが、火山噴火予知連絡会というのを開催して、山を診断することにしてございます。日本全体の山については、年三回、定期的にこの火山噴火予知連を開催しまして、火山活動全般の評価を行っております。火山活動に異状が認められた場合には、私ども気象庁では、火山機動観測班を直ちに出動する等、観測体制を強化することとしております。  これらの観測に基づきまして、山の診断を的確に行いまして、今後とも適時に火山情報を発表し、火山現象による災害の防止、軽減に努めてまいる所存でございます。
  105. 増田敏男

    増田政務次官 お答えをいたします。  国は主導的な立場に立つのではなくて、バックアップするような形がどうだというようなお尋ねであったと思います。  今回の噴火におきましては、三月二十九日に火山噴火予知連絡会から噴火可能性が高いとの見解が出され、それに応じて行政側が迅速な避難活動を行った後、三十一日に有珠山噴火したため、現時点で人的被害が生じていません。これはハザードマップを作成するなど、学者と地元自治体との日ごろからの連携の成果であると認識をいたしております。  自治体は、住民の安全を確保する責務を有しておりまして、学者の専門的見地からの火山活動状況についての情報を十分に踏まえた上で、防災上どのような措置をとるべきかについて総合判断を行います。国は、地元自治体だけでは実施することができない防災上の措置支援する役割を負っていると認識をしておりまして、現地対策本部伊達市に設置をし、自治体の担当者と首長、市長町長ですが、それぞれの方においでをいただいて、十分意思を通わせるという意味で、有珠山噴火非常災害現地対策本部合同会議を開催しまして、自治体と十分な意思の疎通のとれた対策を実は展開しております。  初めに、私は向こうへ着いてすぐ、首長さん方に、住民方々の生命、健康、財産を守るというのが私は市長の責任だ、こう自覚をして市長をやりました、皆さんも首長さんだから同じでしょう、皆さんの持っていない力は、対策本部が糾合して、皆さんと一緒に連携して頑張るんです、だから、住民避難勧告避難をどうする、この決定はかかって皆さんなんです、全力は尽くしますというような意思の疎通を図ってスタートをとりました。  専門家の学者の先生方も、私の部屋を直ちに明け渡しまして、私は以来、部屋も机もありませんが、そこに、こう言うと変ですが、先生方の集うところを直ちにお願いをしまして、三月三十一日以来、今日まで、私もノックなしで入っていきます、また向こう先生方も意見をがんがん言ってくれます、人間関係もつくって今日に至っております。  なお途中ですので、引き続いてまた頑張っていきたい、こういう思いです。  以上です。
  106. 北沢清功

    ○北沢委員 ありがとうございます。  地方自治体の皆さんの主導的な活躍が、よく今回は発揮されているというふうに私は理解をしております。  今度の噴火は、周期から見ると、五十二年からですから二十二、三年なんでして、今までよりも若干短縮されているわけで、今後における長期化が予想される中で、いろいろと支援だとか救援策が講ぜられるわけでありますが、企業の場合とか、お勤めに出ている皆さんは雇用法等の適用もあり、いろいろと対策が講ぜられるわけでありますが、やはり単独の皆さんとかいわゆる生活保護世帯に転落する皆さんが非常に多いのではないか、私はそういうふうに考えるわけでございまして、これは、生活保護についてはひとつ適用について完璧を期していただくように、特に対策から外れた人たちを、必ず出ると思われるわけでありますが、そういう面で当たっていただきたいと思います。そうした方向への対応はいかがなっているか、その点についてお尋ねをいたしたいと思います。
  107. 中山正暉

    中山国務大臣 避難所にいない避難者の方とか、それからまた、道が個別避難者の所在地等の確認を行うとともに、道庁、胆振支庁を初めとして各支庁において行政ニュース、ここにございます行政ニュースというのが出ているのですが、それから北海道からのお知らせとか、毎日これは出ておりますが、そういうもので情報が行き渡りますように、ちょっと二、三日、ここのところ違った情報が出まして混乱したようなこともございますから、正確な情報の基点というものを設定しないといけないと私なんかも思っておりますが、行政ニュース等の情報提供や総合の相談窓口を開設して対応しているということでございます。  それから、雇用保険に加入していない被雇用者に対しましては、労働省において、現地に雇用労働相談室というのを設置しておりまして、相談に応じております。  それから、今後とも、道や支庁との密接な連携を図りつつ、引き続き諸般の対策被災者に行き渡るように、国としても積極的に支援してまいりたいと思いますが、大体、私、壮瞥町の町役場へ行きましても、市議会の皆さんも熱心に、ずっと作業服を着て町役場にいていただいたりして、そういう地方議会の皆さん方の実直な、地道な御対応に、私は現地を見て回りまして、心から敬意を表しております。  そんな意味で、そういう漏れた人、先生の御心配なさっているような、情報から漏れ、対策から漏れ、居場所を確認することから漏れております方々、これをできるだけ徹底して調査、それからそっちの方の情報の収集もいたしたい、かように思っております。
  108. 北沢清功

    ○北沢委員 神戸の場合ですと、いわゆる避難する中で遠隔に行かれた方とか大阪に行かれた方の対応については非常に問題が残ったわけでございますから、今言われた点については十二分にひとつ御配慮をいただきたいと思っております。  以上で終わります。
  109. 青木宏之

    青木委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後五時五十四分散会