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河野国務大臣 この問題はこれまでにも当
委員会で御
質問をいただきまして、私の考えを述べさせていただいたことがございます。
今、
伊藤議員が
お話しになりましたいわゆるポリティカルアポインティーという考え方、仕組みについて申し上げれば、国際的に見ましても、ポリティカルアポインティーという制度を持っております、あるいはそれを非常に多様に活用しております国は、アメリカがその代表でございます。言いかえれば、アメリカだけがと言うと言い過ぎでございますけれ
ども、アメリカが非常に目立つわけでございます。
一つの考え方とは思いますが、そのためにはいろいろな条件を整えなければできません。
ちょっと話が長くなって恐縮でございますが、私は、
外務大臣になりまして、大使の人事について私なりに関心を持っていろいろと相談をしたことがございます。しかし、一番のネックは、何といっても人間の数が少ないということなんですね。
ここで今、
議員がお触れになりましたように、任期が短いということは、私もそう感ずることが時々ございます。しかしその任期は、例えば大使の任地によって、非常に条件の厳しい任地に配置をいたしますと、外国におきましては、一定期間その任地で仕事をするとかなり長期に休暇、休養期間を与える、そしてまた戻るというような仕組み、あるいは一定期間そこで勤めると一定期間の休養を認める、そしてまた別の任地に行くというようなことが行われているわけですが、
日本のような現在の人員では、長期にわたる休暇を与えるということはとても無理でございます。
したがって、任地に例えば二年なら二年参りますと、どうしても次へ回らなきゃならなくなる、非常に厳しい人数の中でやりくりをしているという部分がございます。それは、ここは重要な地域であり、しかも
環境もそれほど厳しくないというところは
相当長期にいてほしいと思うことがございますけれ
ども、厳しいところの人間を回していこうとすると、それが結果として全体の任期を制約することになってしまうという場合もあるわけでございます。
さらに、例えば語学でいいますと、ロシア語の専門家が英語の地域にいてみたり、あるいはスペイン語の専門家がフランス語の地域にいてみたり、少しもったいないような気がする、もっと特性を生かした使い方はできないものかというふうに思うことが、これもしばしばございます。
私は、民主党のお考えになったこの御提案の中でも、その精神は、適材適所といいますか、適材をちゃんと使え、こういうことをお考えになっておられるというふうに理解をいたしまして、私
どもとしても適材を適地に置くということが何より大事だというふうには考えますけれ
ども、残念ながら、持ちごまと申しますか、全体の数その他を考えるとなかなかそうはいかない。
それからもう
一つは、やはりいろいろな地域の経験というものもまた必要な場合もあるわけでございますが、そうしたことをひっくるめて、今はもう本当に、与えられた条件の中ででき得る限りの適材適所の配置を考えているというのが現状でございまして、私は、条件が許すならば、もう少しやり方はあるのではないかということを考えております。
今、
議員が
お話しのような、
委員会におきますチェック機能というものをどうするかということにつきましては、国会のことでございますから、私があれこれ申し上げることは適当でないと存じます。
大使の任命につきまして、もちろん私は、
外務省におる人間だけが適任者だと思いません。広く人材を民間からも求める、あるいは他の省庁からも求める、もちろん男性、女性にこだわる必要は全くないというふうに考えまして、前にも申し上げましたけれ
ども、かつて私は
外務大臣当時、高原須美子さんを大使に起用する、あるいは文化庁の長官でございました遠山さんを大使に起用したこともございます。
現在でも、他省庁から大使になっていただいている例は幾つもございます。科学技術庁から今、チェコの大使に行っていただいているというケースもございます。そういうぐあいに、広く人材を求めるということは大事だというふうに考えまして、この点は民主党の御提案、私は共感するところがございます。