○北岡秀二君 私は、自由
民主党、
民主党・新緑風会、公明党及び自由党の四会派を代表いたしまして、ただいま議題となっております無
差別大量殺人行為を行った
団体の
規制に関する
法律案及び
特定破産法人の
破産財団に属すべき
財産の
回復に関する
特別措置法案について、いずれも賛成の立場から、並びに日本共産党及び
社会民主党・護憲連合各提案に係る
特定破産法人の
破産財団に属すべき
財産の
回復に関する
特別措置法案に対する
修正案二案について、いずれも反対の立場から討論を行うものであります。
まず、無
差別大量殺人行為を行った
団体の
規制に関する
法律案に賛成する主な理由を申し述べます。
第一に、本
法律案は、無
差別大量殺人行為を行った
団体が依然として危険な
要素を保持し、地域住民に不安を与え、地方自治体の行政
責任者による適切な対応を困難にさせている場合に、これに迅速かつ適切に対処するための重要な法整備を図るものであり、その
実効性が十分期待されるところであります。
かつて無
差別大量殺人行為を起こした
オウム真理教は、依然として危険な体質を保持しつつ
活動を続けており、そのことに
国民が大きな不安と危惧の念を抱き、地方自治体の行政
責任者が困難な選択を強いられております。この
法律案に定める観察処分及び
再発防止処分は、こうした
状況に迅速かつ適切に対処することを可能とするものであり、これによって、
国民の不安等を取り除き、
国民の生活の平穏を含む公共の安全の確保に寄与することができるのであります。
第二に、本
法律案においては、適正な運用を確保する仕組みを設けていることであります。
本
法律案に定めるこれらの処分は、無
差別大量殺人行為を行い、かつ依然として危険な
要素を保持している
団体に
対象を限定し、公共の安全の確保に寄与するという目的の達成に必要かつ合理的な限度で認められるものであります。そして、本
法律案では、準司法機関である
公安審査委員会が中立公正な手続により処分を決定することとされるなど、適正な手続が確保されている上、これを運用する者において
国民の基本的人権を不当に制限することのないよう戒める
規定や、その職権乱用
行為に対する重い刑罰等が設けられております。
したがって、これらの処分や手続が適正に運用される限り、
憲法の保障する
国民の自由と権利が不当に制限されるおそれはないものと確信いたします。
第三に、
衆議院における本
法律案に対する
修正により、立法の
趣旨がより明確になるとともに、適正な運用をより一層確保する仕組みとされております。
次に、
特定破産法人の
破産財団に属すべき
財産の
回復に関する
特別措置法案に賛成する主な理由について申し述べます。
本来、
破産財団を形成すべき
オウム真理教の
財産がかなり流出していると見られ、そのために地下鉄・松本サリン
事件等で犠牲となられた被害者の
方々やその御遺族の
方々に対する損害賠償が極めて不十分な
状況にあります。この
法律案は、破産管財人が
破産財団に属すべき
財産を
オウム真理教関係者から取り戻そうとする場合に、その立証の負担を減らすことによってこれを容易にするなどの特別の
規定を設けるものであります。これにより被害者の
方々の救済に資することができるものと大いに期待されます。
これらの
法律案につき、
委員各位の御賛同をよろしくお願いいたします。
これに対し、日本共産党提案に係る
特定破産法人の
破産財団に属すべき
財産の
回復に関する
特別措置法案に対する
修正案は、同党提案の
サリン等による
人身被害の
防止に関する
法律の一部を改正する
法律案を前提とするものであるところ、その
法律案は、個人の
行為に対する刑罰と被害
防止のための
措置を定める
法律にこれとは異質の
団体規制のための
措置を盛り込む構造となっていること、
団体規制のための処分の決定に準司法機関を関与させず、処分の
執行機関にすべてをゆだねる枠組みとなっていることに根本的な問題があり、賛成できません。
また、
社会民主党・護憲連合提案に係る
特定破産法人の
破産財団に属すべき
財産の
回復に関する
特別措置法案に対する
修正案につきましても、無
差別大量殺人行為を行った
団体の
規制に関する
法律案に定める観察処分を受けた
団体であることを前提としない結果、
対象となる
団体の同一性について破産管財人の立証の負担が極めて大きくなるなどの大きな問題があるなど、賛成できません。
したがって、これらの
修正案につきましては、いずれも反対するものであります。
以上をもちまして、私の討論といたします。