運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

2000-04-21 第147回国会 衆議院 建設委員会 第11号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十二年四月二十一日(金曜日)     午前九時一分開議  出席委員    委員長 大口 善徳君    理事 佐田玄一郎君 理事 佐藤 静雄君    理事 原田 義昭君 理事 宮路 和明君    理事 田中 慶秋君 理事 吉田 公一君    理事 井上 義久君 理事 中島 武敏君       飯島 忠義君    加藤 卓二君       亀井 久興君    岸田 文雄君       小林 多門君    佐藤  勉君       桜田 義孝君    西川 公也君       野田 聖子君    蓮実  進君       林  幹雄君    林田  彪君       増田 敏男君    松本 和那君       宮腰 光寛君    玉置 一弥君       樽床 伸二君    平野 博文君       藤田 幸久君    前原 誠司君       渡辺  周君    石井 啓一君       辻  第一君    青木 宏之君       佐々木洋平君    菅原喜重郎君       中西 績介君     …………………………………    建設大臣         中山 正暉君    国土政務次官       増田 敏男君    建設政務次官       加藤 卓二君    建設政務次官       岸田 文雄君    政府参考人    (厚生省生活衛生局長)  西本  至君    政府参考人    (厚生省生活衛生局水道環    境部産業廃棄物対策室長) 由田 秀人君    政府参考人    (建設省建設経済局長)  風岡 典之君    政府参考人    (建設省道路局長)    大石 久和君    建設委員会専門員     福田 秀文君     ————————————— 委員の異動 四月二十一日  辞任         補欠選任   加藤 卓二君     飯島 忠義君   岸田 文雄君     林  幹雄君   宮腰 光寛君     佐藤  勉君   樽床 伸二君     藤田 幸久君   前原 誠司君     玉置 一弥君   上田  勇君     石井 啓一君   佐々木洋平君     菅原喜重郎君 同日  辞任         補欠選任   飯島 忠義君     加藤 卓二君   佐藤  勉君     宮腰 光寛君   林  幹雄君     岸田 文雄君   玉置 一弥君     前原 誠司君   藤田 幸久君     樽床 伸二君   石井 啓一君     上田  勇君   菅原喜重郎君     佐々木洋平君     ————————————— 本日の会議に付した案件  政府参考人出頭要求に関する件  建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律案内閣提出第八五号)  土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策推進に関する法律案内閣提出第七一号)(参議院送付)     午前九時一分開議      ————◇—————
  2. 大口善徳

    大口委員長 これより会議を開きます。  内閣提出建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律案議題といたします。  この際、お諮りいたします。  本案審査のため、本日、政府参考人として建設省建設経済局長風岡典之君、道路局長大石久和君、厚生省生活衛生局長西本至君及び生活衛生局水道環境部産業廃棄物対策室長由田秀人君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 大口善徳

    大口委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     —————————————
  4. 大口善徳

    大口委員長 これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。井上義久君。
  5. 井上義久

    井上(義)委員 建設資材資源化法につきまして若干の質疑を行いたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  地球環境問題でありますとか資源有限性あるいは持続可能な経済成長ということを考えますと、日本における資源循環型社会構築喫緊課題であると思います。我が党も、環境共生エコロジー社会の実現ということを党の基本政策の柱の一つにしておりまして、循環型社会構築に向けた具体的な政策提言をこれまでも行ってまいりました。  また、今国会では、小渕総理施政方針演説におきましても、平成十二年度を循環型社会元年と位置づけて、大量生産大量消費大量廃棄という我が国社会のあり方を見直し、生産流通消費廃棄社会経済活動の各段階循環型社会構築しなければならないという方針が示されました。これを引き継いだ森新総理におかれましても、循環型社会構築について同趣旨の所信演説をされておるわけでございます。  そうした政府方針を受けまして、今般与党三党の間で循環型社会形成推進基本法案成立に向けて合意ができまして、今国会法案提出をされております。あわせて、いわゆる具体法といいますか、個別法である再生資源利用促進改正法案でありますとか、あるいは廃棄物処理清掃改正法案でありますとか、あるいは食品循環資源再生利用法でありますとか、それと今議題になっております建設資材資源化法提出をされておりまして、ごみゼロ社会に向けた本格的な取り組みが開始されたことは大きく評価されるべきである、このように考えるわけでございます。  そこで、まず最初に政務次官に、この循環型社会早期構築必要性について所見をお伺いしたいと思います。
  6. 加藤卓二

    加藤政務次官 循環型社会早期構築必要性について御質問がございましたが、近年、我が国社会経済活動拡大して国民生活が豊かになる一方で、昔でしたら建築をやるときもほぞを使ってくさびで移築できるような建物をつくったのですが、ベニヤとコンクリートで固めた建物は再構築することが大変なので、これを廃材として捨てる。ですから、逆に言うと、不法投棄やなんかが大変ふえてしまっている。これらの問題は、大量生産大量消費、大量に捨てるという大変な大きな問題になっております。  ドイツやなんかはこういうときにどういうふうにやったのかなというので、私、ドイツやなんかに行ったときに聞いてみていると、大変そういうことを上手にやっている。一方、流通関係でも、もうほとんど物を捨てるように、上げ底スタイルのデパートの包装、こういうものがなくなればいいのじゃないかなと思っております。  このようなときに、循環型社会を形成するということが不可欠でございまして、別途、循環型社会形成推進基本法案提出しているところでありますが、この法案基本法案と相まって、我が国における廃棄物リサイクル対策推進し、循環型社会構築していくための大きな役割を果たすものと考えております。  建設省としても、本法案早期成立をお願いするとともに、その適切な運用を図ることにより、我が国における循環型社会形成に向けて一翼を担えるよう最大限の努力をいたしてまいる所存でございます。
  7. 井上義久

    井上(義)委員 循環型社会形成推進基本法案国会提出をされて、その個別法としてのこの建設資材資源化法があるわけでございますけれども、御案内のように、建設廃棄物というのがいわゆる産業廃棄物排出量の約二割、最終処分量では約四割を占めております。それから、リサイクル率を見ますと、平成七年度で土木系廃棄物が六八%、建築系廃棄物に至っては四二%にとどまっているわけでございます。しかも、不法投棄の九割が建設廃棄物であるという不名誉な数字も出ておるわけでございまして、建築解体廃棄物発生量の将来推計を見ますと、四十年代以降急増した建築物更新期を迎えることから、一九九五年と比較をいたしますと、二〇〇〇年には約二倍、二〇〇五年には約三倍、二〇一〇年には約四倍と急増していくことが予想されるわけでございます。  そういうことを考えますと、循環型社会構築していく上で、建設廃棄物をどう再資源化していくかということは極めて重要だと思うわけでございまして、建設廃棄物現状とこの業界指導的立場にある建設省の責務についてまずどのような認識をされておるのかということと、そういう現状に対してこの法案の意義と、本当にこの法案成立して、これが施行されてどの程度の実効性があるのかということについてお伺いいたします。
  8. 加藤卓二

    加藤政務次官 建設廃棄物産業廃棄物全体の排出量の約二割で、最終処分量は約四割を占めておりまして、廃棄物排出の面で環境に大きな負担を与えていることは事実でございます。特に不法投棄については、厚生省の調査によれば、平成五年から平成七年度までの平均値で、建設廃材木くず等建設廃棄物投棄量全体の九割を先生おっしゃっているとおり占めておりまして、建設廃棄物不法投棄防止喫緊課題と認識しているところであります。  このために、建設省では、現在の建設廃棄物リサイクル推進のため、平成九年度に、平成十二年度に建設廃棄物全体のリサイクル率を八〇%にするという数値目標を盛り込んだ建設リサイクル推進計画97を策定し、目標の達成に向けてリサイクル推進に努めてきたところです。  今般、さらに、リサイクルのおくれている建築解体廃棄物を初め建設廃棄物全体について、リサイクル推進のための具体的措置を規定した法案を取りまとめたところです。今後とも、循環型社会構築に関し、建設分野での取り組み重要性を十二分に認識し、本法案の適切な運用を初め、より一層の建設廃棄物リサイクル推進を図ってまいる所存でございます。  今理事の方からお話のあったように、どの程度成功しそうなんだというのですが、道路アスファルトだとかコンクリートだとか、建築物コンクリートはほとんど今材料が足りないぐらい上手に再生して、骨材が今山を崩したりなんかしなくても近いところにあるという形で、リサイクルは非常にうまくいっているのもありますが、あと木材や何かに関してはこれからの課題だと思っております。
  9. 井上義久

    井上(義)委員 この法案実効性ということについて、これはこれからの施行後の運用建設省取り組み方針にもかかわってくることでございますけれども、先ほど言いましたような不法投棄の九割を占めているという現状、それから、これから二〇〇五年には三倍、二〇一〇年には四倍になるという状況の中で、この法案施行されることによって、実効性という面で具体的に挙げられる数字があったら挙げてもらいたいと思うんです。
  10. 風岡典之

    風岡政府参考人 この法律をぜひ早期成立をさせていただきたいわけでございますけれども、問題は、いかにして実効を上げていくのかということ、御指摘のとおり非常に重要な課題であると思います。そのためには、国民全体、特に建設業者地方公共団体も含めて全体に対する周知啓発を行っていくということは非常に重要ではないかと思っております。  現在、いろいろなことを考えておりますけれども、特にそのうち、この法律が制定されました場合には、全国での説明会をできるだけ早くやっていきたいというふうに思っております。  また、地方建設局、それから都道府県政令指定市、公団などで、現在、各地方ブロックごと地方建設副産物対策協議会というのをつくっております。これは発注団体等中心になってつくっているわけでございますが、こういった団体。さらには業者団体でつくります建設副産物リサイクル広報推進会議というのがありまして、こういったところでも徹底的な周知徹底というのを図っていきたい。  さらに、国民一般向けということで、わかりやすいパンフレットをつくり、それを市役所の窓口とか、あるいは住宅金融公庫窓口とかというようなところにも配布をしていきたい。特に昨年、住宅金融公庫については、解体部分についての百万円の融資制度をつくりましたときに、あるパンフレットを置きました。住宅も壊せばごみになるというパンフレットで、分別解体を進めましょうというパンフレットなんですが、十万部現場に置きましたところ、ほとんどすぐなくなってしまったというようなことで、非常に関心も高まっておりますので、さらに新しい内容でございますので、十分周知できるように体制を組んでいきたい、このように考えております。
  11. 井上義久

    井上(義)委員 局長、ここまでやるんだという建設省としての腹構えをぜひ、それがないと現実にはなかなか進まないと思うんですよ。さっき言ったように、不法廃棄物の九割が建築廃材だと。しかも、その廃棄物自体は二〇一〇年には四倍になる、こういう現状の中で、現状を放置していたら大変なことになる。だけれども、この法律をつくったことによって、ここまではやるぞという腹構えを一回きちっと示してもらいたいなと思うんですが、この辺はどうですか。
  12. 風岡典之

    風岡政府参考人 今回、こういう法律提出させていただきましたのは、やはり全体の産業廃棄物の中で建設廃棄物リサイクルというものが非常におくれている、こういった問題の中で法律提出させていただきました。  私どもとしましては、当然、建設廃棄物リサイクルというのを積極的に進めていく、そのためには分別解体というものを積極的に進めていくんだということ、また、それを担う業者についても登録制度を実施するということで、これは発注者から業者を含めて、何としてもリサイクル率を上げていくんだということで実施をしていきたいというふうに思っております。  特に、政府全体でつくります基本方針というのを定めるわけでございますけれども関係省庁と協力しまして、建設廃棄物リサイクルを計画的に、また積極的に進めていくんだということの方針を明らかにしていきたい、このように思っております。
  13. 井上義久

    井上(義)委員 なかなか抽象的で、具体的に言えないのかもしれませんけれども国民に対して、あるいは業界皆さんに対して、不法投棄の九割は建設資材だ、こう言われているけれども、少なくともこの法律施行して、しかも廃棄物の量が四倍になると言われる二〇一〇年ごろには三分の一にするよとか、ゼロにするということはなかなか難しいと思いますけれども、そういうことをやはりきちっと明確に目標を決めてやらないと、抽象的なことだけではなかなか現実には進まないんじゃないかと思います。その辺の、基本方針をつくるということですから、数値目標も含めてきちっとやってもらいたい。この数値目標を出すということについてはどういうふうに考えていますか。
  14. 風岡典之

    風岡政府参考人 ただいま御指摘をいただきました基本方針におきましてはいろいろな内容を定めるというふうに考えておりますが、最も代表的な、また重要なものとしましては、特定品目につきましてリサイクル率を、目標というのを定めたいと思っております。これも、単に抽象的なものではなくて、具体的な数値、例えば五年後、十年後にどういうふうに持っていくのかという数値をあらわしていきたい。また、リサイクル製品となりましたもの自体も使うようなことにしませんと、全体のリサイクルという形で循環をしませんので、これにつきましても基本方針の中でできるだけ具体的な方策というものを定めていきたい。  いずれにしましても、基本方針でそういった明確な目標を定めることによりまして、先生指摘いただきました、不法投棄の九割は建設廃棄物だというようなことを今後言われないように精いっぱい頑張ってまいりたいと思います。
  15. 井上義久

    井上(義)委員 そこで、この法律成立することによって、建設廃棄物の再資源化について一定の制度、枠組みができるわけでございます。この適切な運用によって円滑かつ効率的な資源循環促進されることが期待されているわけでございまして、これはこれまで申し上げたとおりです。解体分別、再資源化、再利用の各段階制度的に整備していくとともに、リデュース、いわゆる排出抑制も含めて、省資源化、再資源化循環の輪をつくり上げていくことがこれから一番重要だと思うんですね。  その循環の輪をつくり上げていく上でやはり一番問題になるのが、例えば解体廃棄物なんかでいいますと、いわゆる戸建て住宅等の小規模な建築物だと思うんですね。この法案では、分別解体等が義務づけられる対象建設工事の規模を政令で定めることになっているんですけれども、この戸建て住宅等の比較的小規模な解体工事をどこまでカバーできるかということが一つのポイントだと思いますし、それから、条例で都道府県が上乗せできることになっておるわけでございまして、やはり都道府県姿勢ということも非常にかぎを握っているんじゃないか。  もちろん、そういったところを解体している業者皆さん中小企業が多いわけでございまして、ただ単に、おまえらやっちゃだめだよ、こういう姿勢じゃいけないわけで、やはり中小企業皆さんによく理解していただいて、また、そういうことをきちっとやればいろいろとインセンティブもあるよ、そういう仕組みをきちっとつくっていかないと、これはなかなか実効性という面で難しいんじゃないかというふうに思うんですけれども、小規模の戸建て住宅等に対して、どういうふうに範囲を決めるのか、都道府県姿勢についてどう考えるかということです。
  16. 風岡典之

    風岡政府参考人 分別解体や再資源化の義務づけの対象というのは、先生指摘のように政令で基準を定めるということにさせていただきたいと思います。政令では、現在一戸当たりの延べ床面積を七十平米ないし百平米、それぐらいの範囲の中で定めたいというように思っております。具体的にはもう少しお時間をいただきたいと思いますが、そういうような範囲で定めるということを考えております。  そうなりますと、少なくとも一部のものについては対象外になるわけでございますが、私どもとしましては、法律で義務づけるものは当然でありますけれども、それ以外のものであっても極力分別解体あるいは再資源化施設への搬入がされるということが望ましいと考えておるわけでございまして、少なくとも、そういった姿勢を明確にするために、先ほど申し上げました国がつくります基本方針の中において、小さいものも含めて分別解体というのを積極的に行っていくことが必要だ、望ましいという旨は明らかにしていきたいというふうに思っております。  なお、今回の法律案におきましては、比較的小さい工事だけを扱う解体業者方々についても登録はしていただく、また、そういう業者方々には分別解体等が指導できるような技術者配置していただく、こういうこともあわせてやっております。  したがいまして、全体の、政府としての姿勢、また業者におきましてもできるだけそういった形で分別解体をしていただけるような、登録とか技術者配置というものを通じて、先生指摘のように、小規模なものについても置いていかれないような形で努力をしていきたい、このように思っております。
  17. 井上義久

    井上(義)委員 いわゆる対象工事をどこまでカバーするかということと、もう一つ、いわゆる特定建設資材ということで、今回はコンクリートアスファルト木材、こういうことになっているのですけれども、それ以外の建築資材、例えばプラスチック等あると思いますけれども、それが義務づけの対象になっていないわけです。  しかし、これらの工事資材についても着実にリサイクル推進していくことが極めて重要だ、こう思うわけでございまして、もちろんリサイクル技術開発等も含めてこれは考えなければいけないわけですけれども、今後、対象外のこういう建設資材の対応についてはどのようにお考えなのか、お伺いしたいと思います。
  18. 風岡典之

    風岡政府参考人 今回法律で規制をします三品目コンクリートアスファルトコンクリートそれから木材ということに当面はさせていただきたいわけでございますが、そういったものにつきましてはリサイクル技術というのが確立している、また再資源化施設等全国にある程度均一的にあるということで、そういった三品目について当面は指定をさせていただきたい、このように思っております。  ただ、先生指摘のように、それ以外のものであってもやはりリサイクルを進めていくべきではないかというような御指摘でございまして、特にプラスチック類をどうするのかというような御指摘がございました。  プラスチックにつきましては、再資源化施設全国的な分布がまだまだおくれているというようなこともありますし、もしそういうことになりますと輸送コストも非常に高くなるということがあります。それから、回収方法をどうするのかというような技術的な問題がありますので、法律施行当初におきましては、プラスチック類対象にすることにつきましては、当面は控えさせていただきたいというふうに思っております。  ただ、塩化ビニールなんかを見ますと、既に企業で自主的な取り組みというものもかなり進んできておりまして、積極的にリサイクル推進する動きも見られてきております。  今後は、そういった再資源化施設の整備の状況とか、あるいは塩ビ等につきましての回収方法技術的な問題あるいは利用の用途の開発状況、こういったものも十分見きわめながら、また関係機関とも協議して、塩化ビニールなどについて本法案対象にできるような方向でできるだけ努力をしていきたい。若干、いろいろな条件が整うということが前提になりますけれども、そういった条件が整うについては、範囲に含めていくような取り組みをしていきたい、このように考えております。
  19. 井上義久

    井上(義)委員 再資源化を進める上で一番問題なのは木材かな、こう思うのですね。  というのは、必ずしも需要が十分にないということがあって、建設発生木材リサイクル率は、平成二年で五六%だったのが、平成七年には四〇%と逆に少なくなってきているわけでございまして、そういう意味でいいますと、このリサイクル材利用をどう推進するか。これは国の公共事業等積極的にやってもらいたいと思うのですけれども、いわゆる建設廃材リサイクル品需要拡大をどう進めていくのかというのが一つ。  それから、これは厚生省関係になるかと思うのですけれども、いわゆる再資源化施設の中で、特にこの木材の再資源化施設というのが地域的に極めて偏在しているということもあって、この適正な配置ということをこれから政策誘導していかなければいけないのじゃないか、こう思うのですけれども、この二点について。
  20. 風岡典之

    風岡政府参考人 確かに、木材につきましては、御指摘のようにリサイクル率が非常に低迷をしております。今回のこの法律を通じて、木材についてのリサイクル率の向上ということに特に力を入れていかなければならない、このように考えております。  建設発生木材利用先ということになるわけでございますけれども製紙用チップとか木質ボードなどのマテリアルリサイクル利用されるほかには、燃料チップみたいな形での利用というのが現在の利用状況でありますが、これもできるだけ幅広く具体的な利用ができるようにということで、利用拡大ということについて、これは建設省だけではなくて関係省庁十分連携をとって、利用促進また利用範囲拡大ということについて努力をしていきたい、このように思っております。  これについても、できるだけマテリアルリサイクル中心に再利用ができるようにという方向で、これも先ほど来申し上げております国が策定する基本方針の中でそういうような姿勢というものも明らかにする。特に、公共工事での積極的な利用というようなことは明確に打ち出していきたい、このように思っております。  それから、木材につきまして、再資源化施設が地域偏在しているという問題、確かにございます。  そうはいうものの、他のものに比べると再資源化施設がある程度全国にあるわけでございますので、私どもとしては木材も含めて対象品目とさせていただいたわけでございますが、よりリサイクル促進するためには、再資源化施設のさらなる設置ということが必要になります。これにつきましては、税制、融資、いろいろな措置が必要になるわけでございます。また関係省庁との連携ということも必要でございますので、そういった施設をさらに十分確保するという観点からの努力というものにつきましてもやっていかなければならない、このように認識をしております。
  21. 井上義久

    井上(義)委員 この再資源化でありますとか再資源流通等の仕事というのは、これからの新しい仕事といいますか、ビジネスチャンスがこれからこういうところに大きく生まれてくるのじゃないか、私はこういうふうに思っておるわけでございますし、日本はそういう意味ではここは得意分野の一つでございますし、これからこういう技術を育てていくということは国際貢献の一つにもなっていくのだろう、私はこう思うわけでございます。  そういう観点から、例えば建築物解体についていいますと、業界の自主的な団体なんかもありますし、また社団法人全国解体工事団体連合会なんかは、解体工事施工技術者の資格制度を創設するというようなことで、積極的に取り組みをされています。私の地元なんかでも、特にそういうリサイクル業者が協議会をつくって積極的に取り組みなんかをされているわけでございまして、私は、新産業創出という観点から、エコビジネスというふうに一般的に言われていますけれども、やはり政策として大きくバックアップしていくということが必要なのじゃないかと思っているわけでございます。  今回の法律の制定に当たって、こういった事業者団体の活動というものをどのように評価しているのか。また、そういうエコビジネスということについて、またそういう産業の育成ということについてどういう方針を持っていらっしゃるのか。  あわせて、本法案技術管理者の設置が決められているわけですけれども、この選任の基準は主務省令で出されるというふうに聞いているのですが、例えばそういう、せっかく皆さん一生懸命努力されているわけですから、民間資格なんかも活用するということを考えたらいいのじゃないかというふうに思いますが、この点についてはどうでしょうか。
  22. 風岡典之

    風岡政府参考人 建設業に関連する多くの事業者団体で、このリサイクル事業に積極的に取り組んでいただいております。建設省としても、そういった団体等の活動を支援するということで、これは毎年一回でございますけれども、そういった積極的な取り組みをされている方々に対して、リサイクル功労者として建設大臣の表彰を行うなどの取り組みもやっているところであります。  特に、御指摘の社団法人の全国解体工事団体連合会、これは自主的な資格を付与するということで積極的な取り組みをされているわけでございまして、先ほど技術管理者の要件というのがありましたけれども、そういった全解工連等でやっている資格制度内容も十分審査、評価をした上で、一定の者につきましてはそういった技術管理者として使えるようなことということも考えていきたい、このように思っております。  それからまた、こういうような環境に対する社会的な要請の中で、新しい産業というものが育つだろう、また育てるべきであるという御指摘がございました。  今後、循環型社会構築するという意味では、新産業の育成ということは不可欠であるというふうに思っております。特に、リサイクル市場が形成されて安定するまでの間というのは、例えば再生材というのは新材に比べて価格面で非常に不利になったりする、いろいろな問題点もあるわけでございまして、そういったところについては公共が一定の役割を果たしていくということも期待をされているというわけでございます。  その意味で、公共サイドにおいても、例えばリサイクル材というので品質の基準をつくるとか、あるいはリサイクル材というものについて情報提供システムを確立するとか、そういう意味で、公共サイドの取り組みというものも積極的に行っていきたい、このように考えております。
  23. 井上義久

    井上(義)委員 本法第五条に、建設業を営む者は、建築物等の設計及び建築資材の選択、建設工事の施工方法などを工夫することにより建設資材廃棄物の発生を抑制するという努力規定を設けているわけでございますけれども、やはりリサイクルとともに、循環型社会を実現するにはリデュース、排出量の抑制ということが極めて重要であると思うのです。  建設時に廃棄物ごみも出さないシステムとか、将来、解体分別を想定した建築資材や工法の技術開発などがこれから求められるわけでございまして、このような課題について、技術開発を行う民間機関等に対して何らかの支援をしていく必要があるのじゃないかということで、建設省のこの辺の取り組みをお伺いしておきたいと思います。
  24. 風岡典之

    風岡政府参考人 先生指摘のように、廃棄物排出量の抑制、いわゆるリデュースというものにつきましては、リユースとかリサイクルとか、あるいはそれにも増して重要なものではないか、このように考えております。既に建設省でもいろいろな取り組みをさせていただいております。  リデュースというような観点からの支援措置としまして、住宅金融公庫融資に当たりましても、一定の耐久性の要件というものを義務づける、あるいは償還期間を三十五年に一本化するというようなこともやっておりますし、また中古の木造住宅、これをすぐ建てかえるのではなくて、できるだけ維持管理ができるような技術開発、長もちするような技術開発の問題、さらには、新規のものも含めて、長寿命化というようなものについての設計上の対応というような取り組みもしているところであります。  今後、この法案におきまして、基本方針の中で排出の抑制のための方策というのを定めることにしておりますので、これは建設省のみならず、関係省庁と協力をしまして、具体的にいろいろな分野で発生抑制のための措置というのがあるわけでございます、それを具体的にどういう形で国として応援したらいいのか、またどういうインセンティブを与えることが有効なのかということにつきまして十分御検討させていただきたい、このように思っております。
  25. 井上義久

    井上(義)委員 以上で終わります。
  26. 大口善徳

    大口委員長 平野博文君。
  27. 平野博文

    ○平野委員 おはようございます。民主党の平野博文でございます。  ずっとこの委員会を見ておりますと、委員皆さんが非常に少ないと思いますが、委員長、定足数は足りておりますか。
  28. 大口善徳

    大口委員長 足りていません。出席するように、今、一斉に電話をかけていただきます。
  29. 平野博文

    ○平野委員 その御努力に敬意を表しまして、質問をしたいと思います。  さて、きょうは私、十分時間をいただいておりますから、順を追って質問を——定足数が切れますと、とめますから。
  30. 大口善徳

    大口委員長 早急に。
  31. 平野博文

    ○平野委員 では、委員長の御指示どおり質問を進めてまいります。  きょうは、建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律案、こういうことでございます。私、直観でございますが、よくここに踏み切ってやっていただいたなというふうには思っています。  ただ、私、これをやっていくためには、まず基本的に考えておかなければならないことがあると思うのですが、リサイクルとか循環型であるとか、こういう考え方のもとに考えております私自身の基本の思想がございます。  その思想は、ごみ一つ資源である、こういう基本的な発想と、産業廃棄物は今、日本国土にたくさんあるのですが、国土の不良債権になっているのはまさに産業廃棄物である、こういう考え方と、この社会を構成しておる、人を含めてそれぞれの立場は、あらゆる面において被害者でもあるし加害者でもある、こういう中での構成が、お互いにどういう関係を持ちながら共存をしているかというところにいろいろなメリットもあるだろうし問題点もある、こういうふうに今この社会が構成されているのではないかな、こう思うわけであります。  そこで、メリットはメリットとして、コストの対価はそれぞれの立場で払っていくわけですが、デメリットになったときのコストの対価をだれが負担するのか。ここが非常に不明瞭なまま今日まで来ておって、自分も加害者であるのと同時に被害者であるという発想で物を言ったり、しかし、加害者でもあるわけであります。そこを一つの個別という形で、それに対応する仕組み、スキームを今回出されたのだろう、こう思うわけであります。  したがって、これからの時代いろいろなことはあると思うのですが、私、簡潔に申し上げますと、物を生産して、あるいは流通過程に流して消費をして、また流通過程に流して廃棄をする、こういうプロセスを経ているのだろうと思いますが、この中で、では消費の後にリサイクルという発想を一つのループとして取り入れましょう、あるいは廃棄という過程の中において一つリサイクルという考え方を取り入れましょう、こういうシステムだと思うのです。  その中には、先ほど井上先生から御質問がありましたけれども、リユースという、再使用する、こういう発想もあると思うのです。もっと根幹を言えば、そういう最終廃棄あるいはリサイクルあるいはリユースをする視点に立って、生産段階でどのような手を打っていくか、こういうことを考えておかなければならない、実はこういうふうに思うわけであります。  そこで、基本的なことでございますから、今回この建設委員会に提起をいただきました法案があるわけですが、一方、衆議院の本院の環境委員会でも、循環型社会形成推進基本法、こういう法案が審議をされようとしております。また一方、廃棄物の処理及び清掃に関する法律の体系もあります。再生資源利用促進に関する法律、こういうのがそれぞれあるわけでございます。  私、整理をいたしましたら、環境基本法という基本体系の流れに、次には循環型が来る、あるいは廃棄物の処理、再生資源利用に関する法律、この下にまた個別法として、家電リサイクル、今回、建設廃材、また食品循環資源、あるいは容器包装、こういうのがばあっと出てくるわけであります。  基本的に私は、まず、今回の法体系というのは、基本法に照らし合わせたときに、どういうところを一つの概念、考え方としてお持ちになっておられるかということをまず大臣にお聞きしておきたいと思います。
  32. 風岡典之

    風岡政府参考人 今回の建設関係リサイクル法でございますけれども、今先生から御指摘いただきましたように、環境基本法というもの、またそれを循環型社会ということで基本法として位置づけた循環型社会形成基本法、それにつながる形での個別法というものがあるわけでございます。  私どもとしましては、今回の法律というのは、循環型社会形成という大きな目的の中で、建設分野については現状極めて深刻な問題がある。先ほど来出ておりますように、建設廃材リサイクル率が非常に悪い、また不法投棄も九割だ、そういったような指摘があるわけでございまして、建設廃棄物リサイクル対策というのは緊急性を要するという状況があります。  さらに、これはそれぞれの分野ごとに、もちろん産業の違いはあるわけでございますが、特に建設産業の場合には、屋外でのいろいろな活動、受注生産、屋外活動というようなことがあるわけでございまして、そういった産業としての特性もあるわけでございまして、そういうような中から、リサイクル法の特例というようなことで、建設業に特有な分野、特有な制度、また現状を改善するために緊急な措置ということで、そういう法律を、全体の枠組みの中での個別法という位置づけで提出をさせていただいた、このように考えております。
  33. 平野博文

    ○平野委員 全体の枠組みの中での個別法ということでいきますと、今まさに、上位概念にあります循環型の基本法を一方で審議しているわけであります。その審議の過程の中で、この部分といかに連携をとってやっていくかということが、逆に言えば大事ではないでしょうか。それとは並行してやっていく、こういう考え方については、上位概念の基本法との関係においては、どういうふうに整理をされているのでしょうか。
  34. 風岡典之

    風岡政府参考人 循環型社会形成基本法、これは本法案を含みます廃棄物リサイクル対策に関する法律と一体的な整備を図ることによって、施策の総合的、計画的な推進のための基盤を確保する、こういうことでありまして、当然基本法の取りまとめに当たりましては政府部内で十分な協議、調整という形を経て策定されたものでありまして、内容的にも、私ども提出させていただいておりますこの法律との整合性ももちろんとっているわけでございます。また、今回私どもが出させていただいております法律も、当然基本法の考え方と理念を踏まえて取りまとめをしているということでありますので、基本法の定める基本理念、基本原則というものを踏まえながら、私ども法律提出をさせていただいている。  したがいまして、基本法自身の御審議をどうするかというような議論もありますけれども、そういった基本的な枠組みというものが御理解いただけるならば、建設業については、先ほど申し上げましたような緊急性もありますので、また特殊性もありますので、取りまとめました法案について、個別的にもぜひ御審議をいただきたい、このように考えているところであります。
  35. 平野博文

    ○平野委員 それは余りにもあれではないですか。やはり基本法がきちっと制度化された上で個別法というのが本来あるべきですから。基本法は成立に向けて一方審議している、個別は片一方で走っている。この間、委員の審議の中に何の関係もないのではないですか。これは合同でやっているというのだったらいいですよ。基本法は別の委員会でやる、それで片一方の個別法はまた別の委員会でやる。政府内部は確かに検討の中で一緒にやってきているからいいと思いますが、我々審議する立場の委員としては、基本法は別の委員がやる、個別法はまた別の委員がやる。その中にどう相関をとって審議をしていくかという意味においては、基本法は当然通っていくものだ、循環型社会のものは、これは当然通るのですよ、したがって、通ることを前提に、個別法は通っていくのですと。これは余りにも委員会を軽視したあり方ではないでしょうか。  これは政府参考人に聞いてもしようがないですから、大臣、どうですか。
  36. 中山正暉

    ○中山国務大臣 先ほど、冒頭、お立ちになって直後に、自分の直観だということで、今まさに時ということをおっしゃったと思うのですが、本当にそういう意味で、平成三年くらいから、循環型社会をどうするかということで機運が持ち上がってきたような感じが私はいたしますし、また都市の再生なんというときには建設廃棄物というのはどんどん出てくる、それがまた再生に役立って、新しい、いわゆる地震とか災害に強い都市づくりとかそんなものに有効にこれが機能してくるということは大変大きな意味がある。  今先生、基本法は別でやっていて、こちらはこちらで、建設廃材の問題でこういう別の法律を出してくるというのはどうなっているのだというお話でございます。そうして一緒に歩調をそろえていきながら、御承知の、いわゆる建設廃棄物というのは、産業廃棄物全体の排出量の約二割、最終処分量の約四割、それから不法投棄量、不法投棄というところが問題だと私は思いますが、これの約九割を占めるということで、我が国環境問題に非常に大きな負荷を与えている。負荷を与えているこの九割の部分をどうするかということをむしろ先行すべきだというふうな気持ちでおりますので、その意味で、基本法と両々相まって、タイミングを合わせて、御専門のこの委員会の皆さん方に御審議をいただいて、特に先生は松下電器という大きな背景を持っていらっしゃる方でございますから、その意味での、それはそれ、これはこれということで、全部が一点に、放射線上に一点集中してくれば、それがまた大量生産大量消費大量廃棄という、いわゆる汚いごみを水槽の中で流すときはちょっと渦を立てて、渦巻きでうまく回るような、方向性を与えるといいますか、私はそんなことで、こういうものに方向性を与える、勢いつけの一番の大きな問題が、この建設廃棄物がそういう問題に弾みをつけるといいますか、それでもういきなり、先生、御発言の最初に自分の直観によるとという、すごい直観だなと感心しておりましたので、よろしくお願いいたします。
  37. 平野博文

    ○平野委員 大臣答弁は非常にすばらしいお答えだと思いますが。  ただ、私、基本的な考え方を申し上げますならば、その基本法が本当にどうなるか、成立するかどうかわからないという中で、個別だけを先行させるとやはり整合性がとれなくなるのではないでしょうか、このことを言いたいわけですから。よく個別でぽこぽこ出てくるのですが、やはり基本の思想、考え方というものが前提にないと、その上にあって、個別に対処していくという。今のやり方を見ていますと、大臣、よく例えられる言葉で言いますと、トイレの臭い物にはふたをしよう。私は、もとから断たなきゃだめなんですよということを言いたいわけですよ。今は、何か臭い物にはふたを先にしていこう、こういう発想のように思えてならないものですから。もっと基本に思想、考え方をぴちっと置いて、そこからやはり個別に入っていくべきだ、こういうことを申し上げたかったわけでございます。  何とぞ、これ、それぞれ省庁が違いますから、きちっと連携をとってやっていただきたいな、このことを申し上げまして、大臣から皮肉のお答えかどうかは知りませんが、なぜ松下電器が出てきたか全然わかりませんけれども、次の質問にいきたいと思います。  では、少し具体的な、本法律案について質問させていただきます。  本法律案の三条において、主務大臣は建設工事に係る資材の有効な利用の確保、廃棄物の適正な処理を求めていくために基本方針を定めていきましょうという、本法の中にそういう基本方針を定めましょう、こういうふうにあるわけであります。この基本方針を定めていく、この主務大臣は、これは建設大臣になるのですか、だれになるのですか。
  38. 風岡典之

    風岡政府参考人 基本方針は主務大臣が策定するということでございますけれども、これは法律におきまして主務大臣の定義をしておりまして、建設大臣、厚生大臣、農林水産大臣、通産大臣、運輸大臣及び環境庁長官がそれぞれの立場で、主務大臣ということで共同で基本方針をつくる、このようになっております。
  39. 平野博文

    ○平野委員 共同で主務大臣をするという、よくわからないのだけれども。五人も主務大臣がおるのですか、これ。そういうことでいいのですか。そうすると、これ、だれが責任を持って決めたかというのは、五人連名責任なのですか、逆に言いますと。例えば建設大臣が主務大臣で、関係大臣と連携をして決める、こういうふうになるのですか。五人が主務大臣、こういう体系、スキームというのはあるのですか、ほかの例でいいますと、五人が主務大臣なんという。
  40. 風岡典之

    風岡政府参考人 このように広範、関連する省庁が非常に多いというような業務につきまして基本方針等定めるときには、関係大臣の数が非常に多くなるということはあります。農業農村計画等におきましても、関係大臣がまさに共同してこういうものをつくるということであります。  なお、主務大臣につきましては、それぞれいろいろな立場から主務大臣というのを決めているわけでございまして、例えば建設大臣は建設業等を所管するという立場のほかに、主要な公共事業の発注者だという立場があります。例えば厚生大臣につきましては廃棄物処理業を所管する、そういう立場等々のそれぞれの観点から主務大臣として参加をして基本方針をつくる、こういうことであります。
  41. 平野博文

    ○平野委員 そうすると、来年、中央省庁再編をいたしますが、そのときには大臣はどういうふうに変わるのですか、主務大臣というのは。
  42. 風岡典之

    風岡政府参考人 御指摘の点でございますけれども、この法律案の附則五条におきまして、中央省庁等の改革関係施行法の施行に伴って主務大臣を変更するという規定がございます。その結果、来年の一月六日以降でございますけれども、省庁再編以降でございますけれども、この主務大臣は、国土交通大臣、環境大臣、経済産業大臣及び農林水産大臣、このようになることにしております。
  43. 平野博文

    ○平野委員 農林も入っていますか。(風岡政府参考人「入っております」と呼ぶ)そうですか。私の知る由では、国土と環境と経済だけかなと思ったけれども、農林も入っているのですね。だったら結構です。
  44. 大口善徳

    大口委員長 風岡局長。——いいですか、答弁は。
  45. 平野博文

    ○平野委員 入っていたらいいです。(風岡政府参考人「入っております」と呼ぶ)はい、結構です。
  46. 大口善徳

    大口委員長 もっとちゃんと、ここへ来て答えなきゃだめだよ。
  47. 風岡典之

    風岡政府参考人 失礼いたしました。  農林水産大臣も含めて四大臣で策定する、このようになります。
  48. 平野博文

    ○平野委員 それでは、先ほどの質問にもあったのですが、いつごろを目途に基本方針をつくろうとしてはるのか。大体何年度とかそういう、いつごろの目途で基本方針をつくろうとされているのか、教えてほしいと思います。
  49. 風岡典之

    風岡政府参考人 この法律施行に関しましては、いろいろな業務がございますけれども、今御指摘基本方針につきましては、法律施行から起算しまして六カ月を超えない範囲内において政令で定める日から施行するということでありますので、最大六カ月以内にはつくる、このような枠組みにしております。
  50. 平野博文

    ○平野委員 そうしますと、先ほども指摘をしたのですが、循環型の社会形成推進基本法というのは、基本計画の策定時期というのは法律に明文化されておりまして、平成十五年十月になっておるのですよ。循環型社会形成推進基本法というのは平成十五年十月一日になっておるのですよ。  そうすると、個別法と言いながらも——なぜ先ほどそういう質問をしたかというと、基本方針をいつつくるのですか、施行後六カ月以内。循環型は平成十五年十月と言うておるわけですよ。ここでもまた私、そういう制度上の矛盾を感じるのですが、この関係はどういうふうに理解したらいいのでしょうか。
  51. 風岡典之

    風岡政府参考人 先生指摘のように、循環型社会形成推進基本計画は平成十五年十月一日までに閣議決定する、こういうように決まっております。これは、基本法案循環型社会構築に関する基本的な枠組み法ということで、広範な内容にわたるということで、若干の期日が置かれているのではないかというふうに思っております。  私どもとしましては、先ほど申し上げましたように、基本方針自身は、本法に基づく基本方針は六カ月以内につくるということでございますので、特に建設廃材リサイクルの緊急性ということで、できるだけ早期につくることが望ましいというふうに考えておりまして、そういう期限をセットさせていただいております。  当然のことながら、その基本方針を策定する段階においても、循環型社会基本法の精神、そういったものも十分踏まえながら私ども基本方針も策定をいたしますし、循環型社会形成推進基本計画自身ができ上がったときに、私ども基本方針との整合がとれていないというようなことが仮にあった場合には、またその時点で私ども基本方針についても適切な見直しを行うということになろうかと思っております。  とりあえず、緊急課題でありますので、全体の基本計画とは別に、できるだけ早期に策定をさせていただくことがより望ましいのではないか、このように考えております。
  52. 平野博文

    ○平野委員 矛盾を起こしているのですよ、これは間違いなく。できるだけ整合性をとってくださいよ。絶対これはとれないと思いますよ。だって、平成十五年につくりましょう、広範にわたっているからつくりましょうといったって、こちらは六カ月以内につくりましょうと。  平成十五年といったら、あと二年以降ですね。三年後になるでしょう。これは、今国会法律がもし通ったとして、六カ月以内に基本方針をつくるのでしょう。そこの担保というのは、関連性というのは本当に考えていますか。形としてそういうふうにした方が格好がいいからそういうふうにしているというふうに、僕はとれてしようがないのですよ。やはりきっちり詰めないと僕はいかぬと思いますから、今局長が言いましたように、きちっと見直すということも含めておやりをいただきたいな、このように思います。  次に参ります。  この基本方針の中で、目標の設定、こういうことがございます。特に目標方針に明確に定めることは非常に私はいいことだと思っていますが、具体的な目標はどういう目標を定められているのか。少し具体的に、こういう考え方で、具体的な部分で年限もきちっと決めますというところまで踏み込んだ目標を考えておられるのか。あれば、お答えをいただきたいと思います。
  53. 風岡典之

    風岡政府参考人 基本方針におきましては、再資源化等の義務づけを行うに当たりまして、総合的、計画的に推進するということで、関係省庁が協力して基本的な方向を定めるわけでございますけれども、その中で、特定建設資材の再資源化等数値的な目標ということを定めていきたいというふうに思っております。  具体的には、当面は特定建設資材というのは三品目ということになりますので、その種類ごとに一定の年限、例えば五年後とか十年後における廃棄物発生量に対する再資源化を行う量の割合、こういったものを、今後の廃棄物の発生見込みとか、あるいは再資源化施設の設置状況等を踏まえて、抽象的な方向ではなくて具体的な数値目標ということで、少なくともこの三品目については一定の年限後の目標というものを定めるようにしたい、このように考えております。
  54. 平野博文

    ○平野委員 その中で、こういう場合もこの目標の中に入るのですか。  例えば、先ほど私言いましたように、リサイクルということで、一たん建てたものをひとつ再利用する、再資源化をするという目標になっているわけだと思うのですが、リユースという視点で見たときに、例えば、ある家に住んでおられた方が次の方に、いわゆる中古住宅を買いました、こういうことで、本来は新築にかえたいんだけれども、内装を改装してさらに長い年限をその住宅で使用する、いわゆるリユースですね。この発想もこの目標の中には入っているのでしょうか。
  55. 風岡典之

    風岡政府参考人 基本方針につきましては、リサイクルの具体的な目標を定めるということだけではなくて、発生抑制、リデュースという考え方につきましても方策を定めたいというふうに思っておりますし、また、それとの関連で、リユースという概念につきましてもあるわけでございますので、具体的な数値目標という形でできるかどうかは別にしまして、リユースの考え方も取り込んだ形で基本方針をつくりたい、このように考えております。
  56. 平野博文

    ○平野委員 ぜひそういう考え方も入れていただかないと、古くなったらつぶしてリサイクルすればいいという発想よりも、できるだけ長く、長期に住宅を使うようなスキームをつくっていくことが、やはりトータル資源を大切にしていくという発想になると私は思うのですね。  したがって、そうすると、これはいろいろなことになるのですが、例えば公的金融資金を借りて住宅をつくるときに、耐用年数が二十五年だとか三十年だとか、木造だったら二十年だとか、いろいろなルールがありますね。だから、この発想は早くつぶせという発想につながるのですね。したがって、建物を建てたら五十年もつのだ、百年もつのだという発想に、一つは、まず生産をしていくプロセスからそういう発想に変えないことには、トータルとしての再利用、あるいはリサイクル、さらには長もち、物を大切にしていくという発想が私は前提に立っていると思うんですね。  そういう意味で、リサイクル率を高める、こういう発想の一つ数値目標もいいのですが、いわゆるリユースすることも、一つのトータル的に、この循環型の社会に、この個別法としては生きているんだという意味では、ぜひリユースの発想も取り入れをしていただきたいなと思うんですが。
  57. 風岡典之

    風岡政府参考人 今回、今国会住宅金融公庫法の御審議もいただいたわけでございますけれども住宅金融公庫融資につきましても、一定の耐久性というものを融資の前提にするということをしております。したがいまして、できるだけ長もちする、耐久性のある住宅について低利融資を行うのだ、そういった考え方が取り入れられておりますし、また融資の償還年限も、先生指摘のように、従来は構造別に二十年とか二十五年とか三十五年とか決めておりましたけれども、これも償還期間は一律三十五年というようなことで、できるだけ長もちするような、またそういうことを融資面でも支えていこうということを考えております。  さらに、ちょっと観点は違いますけれども、一定のリサイクルの割合の高いような、そういったものを使った住宅については割り増し措置をするというようなことも含めて、金融面の措置もきめ細かく、長期に住宅が使えるような、そういった形での誘導措置というものも準備をしているところであります。
  58. 平野博文

    ○平野委員 ぜひそういうことをより充実をしていただきたいと思います。  それでは、次の質問に入りますが、本法律で第四条に、都道府県知事は、国の方針に即し、具体的な指針を定める、こういうことになっています。各都道府県は、その目標に即した指針を定めなければならないわけでありますが、各都道府県といいましても、画一的に、これはなかなか難しい、地域事情、個別事情がたくさんあるわけであります。都道府県目標はばらばらになっていくのじゃないかなと思うんですが、まずは国が、政府目標を指針で決める、都道府県にそういうことをやらせていく。そうすると、これは本当にうまくこの目標設定が定まるのでしょうかなと、この点が気になるのですね。都道府県から積み上げてきたところを見て、少ないじゃないかという指導をしながら、トータル少し重目の指導をして、トータル国がこういう目標設定をする。目標設定をぱっとして、あとはやりなさいというけれども都道府県に、これは事情が物すごくばらつくと思うんですが、その点、目標設定のあり方というのは非常に難しいと思うんですが、どういうふうに考えておられますか。
  59. 風岡典之

    風岡政府参考人 国がつくります基本方針につきましては、全国的な観点から定めるということになるわけでございますけれども、その再資源化目標率、そういったものを、地方の積み上げがなくて、そんなものはつくれるのかという御指摘だろうと思います。  確かに、再資源化目標を定めるに当たりましては、地域の実態を踏まえて行うこと、これは御指摘のとおりだと思います。私どもは、基本方針を策定するに当たりましては、やはり都道府県現状、実態というものを正しく把握していく必要がある。これにつきましては、平成二年度以降五年置きに建設副産物の実態調査というのを行っております。ですから、これを今後とも継続的に実施をして、少なくとも一定の期間ごとに、地方の実態も含めて、どうなっているのかということを把握していきたいと思っております。  国のつくります基本方針の策定に当たりましては、このような形で実態調査を行ったものを踏まえて基本方針をつくるということにしておりますので、その意味で、地域の実情というものも十分踏まえたもの、反映したものになる、このように考えておりますし、また、そうしたいというふうに思っております。
  60. 平野博文

    ○平野委員 これは、しかし実際は国がそういう方針目標をつくって、それぞれ都道府県がやらなければいけませんよ、こういうことですが、実際にはこの事務は自治事務ですね。間違いないですね。もう一度、間違いないかどうかだけ答えてください。
  61. 風岡典之

    風岡政府参考人 事務の性格としては自治事務というように理解をしております。
  62. 平野博文

    ○平野委員 そこで、私は、先ほども言いましたように、こういう廃材リサイクル云々というのは、これは国土をきちっと二十一世紀も健全な国土として運営をしていこう、この社会循環型社会に置きかえていきましょうという発想は、都道府県の自治事務で個別にやり出したのではばらついてしようがない、これは日本国全体の問題としてのことですから、本来は、実務は都道府県かもわかりませんが、考え方、この業務の遂行というのは国の施策としてやっていくべきだと思うわけです。したがって、これは直轄事業としてやってもいいのではないか。  逆に言うと、直轄事業は現場との関係があれであれば、法定受託事務にしてやっていくべき、責任は国にあるんだということをやはり明確にすべきだと思います。自治事務だったら、都道府県がやらなければ、都道府県の問題だということで逃げられちゃうわけですから、国がしっかりと管理をして、国土の問題ですから、国がしっかりと国の資源を守るということですから、極端に言ったら、国が直接手を下してやる大事な仕事だと私は思いますが、その点はどうですか。
  63. 風岡典之

    風岡政府参考人 本法案に基づく都道府県の事務を自治事務というふうに申し上げました。これは地方分権推進計画によりまして法定受託事務と自治事務、それぞれ整理をしているわけでございますけれども、法定受託事務のメルクマールというものが示されておりまして、これは、一つには、国家の統治の基本に関するような事務というような、防衛とかそういったものだと思いますが、そういった事務、さらには根幹的部分を国が直接執行している一定の事務ということで、治山治水とか、あるいは麻薬の取り締まりとか、そういうような広域的な事務、それから三つ目には、全国単一の制度または全国一律の基準により行う給付金の支給事務ということで、いろいろな国家の行う給付事務ということで、こういうような整理がされておりまして、そういったメルクマールに照らしてみると、やはり本法案の事務というのは法定受託事務とするのは難しいなというふうに思っております。  そうすると、今先生が御指摘のように、自治事務ということで県が逃げてしまうというようなお話がありましたけれども、非常に無責任な対応になるのではないかというようなことがあるわけでございますが、この法案につきまして、国と県との関係につきましても若干触れておりまして、都道府県は、国の施策と相まって、分別解体とか再資源化等促進するように必要な措置を講ずるように努めなさいという規定もあったり、あるいは主務大臣が定める基本方針に即しまして、各県が分別解体とか再資源化等の実施に関する指針を定めるということで、これらの事務を県レベルで適切に行っていただくという必要性も法文上あらわれているわけでございます。  また、当然、国と自治体とが連携をしてやっていかなければならない重要な事務であるわけでございますので、私どもとしては、国がこういう新しい法律の制定ということをしたわけでございますので、その考え方を具体化するということで、具体的な対処方針をガイドラインというような形でお示しをする、都道府県にお示しをして県知事等において適切な対応をしていただくというようなことも必要かなと思っておりまして、そういう意味で、国と県が十分連携をし、また国の考え方も十分お伝えできるような、そういうやり方をしていきたい、このように考えております。
  64. 平野博文

    ○平野委員 そこは少し見解が違うんですね。  私はずっとこの産業廃棄物の問題を委員会でも、地方分権のときにも言ってきたのですが、これは法定受託であって、自治事務に変えてしまう、それは僕は本来違う。国土の不良債権化しているんだ、それを地方自治体に任せてどうするんだ。国が直接下さないと、銀行には国民の税金を使って、公的資金を投入している、国土がおかしくなってきている、腐敗をしてきている国土に対して都道府県がやりなさいと言ってもだめだと僕は思うんです。  産廃問題を含めて、全国で何ぼ訴訟が起こっているか、局長は御存じですか。最終処分地の問題でほとんど訴訟は起こっていますよ。したがって、苦情が全部地方自治体、市町村に行っているわけですよ。先ほど言いましたように、加害者であるということを忘れて、被害者としての声を余りにも大きくするのですよ。そうすると、ますます日本の国土というのが産廃の山となって、国土が崩壊をしていきますよ。環境悪化になりますよ。このコストはだれが払うんですか。このことを私は非常に言いたいわけであります。  これは国民全体が払うべきコストなんですよ。だから、国が責任を持って処していく、そのために、国民の税金もそこを処理していくために使うんだ。それは地方自治体の問題だ、地方自治だ、こういう発想は幾ら地方分権だからといって、権限は渡すけれども、財源は渡さないんですよ。これは民間業者にやってもらいますよ、都道府県知事の認可ですよ、こういうことで今まで逃げてきているんですよ。  だから、改めて二十一世紀というのは国土の不良債権、廃棄物処理のあり方を国が直接かかわって処分をしていくという発想に立たなければ、日本の国土の健全性は保てない、これを強くずっと私は主張しているものですから、なぜ自治事務なんですかというところに、私の考え方と非常に開きがあるものですから指摘をしたいわけですが、いかがですか。
  65. 風岡典之

    風岡政府参考人 私どもとしましては、地方分権推進計画で事務の性格論の仕分けというのが一応なされたという前提で、今回の法律におきます事務の整理もさせていただきました。  事務の性格自身は自治事務ということにさせていただいておりますけれども、もちろん、国は、この問題が非常に重要だ、特に建設廃材リサイクルが重要だということでこの法律案提出させていただいておりますし、また、先生指摘のように、基本方針をつくって具体的な目標を定めて国としても取り組む、また、県に対しましても国の考え方を的確に伝えていく、そういう進め方をさせていただいておりますので、御理解をいただきたいと思います。
  66. 平野博文

    ○平野委員 これは私の言っていることですから。でも、そうしなければ、二十一世紀は本当に産廃の山に日本はなるのかな、私はこういうふうに思えてなりません。  だから、一番当初言ったことは、よく踏み込んでくれたという評価は私はしたいと思うんですよ。思うんですが、踏み込んだ以上はやはり国が責任を持って、その実施に向けて、これは実施プランが非常に難しい、実行プランが本当に難しいシステムだと思っていますから、それだけにやはり国が直接強力に指導して進めていくんだという思想がこの法体系にないと、いや、これは自治事務だから、やっていないのは、悪いのは都道府県だよ、こういうことにならないようにぜひしてもらいたいな、このように強く願う次第でございます。  次に、第八条に地方公共団体の責務が定められているんですが、都道府県及び市町村は、国の施策と相まって、その地域事情に合わせてという地方公共団体の責務があるんですが、この法文の中をずっと見てみますと、市町村の責務がここに初めて出てくるんですね。それ以外、市町村という言葉は全く出てこないんですよ。ほとんどが都道府県なんですが、ここで改めて市町村の責務を定めた。具体的にここで言う市町村の責務はどういうことを言っておられるのか、これをちょっと教えてほしいと思うんです。
  67. 風岡典之

    風岡政府参考人 本法案におきましての市町村の位置づけということになるわけでございますけれども、市町村につきましては、住民に最も身近な地方公共団体ということでありまして、特に建設廃棄物の問題というのは地域と非常にかかわり合いがあるということでありまして、その意味で、市町村におきましても一定の重要な役割を果たす必要がある、このように考えております。  具体的に、本法案では、市町村の関係でどういうようなことが内容として盛り込まれているのかということになるわけでございますけれども一つは、再資源化施設の整備を促進するために市町村も必要な措置を講ずるというようなことが法律の四十条等で、そういった規定もあるわけでございまして、それも市町村の役割の一つとして期待をされている。また、都道府県の事務につきましては、一部を市町村におろして行うということも考えておりまして、その意味では、県と市町村が一定の役割分担をしながら、そういった法律の定める事務の執行役という立場になるわけでございます。そんなようなことが市町村の関連で出てくるわけでございます。
  68. 平野博文

    ○平野委員 また次の市町村に落ちていっちゃうと、一番大もとの住民に即している現場がまた困ってしまう、これは同じ状態が起こるような気がしてなりません。先ほど言った点も、特に市町村においても十分に指導を含めてやってもらいたい、このように思います。  次に、十条に、対象建設工事発注者または自主施工者において、こういうくだりがございます。第十二条で、工事を請け負った者はその工事発注者に対して届け出に係る事項の説明を義務づける、こういう仕組みとしては非常にややこしい仕組みが入ってくるんです。  発注者が、いわゆる私が家を建てようと思いますと、私が届け出をするという義務を負わす、こういうことでありますね。施工者は発注者に、そういうことを届け出をしなさいよ、こういうことを言うわけですが、それは忘れておったとか、言ったけれどもやらなかったとか、車でいうシートベルトと同じ状況にならないのかな。隣に座っている、助手席におる人は、運転者はシートベルトをつけなさいと言うけれども、いや、肩が痛いんだよといってつけなかった。それで、警察に注意をされたとき、運転者の責任だといって、いや、私は言いましたけれども御本人がしなかったんです、こういう事象も同じようなこの局面で起こりそうな気がいたしますが、具体的にはそういうことも想定しておられますか。
  69. 風岡典之

    風岡政府参考人 この法律では、発注者建設工事内容を支配し、また影響力が大きいということで、届け出は発注者ということでやっていただくということにしております。また、その前提としまして、分別解体だとか再資源化の義務、あるいはこれに関連する罰則等を規定しておりまして、そういったものについて工事の受注者が発注者の方に対して説明をするということであります。これは文書で、こういうことを要する工事だというような説明を受注者が発注者にするということでありますので、そういった要式行為等も伴っておりますので、的確な実施が当然される、また、してもらわなければ困るというふうに考えております。
  70. 平野博文

    ○平野委員 そこで、私、具体的に質問したいんですが、そういうルールでいきます。もう一つは、これは、悪知恵が働く人であれば、自分が建物を壊しますと。そのときに出てくる廃材はどのようなプロセスになるんでしょうか。廃材業者に頼みません、自分でぶっ壊しますといったときには、どういう流れになるんでしょうか。
  71. 風岡典之

    風岡政府参考人 通常は解体業者等に解体をお願いするということであるわけでございますが、中には、みずからルールにのっとって解体をするというような人もあるわけでございまして、自主施工というものについても認めております。もちろん自主施工ということについては、当然、法律の定めました分別解体の基準にのっとり、また再資源化するについてもそのルールにのっとって搬入をしていただくということになるわけですが、一応自主施工ということも道を開いております。
  72. 平野博文

    ○平野委員 その場合の廃棄物の処分というのは、今の法的ルールからいきますと、これは一般廃棄物にならないですか。
  73. 風岡典之

    風岡政府参考人 自主施工の場合には、御指摘のとおり、一般廃棄物という扱いになります。
  74. 平野博文

    ○平野委員 自分で家をぶっ壊したときには一般廃棄物業者の人が壊したときには産業廃棄物、多分こういう区分になっていると私は思うんですね。  では、私は自分でつぶしますと届け出をいたしますと、届け出をした時点では、このリサイクルを含めてのシステムに乗せていかなきゃならない義務を負わされるんですか、そこで。
  75. 風岡典之

    風岡政府参考人 自主施工の場合につきましても、届け出それから再資源化施設の搬入義務という規定を適用しますので、外部に委託する場合と同様な扱いということになります。
  76. 平野博文

    ○平野委員 そうすると、届け出せずに自分でこつこつとぶっ壊していったら、通常の一般廃棄物としてその処理が落とされていく、こういう道があるわけですね。どうですか。
  77. 風岡典之

    風岡政府参考人 先ほど来申し上げておりますように、自主施工でやった場合には、そこから出てくるものについては一般廃棄物ということで処理をされる、こういうことになります。
  78. 平野博文

    ○平野委員 少しここを何とかしておかないと、そういう抜け穴がやはりあるような気がいたします。  ここでもう一つは、新築のときにもやはり起こってまいりますね、廃材というのが。古い建物を壊すというときの廃材と、新築で新しいものを建てていくときにも同じように廃材が出るわけです。これも同じような発想に立っておるのでしょうか。
  79. 風岡典之

    風岡政府参考人 今回の法律では、解体だけではなくて新設に伴う端材等も発生しますので、その処理につきましても、一定規模以上のものにつきましては解体と同様の手続をとらせるということであります。
  80. 平野博文

    ○平野委員 一定規模といいますと、どのぐらいの規模のことをいいますか。
  81. 風岡典之

    風岡政府参考人 これは、解体の場合の基準につきましても、対象につきましては政令で具体的に定めるということにしておりまして、一戸当たりの延べ面積が七十から百平米ぐらいの間で数値を決めて、それ以上のものというふうにしたいと思います。新設の場合も、それとのバランスで、延べ面積が例えば五百平米から一千平米ぐらいでどこか基準をつくりまして、そういうものを超えるものにつきましてはこの法律の義務づけを行う。  要するに、出てくる廃材の量が解体と新設でバランスのとれるところがありますので、それぞれバランスのとれる水準ということで設定をしていきたいと思っております。
  82. 平野博文

    ○平野委員 そこでまた、そういう政令で定めていくときにぜひ気をつけていただきたい点があるのですが、これもごみの区分から私はチェックをしたんですが、ある大工さんが自分の作業所で前さばきをしてきて、前さばきをしたごみというのは産廃に流れるんですね。前さばきをして、新築の工事現場でやって出てきたごみというのは一般ごみになっちゃうのですね。その点はどうですか。
  83. 風岡典之

    風岡政府参考人 新築の現場で発生する端材等につきましても、これは産業廃棄物の扱いがされるということだと思います。
  84. 平野博文

    ○平野委員 そうすると、そこの廃材産業廃棄物として処していくのか、リサイクルとしてこのスキームで乗せていくのかという選択肢はどこにあるのですか。量だけですか。
  85. 風岡典之

    風岡政府参考人 基本的には、発生量がどれだけの規模のものが出てくるのか、また、こういった課題にこたえるためにはどこまで義務づけたらいいのかということが基本になるわけですが、もちろん、自主施工の場合とその他の場合で、出てきた廃棄物の性格が産業廃棄物であったり一般廃棄物であったりということの違いは出てくるわけでございますけれども、基本は、全体のボリュームを見て、いずれにしても適正な処理をしたいという観点から考えているところであります。
  86. 平野博文

    ○平野委員 ぜひとも、新築のところにおいても端材がかなり出てくると思いますから、その考え方も含めて、きちっと法の網を抜けるような仕組みにならないようにやっていただかないことには、これは届け出を義務づけるということがあるんですが、実際、実務をやっていったときに、そんな面倒くさいことは発注者業者の人にやっておいてよということでやってしまう、ここが非常に現場に本当にこのループが回るのかなという心配をしておるところでございますので、何とぞここの仕組みがうまく回るようにしていただきたいな、このように思います。  そこで、解体の方法、費用を記載していく、こういう義務づけが実は十三条においてあるわけであります。対象建設工事の請負契約に係る書面の中に、解体はどういう方法でしますか、どれぐらいの費用がかかりますか、こういう記載の義務づけが実はあるわけでございます。  しかし、公共事業をしていくときのことを一つの局面でこれに当てはめてみますと、公共工事の請負工事業者というのは、入り札という、いわゆる入札行為でいくわけですね。そうしますと、入札というのは一番安い価格で落札した人が受注者となっていくわけでありますが、一円でも安くしようとして、コストを落としていこう、こういうことになるわけです。  この入り札のときには、この古い建物をぶっ壊して新しい建物を建ててください、総費用はこれだけですと、これで入札をしていこうと思うんですが、今法律は、解体というのはもっとリサイクルに回すために適正なコストを払ってもらいたい、こういう発想からすると、公共事業の入り札のときに、この法の立法の趣旨と入札という行為のところに法の趣旨から考えていったときに矛盾を起こさないかな、こういうふうに思うのですが、どうでしょうか。
  87. 風岡典之

    風岡政府参考人 公共事業の入札、解体し、新しく建てるというようなことを契約内容とする場合には、当然これは発注者において、その工事が適切に実施できるようにということで、いろいろ積算をしまして予定価格というものをつくるわけでございまして、それが上限となるということで、入札参加者はみずから、その工事を適切に実施するためにはどういう経費がかかるのかということを積算して臨むわけでございます。  当然、入札の結果、予定価格の範囲内で一番安い方が落札をするということになるわけでございますが、私どもは、入札に参加をするという方は、その工事を確実にできるようにということで見積もりをして入札に参加をしておりますので、当然、落札した価格で、解体も含めて当初の目的の工事が実施をできるというふうにしております。一方的にダンピング入札をして下請にしわ寄せをするというようなことであればともかく、通常であれば適正な価格というものをそれで確保しておりますので、当然、解体についてもその中で適正額が見込まれる、このようになろうかと思います。
  88. 平野博文

    ○平野委員 そこは、僕はならないと思いますよ。ですから、僕は、解体解体ということで別にした方がいいと思うんですよ。トータルでやりますと、価格競争するんですから、非常に安いコストで落ちたところ、もちろん予定価格というのはあるでしょうけれども、あらゆるところに、どっとこどっとこしわ寄せするわけですよ。とりたいものですから、赤字覚悟でもとりにいくんですよ、仕組みとしたら。  そうすると、本来、リサイクルをしよう、循環型社会にしようという、新たなコストをやはり置きましょうよとしている仕組みからいくと、法の趣旨が公共事業の入札の中でごしゃごしゃになるんじゃないでしょうか。その点、どうですか。僕は分けるべきだと思う。
  89. 風岡典之

    風岡政府参考人 発注の形式としましては、二つの考え方が確かにあると思います。一つは、解体と新設を一体として発注するというやり方もありますし、また両者を分けて、まさに分離発注で発注するという考え方もあります。それぞれ、どちらがより効率的なことなのか、また、例えば解体なんかについては特別な業務であって、分けた方がいいかどうか、そういう判断の中で発注方式が変わってくるというふうに思うわけでございます。  もちろん、分離発注されれば、それはそれで入札に参加して決まるわけでございます。そのときも、もし赤字覚悟でもいいという人がいるとすれば、採算を度外視した入札をするということであれば、先生指摘の問題が、仮に分離発注があった場合にも理論的には起きるんじゃないかというようなことでありまして、私どもは、発注形態を問わず、やはり適切な入札に参加をしていただきまして、その価格は、下請等に出す場合には、少なくとも解体工事費については幾らだということをいずれの場合も明記をするということで、発注者の方に適正な額の負担をしていただく、こういう考え方でやっていきたいというふうに思っております。
  90. 平野博文

    ○平野委員 私が言いたいことは、落札された業者というのは建物で落札されて、この解体をするにふさわしい積算をした再処理費用を役所が乗せて、それで外へ出す、こういう仕組みがいいのかな、こう思っているのですよ、私のプランは。再処理する、解体する、リサイクルする費用は役所が決めるのですよ。これぐらいでできるだろうという厳しい役所の目で見て、その費用を落札した価格に乗せて発注する、こういう仕組みをつくらないと、この法の趣旨がきちっと公共事業の入札という中にはまらないのではないかな、こういう気がしてならないのです。  一つの私の見解でありますので、一度御参考にしてみてください。やはりこの法律を実行していくための、よりいい方向に持っていきたいがゆえに、私、ない知恵を絞って考えたのです。そういう方法もあると思うのですね。ぜひお考えをいただきたいと思いますが。
  91. 風岡典之

    風岡政府参考人 今、ちゃんとした経費を見るための方法として一つの御提案がありましたので、私どもいろいろ勉強させていただきたいと思います。  ただ、公共発注の場合には、会計法、予決令あるいは自治法という大きな枠組みがありまして、総価でやるという考え方が今の枠組みにありますので、現行制度の中で直ちにそういう方式がとりにくいかなというふうに思っております。  ただ、先生の御趣旨は、いずれにしても適正な額が見積もられるようにしなければだめだという趣旨でありますので、例えば、総価のものであって契約をした場合も、それでは下請にどういう契約をしたのですかということを発注者がその後もフォローするというようなことも、そういった経費がどのように使われているかということにもつながるわけでございまして、御趣旨を踏まえながら、どういう方法がよりいいのかということについては十分勉強させていただきたいと思います。
  92. 平野博文

    ○平野委員 ぜひ、この法律を本当に実効あらしめるために、少なくとも、これは公共事業と民間と比較しますと、総事業費ぐらいで見ますと大体半々ぐらいになっていますね。公共性のところ、土木と建築という、住宅という格好で見ますと、民間と公共性で見ますと半々ぐらいのウエートを占めておりますから、民間だけをきちっと押さえていくということじゃなくて、公共事業は、当然そのものが法に照らして適正に運営されているのだという模範のルールをやはり示さなきゃならないと思います。  特に、解体業者とか下請業者に全部そのことが、しわ寄せが行って、本来リサイクルしたそのコスト、邪魔くさいな、どこか不法投棄という今までの発想にならないように、やはりきちっと縛りをかけていくためにも、リサイクルするコストをだれが見るのか、ここが非常に大事なんですよ。業者が見るのか、発注者が見るのか、国民の税として見ていくのか。ここが僕は非常に大事なんですね。  私、よく、中山大臣じゃないですけれども、例えて言いますと、無責任であるがゆえのコストというのはだれが払うのか、無関心であるがゆえのコストというのはだれが払うのか。無関心であるがゆえのコスト、無責任であるがゆえのコストというのは全部国民に来るのですよ。国民の税として最終負担をしなきゃならないのですよ。そういう意味で、少なくとも、まずは公共事業においては、これはきちっと再処理するためのコストとして算出して出しますから、値切ったりしてリサイクル率が落ちるようなことはしないでくださいということをきちっとやはり押さえていく。民間ではなかなかやりにくい。民間でもさそうとしているわけですから、まずは公共工事については、きちっと隅々まで行き渡る仕組みとしてまず実践をしてもらいたいな、これを強く願う次第であります。何とぞよろしくお願いをしたい。このことを強く要望しておきます。  さて、十九条、二十条においては、都道府県知事は、適正な実施をやっているかあるいは怠っているかを、場合によっては助言、勧告、命令をすることができる、こういうことなんですが、都道府県で、具体的に適切にやっておるかどうかというチェックは、どんなチェック体系でこれをやるのですか、具体的に。
  93. 風岡典之

    風岡政府参考人 十九条、二十条におきまして、都道府県知事が、再資源化等の適切な実施を確保するために必要であるときには、受注者に対して助言、勧告、命令ということが行えるということになっておりまして、具体的には、適正な再資源化施設あるいは焼却施設等への搬出がされているかどうかとか、さらには、工事現場の保管、分別解体の保管というのは本当になされているかどうか、そういうようなこともチェックを行いたいというふうに思っておりますし、また、必要に応じまして、利用可能な再資源化施設についての情報を提供するとか、あるいは搬出先となる再資源化施設について、そこでの取り扱いについてもいろいろ指示をしていく、こういうようなことを考えられる。  いずれにしましても、やはりこういった法律で定める行為が適切にされているかどうかというのを十分知事のサイドにおいて見ていただくということがまさに必要なことでありますので、自治体とも連携をとりながら、できるだけそういったきめ細かい対応ができるように地方公共団体にも御協力をお願いしたいというふうに思っております。
  94. 平野博文

    ○平野委員 局長、今の、抽象的でわかりにくい。具体的にこれをどうやってチェックするのか、具体的に。これは、件数、物すごい多いですよ。それを一々ざあっと見に行くのか。  具体的にチェックする方法が非常に、言葉であらわせば局長の御答弁のとおりだと思います。チェックをしてもらいたいということは言うだろうと思います。実際言われた方は、これは具体的にどのようにチェックしていくのかというのが非常に不透明であります。パワーも要るでしょうし、人もかかるでしょうし。言ってくるのを待つという受け身のチェックなのか、能動的にチェックをしていくのか、その辺、具体性が非常にないと思うのですが。
  95. 風岡典之

    風岡政府参考人 現場に近い地方公共団体におきまして、実態を十分把握して対応するということになるわけでございますが、確かに、地方公共団体においてはいろいろな人員の制約とかなんとかありますけれども、私どもとしましては、建築行政の建築監視員とか、そういう方もお見えでございますので、そういった方の連携とか、あるいはいろいろ地元の警察との連携ということもあるかもしれませんけれども、そういうようないろいろな機関との連携も図りながらやっていきたいということ。  それからもう一つ、これは受け身ということにはなるかもしれませんが、解体工事の現場におきましては、業者に、受注者に対して標識を立てさせることにしております。この工事はどういう方式でいつまでにやるのか、また担当はどこの会社なのかという標識を現場に立てさせることにしております。これは、そういうものがあれば、自治体の職員が回ったときにも見やすいということのほかに、周辺の住民からいろいろな形での情報提供ということも期待をできるということで、標識の設置ということも行おうとしております。  そういう意味で、公的な人員での努力と、それからまたいろいろな方々の、周辺住民の方々の御協力と、そういうものを組み合わせた形で状況を把握し、適切な助言、勧告、命令というものが必要であればやっていく、こういうような取り組みをしたいと思っております。
  96. 平野博文

    ○平野委員 何回も言いますが、ここは非常に実行プランが難しいシステムだなと思いますよ。あ、ここは解体、こういう方式でやっていますなと、これだけ世知辛い世の中に、よしそれじゃ、歩いておって、本当にやれているかどうかという、のぞきに行って、のぞきに行ったら今はど突かれまっせ。せかせか歩いておるこの社会で、暇な人がのぞきに行って、ああ本当にすばらしい処理方法で解体しているなと、そんな通報みたいな、密告みたいなことはないですよ。  だから、ここをやはり、本当に局長、答弁非常につらいのだろうと思いますが、全体的にモラルがアップしてくればそういうことになるのでしょうし、そこで国民の意識を高める、業者さんの意識を高める、発注者の意識を高める、こういう啓蒙、意識改革は一方では図りながら、そういうチェック体制をどのようにつくっていくか、これがないと、非常にいい法律をつくってもなかなか実行しないというのは、ここも一つの大きな山だと思うのですね。そういう意味での体制充実をぜひやっていただきたい、このように思います。  なお、解体工事業を営む場合には、これは届け出をしなさい、登録制に今回なっているわけですが、土木工事とか建設工事あるいはとび職とか、そういう既に許可を受けている方については再登録する必要がない、こうなっているのです。登録した人は閲覧をしてください、こういうことになるのですが、許可を受けている業者さんも一緒にこの中にはめておかないと、だれが解体をされる人なのかというのがわからないと思うんですが、この辺はどうなんでしょうか。
  97. 風岡典之

    風岡政府参考人 先生指摘のように、建設業の許可を既に受けている方につきましては、この法律に基づく登録は要しないということにしております。登録を受けた業者の方については登録簿を設けまして閲覧できるようにするということでありますので、先生指摘のように、建設業の許可を受けている人については登録簿に載らないのではないかという問題があります。  今の法律の体系としては登録簿に載せることは義務づけをしておりませんが、私どもとしましては、確かに、解体登録業者がどういう方がいるのかということを一覧的に見られるということは非常に大きな情報だと思っておりますので、これは指導によりまして、既に建設業の許可を受けている方で解体をやる方については、解体登録簿と同じ登録簿になるのか参考資料になるのかは別にしまして、何らかの形でそういった情報が提供できるようにしていきたい。  また、業者の方にとりましても、やはり、建設業の許可を受けて解体をやっているんだ、解体業をやるんだということは、そういう形で登録をすることは営業的にも非常に意味がある話で、多分業者の方もそういったことを望んでいると思いますので、これは運用を通じてでございますけれども、そういった形で、何らかの形で閲覧できるような、そういう方向で対応していきたいと思っております。
  98. 平野博文

    ○平野委員 閲覧をさせるということは情報公開ですから、どういう適切な業者が届けられているのかなということですから、工事業を営んでいる方についても、解体もできるということは一般の人はわかりませんから、ぜひ、やはり一同に解体事業もできるんだという情報提供をする名簿にしてあげてほしいな、こういうことを要望しておきます。  さて、解体工事業者というのは、適切にやられているかどうかという意味では、先ほど局長の御答弁を聞いておりましても、技術者はやはり配置をしていこう、こういうことですが、どんな技術者をイメージしてはるのかどうか。解体、こういう資格を持った人がいるのでしょうか。技術者とはどういう技術者をイメージしておられますか。
  99. 風岡典之

    風岡政府参考人 本法案におきましては、解体工事における適切な施工を確保するということで、分別解体あるいは再資源化施設への搬入、そういう義務がありますので、そういったものにつきまして、業者サイドで適切な対応ができるような能力を持った、法律上は技術管理者という名前にしておりますけれども、これを選任しなければならないというふうにしております。  この技術管理者は、既に土木施工管理技士等のいろいろな国家資格があるわけでございますので、そういった方は分別解体あるいはそういった再資源化施設への搬入等についての技術指導もできるということで、もちろんそういうものも活用するわけでございますが、業界団体の中には、先ほど申し上げましたように、自主的な資格として解体工事施工技士というのを民間資格の形で設けているのもあるわけでございます。具体的には社団法人の全国解体工事団体連合会ですけれども、そこでそういうような試験、これは実技も含めた試験というのをやっているわけでございまして、今後、今やっていただいておりますそういった試験の内容等も私どもの確認をさせていただいて、こういうことでいいということであれば、そういう民間資格も既に芽生えておりますので、そういったものも使っていきたい。  それからまた、こういう技術管理者ということになりますと、いわゆるペーパー試験だけではなくて、一定の経験を積んだ方もそういう技術者として登用できるようにしてほしいというのが、これは業界団体等にもあるわけでございます。  私ども、そういった方々は、従来は多分、分別解体というのをほとんどやっていなくて、いわゆるミンチ解体みたいなことをやっておりますので、過去の一定の経験だけでは今回予定しております技術管理者と同格に扱えませんけれども、しかし、そういった方々で、一定の研修、講習等を受けていただいたような方々につきましては当然同等の扱いができるということで、そういう方については、この三十一条に定める技術管理者として取り扱うようにしたい。  いずれにしましても、分別解体という新しい分野でございますので、これは、分別解体のやり方については、技術的な基準については政省令で定めることにしておりますので、そういったものが的確にできる、そういった技術能力を何らかの形でチェックをして配置をさせていただきたい、このように思っております。
  100. 平野博文

    ○平野委員 いわゆる適切にでき得る技術者配置するということは明確にこの法案の中にうたわれているわけですね。  そこで、じゃ、この技術者というのはそこの従業員でないといけないのか、これまた派遣でいいのか、こういう問題が起こってくるわけですよ。これはどういうふうに雇用関係を見ておられますか。
  101. 風岡典之

    風岡政府参考人 今回の法律案によりまして、分別解体の義務づけということに一応なるわけでございますけれども、そうなりますと、解体工事を発注する者というのは、今後ますます、解体工事業者の施工能力、技術能力、そういったものを見て発注する。先ほど閲覧簿の話をしましたけれども、閲覧の内容としましては、この業者にはどういう技術者の方がいるという固有名詞も出て、それを閲覧させるということでありますので、当然、会社の技術力というものが非常に注目されるのではないかというふうに思っております。  解体工事業者がその信頼にこたえるためには、やはり分別解体を実際に監督する技術管理者と解体業者の責任関係というものを明確にする必要がある。その技術者がその会社の行為として行うんだということを明確にする必要がある。また、解体業者技術管理者の持つ技術力をよくわかって、技術管理者を現場に適切に配置をするということも、これは当然のことながら必要になるというように考えております。  そういうことから考えますと、技術管理者の雇用関係がどうあるべきかということにつきましては、解体工事業者との間の直接的、恒常的な雇用関係というものを求めていくということが当然のことかな、このように思っているところであります。
  102. 平野博文

    ○平野委員 だけれども現実的に見たときに、私は、例えば、三、四人の社員でやっている方が、大体解体業でやっておられる人が多いと思うんですね。そこへ直接、制度による技術者を置いておかないとだめなんだということでいきますと、これはほとんど会社自身が大変なことにならないかなと。ゼネコンとか大きな建設会社が併設している解体業者はいいと思うんですが、解体業だけをやっている方が今たくさんおられるわけです。その方の経営規模を考えてみますと、本当に二、三人でやっていますよ。  今までだったら百万円以下だとか、こういう制限があるんですが、本格的にやはりやっていこうと思いますと、その人をずっと雇用していないとできない。自分一人が資格を持ってやっているというケースはいいんでしょうけれども、このところに多少無理がある。ただ、こうしておかなきゃならないという意味合いはわかりますが、その辺、じゃ、どう都道府県がまた逆にチェックをするのかという、今度は、逆のチェック体制の問題までこれは波及してくるわけです。  これは多くを語りませんが、その辺をぜひ運用面でうまくいくようにしてもらいたいと思いますし、加えて、きょうは午前中ここの現場でやった、午後はこちらの現場へ行く、こういうふうに動きますから、ここで何カ月も仕事をしているわけじゃないですよ。一日で終わっちゃうケースだってあるわけですから。そうしたときに、工事現場を兼任する技術者がいいのかどうか。こういうところまで出てくると私は思うわけでございますので、何とぞ、その点についてもし何か御意見があれば答えていただきたいと思います。
  103. 風岡典之

    風岡政府参考人 技術管理者の雇用関係につきましては、先ほど申し上げましたように、解体業者と直接的かつ常用的な雇用関係にあるということを求めるわけでございますが、現場ごとに、いろいろな現場で当然同時期に仕事をすることになるということもあるわけでございますが、その場合に、その技術管理者というのは個々の現場に常駐するということまでは求めておりません。もちろん、幾つかの現場をかけ持ちで指導をするということも、これは認めているわけでございます。  また、こういった方々を雇用すると、やはりコストの面その他、非常に苦しいんじゃないか、二、三人で仕事をしている会社が多いではないかということでございますが、その点につきましては、先ほど申し上げましたように、技術管理者の資格として一定の経験を持った方に若干の新しい知識を注入していただいて、そういった方を活用できるという道も設けておりますので、その意味で、もちろんしっかりした技術を持っていただくということは必要でございますけれども中小企業にも極めて無理な負担をお願いすることにはならないで済むのではないか、このように考えているところであります。
  104. 平野博文

    ○平野委員 そういうことで、いろいろ解体の実務面、考え方、流れをやってきたわけですが、最終これをアクションを起こすところが必要でございますから、再資源化促進していくための施設の整備充実というのは絶対不可欠なことだと思うのです。これはまた地域によって相当ばらつくのではないかという意味で適正配置を、これは国がやらないと、なかなか、民間にゆだねますということではだめだと僕は思うのです。国が指導してきちっと適正配置を、そういう環境整備をつくってあげることがうまくいくスキームだと思うのですが、この点についてはどんな考え方でおられますか。
  105. 風岡典之

    風岡政府参考人 御指摘の点は私ども本当にそのとおりだと思っておりまして、この法律がうまく機能するかどうかというのは、再資源化施設というものが適正に立地をするということが大前提になっているというように思います。  現在、再資源化施設としていろいろなものがありますけれども、特に大きなものとして再生アスファルトプラントとか、再生砕石プラントとか、それから木材チップ化のプラントとか、汚泥の関係のプラント、大きく四つあるわけでございますが、この四種類で見ますと、平成七年度で、全国で約二千三百の施設の立地があります。これは、その五年前の平成二年と比べますと、平成二年時点が約一千百施設でしたので、二倍ぐらいにおかげさまでふえてきております。  しかし、今後のことを考えますと、もちろんこれだけで十分ではありませんし、地域的な偏在という問題もあります。特に、発生木材チップ化のプラントについてはそういった地域的な偏在の問題がありますので、今後とも、各地にバランスよく必要な施設が立地できるように促進をしていく必要がある。この点につきましては、これは私どもの力だけでは何ともできない部分もありますので、特に厚生省連携をしながら、また自治体の協力も得ながら、いろいろな形でこういった施設促進できるような支援措置等も考えていきたい、このように思っております。
  106. 平野博文

    ○平野委員 ここがないと機能しませんから、これはぜひ施設充実をやってもらいたいと思います。どういう形でやっていくかというのは非常に難しいと思いますが、これが受け皿的にないと、ここで処理をして加工して次へ移していく、再資源化の源泉工程になるわけですから、ここをやはりきちっと適正配置をしないことにはこのリサイクルが回らない、こういうことになるわけであります。  時間が参ってきましたので、一つは、公共事業には、例えばセメントを再利用するための義務化を、あるいは公共事業においてアスファルトの再資源化資材を何十%使う、こういう義務づけをしていかなければ、発注者に対して要請できる、こういうことを言っておりますが、民間にもそういうことを強く要請していかれることも大事でありますが、まずは率先して公共工事の中に、再利用のウエートを例えば五〇%、何億という公共事業の中には再利用率が何%だということを義務づけてしまわなければいけないのではないかと思うのですが、その点はどうでしょうか。
  107. 風岡典之

    風岡政府参考人 リサイクルを進める上で、公共事業者の役割が非常に大きいというのは御指摘のとおりであります。  これは建設省の直轄工事についてということで申し上げますと、平成三年時点から、公共事業の実施に当たりましては原則リサイクル化をするという方針を打ち出しております。工事に伴っていろいろな廃棄物が出てくるわけでございますが、こういったものにつきましては、近くに再資源化施設があるのであればそこへ搬入するということを基本方針として打ち出しておりますし、また公共事業で使う資材につきましても、リサイクル製品が近くで得られるのであればそれを使うという方針を打ち出して、その結果、公共事業のリサイクル率というのは非常に高くなったというふうに思っております。  問題は、その他のいろいろな発注機関もあるわけでございますので、公共発注者全体が同じような取り組みをしていくということが必要だというふうに考えております。これは義務づけというような形になるかどうかは別にしまして、少なくとも、私どもが今やっておりますような同じような考え方で全公共発注者が進めるように、これはいろいろな形で連携をとりながら、また現実にそういう形で進めるように努力をしていきたい、このように思っております。
  108. 平野博文

    ○平野委員 私はぜひ、何%とか何十%とか、これは三品目とか品目によるのでしょうけれども、特に公共事業においては義務づけをすべきですよ。  建設省の直轄は確かに局長おっしゃるようにやっているということですが、建設だけではありませんから、いろいろな事業が公共事業としてあるわけですから、その中に、少なくとも三〇%、五〇%、僕は時系列でいいと思うのです。施設がないところで幾ら言ったってだめなわけですから、適正規模に配置することによって、それを使用させる、再利用させる、この義務づけを、やはり義務化をしていくんですよ。そうしなければこんなのは進みません。  ぜひ局長に僕はそのことをこたえてもらいたいと思いますが、大臣、ぜひそんな発想で、やはりきちっと義務化をしていく。そのことによって初めて循環型社会一つの大きなベースができていくのだ、特に、個別の建設事業の廃材の再利用が具現化して動き出していくのだ、こういうふうに思いますので、大臣、どうですか。
  109. 中山正暉

    ○中山国務大臣 御質問の中で、これからの問題を含んだ大変示唆に富む御指摘をいただいたと思っております。はみ出し者というのは世の中にはいつもありますから、それを許しているとどんどんややこしくなってきますので、そういう今おっしゃったような方向をこれから加味しつつ、大きな方針、全体をどういうふうに掌握していくかという方針を、順次、行政として実施していく段階で充実させてまいりたい。  大変貴重な御指摘をいただいたと感謝しております。
  110. 平野博文

    ○平野委員 時間が参りましたのでこれで終えたいと思いますが、いずれにしましても、コストをだれが見ていくのかということにもかかってくるわけでございますので、私は、この法案をよくぞ出していただいたと高く評価をしながら、何とぞ実効あるプランに実務面で仕上げていただきたい、このことをお願いして、終わります。  ありがとうございました。
  111. 大口善徳

    大口委員長 蓮実進君。
  112. 蓮実進

    ○蓮実委員 建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律案について御質問を申し上げたいと思います。  まず初めに、本法案は、建設省として初めて主体的に取り組んだリサイクル法案でありまして、厳しく私から申し上げますと、遅きに失したのではないかというふうに思っております。  廃棄物リサイクル対策、中でも建設廃棄物リサイクルは、来るべき二十一世紀に向けて、我々の子孫によりよい環境を残していく、そのためにも真剣に取り組むべき問題だと考えておりますが、新たな時代に対応する法律をどのように運用していくのか、中山建設大臣にお伺いしたいと思います。
  113. 中山正暉

    ○中山国務大臣 我が国のこれまでの大量生産大量消費、それから大量廃棄といった社会のあり方が招いた最終処分場の逼迫や、それからまた不法投棄の増大など、社会問題になっておりますし、廃棄物をめぐるさまざまな問題を克服して、社会における物質循環が確保された循環型社会を形成すべきときを迎えていると思います。  一方、建設廃棄物は、産業廃棄物全体の排出量の約二割、最終処分量の約四割を占めるとともに、不法投棄量では約九割を占めるなど、我が国環境に非常に大きな負荷を与えていると思いますし、今、外国にも船でわざわざごみを輸出する人がいたりして、国際的な問題にもなりかねない。最近、アスベストの入った仮設住宅をよその国へ送りつけたというような問題もありまして、私も、CNNなんかのニュースで外国のそういう関係のお役人さんが大変お怒りの状況を見ますと、これはもう海外にまではみ出す時代が来たな、これは何とか国内でちゃんと始末しなきゃいけないという実感を持っております。  本法案は、このような現状を打開するために、建設工事の施工から廃棄物の発生、それから再資源化、再利用に関する一連の措置を講ずることにより建設廃棄物リサイクルを円滑に推進していくことを目的として提案しているものでございまして、我が国における循環型社会の形成に大きく寄与するものと認識をいたしております。  今後は、国、それから地方公共団体建設工事発注者建設業者に至る広範な関係者が、循環型社会構築するという大きな目標に向かって、自覚と責任を持って建設廃棄物リサイクルに取り組んでいくことが重要である。こういうことで建設省は本法案早期成立をお願いしたいと思って提案をいたしておりますが、広く国民の理解と協力を得ながら、建設廃棄物リサイクル推進に最大の努力をしていく、今後の方針として我々、打ち出しております。  私は、この間、十二年の一月二十二日に、混合廃棄物を処理しております日成ストマック・トーキョーという会社を見せていただきました。これは、六種類ぐらいに選別していって、そしてごみの処理をやっておられるわけでございますが、大変勉強になりました。その次は、コンクリートアスファルト、いわゆるCOとかASの再生をやっています、これは葛飾でございましたが、立石建設工業というところを見せていただきまして、コンクリートを粉砕して、また新しいコンクリートに仕上げている。このごろそれを大きな移動用の、施設でもどこへでも運び込んで、そういうものができるようになっております。それから、東京ボードというところでは、木材の再生を見せていただきました。最後には、チップ化したものをまたこれは板に変えまして、一枚六百円ぐらいになってでき上がるというような、そういう三種類の、全くごちゃごちゃのものから選別するところ、それからコンクリートだけ、アスファルトだけを再生するところ、それから木、木材だけを再生するところと見せてもらいまして、大変勉強になったわけでございます。  ああいうことが全体に行き渡って、日本が資源のむだをしないように、廃棄物資源だという、先ほど平野先生の御指摘もありましたが、本当にその意味で、我々が再生したら本当に立派な国の建設に大きな根底になるもの、それが処理されずに終わってしまうと外国にまで大変迷惑をかけるものになる。これをいかに循環型の中で処理していくかが我々の責務である。もう二十一世紀は、これこそ、今、新世紀を迎えるに当たりまして、本当にタイミングがいい提案になっているんじゃないかと私は自負いたしております。
  114. 蓮実進

    ○蓮実委員 大臣、お時間があれだと思いますので、もう結構でございますから。  それで、これは経済局長にお伺いしたいと思います。  建設廃棄物について、不法投棄の問題、最終処分場が極度に不足している今日、リサイクル推進して廃棄物の量をできる限り少なくすることが大きな課題だろうと私は思っております。この対応のためにこの法案を提案されたと思いますが、建設廃棄物不法投棄や最終処分場の不足について、建設省としてどのように認識をし、本法案の中で何を提案したのか、具体的にお伺いをいたしたいと思います。
  115. 風岡典之

    風岡政府参考人 建設廃棄物リサイクル現状につきましては、先ほど大臣から御答弁があったとおりでございます。  その中で、産業廃棄物の最終処分場についてでございますが、これは厚生省が昨年十一月に行った調査ですけれども、もう残余年数が約一・六年しかない、こういうような調査結果も出ている、非常に逼迫した状況になっているわけでございます。また、不法投棄、これも厚生省の調査で、先ほど来御説明がありましたように建設廃材が約九割を占めているということで、そういう非常に問題な状況になってきているわけです。  一方、限りある資源の有効利用を図っていくというのも、これは循環型社会という中で特に強く求められているわけでございまして、建設廃棄物についてはリサイクル利用状況が非常に悪いということで、こういったものにつきまして再資源化を行って、再び資源として活用するということをやっていかなければならない、こういう背景の中で本法律案提出をさせていただいたわけでございます。  具体的には、コンクリート木材等の三品目でございますけれども、それにつきまして、現場での分別解体を行う、また再資源化施設への搬入というものを義務づけるとともに、その実施に当たります業者につきましては新たに登録制度というものを設ける。さらには、この法律の趣旨が実現できるように、いろいろ政府としての基本方針を定め、その中でリサイクル目標というものを定めながらやっていく。こういうようなものがこの法律の背景と内容でございます。
  116. 蓮実進

    ○蓮実委員 私は、不法投棄をされる大きな原因の一つとして、ミンチ解体の横行が考えられます。ミンチ解体によって混合廃棄物になってしまうと、ばらばらになりますね。そうなると、これはリサイクルできません。当然、管理型の処分場に持ち込まれる。そうなりますと、それが持ち込まれなければならないために不法投棄に走ってしまうんじゃないか。こういうことをさせないためには分別解体が非常に重要だろうと私は思っています。その義務づけが本法案中心になっていると思います。  特に重要なのは、その実施の責任をはっきりさせること。本法案は、分別解体の義務づけや再資源化の義務づけを受注者全体にかけておりますけれども、元請責任が不明確になってはいけないんではないかなと私は思っております。そこで、元請に対してどのような役割を期待し、どのような義務を課しているのかをお伺いしたいと存じます。
  117. 風岡典之

    風岡政府参考人 確かに重要なポイントだというふうに思っております。  御指摘のように、本法案におきましては、分別解体あるいは再資源化の義務づけ、これにつきましては元請ということじゃなくて受注者に課しております。これは、建設工事が元請と下請の双方を含む受注者全体の共同作業だ、共同的な行為で行われる、そういった現状に照らしまして、その双方に義務を課す、このことが建設産業の実態に応じた対応になるんではないかということで、受注者に対する義務づけ、こういうようにさせていただきました。  その中で、先生指摘のように、そうなると元請というものの責任はどうなってしまうのかという議論があるわけでございますが、元請、下請の中でのそれぞれの役割について見ますと、元請業者発注者と下請企業の間に立つという関係になるわけです。また、工事全般の施工計画の策定から、個々の下請はどういう方を選ぶのかというのは、これは元請業者が行う行為であるわけでございます。通例、そういうふうに行われております。そういうことから見ますと、分別解体とか再資源化の実施につきましては、施工の管理、下請業者の指導面で元請企業が非常に大きな役割を果たすということが期待されているし、また、そうしなければならない、こういうふうになっているわけです。  こういったような基本的な考え方に基づきまして、この法案におきましては、元請業者に幾つかの義務づけというのを行っております。一つ分別解体等の計画でございますが、これは発注者に書面を交付して説明をする。元請は、発注者に対して説明義務というものがあります。さらには、再資源化等が終わった場合のその完了報告ですけれども、これは下請が行うのではなくて、元請が発注者に対して責任を持って行う、こういうことを義務づけております。また、特定建設資材廃棄物の適正な再資源化施設への搬入などにつきまして、下請業者の指導ということについても元請に義務として課しているわけでございます。  そういう意味では、全体として元請業者の責任また役割というのを非常に重視した体系で構築をされている、このように考えております。
  118. 蓮実進

    ○蓮実委員 確かに、元請の責任を重くするということは大変大切だろうと思っております。  分別解体は、手間とコストがかかるために今まで行われにくかったのだろうか、そう考えられますけれども分別解体の義務づけになると、コストがかなり増加するのではないか。この点、建設省として、コストを抑えるためにどのような対策を考えておられるか、お伺いしたいと思います。
  119. 風岡典之

    風岡政府参考人 解体に必要なコストでございますけれども分別解体の義務づけによりまして、解体工事に要する費用、これは増加することになると思います。ミンチ解体と比べまして分別解体というのは手間がかかりますので、当然そうなると思います。しかし、解体工事から処分までのコストで見ると、一般的には埋立費用よりも再資源化の費用が安いというふうに考えられますので、分別解体等を義務づけた場合において直ちにコストが上昇するということではないと思います。ただ、現実には、不法投棄その他によって適切な処理がされていないために、実際の解体費用が非常に安いということでありますから、現状と比べると確かに高くなると思います。  コストが増加することについての対策をどうするのかという御指摘でございますけれども、基本的にはこのコストはやはり発注者が適切に支払っていただく必要があるということで、この法律におきましては、発注者の責務として再資源化費用の適正な負担というのを求めているわけでございます。  しかし、先ほど申し上げましたように、現実には非常に負担がふえるということがあるわけでございますので、それに対してやはり何らかの措置を講じなければならないというのも御指摘のとおりであります。そのため、住宅金融公庫融資につきまして、十二年度からは、解体工事費についての融資、この割り増し額、これを百五十万円とするということにしておりまして、解体に着目して戸当たり百五十万の融資というものを行うことにしております。  また、そもそも分別解体のコストを安くすることも必要ではないかということで、この点につきましては、費用低減を図るための解体施工マニュアルの整備を通じまして、解体工事費用の低減というものが図れるような効率的な工法、こういうものを開発する必要があるというふうに考えておりまして、これにつきましては、行政部費を設けまして、十二年度に効率的な解体の工法というものの研究開発というのを行ってまいりたい、このように思っておりまして、そもそも安くすることと、また、実際に負担がふえるものについての融資措置、こういうことで対応させていただきたい、このように思っております。
  120. 蓮実進

    ○蓮実委員 金融公庫から百五十万円ぐらいの融資をしてやるということ、非常に結構だと思いますし、また、分別解体技術開発、コストを安くする、ぜひひとつ取り組んでいただきたい、そう思っております。  それから、分別解体の義務づけについてでありますが、対象、一定規模、すなわち何平米以上の解体工事に対して行うということになっておりますけれども、どのくらいの大きさの解体工事対象とする予定なのか。それから、その規模でリサイクルによる建設廃棄物の減量は十分と考えておられるのか。もう少し小さい規模の工事でも対応すべきだろう、私はそう思っております。その点でお伺いをいたしたい。
  121. 風岡典之

    風岡政府参考人 対象規模につきましては政令で定めることにしておりますけれども、現在事務的に考えておりますのは、延べ床面積が一戸当たり七十平米から百平米程度の中で基準を定めたい。ある数値を定めまして、それ以上のものについては法律上の義務づけをする、こういうようにしたいというふうに思っております。  仮に七十平米から百平米ぐらいに基準を定めた場合に、それでは全体のカバーがどうなるのかということでありますけれども、こういう基準であれば、おおむね八〇%から九〇%、量的には分別解体の義務づけ対象にすることができるのではないかというふうに思っております。  しかしながら、それ以下のものも、それでは放置してもいいのか、もっと広くやるべきではないかという御意見も確かにあります。規模の設定につきましてはなかなか難しい面もあります。余り小規模なものまで法律上の義務づけをしますと、そういう分別解体コストがやはりある程度かかるわけでございまして、それによって得られる効果が若干小さいのじゃないか、そういうバランスのこともありますし、また、余り範囲をいたずらに広げても、先ほど来御指摘をいただいておりますけれども実効性のある現場の管理監督ということをやるためにはある程度絞り込んでやるということも必要ではないか、こういうようなことがありまして、先ほど申し上げましたような七十平米ないし百平米のあたりで水準を決めたい、このように思っております。  いずれにしましても、それ以下のものについても、できれば分別解体が望ましいわけでございまして、そういった本来の姿というものは、あるべき姿というのは基本方針などで示して、これについてはまた国民の理解、協力を得るような形での努力もしていきたい、このように考えております。
  122. 蓮実進

    ○蓮実委員 今百ないし七十平米以上だというお話でございますが、それでは、七十平米以下のを義務づけないとなると、小さいものは不法投棄されるおそれがありますね。せめて、これがもうちょっと小さいところまでやっていかないと、不法投棄につながるのではないか。  例えば、同じ人が、五十平米の建物が二つある。両方一緒につぶせば、これは当然義務づけになりますね。ところが、最初の五十平米だけ最初につぶして、そしてしばらくたってからまた五十平米つぶす、そういうことになると、これは義務づけにならないわけですね。ですから、これを対象にしないと意味がなくなるのではないか。いかにお考えか、お伺いをしたいと思います。
  123. 風岡典之

    風岡政府参考人 そもそも対象工事の考え方、とらえ方をどうするのかという点がまずあるわけでございますけれども、私どもとしましては、工事の考え方でございますが、一連の建設工事というものを一つ工事単位として、それで判断をしていきたい。それで七十平米、百平米に当たるかどうかというようなことの判断をしていきたいというふうに思っております。  したがいまして、今御指摘のありましたような、五十平米のものが二つある、同じ所有者が壊すというようなケースですけれども、これは、五十平米という一戸単位で見るのではなくて、一連の工事、すなわち百平米の工事に当たるのだということで適用対象になるかどうかということを判断してまいりたいというふうに思います。  しかし、そういうことをやるにしても、いずれにしても小さいものが残るのも事実でございます。それにつきましては、これは条例で、一定の場合におきましては、対象政令で定める規模の要件を引き下げることもできることにしておりますし、そういった措置がとられない場合でありましても、先ほど申し上げましたように、基本方針におきまして本来分別解体というのが望ましいのだということを明示するとともに、業者におきましてもいろいろ御協力をいただいて、そういった方向で進むように努力をしていきたい、このように思っております。
  124. 蓮実進

    ○蓮実委員 今お話しのように分別解体がしっかり行われるように、関係者に対して指導やPR、このことが大変重要だろうと思っております。  対象工事が百とか七十より小さい場合、義務づけではなく指導の範囲だというふうに思いますが、そうした工事についても分別解体促進を図る必要があるのではないか。建設省としては、そうした小規模の工事についてもどう進めていくのか、業者に対する指導をどう考えているのか、お伺いをいたしたい。
  125. 風岡典之

    風岡政府参考人 小規模で対象にならない工事の取り扱いでございますけれども、これも基本的には分別解体が望ましいということは先ほど申し上げたとおりであります。  この法律におきましては、業者については登録ということを義務づけているわけでございますけれども登録が義務づけられる業者というのは、これは一定規模以上の、七十平米とか百平米というような対象工事を扱う業者だけが登録をするのではなくて、解体業を行う方すべて登録をしていただくということにしております。  登録業者につきましては、技術管理者の配置ということも当然お願いをするわけでございますし、また、それぞれの現場での標識というのも立てていただくわけでございますので、そういった法律の考え方というのは、できるだけ解体業者方々には広く分別解体をやっていただきたいという考え方に基づいて登録の考え方もできているわけでございます。  その点につきましては、私どもとしても、業者団体に十分連絡をして、適切な取り扱いが行われるように助言、指導その他を行っていきたい、このように思っております。
  126. 蓮実進

    ○蓮実委員 分別解体を実際に行う業者に対する対応でございます。分別解体を義務づけ、それが実施にいろいろな措置をしても、業者がしっかりこれを守らなければなりませんね。その業者を監督する体制ができていなければ私は意味がないと思います。こうした点から解体工事業者登録制度を設けたのではないかと思っております。また一方、建設工事に関しては、建設業法による許可制度が既にありますね。そこで、この許可制度と本法案登録制度との関係についてお伺いをしたいと思います。  さらに、本法案においては登録制度ということになっておりますが、それでは私は不十分ではないかな、登録ではなく許可制度にした方がいいのかなというふうに思っておりますが、お考えをひとつお伺いしたいと思います。
  127. 風岡典之

    風岡政府参考人 御指摘のように、建設業法におきましては、請負金額が五百万未満の軽微な工事を行う人を除きましては、建設業法に基づく許可というものを必要にしております。これは、通常、建設工事の場合におきましては大規模な工事を行うということでありますので、その工事を適切に施工していただけるような、そういった企業経営能力とかあるいは技術力とかそういったものを求めるということで、許可でそれをチェックしているということであります。  一方、今回の法律におきましては、解体業者につきましては許可ではなくて登録という扱いをさせていただいておりますのは、これは、解体工事のある意味では性格にも起因するところでありまして、一般に解体工事は、請負金額も比較的安いし、期間も短期の場合が多いということであります。それから、分別解体を行うにしましても、物をつくり上げるという新築と比べますと、技術的な取り扱いというのはやはりちょっと差があるのではないか、こういう点もありまして、こういうような解体の性格というのを勘案して、今回の法律では登録制度という扱いにさせていただいたわけでございます。  なお、許可を得ている方につきましては今回の登録を要しないということにつきましては、法律上そういった手当てをしている、そういう関係になろうかと思います。
  128. 蓮実進

    ○蓮実委員 ひとつ、しっかり指導したらよろしいかと思っております。  解体工事業者に対して技術管理者の選任を義務づけることによって適正な分別解体の実施を確保するということですが、そうなると、技術管理者がどのような技術力を持っているかが私は重要だと思います。この技術管理者については、主務省令でその要件を定めるとなっておりますが、技術力があるかないかを的確に判断しなければなりません。そこで、主務省令ではどのようなものを定めることにしているのか、お伺いしたいと思います。
  129. 風岡典之

    風岡政府参考人 適切な技術力を持った技術管理者を選定していただくということで、具体的には省令で基準というのを定めたいというふうに思っております。  分別解体という新しいやり方でございます。これにつきましては、分別解体のルールというのはまた別途省令で定めますので、そういった新しいやり方、現場現場によってもいろいろ違うわけでございます。それから、解体する場合に、この時期に建てられた建築物についてはどういうような資材を使っているのかとかいうようなことも含めて、非常に個別性があるわけでございますので、そういう能力が確保できるような、そういった基準というのをつくっていきたいと思っております。  具体的に、それではどういう方を登用するのかということになるわけでございますが、先ほども御答弁させていただきましたけれども一つは、国家資格を持っておるような方々、土木施工管理技士というような国家資格もありますけれども、そういった方々分別解体技術者として適格性を有するというのは当然のことでありますので、そういう国家資格を持っている方も可能でありますし、さらに、民間団体でも自主的な資格として解体工事施工技士というような資格も準備をされているので、そういった内容で適切なものについては技術管理者の要件として認めていきたい。さらには、一定の経験を持たれた方についても、研修等をしていただいた上でその資格要件として認めるということで、まず省令で具体的な基準を定めて、それにふさわしい人として今申し上げましたような方々をイメージしている、こういうことであります。
  130. 蓮実進

    ○蓮実委員 何か建設省から天下りの団体なんかをつくらないように、ひとつ注意をしていただきたいと思います。  それから、適切な分別解体が行われているか確認するためには、工事に先立って解体工事の届け出を義務づけていますが、この届け出は分別解体が義務づけられている受注者ではなく発注者が届け出ることになっています。個人の住宅解体する場合に、一般市民が発注者として届け出ることになっているために、発注者には届け出の能力がないのが通常です。なぜ届け出者を発注者にする必要があったのか、理由をお聞かせいただきたい。  まとめて質問します、時間がありませんから。分別解体がしっかり行われても、生じた廃棄物が再資源化されなければ、分別されたごみがふえるだけだと思っています。分別解体に伴って生じた特定建設資材廃棄物については、再資源化の義務を受注者に課していますが、義務を課していただけではだめですので、再資源化を行う施設がなければ義務は果たすことはできません。建設廃棄物の再資源化施設現状では十分ではないだろうというふうに私は思っております。どのくらいの施設整備が必要となっているのか、このことも伺いたい。  それから、リサイクル促進で大事なのは、再資源化したリサイクル材などが利用されることによって、廃棄物の発生、それから再資源化、再利用、この循環の輪が連なることだろうと思っています。本法案は、分別解体及び再資源化について義務づけられ、廃棄物の発生の段階から再資源化されるところまでは具体的義務づけがされておりますけれどもリサイクル材利用については義務づけがされておりません。少なくとも公共発注者や大規模発注者に対してリサイクル材利用を義務づけるべきだと思っておりますが、このこともお聞きしたい。  それから、本法案は、分別解体の義務づけ、再資源の義務づけといった形で、規制措置ばかり講じているようにも見えます。建設省が昨年十月発表した建築解体廃棄物リサイクルプログラムでは、リサイクル推進のみならず、発生の抑制も含めてもう少し幅広い措置を掲げていたのではないかと思います。規制措置だけでは不十分ですから、建設省として本法案に盛り込まれた措置以外に何を講じようとしているか、そのこともお聞きいたしたいと思いますが、ひとつ簡単にお答えいただいて、質問を終わりたいと思います。
  131. 風岡典之

    風岡政府参考人 事前の届け出義務を、受注者ではなくて個人に義務づけております。これは、発注者自身はいろいろな人がいると思いますけれども、基本的にはこの解体を行う発意というのは発注者にあるわけでございますし、また、そのコストというのは発注者が負担をしていただく、そういった考え方に基づいて、確かに個人にはいろいろな形の人がお見えだと思いますけれども法律の考え方としては発注者に義務を課したということで、もちろん受注者との間でいろいろ協力をしていただきながら個人が書類を出す、こういうことになろうかと思います。  それから、廃棄物の再資源化施設、そういうものを整備しておかないと義務づけたって意味がないじゃないかということであります。  先ほど、再資源化施設の立地件数等を申し上げましたけれども、私どもとしては、全国にそういった再資源化施設が適切に分布をしているということがこの制度が本当に使える根底になると思いますので、これは融資、税制等も含めて、再資源化施設の立地について政府全体として努力をしていきたい、このように思っております。  それから、公共発注者に対してリサイクル材利用の義務づけを行うべきだということであります。  これは、率直に申し上げますと、義務づけというところまではいっておりませんけれども、確かに、公共発注者が積極的に使うということが非常に大きなインパクトを与えるということでありまして、私どもは、気持ちの上では義務づけと同じような気持ちで取り組むということで、基本方針の中でそういった姿勢を明確にしていきたい、このように思っております。  さらに、規制だけでは進まないということでありますので、私ども、プログラムを設けましていろいろなことを取り組む、例えば建築物の長寿命化というようなことも必要でありますので、そういったことについては公庫融資の改善等も行っておりますので、この法律とあわせて、関連施策を組み合わせて、より効果的な対応に努めてまいりたいと考えております。
  132. 蓮実進

    ○蓮実委員 終わります。
  133. 大口善徳

    大口委員長 この際、休憩いたします。     午前十一時三十分休憩      ————◇—————     午後一時五十一分開議
  134. 大口善徳

    大口委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。中島武敏君。
  135. 中島武敏

    ○中島委員 まず、大臣にお尋ねいたします。  建設廃棄物は、全産業廃棄物排出量の二割、最終処分量の四割を占めていると言われております。法案は特に一般住宅などのミンチ解体に焦点を当てていますが、建設廃棄物の最大の部分を占めるのは公共土木工事からの排出ですね。絶対量が多いだけではなく、急増しております。建設省が五年ごとに実施しております建設副産物実態調査によれば、九〇年度の建設廃棄物の総排出量は七千六百万トンで、公共土木が二千九百万トンで三八%に達しております。  ところが、一九九五年度の調査ではどうなったか。公共土木からの建設廃棄物は五千八百万トンに倍増して、総排出量九千九百万トンの六割近くを占めるに至っております。建設廃棄物の総量を減らすには、公共土木の総排出量を減らすことがかなめになるのではないかと思われます。  政府は、景気対策として公共事業を積み増しすることによって、総排出量を減らすことに逆行しているのではないかと思うんですけれども、大臣の見解を伺いたいと思います。
  136. 中山正暉

    ○中山国務大臣 日本は世界の経済大国の第二位でございますから、建設廃棄物が出てくるということは、いかに日本の経済活動が活発かということだと思います。  その意味で、それに漫然と対策を立てないということはいけませんので、今回のような法律を出しまして、経済発展をして、いろいろな経済活動から出る産業廃棄物建設廃棄物のうちの特に公共事業から発生するものが、平成七年度実態調査結果によりますと約六割と大きな割合を占めておりますので、私どもも責任を感じまして、建設廃棄物最終処分量を減量化するためには公共工事におけるリサイクル推進が重要であるという認識をいたしておるわけでございます。  このために、建設省では、平成九年度に策定いたしました建設リサイクル推進計画97におきまして、公共工事におけるリサイクル推進を最重要課題と位置づけて、その推進を図ってきたところでございますが、その結果、公共工事におけるリサイクル状況は、平成二年度で約四〇%だったリサイクル率が、平成七年度では約七〇%に向上をいたしております。その結果、御指摘のとおりに、公共事業量の増加などで排出量が増加しているけれども最終処分量は増加していないという状況になっております。  さらに、本法案において公共工事対象とすることで、公共工事におけるリサイクルをさらに進めていくことといたしておりますが、民間の建築物のみでなく、今後も引き続き、公共工事発注者が、コンクリート構造物の長寿命化技術の開発などによりまして、建設廃棄物の発生抑制、いわゆるリデュースでございますが、それからまたリサイクル推進の先導的な役割を果たすように努めてまいりたい、かように存じておりますので、またぜひひとつよろしくお願いを申し上げたいと思います。
  137. 中島武敏

    ○中島委員 しかし、それにしても、絶対量が多いことは間違いないわけですね。  何度も大臣には申し上げているような気がするんですけれども、日本の場合には、国、地方合わせて、毎年五十兆円という公共事業ですね。そのために、社会保障関係は二十兆円という大変隅に追いやられてしまっている、こういう状況であります。五十兆円といいますと、実額でいいましても、アメリカの公共事業費の二・七倍、さらにサミット参加国八カ国、このうち日本とロシアを除いた六カ国の総合計よりも日本一国の方が多いというのが実態なんですね。私は、これは率直に言って異常だと思うんですよ。やはり、この異常さを政府の方が先頭を切って改めていくべきじゃないか、模範を示していくべきではないか、私はこんなふうに思います。そのことを申し上げて、次の方に入ります。  次は、建設省建築解体廃棄物リサイクルプログラム、これは戦略の第一に、長寿化、長期使用を掲げております。公共土木事業についても、次々に新しい大型施設を建設するのではなくて、既存の施設を活用する方向に転ずるべきではないかと私は思うわけであります。例えば、道路投資を見ましても、既存の国道に並行して次々と有料道路である高規格幹線道路を建設しているわけですね。本当に新たな高規格幹線道路が必要なのかという問題。既存の国道の改善ではだめなのか、こういうことが今迫られているんじゃないかと私は思うわけであります。  資源の有効活用という観点からも、相当細かく検討をし直すということが必要じゃないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
  138. 大石久和

    大石政府参考人 お答え申し上げます。  高規格幹線道路は、国土構造の骨格を形成し、地域ブロックの自立的な発展、地域連携、物流の効率化などを支援する重要な基盤施設として、最重点の課題として今その整備を推進しておるところであります。  また、一般国道は、国土交通の用に供する高速自動車国道とあわせて全国的な幹線道路網を形成する道路で、国土を縦貫、横断、または循環して、都道府県県庁所在地等の重要な都市や拠点を連絡する道路であり、我が国の基本的な社会基盤として整備を進めているものでございます。  したがって、本来、別線の計画として企画しているものでございますが、地域の実情に応じまして、高規格幹線道路の整備に当たり、並行する一般国道を高速走行可能な自動車専用道路として建設することにより、高速自動車国道の機能を代替させ、高速ネットワークの一部として活用するなど、効率的な道路網の整備に努めているところであります。
  139. 中島武敏

    ○中島委員 私も、いろいろこの問題は視察したことがあるんですね。そうしますと、国道がずっと走っている、確かに国道は傷んでいるんですよ。だけれども、しかし、すぐそばを高規格道路が走っている。そうすると、やはり現在ある国道を直していくということが非常に大事なんじゃないかなということを視察なんかでは非常に感じる次第なんです。  そういうふうに、やはりできるところは大いにやるということも検討していかなきゃならない問題じゃないかということを非常に痛感いたします。そのことを申し上げて、次に移りたいと思うんです。  次は、土木事業からの排出中心となるのがアスファルトコンクリート塊でありますね。コンクリート塊は、確かに再利用率が高いが、絶対量が大きいですね。再利用や減量を除いた処分量を見ても、やはり半分近くを占めているわけです。そういう点では、まず公共土木事業で処分量をゼロとすべきであると思うんですけれども、この点については局長に伺います。
  140. 風岡典之

    風岡政府参考人 先生指摘をいただきましたとおり、アスファルト塊、コンクリート塊につきましては、まずアスファルト塊のリサイクル率でございますけれども平成七年は八一%ということであり、コンクリート塊は六五%と比較的高い状況にあります。ただ、年間の排出量はともに三千六百万トンということでありまして、全体としては非常に大きなウエートを占めております。  それぞれ、今申し上げたようなものは、主として公共事業から排出をされるということでありますので、やはり今後とも公共事業の発注者が、リサイクル推進するためには先導的な役割が必要だという点は御指摘のとおりだと思います。  建設省におきましては、これまでも直轄事業、みずからが事業主体となる公共事業におきましては、一定の条件のもとに再資源化を行うことを原則化する、そういった考え方を既に取り入れておりまして、そういうことの中でリサイクル率も飛躍的に向上してきているという状況があります。  ただ、現在の状況で満足すべきかということであれば、まだまだ頑張っていかなければならないということで、今後そういったリサイクル一つ目標として九〇%以上の高いリサイクル率が達成できるように、公共事業者全体での取り組み、そういったものを、また公共事業が先導的な役割を果たせるように頑張っていきたい、このように考えております。
  141. 中島武敏

    ○中島委員 次に伺いたいのは、今度の法案では汚泥は対象外となっているのですね。排出量は一割を占めておりますが、再利用率という点では極めて低いわけですね。処分量の二割を占めているのですけれども、この汚泥対策というのは一体どう考えられますか。
  142. 風岡典之

    風岡政府参考人 今回の法律案におきましては、当初の指定としては、御指摘のとおり汚泥は外しております。汚泥につきましては、やはり相当の再資源化をするためには、技術的な面でまだまだ課題がありますし、そういった施設全国的な分布から見ますとまだまだ限られているということで、今回、対象から一応外させていただいております。  汚泥につきましては、そもそもは構成されているのは土砂ですから、脱水とか乾燥ということにすれば土と同じ扱いにはなるのですけれども、ただ、土砂自体発生量に比較しまして需要量が非常に小さいという現状であります。  そういった中で、私どもとしても、昨年の十一月に建設汚泥リサイクル指針というのを作成いたしました。これは建設汚泥のリサイクルについてどういうような技術的な方法があるのかというようなものを紹介するとともに、建設汚泥の再生利用基準というのをつくりまして、汚泥の方は水分の含有率によって性状が変わるわけですが、それぞれどういうところに利用が可能なのか、水分の状況によっていろいろタイプがありますけれども、どういう利用が可能なのかというような基準をつくりまして、特に、公共事業の現場の中で発生したものをそこで使うというようなことも有効でありますので、そういった努力を積極的にしているところであります。
  143. 中島武敏

    ○中島委員 かわらとか塩ビクロス、断熱材、これは一体どうするんでしょうかね。基本方針の中でそれらについても分別に努めるよう記載する方針だと私は聞いているのですけれども、しかし、努力義務にすぎなくなるのじゃないかな。適切な分別処理の施設がなければ、結局、管理型処分施設で最終処分をするということになってしまうのですね。これはなかなか難しい問題ではあると思うのですけれども、どんな方針でいらっしゃるか、伺いたいと思います。
  144. 風岡典之

    風岡政府参考人 先生今御指摘をいただきましたかわら、塩ビクロス、断熱材の取り扱い、確かに難しい課題であるというふうに認識をしております。  かわら、塩ビクロス等のプラスチック類でございますけれども、これは再資源化のための施設が非常に限られている、また、限られておりますので、そこへ持っていく輸送コストというのも非常に高くなる、こういう問題がありますし、また、回収の方法という点についても、技術的に詰めなければならない課題もあるということで、当初の段階ではこれらを特定建設資材とするということは難しいということで認識しております。  ただ、具体的なものをいろいろ見ていきますと、塩化ビニールにつきましては、各企業が自主的な取り組みを結構やってきております。今後、そういった状況も見ながら、再資源化施設の整備状況とか回収の方法をどうしたらいいのかというようなことも詰めながら、これは関係省庁とも協力して、塩化ビニールについて本法案での位置づけができるかどうかということについて、またその辺につきましては十分検討していきたいというふうに思っております。  断熱材の方、これもやはり回収、破壊というのは技術的また経済的にも非常に困難な状況でありますので、御指摘のように、これは埋立処分ということになるわけでございます。現時点ではそういった取り扱いでやむを得ないというふうに考えておりますけれども、いずれにしましても、分別解体の中で今御指摘がありましたようなものについてどういうような手順で取り扱ったらいいのかということについては、分別解体基準の中でできるだけ記載をさせていただきたいというように思っております。
  145. 中島武敏

    ○中島委員 次々に伺っているのですけれども住宅メーカーや住宅資材メーカーの責任、これは一体どうなるんですかね、この問題なんです。分別解体を容易にするような設計あるいは処理困難な資材の回収などの責任、こういうのをきちっと負わせるというふうにすべきじゃないかと思うのですけれども、この点はいかがでしょうか。
  146. 風岡典之

    風岡政府参考人 今後建設されます建築物でございますが、建設廃材が発生しないような発生の抑制ということで、建築物の長寿命化ということが基本になろうかと思いますが、それとあわせまして、分別しやすい材料の選定、そんなことについても進めていかなければならないというふうに思っております。  現在、長寿命化につきましては、センチュリーハウジングシステムといった試みとか、消費者に長寿命化のメリットを理解していただける、そういう観点から、ライフサイクルコストについての評価手法の確立というようなことを含めて種々検討しているところでありますけれども、そういうことを義務づけるということにつきましては、まだ技術的にも法的にも正直言って難しいのかな、まだそういう段階には至っていないのかなというふうに思っております。  このため、今後こういったものにつきます設計手法につきまして、技術的な観点での整理を進めるとともに、本法案で定めます基本方針の中で、その方向性あるいは住宅メーカーとか資材メーカーの役割分担、そんなことについても何がしかの記載ができればというふうに思っております。  また、処理困難な資材の回収ということでございますけれども建築物の場合は長期間使用しますから、解体したときに生産者が存在するかどうかというようなことも含めて、その辺は非常に難しいなというふうに思っております。  ただ、石こうボードみたいなものにつきましては、これはメーカーが回収するような動きも出ておりますので、この辺は今後の問題としまして、生産者の役割というのをどういうふうに位置づけるべきなのか、基本的な問題でありますけれども、その辺は私どもとしてもこれからも勉強はしていきたいと思っております。
  147. 中島武敏

    ○中島委員 わからぬわけでもないのですが、しかし、これは本当だったら法律で明記すべきところだと思うのですね。今お話を聞いておって、もう一回ちょっと答弁してほしいのですけれども、これは法律で明記しなかった理由ということになりますと、何でございますかね。もう一回ちょっと言ってください。
  148. 風岡典之

    風岡政府参考人 今回特定建設資材指定する場合の判断基準でございますけれども分別回収、再資源化の義務づけということになりますと、当然、再資源化施設というものが適当な距離のところにあるかどうかということが一つ問題であります。また、再資源化できるような技術が経済的な面から見ても確立しているかどうか、その二つの点を判断して、品目指定をするということであります。  御指摘いただきましたようなものは、そういった二つの視点から見ると、まだ条件を満たしていない、あるいは今後そういった努力をしなければならないというものかなということで、当初の指定品目からは外さざるを得ない、このように考えております。
  149. 中島武敏

    ○中島委員 次なんですが、適正な廃棄物処理が行われない原因の一つですけれども、これは発注者の適正な負担の問題だけではなくて、元請が分別解体の費用や廃棄物処理費用を適切に負担していないということがあるんじゃないでしょうか。法案では、第十三条ですけれども対象工事の請負契約においては解体工事に要する費用を書面に記載するよう求めておりますけれども、私、二つ聞きたいんです。それは何かというと、解体工事費用に含まれるものは何と何なのかなということと、それから、その他の主務省令で定める事項というのは一体何を内容としているのかな、この二つを伺いたいと思うんです。
  150. 風岡典之

    風岡政府参考人 契約書におきまして明記をすることを要するもの、法律上は、分別解体等の方法、解体工事に要する費用その他の省令で定めるものということになっております。  その具体的な内容につきましては、例えば解体工事に要する費用のほかに再資源化に要する費用というものも当然かかってくるわけでございますので、例えば、そういったものを省令段階についてはっきりさせるというようなことを現在検討しているところであります。
  151. 中島武敏

    ○中島委員 それは主務省令で定められるわけですか。
  152. 風岡典之

    風岡政府参考人 主務省令で定めたいというふうに考えております。
  153. 中島武敏

    ○中島委員 そうすると、再資源化だけじゃなくて廃棄物処理費用も、もちろん主務省令で定めるということになりますか。
  154. 風岡典之

    風岡政府参考人 この法律におきましては、分別解体をして再資源化施設に持ち込んで処理をする、仮に、近くに再資源化施設がないためにその他の処分をするというケースもありますけれども、原則的には先ほど申し上げたようなものになります。それに必要な費用というものを明示するということで、解体に要する費用、それから再資源化に要する費用を法律、省令を通じて明らかにしていきたいというふうに考えております。
  155. 中島武敏

    ○中島委員 建設業法では、請負契約については文書で契約をするということを義務づけているわけですね。ところが、実態はもう御存じだと思うんですけれども、大手ゼネコンによる発注でも口頭が多いんですよ、文書じゃないんです。請負金額も示さないものもあるんですね。これも御存じだと思うんです。  それで、こういう実態が横行しているという状況では、解体工事費用の明示、これはやらなきゃいけないと私は思いますよ。今も質問申し上げたように、きちっとしておかなきゃいかぬ。だけれども、仮に解体工事費用を明示しても、これは空文句になってしまうというおそれは非常に強いんですね。そういう点では、私は、元請の不当な発注の仕方というのを厳しく取り締まらないと、下請に処理費用が押しつけられることになってしまうんじゃないかと思うんですけれども、どうでしょうか。
  156. 風岡典之

    風岡政府参考人 元請下請間の契約の実態につきましては、先生が御指摘いただきましたような形で問題のあるケースも残念ながら見られております。  私どもとしましては、建設業法で契約を書面で結ぶということにしているわけですので、まず書面で契約をするということが基本であるので、これについて元請下請取引の適正化という観点から指導しております。さらに、金額につきましても空欄になっているとかいうような話がありますけれども、当事者間で適正な見積もりをとった上で協議をするというようなことも含めて、適正な契約が行われるようにこれまでも指導しておりますが、これからも指導していきたいというふうに思っております。  また、それを補完するような意味合いで、下請の実態調査というものを毎年やっております。ここにおきましていろいろな元下関係の契約書の実態を調べております。個別的な事例で今申し上げましたような点から問題のあるケースがありました場合には、個別指導ということで行っております。そういうようなことも通じまして、元下間で適正な契約が行われるようにこれからも一層の努力をしていきたい、このように思っております。
  157. 中島武敏

    ○中島委員 これは、実は本当に相当力を入れてやりませんと、実態は相当なものですからね。本当に相当力を入れていただきたいと思います。  大臣に伺います。元請業者の責任問題、この問題について伺いたいのですけれども法案では第九条と第十六条にかかわるかと思いますが、元請業者も下請業者も受注者となっているわけですね。結局これは何かというと、分別解体や再資源化の義務を負わせていることになるんじゃないでしょうか。建設業の複雑な重層下請構造から、元請が最終責任を負うべきであると考えますけれども、これはどうですか。
  158. 中山正暉

    ○中山国務大臣 法律上は、受注者の義務として、あくまでも元請業者と下請業者の双方に責任があるということでございましょうが、建設工事における元請業者の役割の大きさそれから重要性にかんがみまして、元請業者中心的な役割を果たすように指導してまいりたいと思っております。  分別解体等と再資源化等の義務を受注者に課すこととなります建設工事が元請業者と下請業者の双方を含む受注者全体の共同作業でございますので、先ほど申しましたように、双方に義務を課すことにより、建設産業の実情に応じた形で分別解体等と再資源化等推進する制度とするために。  一方で、元請業者と下請業者の役割について言えば、元請業者は、発注者と下請業者の間に立って工事全般の施工計画の策定や個々の下請業者の選定それから指導を行うのが通例でありますので、分別解体等や再資源化の実施に当たりましては、施工管理それから下請業者の指導面での大きな役割を果たすことに私どもは期待をしております。  このような基本的な考え方に基づきまして、本法案におきましては、元請業者に対し、まず一つとして、分別解体等の計画等について発注者に書面を交付して説明をする。それから二番目に、再資源化等の完了の報告を発注者に行う、これは十八条でございます。さっきの一番目のは十二条の第一項でございます。それから三番目には、特定建設資材廃棄物の適正な再資源化施設への搬入など、再資源化等の適切な実施のために下請業者を指導する、これが三十九条でございますが、そういう義務を課すこととしておりまして、全体として元請業者の責任を重視する仕組みにしてまいりたい。当然のことでございましょうが、そういう形にいたしたいと存じております。  それから、元請下請間の取引の適正化でございます。先ほどから先生指摘の、口頭だけではだめだということでございますが、これまでも書面による契約の締結、それからまた、これも先生から御指摘のありました現金払いの促進等について、通達による指導とか講習会の実施等を行うとともに、下請代金の支払い状況等に関する実態調査を行い、必要があれば具体的な改善を指導してきたところでございます。今後とも、そういう今までの慣習といいますか、何か大福帳みたいな形のものをやめまして、元請業者に対する指導を徹底するなど、元請下請間の取引の一層の適正化に努めているところでございます。  こういうことは今まで盆暮れ通達とか、それから年初にもいたしておりますが、そういうことを今度はきっちりと法律でうたってまいりたい。二十一世紀の下請元請間の新しいルールをつくるといいますか、そういうレールを敷いて、その上をきちっとひとつ連結をして元請、下請が軌道の上を順調に走ってもらうような、分別解体事業というものに関してそういう心づもりで法律をつくった次第でございます。
  159. 中島武敏

    ○中島委員 いや、実は厚生省建設廃棄物処理指針というのがあります。これはその写しなんですけれども、ここに何が書いてあるかといいますと、「建設工事等における排出業者には、原則として元請業者が該当する。」こういうふうになっておりまして、それについての解説がありまして、その解説を見ますと、「建設廃棄物については、実際の工事の施工は下請業者が行っている場合であっても、発注者から直接工事を請け負った元請業者排出業者とし、元請業者に処理責任を負わせることとしている。」こういうふうに述べているんですね。  さらに、解説書が出されておりまして、これはその解説書の写しなんですけれども、これによりますと、「廃棄物の取扱いを下請業者任せにしてはならない。したがって、処理を委託する場合は、元請業者は直接処理業者を選定した上で委託契約を締結するとともに、マニフェスト又は電子マニフェストの使用等により適切な委託を行うこと。」そこまで期待しているのですね。さっきから言われている元請と下請とに同時に受注者として責任を負わせるというのは、いささか私は外れているんじゃないかなということを感じます、はっきり言いますけれども。  それで、現状はどうかということについて、大臣もまた局長もよく御存じじゃないかと思うのですけれども現状は、下請にごみを持ち帰らせている場合がしばしばあるのですよ、実際にはごみを持って帰れと。元請が責任を負うんじゃないのですよ、ごみを持ち帰らされているのです。そういうことが不法投棄の原因ともなっているのです。そういうことからいいますと、元請と下請を同列に受注者とすることは、法律によってその実態を追認することにもなりかねないということを非常に私は心配いたします。  したがって、どうするかという問題なんですけれども、この点については、基本方針の中に元請責任というのを非常に明確にし、記入して、そして下請に責任と負担がかからないようにきちんとさせる、こういうことが必要なんじゃないかなというふうに思うのですね。局長、聞いていますか。やはり第三条の第一項第一号あたりにきちっと書き込まないといかぬのじゃないかなという気がいたしますけれども、本当だったら、これは削除した方がいいぐらいなんだ。両方に責任を持たせるなどというのはおかしな話なんですよ。  両方にといいますが、さっきから大臣が言っておられた、二十一世紀を目指してとかこう言って、やはり元請が責任を持つべきだということを強調しているのですね。だったら、そのことは法律の上でも本当ははっきりしなければいかぬ。だから、これが法律の上でなかなかはっきりできないんだったらもう一つの、もう一つのと言ったらおかしいけれども基本方針ですね、ここではっきりとやって、この問題についての正しい方向を示すべきじゃないか、こういうふうに思います。
  160. 風岡典之

    風岡政府参考人 元請の役割につきましては、先ほど大臣の方から御答弁させていただきましたとおりであります。  法律上は受注者の義務ということになりますので、あくまでも、元請、下請というのは法的には差がない形になっておりますけれども、実際の元請の役割また重要性ということにかんがみまして、元請業者中心的な役割を果たすように指導したいと思っております。  それにつきまして、基本方針等で明記すべきではないかという御指摘であります。基本方針をどういう形で書こうかということについてはまだもちろん決めておりませんけれども基本方針で書くようなことがなじむのか、その他の方法がいいのかは別にしまして、元請が中心的な役割を果たすべきだということは何らかの形で明らかにはしていきたい、このように思っております。
  161. 中島武敏

    ○中島委員 時間が過ぎているので終わりますけれども、これは非常に大事な問題ですから、法律の改正といかないまでも、はっきり、きちっとそのことがわかるように明記してください。  終わります。
  162. 大口善徳

  163. 菅原喜重郎

    ○菅原委員 大量生産大量消費大量廃棄の生活様式の結果、廃棄物問題は、不法投棄の多発及び最終処分場の逼迫などを生み、年々深刻度を増しており、官民ともに早急な対応が求められています。  このような現状からして、今回の、建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律成立することは、その部分的解決の一部を担うものとして評価するわけですが、廃棄物問題については、とりわけ建設廃棄物が最も多く、不法投棄も多いわけであります。全体量の二〇%に当たる廃棄物の中で、不法投棄建設廃棄物が九〇%にもなっているという調べにもなっております。このため、特に緊急な対応が建設廃棄物に必要なわけです。  それで、建設省はこの問題に対してどのような認識を持っているか、今回の法案とも関連して、まず大臣にお伺いをいたしたいと思います。
  164. 中山正暉

    ○中山国務大臣 建設廃棄物は、先生指摘のように、産業廃棄物全体の排出量の約二割、それから最終処分量では約四割を占めておりまして、廃棄物排出の面で環境に大きな負荷を与えているものと認識をいたしております。  特に不法投棄につきましては、厚生省の調査によれば、建設廃材木くず等建設廃棄物投棄量全体の約九割を占めております。建設廃棄物不法投棄防止喫緊課題となっていると認識いたしております。  これは、リサイクル法が平成三年あたりにできまして、平成三年から画期的な通達が出ましたり、公共事業はリサイクルをする。それからまた、現状排出リサイクル施設に搬入するのに距離とかコストとかが高くなるということでございますが、会計検査院とも話をいたしまして、こういう平成五年度から平成七年度までの平均値などを見ましても、建設省では現在の建設廃棄物リサイクル推進のために、平成九年度には、平成十二年度に建設廃棄物の全体のリサイクル率を八〇%にするという数値目標を盛り込んだところでございまして、建設リサイクル推進計画97を策定いたしました。  それから目標の達成に向けてリサイクル推進に努めてきたところでございますが、リサイクルのおくれている建築解体廃棄物を初め、建設廃棄物全体のリサイクル推進していくためには、関係者に対する具体的な措置を盛り込んだ法制度が必要であると考えまして、今般、本法案提出したところでございます。  今後とも、循環型社会構築に関する建設分野での取り組み重要性を十分に認識いたしまして、本法案の適切な運用を初め、より一層建設廃棄物リサイクル推進を図ってまいりたい、かように考えております。  公共事業は経済を再生させるために大きな責任があるわけでございますが、その問題の中でこういう廃棄物の問題というのが一般の御理解を得るためには、きっちりした、公共事業関係、そういう建設業関係廃棄物の処理の適正を図るということが喫緊課題として、私ども決意を固めておる、かようなことでございます。
  165. 菅原喜重郎

    ○菅原委員 次に、厚生省の方にも聞くのですが、不法投棄は年々増加の傾向にあり、国内の各地で問題を起こしておりますし、また裁判にもなっております。このことは国内だけじゃなくして、不法投棄物が海外にまで持ち出され、上陸拒否を受けたり、また日本への返送を強制されたりして国際問題にもなっております。  そこで、厚生省として、不法投棄対策についてどのように取り組んでいられますか。
  166. 西本至

    西本政府参考人 お答えを申し上げます。  いわゆる不法投棄の問題でございますが、これは御指摘のように年々増加しておりまして、これを防止いたしますために、平成九年の私ども廃棄物処理法の改正というものによりまして、産業廃棄物管理票制度、これはマニフェストとも呼ばれております。これをすべての産業廃棄物に適用いたしますとともに、不法投棄に係る罰則を大幅に強化したところでございます。  すなわち、各都道府県や保健所設置市におきまして、警察と連携をいたしまして不法投棄を監視するためのパトロール事業、あるいは適正処理を推進するための普及啓発事業等を行っておりまして、厚生省といたしましても、都道府県等におけるこのような取り組みに支援を行っているところでございます。  また、今国会提出いたしております廃棄物処理法の改正法案におきましては、廃棄物の発生から最終処分に至るまでの適正な処理を確保するために、さきに申し上げました産業廃棄物管理票制度を強化するとともに、悪質な産業廃棄物処理業者のみならず、きちんと処理されていないことを知りながら処理業者に委託をした場合など、排出業者も原状回復の措置命令の対象にするといったように、排出業者責任を強化することとしているところでございます。  今後、改正後の廃棄物処理法の円滑な施行に努めますとともに、都道府県等による監視を強化いたしまして、不法投棄対策の充実を図ってまいりたい、このように考えているところでございます。
  167. 菅原喜重郎

    ○菅原委員 私は、不法投棄に対しては、刑の処罰はもっともっと強化すべきじゃないか、こう思っているわけなんですが、しかし、今回のこの不法廃棄物の取り締まりの中で排出者の責任も強化するということになっているわけですが、それはどういう内容なのか。法律に基づいて適切な方法で処理を委託するなど、全く過失のない排出事業に対して排出者の責任を問うのであれば、善意の第三者まで対象拡大する過度な規制ではないかと危惧しておりますので、この点をひとつ詳しく説明していただきたいと思います。
  168. 西本至

    西本政府参考人 このたびの廃棄物処理法の改正法案におきましては、排出業者が最終処分に至るまでの適正な処理を確保するために、先ほど申し上げました産業廃棄物管理票について、最終処分までを一貫した把握ができるように義務の強化を図ることといたしておりまして、この義務に違反した者や不適正処分に関与した者を原状回復の措置命令の対象に追加するとしたところでございます。  いま少し具体的に申し上げますと、例えば、不適正処分を行った者等に資力がない、また、排出業者が適正な処理料金を負担していない、こういったような場合に、不適正な処分が行われることを知り得るか、あるいはまた予知できるということになりますので、最終処分までの適正な処理を確保すべき注意義務というものに照らしますと、排出業者にその支障の除去の措置をとらせることが適当である、こういうことになるわけでございます。  したがいまして、排出業者を原状回復の措置命令の対象に追加するというようなのは今申し上げたようなケースでございまして、何ら過失のない排出業者措置命令の対象にするというようなことは一切ございません。  以上でございます。
  169. 菅原喜重郎

    ○菅原委員 その点については、この廃棄物の処理業者も許可制になっているわけですから、ひとつ正しく、善意の第三者を阻害することのないような御指導をまずお願い申しておきます。  次に、廃棄物対策は政府国民が一体、一丸となって対処しなければならない問題になっています。廃棄物全体の問題への対応及び資源循環型社会構築を目的とし、資源全体を横断的にとらえた循環型社会形成推進基本法案環境庁から提出され、検討されているところでございます。私は、この環境庁の循環型社会形成推進基本法案を見て、どうも理念だけが羅列されているような法案にしか思えないのであります。やはり法律が制定される以上は、それが守られなければならないし、罰則なり強制力なりをも備えなければなりません。  そこで、本法案循環型社会形成推進基本法案との関係はどうなっているのか、また、相互補完的な関係も持っているとは思いますが、その他についてこの関係をお伺いしたいと思います。
  170. 風岡典之

    風岡政府参考人 循環型社会形成推進基本法、この法律は、環境基本法の基本理念にのっとりまして、循環型社会の形成についての基本原則を定める、こういった内容になっておりまして、これによりまして循環型社会の形成に関する施策を総合的、計画的に推進しよう、こういった法律であります。  先生指摘のとおり、建設廃棄物、これは排出量が非常に多いということで、不法投棄が九割だ、こういう問題もあるわけでございます。建設廃棄物リサイクル問題というのが一方で非常に重要な課題であるわけで、そのことは循環型社会の形成のためにも必要なことだというふうに考えております。  そういう状況の中で、今回、私ども法案提出をさせていただいたわけでございますけれども、これは、建設工事の実態、それから建設業の産業の特性、こういったものを考慮しながら、建設廃棄物リサイクルに関する仕組み、制度を整備するものでありまして、これは家電リサイクル法とかあるいは容器包装リサイクル法と同様、循環型社会形成推進基本法の個別法、そういった関係になるというふうに理解をしております。
  171. 菅原喜重郎

    ○菅原委員 本法案では、発注者に対し解体工事計画を解体工事着手前に都道府県知事に届け出る規定を設けております。専門知識のない発注者に届け出義務を課すのは過度な義務づけになるんではないかと恐れるわけなんですが、この点について建設省はどのように考え、どのように指導していこうとしているわけですか。
  172. 風岡典之

    風岡政府参考人 本法律案におきましては、発注者は元請業者から届け出に必要な事項について書面で説明を受ける、こういうことになっております。実態的にも、元請業者の協力を得ながら発注者は届け出書類を作成し知事に提出をする、こういうことになるというふうに考えております。したがいまして、発注者、中には個人の方もいるわけでございますけれども、専門的な知識の乏しいそういった方々につきましても解体工事に関する事前の届け出義務を課しても、今のように元請業者の協力あるいは元請業者が書類で発注者に対する説明を行うということになっておりますので、御指摘のような過度の義務づけということにはならないんではないかというふうに思っております。  いずれにしましても、元請業者に対して、発注者に対する適切な支援を行うように指導していきたい、このように考えております。
  173. 菅原喜重郎

    ○菅原委員 厚生省の方にお伺いします。  木材について、廃木材が発生する工事現場の近隣に再資源化施設がない場合には、焼却することが義務づけられております。焼却することでダイオキシンの発生を助長する心配はないのかという点についてお伺いするわけなんですが、実は、今厚生省が指導してきております焼却炉、これはロストル式から今ストーカー方式になっているわけなんですが、かつて流動床炉が日本で開発されましたが、この流動床炉を厚生省がまま子扱いしてきたんじゃないか、このように私は思っております。これが改良されまして、アメリカでは千度から千三百度で焼却する炉が完成している、これも大量の投入廃棄物がないと成り立たない大型化になっているようなんですが、このような現状、今のいわゆるストーカー方式なんかでは、ダイオキシンの発生を抑えているといっても、義務づけた場合、こういう廃木材の焼却によってのダイオキシン等大気汚染が心配されるわけなので、この点についてどのように対応していこうとしているのか、厚生省からもお伺いいたします。
  174. 西本至

    西本政府参考人 まず、前段の件についてお答えをいたします。  地域によりましては、木くずの再資源化施設の整備が十分でないというところもございますので、直ちに全国一律に木くずの再資源化を義務づけるということは困難な状況と言わざるを得ません。ただ、今後排出量の急増が見込まれます建設廃棄物最終処分量を削減することが必要でございますので、再資源化が困難な場合には焼却による縮減を義務づけることとしたものでございます。  それから、木くずを縮減するために焼却する際には、ダイオキシン対策が講じられた焼却施設で適切な管理のもとに焼却することが必要でございます。このため、廃棄物処理法におきまして、廃棄物の焼却施設及び焼却方法に関する基準というものを設けておるところでございまして、来る平成十四年十二月からは既存の焼却施設に、より厳しい基準が適用されることになっております。このことによりまして、ダイオキシン類の排出量はさらに削減される見通しでございます。  それから、二番目の御質問でございますが、現在我が国で導入されておりますごみ焼却施設としましては、御指摘のように、ストーカー炉、流動床炉、ガス化溶融炉というものがございまして、このうちストーカー炉及び流動床炉の二つのタイプが古くから技術が確立されておりまして、最も広く普及しているものでございます。また、ガス化溶融炉につきましては、焼却灰の処理が同時にできるという特徴がございますので、最近導入がなされているところでございます。  そこで、御指摘のストーカー炉についてでございますが、流動床炉及びガス化溶融炉と同様に、現在の技術水準によりますれば、燃焼条件の改善によりまして、廃棄物処理法に定められた構造・維持管理基準を遵守し、ダイオキシン類の排出を抑制することが十分可能であるということにされておりまして、どのタイプの焼却炉を設置いただくかは、市町村において、必要とする施設の規模あるいはまた特性等に応じて選択されるべきものであろうか、このように考えているところでございます。
  175. 菅原喜重郎

    ○菅原委員 本法案では、受注者に対しコンクリート木材などについて再資源化義務を課しております。しかし、再資源化義務を確実に果たしてもらうためには十分な再資源化施設の立地が不可欠であります。また、本法案が有効に機能してリサイクル推進されたとしても、最終処分しなければならない問題も出てくるわけであります。これらの再資源化施設や最終処分場の立地促進に対して厚生省はどのように取り組んでいくか、お伺いするわけです。  私は、この最終処分場の立地促進に対しては、もはや各省庁ばらばらではだめだ、殊に住民が自分たちの出したごみの処分に対してその処分施設の設置に反対している変な傾向も出ている、そういう現状の中では、各省庁が一丸となって、林野庁の持っている国有地に公的な立場での設置を進めなければもう対応できなくなるんじゃないか、こういう考えを持っておりますので、こういう立場からこの問題をお伺いするわけでございます。
  176. 西本至

    西本政府参考人 廃棄物の適正処理を確保する上で、再資源化施設や最終処分場の処理施設の整備というものは極めて重要な問題でございまして、本法案の円滑な施行のためには、特定建設資材廃棄物の再資源化施設が十分に整備されることが必要であると認識をいたしております。しかしながら、産業廃棄物の処理施設につきましては、地域住民の不信感等から、その整備が円滑に進まなくなってきているというのが現状でございます。  厚生省といたしましては、優良な施設設備の整備を推進いたしますために、今般、産業廃棄物の処理に係る特定施設の整備の促進に関する法律を改正いたしまして、同法に基づく支援の対象となる特定施設に該当する最終処分場の要件を緩和いたしますとともに、建設廃棄物の再資源化を行う施設特定施設として追加をすることといたしておりまして、その整備を促進することにいたしたところでございます。  また、廃棄物処理法に基づく廃棄物処理センターの要件を緩和いたしまして、廃棄物処理センターが整備するモデル的な産業廃棄物の最終処分場に対し、平成十二年度から国庫補助を新たに行うこととしたところでございます。  それから、国の関与の問題でございますが、先ほどから再三申し上げておりますように、優秀な最終処分場の整備を促進するための法律、つまり、産業廃棄物の処理に係る特定施設の整備の促進に関する法律及び廃棄物処理法の改正による支援等を行うこととしているほか、平成十二年度から廃棄物処理センターにおける国庫補助を行うというような国の関与をまず考えております。  それからさらに、今回の廃棄物処理法改正におきましては、廃棄物排出の抑制、それから再生利用等による廃棄物の減量その他適正な処理に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るための基本指針を国がつくる、その基本指針に則して策定される都道府県廃棄物処理計画におきまして、策定主体である都道府県とともに、その達成の推進に必要な措置を講ずることといたしておりまして、国としても主体的にその役割を果たすこととしているところでございます。  なおまた、最終処分場の確保に関する問題は、廃棄物の適正処理を推進する上で最も基本となる問題でございます。今後とも、関係省庁十分連携をいたしまして、この問題に積極的に取り組んでまいりたい、このように考えております。
  177. 菅原喜重郎

    ○菅原委員 次に、建設省の方にお伺いします。  この法案も、今コンクリートアスファルト木材分別に限定されているようですが、やはり成果を上げるためには、施行後数年がたつごとに適切な見直しを行う必要があるのじゃないかと考えます。特に、この法案対象になる建設資材特定建設資材として政令で定められることになっていることから、見直しの際に品目の追加を図っていくことが必要ではないかと思います。  技術上の問題があるのかもしれませんが、例えばプラスチックやかわらなどは将来的には特定建設資材になるのではないか。希望の持てるお答えを聞きたいと思います。
  178. 風岡典之

    風岡政府参考人 法律施行当初におきましては、品目としましてはコンクリートアスファルト木材の三品目ということにさせていただきたいというふうに考えておりますが、当然、法律施行後におきまして再資源化技術の進展の度合いとかあるいは再資源化施設の立地とか、そういうようなことを見まして、適宜品目の追加というのは先生指摘のように考えていかなければならないことではないか、このように思っております。  現在、そうした中で、業界の自主的な取り組みとして、いろいろな取り組みがあるわけでございますけれども塩化ビニールにつきましてはそういった取り組みも既に始められております。例えばそういった品目について、それではどういうタイミングで、どういう時期に追加ができるのかというようなことにつきましても、いろいろ諸情勢が整うという前提が必要ではありますけれども関係省庁とも連携をとりながら対応していきたいというふうに思っております。  要するに、当初は三品目でありますけれども状況を見まして、適宜追加も当然検討していきたい、このように思っております。
  179. 菅原喜重郎

    ○菅原委員 最後に、建設大臣にお伺いします。  建設廃棄物リサイクル促進建設省中心にやらなければならないことは当然なんですが、しかし、廃棄物の適正処理やリサイクル材利用などの観点で、厚生省、通産省、その他、他庁との連携も必要でございますので、この取り組みをこれから重点課題にしていくべきだと私は思っております。  このような考えから、大臣としてはどのように連携に取り組んでいこうとしているのかお伺いして、質問を終わりたいと思います。
  180. 中山正暉

    ○中山国務大臣 建設廃棄物リサイクル推進のためには関係省庁連携して取り組みを進めることが必要であるという御指摘でございまして、そのとおりでございます。  本法案におきましては、リサイクル促進するために必要な事項を基本方針として国が定める。特に建設、厚生、農水、通産それから運輸、環境、この省庁が一つになりまして、今申しました厚生省にも御協力をいただき、通産省にも御協力をいただき、各省庁の御協力をいただいて、六カ月以内ぐらいにその基本的な方針をつくり上げてまいりたい、かように考えております。  なお、基本方針を取りまとめるに当たりましては、連携を的確に進めていくために、関係省庁をメンバーとする連絡会議を設置いたしたい、かように考えております。  どうぞよろしくお願いをいたします。
  181. 菅原喜重郎

    ○菅原委員 以上をもって終わります。ありがとうございました。
  182. 大口善徳

    大口委員長 中西績介君。
  183. 中西績介

    ○中西(績)委員 現在審議中の循環型社会形成推進基本法と本法の関係について説明をいただきたいと思います。
  184. 風岡典之

    風岡政府参考人 循環型社会形成推進基本法案でありますけれども、これは、環境基本法の基本理念にのっとりまして、循環型社会の形成についての基本原則を定めること等によりまして、循環型社会の形成に関する施策を総合的かつ計画的に推進しよう、こういったものであります。  一方、建設廃棄物でございますけれども排出量が非常に多い、また不法投棄も九割ということで非常に多いということで、排出面で環境に大きな負荷を与えている、こういった現状があります。したがいまして、建設廃棄物リサイクル促進ということは当面の緊急課題であり、また、そのこと自身は循環型社会の形成に非常に大きな役割を担うというふうに認識をしております。  そういう状況の中で、本法案でございますけれども建設工事の実態や建設産業の特性、こういうものを考慮しながら、建設廃棄物リサイクルに関する仕組みや制度を整備するものでありまして、家電リサイクル法とか容器包装リサイクル法と同様、循環型社会形成推進基本法案個別法、こういう位置づけになろうかと思います。
  185. 中西績介

    ○中西(績)委員 また環境基本法というのがございますけれども、これとのかかわり、関係についてお答えください。
  186. 風岡典之

    風岡政府参考人 環境基本法は平成五年に制定をされておりますけれども、御案内のとおり、環境の保全に関する基本理念を定めるなどによりまして、環境の保全に関する施策を、これも総合的、計画的に推進するということで制定をされたものであります。  この環境基本法におきまして、廃棄物リサイクル対策の考え方もそこでは示されているところでありますけれども廃棄物処理法、再生資源利用促進法、容器リサイクル法、家電リサイクル法といった、既に存在する廃棄物あるいはリサイクル関連法に共通する理念、考え方を示すことによりまして、各制度の整合性のとれたものということを担保する側面も持っております。  一方、今回私ども提出させていただきました法律案でございますけれども、これは、家電リサイクル法、容器包装リサイクル法と同様、建設廃棄物という特定廃棄物に着目しまして、建設工事の実態や建設業の産業特性を踏まえて、リサイクルに関する仕組みを一体的に整備したものでありまして、環境基本法との関係では、やはり本法は個別法としての性格を有するものでございます。
  187. 中西績介

    ○中西(績)委員 今二つのお答えをいただいたわけでありますけれども、個別廃棄物リサイクル関係諸法を着実に履行していきますと、資源の有効活用、適正処理は可能と思いますけれども建設工事廃棄物に関して特別立法措置を必要とするのかどうか。  むしろ私は、今までの分について十分体制をとっていくことの方がこうした問題等についても十分対応できると考えるのですけれども、次々にそれぞれ各法的なものということでつくっていきますけれども、今まであるものについて、何か特別そういうことを、今度のような法案措置をしなければならなかったのかどうか、そうした点についてお答えいただきたいと思います。
  188. 風岡典之

    風岡政府参考人 本法案は、建設廃棄物という特定廃棄物に着目しまして制度化したものでありまして、再生資源利用促進法及び廃棄物処理法の特別法としての性格を有しております。  特に、本法案内容でございますけれども、これは、建設業者に対して分別解体、再資源化の具体的な義務づけというものを行っております。また発注者に対しましては、計画を知事に届け出る、そういう義務も課しているわけでございます。さらには、業者登録制度、これも新しい義務として課しております。  そういったような内容になっておりまして、既存の法律、例えば再生資源利用促進法では講じ得ないような具体的かつ強力な措置をこの法律によっては規定をしております。特定建設資材廃棄物につきましては再資源化という特定の処理方法しか認めていない点で、廃棄物処理法の特別法ということになりますので、内容的なことからいいましても、新しい法律をもって措置することが適切ではないか、こういうことで提案をさせていただいたところであります。
  189. 中西績介

    ○中西(績)委員 今のお答えでは、特に先ほどからある、多量であるし、また特別な産業廃棄物の中におきましても建設廃棄物というのはそういうものなんだということを理解いたしますが、この問題について、さらにまた細かい点がございますけれども、時間の関係から次に移らせていただきたいと思います。  建設廃棄物排出者責任についてどのような御認識をしておるのか、さらにまた、拡大生産者責任の原則についてどう考えておられるのか、この点についてお答えください。
  190. 風岡典之

    風岡政府参考人 建設廃棄物排出者責任につきましては、他の廃棄物と同様、基本的な原則というように考えております。  建設廃棄物につきましてこの原則を当てはめた場合には、第一義的な排出者というのは建設工事に携わる建設業者ということになるわけでございます。廃掃法の運用におきましても、建設業者がその責任を負う、こうなっているところであります。  本法律案におきましては、基本的にはこの考え方というのを踏襲しておりまして、建設工事の受注者に、その事業活動に伴って生じた廃棄物のうち、特定品目について再資源化という処理方法を義務づけた、こういうことになるわけでございます。  なお、この義務の実効性を向上させるためには、建設工事において発注者の支配権が非常に強いという実態を踏まえて、発注者にも計画を知事に届けさせる、そういうような一定の義務を課しているところであります。  また、先生指摘の、拡大生産者責任の考え方というのはどうなっているのかということでございますけれども、この適用ということに当たりましては、物の性状あるいは生産流通消費の実態を踏まえた判断ということになるわけでございますけれども建築物の場合につきましては、使用期間は一般の耐久消費財に比べて非常に長いわけでございます。建築物の使用後に、建築物解体時に当初の生産者が必ず存在するかどうかということにつきましても、必ずしもはっきりはしておりませんし、また生産当時の関係者も非常に多数になっておりまして、その使用過程におきまして維持修繕ということもいろいろ行われるわけでございます。  そういうようなことで、生産者の特定というのはなかなか難しいということでありまして、いわゆる拡大生産者責任を適用することについては、なおもう少しいろいろな課題の整理が必要ではないかなというふうに考えております。  ただ、最近、石こうボードにつきましては、ボードメーカーが自主的な取り組みとして、新築の端材を回収するというようなこととか、原材料としての再利用をするというような取り組みも行われております。こういうことを見ますと、生産者の役割というものをどのように位置づけるかということにつきましては、そういったケースも含めて、あるいはその他の場合にどのように考えるべきかということについて、今後、十分勉強させていただきたいというふうに思っております。
  191. 中西績介

    ○中西(績)委員 この問題につきましては、今までなかなか手がけることのできないようなことばかりが多いわけでございますから、さらに、今おっしゃるように、勉強させていただくと申されましたけれども、こうした点についても、諸外国に比較しておくれをとらないように早急に対処していただきたいと思います。  次に、建設廃棄物の減量化計画目標内容を御説明いただき、そして、その内容を大幅に前倒しをする必要に迫られておるのではないかと思うのでありますけれども、このことについてどのようにお考えですか。
  192. 風岡典之

    風岡政府参考人 本法案施行によりまして、建設工事において発生量が特に多いコンクリートアスファルト、それから発生木材、三品目につきまして新たな義務づけを行う、これを通じて、三品目については最終処分量を減らしていきたいというのが法律の考え方であります。具体的には、この三品目がすべてリサイクルをされますと三品目リサイクル率は約九〇%程度に達するということで、現在の七〇%に比べて最終処分量を半分程度に減少させることができるのではないかというふうに考えております。  また、ダイオキシン対策関係閣僚会議で定められました、平成二十二年度までに最終処分量を半分に削減するという削減化目標というのがあるわけでございますけれども産業廃棄物全体を対象としたものではありますけれども、特に建設関係の三品目最終処分量を半分程度に減らすことができることで、この全体の目標というものの達成に大きく貢献できるのではないかというふうに考えております。  したがいまして、私どもとしましては、まずこの減量化目標がより早期に達成できるように、先ほど申し上げました三品目に加えて、それ以外のものについてもリサイクルが進むように、いろいろ積極的な取り組みをしていかなければならないというふうに考えております。
  193. 中西績介

    ○中西(績)委員 最終廃棄量が五〇%を達成するようにということを言われておりますけれども、大体どれくらいの期間を置いて達成しようとしておるのか、その点、ちょっと触れていただきたいと思います。
  194. 風岡典之

    風岡政府参考人 目標の年限としましては、平成二十二年度までに最終処分量を半分に削減するということで、平成二十二年度ということが目標として示されております。
  195. 中西績介

    ○中西(績)委員 なぜ私はこのことに触れたかといいますと、平成二十二年度までということになりますと、大体十年を目標ということになるわけであります。そういうことになってまいりますと、現在、こうした問題が起きてくる大きな原因というのは、全国平均にいたしましても三・一年程度しか処分場がないとか、首都圏においてはもう一年半程度だとかいうようなことがたびたび出てくるわけでありますから、したがって、相当大幅に前倒しをしてかかっていかないと、これが達成できるかどうかということを考えなくちゃならぬと思うんですね、処分場そのものがないわけでありますから。  そうした点から、少しこれはぬるいのではないかというような気がするわけですが、この点はぜひ十分今後お考えいただいて、さらに拡大をしていただきたいと思います。後との関係がございますから、また後で触れさせていただきます。  産業廃棄物不法投棄量の八八%が建設廃棄物と聞きますけれども不法投棄が多い最大の理由というのは、何でこのように建設廃棄物が多いのか、この点、極めて特徴的ですから御説明をいただきたいと思います。
  196. 風岡典之

    風岡政府参考人 御指摘のように、建設廃棄物不法投棄の割合、八八%、約九割ということであります。  なぜこういった建設廃棄物不法投棄が多いかということでございますけれども一つは、建築物解体工事におきまして、重機が非常に発達しておりますので、それが現場に持ち込まれる、そうすると、いきなり建築物を壊してしまうということになりますと混合解体廃棄物になるということでありまして、そうなりますと、なかなかリサイクルに回らない。大部分は埋立処分ということになるわけでございますけれども、埋立処分が選択された場合におきましても、埋立処分費というのはやはり相当高いわけでございまして、そんな中で、ややもすると不法投棄に向かってしまうのではないか、このように考えております。  それからもう一つは、解体工事につきましては、重層下請構造で実施をしているのが通例であります。末端の方の解体工事業者及び廃棄物の処理業者に対して果たして適正な費用が払われているかどうかというようなことで、その点につきまして、場合によるとそういった適正なコストが払われていないというケースがあり、そんなことが結果的に不法投棄を呼んでいるのではないか、このように認識をしております。
  197. 中西績介

    ○中西(績)委員 前の質問との関係も出てくるのでありますけれども技術的、経済的に再資源化が困難なため再資源化が進んでいないものについて、特にガラスだとか、かわらだとか、いろいろなものがございますけれどもリサイクル技術開発、回収ルート創設、さらに処理施設業者配置等々を含めて一層促進をしないと、廃棄物発生量は、一九九五年を一〇〇とすると、推計では十五年で大体四倍になると言われております。そういたしますと、先ほどのお答えにありましたように、処分場がない、そして量はこのようにふえていく、さらにまた、技術面あるいは経済面、こういうものがなかなか進んでおらないということもございまして、本当に大丈夫だろうかと私は思うんです。  したがって、この種法律があっても追いつかぬのじゃないか、そういう感じがしてなりませんが、この点、どのようなお考えであるかをお聞かせください。
  198. 風岡典之

    風岡政府参考人 この法律施行当初におきましては、コンクリートアスファルト木材、三品目につきまして、特定建設資材として指定をしたいというふうに考えております。もちろん、それ以外のものにつきましてもリサイクルを進めていくということが非常に重要であるというのは御指摘のとおりであります。  三品目以外のものにつきまして、例えばプラスチック、これは現状では再資源化施設が非常に少ない、輸送コストも非常にかかるということであるわけでして、例えばそういったものにつきましてどのような再資源化施設を整備すればいいのかというようなこと等々もあるわけです。こういったことにつきましては、厚生省等とも連携をとりながら、再資源化施設の適正な立地というものを私どもとしても積極的に取り組んでいかなければならない、このように考えており、そういった条件を整えながら、品目の追加を行いリサイクル対象拡大していきたい、このように考えております。
  199. 中西績介

    ○中西(績)委員 ただ、一つこの点についてお聞かせいただきたいと思いますけれども技術的なものがさらに進めばこうしたものがある程度可能かどうか、そこの見通しはどうなんでしょうか。
  200. 風岡典之

    風岡政府参考人 三品目以外のものについて、正直言いまして、具体的にいつごろだったら指定できるのかというようなことについては、現時点ではまだ明確に申し上げる段階にはなっておりません。  先ほど申し上げましたように、再資源化施設あるいは再資源化技術の開発というようなことに努力をしなければならないわけでございます。ただ、一部の材質、例えば塩化ビニール等につきましては企業の方で自主的な取り組みがかなり進んできておりますので、そういったものの動きを見ながら、関係省庁とも連携をとって、品目の追加というようなことについても今後検討はさせていただきたい、このように思っております。
  201. 中西績介

    ○中西(績)委員 時間がありませんから、基本方針については一応きょうは割愛をしまして、再資源化等を行わなければならない特定建設資材についてお聞かせいただきたいと思います。  先ほど同僚議員の質問、あるいは今お答えいただきましたように、コンクリート木材、これについては明示をしておりますけれども、なぜ二品目あるいは三品目としたのか。政令でさらに定めるようにしておるようでありますけれども、何をこれからお考えなのか、そして、これについては、なぜそのようになったのかをお聞かせいただきたいと思います。
  202. 風岡典之

    風岡政府参考人 本法案におきましては、コンクリート及び木材特定建設資材の例として明示をしております。この二品目建築物に使われている建設資材として代表的なものであるということで、法律上この二品目は明示をしたわけでございますけれども、その他の建設資材ということで政令で定めるものとしましては、アスファルト、これを指定していきたい。結果的に三品目を当初設定をしたいというふうに考えております。  当面、そういった三品目についてのみ特定建設資材として指定をしますのは、一つは、再資源化資源の有効な利用及び廃棄物の減量に大きく寄与する、そういったものでどういうものがあるのかというようなこと、それから、再資源化技術的に可能であるということ、さらには、再資源化の義務づけによる多大なコスト負担というものを招かない、そういうようなものとして三品目指定したものであります。  もちろん、建設廃棄物の中で三品目のウエートは大きいわけですので、三つではありますけれども、これを通じて建設廃材リサイクルというのは相当進んでくるんではないかと思います。  その他の品目の追加につきましては、先ほど御答弁をさせていただいたとおり、今後状況を見ながら判断をしていきたい、このように考えております。
  203. 中西績介

    ○中西(績)委員 そうしますと、戦後新たに建てられた家屋等を含めまして、ここから出る廃棄物が相当量を占めるということでこうした問題が出てきておるわけでありますけれども、これらの問題について一定のめどあるいは量的なものを示していただかないと、私たち、本当に大丈夫だろうかということを強く感じるわけであります。したがって、きょうでなくても結構ですから、これから後々十分皆さんがおまとめいただき、政令を出すに当たってもそうした問題等を徹底した論議をしていただいて、またお聞きをしたいと思っています。  本法案では、要する費用を建設工事請負代金の額に適切に反映させるため、趣旨、内容国民の理解と協力を得るよう努めなければならないと言っています。法三十九条で、元請業者は各下請人の指導に努めなければならないとありますけれども、受注者、元請が下請業者のピンはねをする問題が起きやしないか。先ほどもちょっと言っておりましたように、重層下請制度、それがやはり大きなこういう原因を生じておるということを指摘されておりましたけれども、余りにも日本の建設関係を初めとする企業の中におきまして、こうした問題が絶えず起こっておるわけであります。ですから、こうしたものを規制する措置を考えておく必要はあるんじゃないかと思うんですが、この点はどうでしょうか。
  204. 風岡典之

    風岡政府参考人 本法律案の十三条におきましては、分別解体等の適正な実施の確保が特に重要であるという認識のもとに、請負契約の当事者は、解体工事に要する費用を書面に記載をする、相互に交付をしなければならないということで、契約書に費用の明記ということを求めたわけでございます。  分別解体につきましては、契約当事者間でそれに要する費用が適正に支払われないとすると、結果としてミンチ解体というようなことになったり、不法投棄に向かうということで、そういうような取り扱いをしたいということであります。  解体工事に要する費用につきましては、契約としましては、発注者と元請の間の契約だけではなくて、元請と下請の間の契約におきましても、それぞれ解体工事に要する費用の額というのを記載させるということにしているところであります。  また、法律の十二条におきましては、対象工事の受注者が下請業者を使用しようとするときには、分別解体の方法につきまして下請業者に告げなければならないということで、下請業者分別解体に要する費用について的確に見積もりを行うことができるような措置を講じております。いずれにしましても、下請契約におきましても、そういった費用を明示するということであります。  もちろん、文書による契約が行われないとそういうことが実現できないんですけれども、文書による契約指導というのは、その前提として積極的に行っていきたいというように思っております。
  205. 中西績介

    ○中西(績)委員 ぜひ、今お答えしたことを万全の措置をとっていただけるよう、期待をいたします。  そこで、現状の建設業関係廃棄物リサイクル処理施設の数は全国でどうなっておるのか、そして、そこで働いておる就労者の数はどうなっておるか、このことを私きのうそれぞれ対応できるところにお聞きいたしましたけれども、例えば就労者の数については、労働省等ではこれを的確に把握できておりません。したがって、総務庁だろうと思うんですけれども廃棄物処理業、平成七年で二十三万三千八百五十四人と言われています。それから、その数ということについても的確に把握をしていなくて、建設業課に聞いた結果が二千五百十四だと言われています。  ですから、こうした体制にあるものをさらに拡大をし促進をすることによって、目標達成年度は先ほど大体お聞きしました、ということになりますと、そこにおける就労者の数はどれくらいになるだろうかということを私は聞きたかったわけです。これ、おわかりになっていますか。
  206. 風岡典之

    風岡政府参考人 再生資源施設につきましては、いろいろな施設がありますけれども、代表的な四施設についてで見ますと、平成七年度は全国で二千三百の施設が存在します。これは五年前の平成二年のときに比べまして、二倍の増加になっております。  ただいま先生指摘の、そういった施設での就労者の状況ということでありますけれども、この点につきましては私どもとしては状況を把握しておりません。またいろいろ調べまして、改めて御報告をさせていただければ、このように存じております。
  207. 中西績介

    ○中西(績)委員 私はこれを質問いたしますのも、こういう不況、産業の先行きが暗い、こういう状況の中でありますから、人間の命を守るという環境一つを取り上げてみても、こうしたところをさらに促進することによって、就労者の数というのは雇用関係を生み出すことのできる大きなあれになってくると思います。ですから、福祉だとかあるいは教育だとか環境だとか、こういうことが、大きな雇用拡大を図る上でこれからやはり大事なことになってくると思います。  したがって、先ほどから私ずっと質問をいたしましたのも、そうしたところあたりに、どのような伸びがあり、何年がかりでやるか、そのことがまた達成できるということになれば、相当数の雇用拡大だって図ることになるわけですね。ですから、そういう内容を実はお聞きしたかったわけであります。  そこで、もう最後にしますけれども、そうしたこと等を含みまして、全般的に大臣にお聞きしたいと思います。  循環型社会元年の大臣の決意、そして建設廃棄物の適正分別処理、リサイクル推進の決意をお聞かせいただきたいと思います。特に、先ほど申し上げたように、環境を守ることによって雇用拡大、創出を図ることができるということ等を含みまして、大変この法律案というのは意味を持っておりますし、重要でありますだけに、さらに促進方お願いを申し上げて、終わりたいと思います。
  208. 中山正暉

    ○中山国務大臣 中西先生から、大変、この法案の意義、深い意味を御理解いただきまして、将来を見通すお話をいただきました。  私も先般、日成ストマック・トーキョーという混廃選別の単品再生の会社を見てまいりました。ストマック、胃袋という意味をつけていらっしゃる。しかし大変ほこりっぽくて、働いていらっしゃる労働者の方々、大変だなという思いがいたしました。ああいう工場も、もう少し、どんどんこれから技術的にも向上してまいるだろうと思っておりましたが。それから立石建設工業、これはアスファルトとかそういうものを、コンクリートなんかを再生して、すぐにその場で新しいコンクリートに再生をしている現場を見てまいりまして、それのまた品質を検査する場所もありまして、なかなか合理的になっているなという感じを持ちました。それからもう一つ木材でございます。東京ボードという会社を見てまいりまして、これは本当にリサイクルがちゃんといきましたら大きな経済的な効果をもたらす一つの産業として定着をして、そして技術的にこれが向上してまいりましたら、今おっしゃいますように雇用の問題とか、それから本当に資源を現場でリサイクルしていくような、そういう大変有望なものだという感じを、現実に御案内いただいて、見てまいりましたわけでございます。  最終処分場の逼迫とか、それから不法投棄の増大なんということが、我が国で今まで大量生産それから大量消費大量廃棄という社会のあり方で、招いてまいりましたが、こういうものを、ひとつ循環型社会を形成すべきときを迎えているのが、二十一世紀に本当に適切なスタートを切らせていただくことではないかと、この法律の意義を、先生同様いろいろな意味で、多面的な意味で私は認識をいたしておるものでございます。  そんな意味で、特に排出量が、いわゆる産業廃棄物の全体の排出量の二割、それから最終処分量の約四割、それから不法投棄では約九割というのが建設廃棄物でございますので、我が国環境問題に非常に大きな負荷を与えていることに対しまして、発生から再資源化、それから再利用、こういうものを、ひとつこの法案を通していただくことによりまして、国家社会のために、また大きな産業が、日本の経済が発展しますほどごみというものが出る、産業廃棄物という、経済が大きくなればなるほどそれに比例してそういうものが生まれ出てくると私は思いますので、それを処理するための法律として役に立てば、社会に貢献するものである、かように考えております。
  209. 中西績介

    ○中西(績)委員 終わります。
  210. 大口善徳

    大口委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。     —————————————
  211. 大口善徳

    大口委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。  建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  212. 大口善徳

    大口委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。     —————————————
  213. 大口善徳

    大口委員長 ただいま議決いたしました法律案に対し、原田義昭君外六名より、自由民主党、民主党、公明党・改革クラブ、日本共産党、保守党、自由党及び社会民主党・市民連合の七会派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  提出者より趣旨の説明を聴取いたします。吉田公一君。
  214. 吉田公一

    ○吉田(公)委員 ただいま議題となりました建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律案に対する附帯決議案につきまして、自由民主党、民主党、公明党・改革クラブ、日本共産党、保守党、自由党及び社会民主党・市民連合を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。  案文はお手元に配付してありますが、その内容につきましては、既に質疑の過程において委員各位におかれましては十分御承知のとおりでありますので、この際、案文の朗読をもって趣旨の説明にかえることといたします。     建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、本法の施行に当たっては、次の諸点に留意し、その運用について遺憾なきを期すべきである。  一 本国会提出されている「循環型社会形成推進基本法案」及びその他の個別の廃棄物リサイクル関係法案との連携に配慮し、本法の所期の目的が十全に達成されるよう努めること。  二 基本方針を策定するに当たっては、公共工事発注者建設業者、学識経験者等を含めた広範な関係者の意見を反映させるよう努めるとともに、再資源化等に関する目標は可能な限り具体的に設定するよう努めること。  三 建設廃棄物の発生を抑制するため、設計・建築段階における発生抑制の必要性を広く周知するとともに、これらに向けた技術開発等必要な措置を講ずるよう積極的に努めること。  四 分別解体等の施工方法に関する基準の策定に当たっては、解体工事建築時の工法・建材に応じた施工技術や有害物質の除去技術が重要であることにかんがみ、可能な限り具体的かつ明確な基準を策定するよう努めること。  五 再生資材利用促進する観点から、公共事業において環境負荷の少ない再生資材の調達を行うよう積極的に努めること。  六 建設廃棄物の再資源化及び再生資材利用促進するため、建設業者等が再資源化施設の設置状況や再生資材の取得方法等に関する情報を容易に入手できるよう、情報提供のあり方について検討すること。  七 中小建設業者の過大な負担にならないよう配慮すること。 以上であります。  委員各位の御賛同をよろしくお願い申し上げます。  以上、吉田公一が朗読いたしました。
  215. 大口善徳

    大口委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。  採決いたします。  本動議に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  216. 大口善徳

    大口委員長 起立総員。よって、原田義昭君外六名提出の動議のとおり附帯決議を付することに決しました。  この際、中山建設大臣から発言を求められておりますので、これを許します。建設大臣中山正暉君。
  217. 中山正暉

    ○中山国務大臣 建設大臣として一言お礼を申し上げ、ごあいさつを申し上げたいと存じます。  建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま全会一致をもって御可決をいただきましたことを深く感謝申し上げております。  今後、審議中における委員各位の御高見や、ただいまの附帯決議において提起されました循環型社会形成推進基本法案等との連携への配慮、基本方針への広範な関係者の意見の反映等の課題につきましては、その趣旨を十分に尊重してまいる所存でございます。  ここに、委員長を初め委員各位の御指導、御協力に対し深く感謝の意を表し、ごあいさつといたします。  ありがとうございました。     —————————————
  218. 大口善徳

    大口委員長 お諮りいたします。  ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  219. 大口善徳

    大口委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     —————————————     〔報告書は附録に掲載〕      ————◇—————
  220. 大口善徳

    大口委員長 次に、内閣提出参議院送付土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策推進に関する法律案議題といたします。  趣旨の説明を聴取いたします。建設大臣中山正暉君。     —————————————  土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策推進に関する法律案     〔本号末尾に掲載〕     —————————————
  221. 中山正暉

    ○中山国務大臣 ただいま議題となりました土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策推進に関する法律案につきまして、その提案理由及びその要旨を御説明申し上げます。  急傾斜地の崩壊、土石流または地すべりを原因とする土砂災害につきましては、全国各地で一年間に平均して約一千件も発生しており、その被害も甚大であることから、これらの土砂災害から国民の生命及び身体を保護する必要があります。  このため、本法律案は、土砂災害のおそれがある土地の区域を明らかにし、警戒避難体制の整備や住宅等の立地抑制策等の措置を講じることにより、既存の事業関連諸制度と相まって総合的な土砂災害対策を推進しようとするものであります。  次に、その要旨を御説明申し上げます。  第一に、国土交通大臣は、土砂災害の防止のための対策の推進に関する基本的な指針を定めることとし、都道府県は、本指針に基づき、土砂災害警戒区域の指定等の土砂災害防止のための対策に必要な基礎調査を行うことといたしております。  第二に、都道府県知事は、土砂災害のおそれのある区域を土砂災害警戒区域として指定し、関係市町村は、この区域ごとに、土砂災害を防止するために必要な警戒避難体制の整備を図ることといたしております。  第三に、都道府県知事は、土砂災害警戒区域のうち、土砂災害により住民等の生命または身体に著しい危害が生じるおそれがある区域を、土砂災害特別警戒区域として指定することができることといたしております。土砂災害特別警戒区域内においては、災害を未然に防止する観点から、住宅宅地の分譲及び社会福祉施設等の立地のための開発行為を行う者は、都道府県知事の許可を要することとするとともに、居室を有する建築物について、建築基準法に基づく政令において、土砂災害に対する安全性が確保されるよう構造基準を定めることといたしております。  第四に、都道府県知事は、土砂災害特別警戒区域内における建築物の所有者等に対して、移転等の勧告を行うことができることとし、この勧告を受けて家屋を移転する者のため、融資、資金の確保等の支援措置を講ずるよう努めることといたしております。  以上が、この法律案の提案理由及びその要旨であります。  何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願いを申し上げます。  以上でございます。
  222. 大口善徳

    大口委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。  次回は、来る二十六日水曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後三時三十三分散会