○藤木
委員 日本共産党の藤木洋子でございます。
後で議題とされます起草の件につきまして、まず最初に意見を表明させていただきます。
被災後五年たってもなお、
被災者がいまだに生活再建ができないまま苦しんでいる阪神大震災では、
地震防災対策のおくれでその被害を拡大したことが明らかになっています。
被災地では、インフラ
整備は行われましたけれ
ども、
被災者の営業と暮らしを再建するための国の支援はおくれたままです。
被災者の生活再建なくして震災の復興はあり得ません。
災害から国民の命と財産を守ることこそ
最大の安全保障です。
被災者の住宅再建を初め個人補償を行うことは国の責任です。
東海
地域における
地震防災対策を一層充実強化することはもちろんですが、
全国的に
地震災害に対する
防災計画を抜本的に強化すること、国庫補助対象事業の拡大や補助率の引き上げを初め、国による財政援助措置を強化することが強く求められております。
その際、以下の点について改善を図るべきだということを申し上げたいと思います。
その
一つは、公共
施設等の耐震性の強化と
地震に強い町づくりを進めることです。
防災対策上必要な既存の公共的
施設、建物の耐震補強を行い、
防災に強い町づくりを
計画的に推進するとともに、住民の英知を集め、
地域防災計画を拡充していくべきです。阪神大震災の教訓から、町づくりの上でも
被災住民の意見を十分に取り入れたものにするべきです。
第二に、消防
職員の充足率を抜本的に引き上げることなどを初めとした消防力を強化することです。そのために必要な国の財政支援を強化することが必要です。
第三に、阪神大震災では住宅の倒壊などによる圧死者が九割に達していることからも、住宅の耐震補強を抜本的に強化することが重要です。一九八一年以前の木造住宅は、観測強化
地域の
静岡市でも七割に達するなど、住宅の耐震化は切実になっています。個人住宅に対する国の支援として融資だけでは不十分であり、補助制度などの支援措置の拡充を行うことが必要です。
第四に、観測
体制の強化の問題です。東海
地域を初めとする
地震予知のための観測研究の強化、観測所の廃止を中止し、観測
体制の強化を図ることです。
最後に、
防災に強い町づくりを初め、対策を強化していく上でも、住民参加と公開の原則を貫くことが不可欠であるということを述べまして、意見表明とさせていただきたいと思います。
引き続き
質問に入らせていただきますが、阪神・淡路大震災の
被災者は、暮らしを再建するために実に懸命の
努力を続けているにもかかわらず、丸五年の歳月を重ねてなお将来の展望が見えない。震災による苦しみがいまだ続いております。このことは、五年を節目として行われました、地元自治体やさまざまな団体による検証活動のどの報告や
調査でも明らかになっております。
中山
国土庁長官は、所信表明で、「
災害から国民の生命、身体、財産を守ることは、
政府の最も重要な責務の
一つである」と述べられました。私は、阪神・淡路大震災の
被災者の暮らしの再建、
被災地の真の復興に国の責任を果たし切ることなしには、多発している自然
災害の被害に対してこの基本姿勢を貫くことはできないと考えております。
被災地の猶予のならない深刻な実態の解決と、そして今後の
災害による
被災者が阪神・淡路大震災と同じ苦しみを繰り返さないために、今回もこの問題で
質問をさせていただきたいというふうに思います。
長官は、昨年十一月の本
委員会で、私の
質問に対しまして、阪神・淡路
地域における生活の再建及び経済の復興を緊急に図るという阪神・淡路復興対策本部の
目的を完遂したと自信を持って言えると思うと述べられました。しかし、神戸新聞の
被災者追跡アンケートによりますと、もとの町に戻ることを断念したりめどが立たない人が約七割でございます。自営業者の原状回復は半数を割るということであるとか、
被災者の苦しい生活実態が浮き彫りになっておりまして、国は
被災者の立場に立って考えてほしいなど、七割を超える人が、行政の支援は不十分として、個人の力だけでは再建できないという現状の厳しさを訴えております。
そこで、具体の問題なんですけれ
ども、
災害公営住宅、復興住宅のHAT神戸灘の浜というところがございますが、ここに入居されているAさんの場合、働きたくても足が悪いので働けず、無収入で生活をしておられます。連れ合いの方は、震災前は左官業でしたけれ
ども、不況で仕事はございません。今は二人で生命保険の満期のお金を取り崩しながらの生活という状況になっています。ぎりぎりの生活で、病院に行きたいけれ
ども医療費が高いから我慢するしかない、こうも言っておられました。また、六十二歳のBさんは、月十万円弱の年金収入で二人で生活されておりますけれ
ども、食費は
最大切り詰めて、貯金を取り崩さなければ暮らしていけず、その貯金も残り三十万円余りになってしまっています。
五年間の期限で行われている国による家賃補助が打ち切られることになりますと、こういう方たちは、現在、一世帯一番安い家賃の六千六百円で過ごしていらっしゃるわけですけれ
ども、本来家賃の二万五千六百円になるわけですね。このようになったら、大臣、どうでしょう。期限だからといって家賃補助を打ち切ってしまいますと、こうした
人たちはどうなるというふうにお考えでしょうか。大臣に
お答えをお願いしていましたが。