○二階
国務大臣 石田
委員からも今お話がございましたが、けさほどの新聞でも、石田
委員が今期を限りに政界を引退されるということ、大変私どもにとりまして驚きとともに残念な思いでございます。かつて公明党の
委員長として、また細川、
羽田、両内閣におきまして総務庁長官に御就任され、規制緩和、行政改革等、大きな足跡を残されました。その石田
委員から、これが現職
議員としての最後の質問だということを今言われまして、私も肝に銘じてこの石田先生の御
意見を今後リニアモーターカーの発展につなげていきたい、そういう決意を込めてお答えをさせていただきたいと思います。
まず、リニアモーターカーにつきましては、
平成九年四月から山梨リニア実験線におきまして本格的な走行実験を開始してまいりましたことは、先ほど御
紹介のあったとおりでございます。
平成十一年四月の走行試験におきまして有人による最高速度五百五十二キロを達成しまして、また、
平成十一年の十一月には相対速度一千三キロの高速すれ違い走行を行うなど、実用化に向け着実な成果を上げておりますことは、石田
委員も御承知のとおりでございます。また、このいずれもの記録は世界最高でございます。一日大体八百五十キロぐらいの走行試験を行っておりまして、今日まで八万一千キロ走っておりますが、この間、超電導磁石のトラブルというものは全くなかったということが、世界に誇れる大きな
日本の技術だと評価をいたしておるところであります。
平成十二年三月九日の実用技術評価
委員会、専門家に
検討をしていただいたわけでありますが、
平成九年度からの三年間の走行試験等の実用技術評価は、長期耐久性、
経済性の一部を引き続き
検討課題とするという評価でありますが、超高速大量輸送システムとしての実用化に向けた技術上のめどは立ったものと
考えられるとの結論を得ておるところでございます。
ただいま石田
委員から、もうそろそろではないかということでございますが、技術的にはほぼそういう
状況に達しつつあるということを、私どもも大変力強く思っております。したがいまして、今後、残された
課題をさらに着実に解決していく
努力が重要でありますが、十二年以降もおおむね五年間ぐらいかけまして、山梨実験線の先行区間であります十八・四キロを
活用して走行試験を継続することにいたしておるわけであります。
これらリニアの技術開発につきましては、現在、御承知のとおりJR東海あるいは鉄道総研が中心になり、さらに
地元の山梨県におきまして大変大きな協力を得ておるわけでありますが、国としましても、鉄道技術開発費補助金などを
活用いたしまして、実用化に向け、関係者と連携をとりながら積極的な支援をしてまいる決意でございます。
先般、私中国に参りました際に、中国の鉄道関係者の
皆さんから
日本のリニアに対する大変高い評価がございまして、一時中国でも、新幹線方式にするかリニア方式にするか、随分
検討をなされたようでございます。また、加えて、ドイツなどはリニアを既に断念したわけでございますが、その技術を何とか中国及びそうした
需要を持っておる国々に対して売り込む、セールスを熱心にやっておるというようなことにも直面をいたしました。
日本に諸外国の方々がおいでになる場合には、新幹線にお乗りいただくことは当然でありますが、また、必要に応じてリニアにも乗っていただいておりますので、
我が国のリニアの実験の成果が各国から大変高く評価されておるところであります。
せっかくここまで築き上げてまいりました、また、石田
委員等の大変な御
努力をいただきまして三十数年にわたって蓄積してまいりましたこのリニアの技術を、何としても国民の利益につながるような、国民の福祉向上につながるような方向で
活用してまいりたい、そういう
考えを持っておる次第であります。