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石井(紘)
分科員 大体どれを聞いてみても、どうしても一つのものがほかのものと歴然と違うというようなところが見当たらないのですね。日林協の場合ですと科学技術の向上というのは当たり前のことで、これは農水省そのものがやっているのでしょうし、農林関係に携わっているものは共通してそうした課題を持っているのでしょう。それから、技術の改良というのも当たり前の話であります。普及それから調査、
設計、委託。委託なんという
目的は何ですか、これは。これが日林協の
目的だ。林野弘済会の
目的は福祉の向上、便益の増進。ところが、やっていることは全然違う。日林協と似たり寄ったりのことをやっている。林業土木コンサルタンツも、抽象的に林業土木
事業の向上と。
こうしたことに携わっている役所は、役所自体がこういったものの向上に努めているわけなんでしょう。その上に何でこんな抽象的な
目的を持った団体というものが必要なんですか。緑公団の、森林資源の開発とか
事業、森林
造成、土地改良、こんなものほかのところでごまんと、あなた方の農水省のいろいろな政策やセクションの中の課題に出てきていますよ。段ボールに幾つも入るぐらいありますよ。要するに、こういうものはみんな要らないものなんだ。
日林協が資本金を出してつくった株式会社興林コンサルタント。これは、日林協に合わせて林業土木コンサルタントもあるいは林野弘済会も資本金を出して、この三団体がこぞってそれぞれ出
資金を出し合って株式会社興林コンサルタントというものを相当以前につくった。歴代社長は、
渡辺恒雄さん、
林野庁監査課長。二代目は小島俊吉さん、長野営林
局長。黒川忠雄さん、
林野庁指導部長。四代目が中村廉、秋田営林
局長、今農水委員長の秘書官。小泉孟、名古屋営林支
局長。今が田代太志、青森営林
局長。
それぞれの出資をした団体の発注。さっき、日林協の場合は委託というのが一つの設立の
目的だと。おかしな
目的ですが、日林協だけじゃなくて、この三団体とも、興林コンサルタントという会社に膨大な量の発注をしておる。
例えば林野弘済会、これは年間の発注件数が全部で八百十五件です。その八百十五件のうちの六十八件を興林コンサルタントに委託しておる。件数でいうと、これは数えていないけれども発注先一覧の会社名が六十か七十ぐらいありますよ、この中でトップのランクですよ。発注件数において六十八件というのはトップ。それから、金額においても、二億三千万円というのはやはりトップですね。こういうふうになっておる。あるいは林業土木コンサルタンツというのも同じような形になっておる。
これだけじゃないんですね。例えば、日林協は林野弘済会から
事業をもらう、あるいは日林協は林業土木コンサルタンツに
事業を出す。この三団体が
事業をお互いに発注し合っているんですよ。それでお互いに出資をし合っている。今の興林コンサルタントだけじゃないんです。グリーン航業という会社、こんなのもそうです。それから旭友林業株式会社とか、たくさん、それぞれが出資し合ってやっている。
大体どういうことをやっているかというと、測量をやったり、調査をやったり、そういうことを要するに丸投げないし半丸投げしているんですよ。こういう会社もさらにその下にまた受けさせるんですよ。私は
実態を詳しく聞いてきましたけれども、これはもうとんでもないからくりになっている。これじゃお金が幾らあっても足りない。足りないんです。
林業土木コンサルタンツは、七十八億ぐらいの
予算をとって、それを十四億ぐらいのお金をかけて下に流していく。それに多少、自分のところも測量ぐらいしましたよとか、巻尺ぐらい持っていきましたよというような形だけは、格好だけはつけてあるんだけれども、大体、人件費を除けば半分よりもっと少ない金額でできてしまう
事業を、倍にも三倍にもして
予算をとっている。それをみんなやっているんじゃないんですか。林野弘済会も、それから林業土木コンサルタンツも。
日林協に至っては、一時バブルの時代なんかは、電源開発をやるんでもあるいはリゾート開発をやるんでも、保安林の解除というのが全国至るところでとにかくひっきりなしに必要だ、これは大変金になる商売だというんで、あなた、興林コンサルタントをつくったんじゃないですか。
役所がそういうおいしい話を独占して、わずかばかりの資本金を出して、そこにOBが行って、仕事は全部下に丸投げして、ないしは半丸投げをして、そしてやりたい放題のことをやっているんじゃないんですか。どうですか。