○二階
国務大臣 民主党の
運輸大臣であります前原
委員からの大変的確な御
指摘でございますが、私はまさに、今回の有珠山の噴火に際しまして、災害の復旧、その前には住民の
皆さんの安全を
確保するということがあることは申すまでもないことでありますが、同時に、観光
関係あるいはまた産業全体に影響を及ぼす北海道の動脈が切断されておるわけでありますから、このことの回復が極めて重要だという
認識を持っております。
順番に、観光から申し上げますと、先般、私は、有珠山噴火に伴う北海道観光
対策連絡
会議というものを、
関係者の
皆さんに呼びかけまして、お集まりをいただきました。
それは、旅行業者、航空、鉄道、
交通事業者、またマスコミ
関係、旅行雑誌の
事業者、それから社団法人の日本旅行業協会、これはJATAと呼んでおる大きい方の旅行業協会であります。また、五千九百を擁する社団法人全国旅行業協会、さらに、修学旅行も極めて重要な
役割を果たすわけでありますから、社団法人の日本修学旅行協会、また船も大切でありますから、社団法人の日本
旅客船協会、その他宿泊
関係団体等、代表者五十名の
皆さんにお集まりをいただきました。
また、地元からは、北海道庁はもとよりでありますが、北海道観光連盟、北海道観光プロモーション
協議会、登別観光協会、洞爺湖温泉観光協会、日本観光協会、国際観光振興会、こういう方々に緊急にお集まりをいただきまして、北海道で、確かに有珠山の周辺は危険を伴うところがあるかもしれない、この予想というのはまだなかなかつきかねる、しかし、その周辺あるいはそれ以外の北海道、これは全然安全で、まさにベストシーズンを迎えようとしているときでありますから、風評被害とか、北海道は危険だとか、あるいは火山灰がずっと空を覆っていると思い込んでしまって、旅行、観光のキャンセルが相次ぐというこの
状況は憂慮すべきことだ。したがいまして、今こそ北に向かって旅をしよう、そのキャッチフレーズのもとに、
関係者、一層奮起をお願いしたい。
そして、私は、阪神・淡路地震のときのこと、あるいは、私みずからの経験で、中国で天安門事件の後でございましたが、百五十人の
関係者を引率して中国にお
伺いする。今の民主党の奥田議員の御尊父奥田敬和先生が団長で、私が幹事長役で
関係者を御案内したことがあります。半分は、安全かなということを私自身大変気をもんだところでありますが、この際やはり予定どおり実行しようと。海外からのお客様はあなた方が初めてだということで、大変喜んでくれました。十年後、先般私が中国へ参りましたら、その当時の方々、既に重要なポストについておられる方に、あのとき来てくれた、こういうことをおっしゃっていただきました。
私は、その経験も交えて、こういうときこそみんなで北海道へ行っていただくように、
関係者の
皆さんの御協力をお願いしたいということを申し上げました。
また、阪神・淡路の例でございますが、あの当時、いろいろな団体の
皆さんがよく
会議をなさいますが、その
会議を阪神地域、神戸で開いてくれませんかということを私
ども呼びかけたことがございます。
また、私自身が当時
関係しておりました団体の常務
理事会などというものを現地でやらせていただいたことがあります。早速私はそうした方々に、今度は北海道でやろう、北海道開発庁の
会議とか
運輸省の
会議などで、北海道でやれるものは、まず先陣を切って、できるだけ、噴火の周辺でかつ安全なところを選んで、そして地元の
皆さんにも元気を出していただくように、そういう配慮をしていきたい。
そして、これは何ほどの数量になるかはわかりませんが、北海道の産物を買っていただくようにということで、先日、閣僚懇談会でも発言をさせていただきまして、いろいろな閣僚から協力をしようという
お話がございまして、今、
政府側の連絡
会議のようなものを既につくってございますし、今、北海道のあらゆる産物を扱っております。知事とも相談して、北海道経済局かなということを考えておりますが、何せあちらは災害でごった返しているところへもう一つそういうことを投げかけるということは容易なことではないのですが、私は、これはまさに、元気を出してください北海道の
皆さん、そういう呼びかけのもとにこうした対応をしていきたいと思っておるところでございます。
また、今御
指摘にありました、室蘭線あるいはまた国道の問題でございますが、今まさに御
指摘にありましたように、すれ違い線だとかあるいは新たにコンテナターミナルをつくることによって
自動車運行の距離を縮めることができますから、早く物資を運ぶことができる、こうしたことなどに対応いたしますと、大体通常の八割ぐらいまで物流が
確保できるのではないかという見通しが出てまいりました。
JR北海道の社長あるいはJR貨物の社長と、先般、私、二度目に北海道に参りました際に、お目にかかりたいということで現地で
協議をいたしました。双方の会社とも
ども経営が豊かであり余っておるというふうな
状況ではありませんが、この際はどうか、北海道の物流あるいは人流の上において、この打ちひしがれたような
状況に対してやはりJR貨物の
役割、JR北海道の
役割というのは極めて大きいということを私は激励すると同時に、
政府としても必要な助成はやらせていただくからあなた方も奮起をしてもらいたいということをお願いしました。こうした
期待にこたえて両社ともしっかり頑張っていただいております。
北海道知事からも大変喜んでそのことに対する連絡がありましたが、私は、まだまだ長期戦を構えなくてはならないかもしれないこの有珠山の噴火に対して、やれる手だて、考えられる範囲において、もちろん費用対効果の問題もありますが、なし得ることのすべてを実行して、
関係の
皆さんに早く
気持ちの上でも立ち直っていただけるような対応をしてまいりたいと思いますので、御党におきましても一層の御協力をお願い申し上げる次第であります。