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松岡滿壽男君 参議院の会の松岡でございます。
きょうは午前中から私に至るまで五時間半もほとんど
神奈川県警問題の集中審議のような形になったわけでありますが、たまたま私の方も地元の懐かしい皆さん方が国会見学ということでタイミングが合ってしまいまして、そういうことを考えますと、
警察の皆さん方も地域の中では本当に密着したいろんな
関係があるわけです。
四十八年でしたか、光井というところで
警察官が二人猟銃で射殺されまして殉職されました。ちょうど私、当時の
県警本部長と一緒にその部落に駆けつけたことを思い出しておりますし、ことしはまた春に、室積で親子が未成年に殺されたという大変な
事件が起きまして、二十三歳の若いお母さんと一歳に満たない女の子の二人が殺されたわけですけれども、御主人がやはり未成年の犯罪を許せないということで、とにかく会社もやめましてそれに専念しているという
状況であります。私の近所でも放火
事件がありまして、徹夜で
警察官が頑張られて身柄を確保するとか、また数年間暴走族に、私のところは海水浴場があるものですから、道路は広いし、これは本当に悩まされたんですけれども、
警察の皆さん方が長いこと頑張ってとうとう暴走族を解散させるということにもなったわけであります。
先ほど来
警察の犯罪だとかいろんな言葉がありました。
大臣も御承知のように、権力は腐敗するという言葉があります。国家権力とか
警察権力という言葉がありますね。
国民の安全と財産を守るために
国民の立場に立って
警察官に力を与えている。今回の犯罪を見てみますと、普通の
国民とある面では同じことをやっているんですね。同じことをやろうと思ったら権力があるわけですから何でもできてしまう、そういう恐ろしさを実は感じているんです。
例えば、空手の有段者というのは絶対けんかをさせない、けんかをしちゃいけない、力があるんだから、これが当たり前なんですよ。そういう自覚がどうなっているんだろうかと。
確かに、今の日本を見ますると、戦後五十四年たっていろいろな面での腐敗とか、本当にこれがかつての日
本人だろうかと思われる部分がたくさんあります。それが象徴的に今度の
警察の問題に噴き出してきているというふうに思うんです。
あの本当に一身をなげうって地域の安全を守るために身をささげられた方々、そして本当に真摯に頑張っておられる方々、それも二十三万の中にたくさんおられるわけですよ、先ほどの
大臣の
答弁のように。しかし、こういうことをやっちゃうと、みんな
国民が、待てよ、山口県の
警察本部もおかしいんじゃないだろうかという話に必ずなっていくわけですよ。それに対して、
一般の人と違う
警察官としては、やってはいけないこと、断固やらなきゃいかぬこと、いいことと悪いこととの区別がもうつかなくなってきている、残念ながら。
私は、この前の通常国会のときにも、前の深山
県警本部長ですか、あの
女子大生事件のときに、とにかくすぐ対応するということが大事だ、だから
県警本部長会議も十一月にやるというよりすぐやったらどうですかと言ったら、予定どおり十一月にやっておられるわけでしょう。だから、こういう
事件が起きたらすぐさま対応する、スピードを持って、ということが一つ大事ですね。
それからもう一つは、やっぱり風通しをよくするということが大事だと思うんですよ、風通しを。さっき二層制の話も出ました、キャリアとノンキャリアの問題。ノンキャリの皆さん方がしっかり頑張ったらぽんと昇進できる道を開くとか、あるいは、ちょうど私、四十六年に光の市長になりましたときに、松戸の市長さんで松本清さんという方がおられて、すぐやる課というのをつくったんですよ。当時、美濃部都政も出てきて住民意識が随分変わってきている。だけれども役所が旧態依然として対応できない。市役所に何か文句を言いに行くと、あっちへ行ってください。農林部に行くと、いやそれは建設部へ行ってくれとかたらい回しするわけです。非常に評判が悪い。だから、私はすぐ松本清さんにお会いして、すぐやる課という名前をつけるのは嫌だから市民サービス課というのをつくりまして、それで市政懇談で行きますと、何々部長はけしからぬが市民サービス課長はよくやってくれていると。ということは、何でも受けとめなさいと、窓口で。そういう窓口をやはりきちっとつくることとか、先ほども
大臣もその話に触れておられます。
だから、何でも相談できるよ、商工ローンの問題でも、そういう
国民に開かれた
警察ということもひとつ考えられるということと、やっぱり随分沈滞しているんだろうと思うんですね。長い間の
組織の中で疲労が出てきている。やっぱり
どんどん若い人や下積みの人たちの提案を受けとめていく。提案制度を
どんどん活用されたらいいと思うんです。
まず
大臣に
伺いますが、私はすぐ対応せいと言ったのに延々と引きずられた。そして、今度の問題がまた出ている。あの深山
本部長のときに出た問題、それ以前の問題が今出てきているわけですね。そうすると、あの時点で既に今回の
事件というものが把握できていたのか、それをまた隠してしまったのか、あるいは先ほど官房長が言われたようにマスコミ報道があるまで全くわからなかったのか。どういう対応を前回の通常国会後なされておられるのか、その辺の対応の問題と、そしてこれだけ信頼を失ってしまっている、だけれどもやっぱり我々
国民は
警察の力に頼って安全と財産を守っていただかなきゃいけない、これはもう変えようがないわけですから。そのためにどういう形で
国民に対して信頼を回復しようとしておられるのか。この二つをひとつ
国家公安委員長の方から、きょうは
国民の代表も傍聴に来ておりますので、わかりやすく語りかけていただきたいとお願い申し上げます。