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1999-12-09 第146回国会 参議院 行財政改革・税制等に関する特別委員会 第5号
公式Web版
会議録情報
0
平成十一年十二月九日(木曜日) 午後六時開会 ─────────────
委員
の
異動
十二月九日 辞任
補欠選任
須藤美也子
君
吉岡
吉典
君 ─────────────
出席者
は左のとおり。
委員長
吉川
芳男
君 理 事 大島 慶久君 谷川 秀善君 三浦 一水君
吉村剛太郎
君
佐藤
泰介君 藤井 俊男君 森本 晃司君
日下部禧代子
君 委 員 阿南 一成君 岩瀬 良三君 岩永 浩美君
海老原義彦
君
大野つや子
君 亀井 郁夫君 亀谷 博昭君 久野 恒一君
佐藤
昭郎君 中島 啓雄君 畑 恵君 脇 雅史君 伊藤
基隆
君
石田
美栄君 今井 澄君 江田 五月君 小川 勝也君
谷林
正昭君 内藤 正光君 福山 哲郎君 荒木
清寛
君
魚住裕一郎
君 海野 義孝君 林
紀子
君
吉岡
吉典
君 谷本 巍君
阿曽田
清君 菅川 健二君 石井 一二君
国務大臣
文部大臣
国務大臣
(
科学技術庁長
官)
中曽根弘文
君
国務大臣
(
総務庁長官
) 続
訓弘
君
政務次官
文部政務次官
河村 建夫君
総務政務次官
持永 和見君
事務局側
常任委員会専門
員
石田
祐幸君
政府参考人
科学技術庁原子
力局長
興
直孝
君
文化庁次長
近藤
信司
君 ───────────── 本日の
会議
に付した案件 ○
政府参考人
の
出席要求
に関する件 ○
中央省庁等改革関係法施行法案
(
内閣提出
、衆
議院送付
) ○
国立公文書館法
の一部を改正する
法律案
(
内閣
提出
、
衆議院送付
) ○
独立行政法人通信総合研究所法案
(
内閣提出
、
衆議院送付
) ○
独立行政法人消防研究所法案
(
内閣提出
、
衆議
院送付
) ○
独立行政法人酒類総合研究所法案
(
内閣提出
、
衆議院送付
) ○
独立行政法人国立特殊教育総合研究所法案
(内 閣
提出
、
衆議院送付
) ○
独立行政法人大学入試センター法案
(
内閣提出
、
衆議院送付
) ○
独立行政法人国立オリンピック記念青少年総合
センター法案
(
内閣提出
、
衆議院送付
) ○
独立行政法人国立女性教育会館法案
(
内閣提出
、
衆議院送付
) ○
独立行政法人国立青年
の
家法案
(
内閣提出
、衆
議院送付
) ○
独立行政法人
国立
少年自然の
家法案
(
内閣提出
、
衆議院送付
) ○
独立行政法人国立国語研究所法案
(
内閣提出
、
衆議院送付
) ○
独立行政法人国立科学博物館法案
(
内閣提出
、
衆議院送付
) ○
独立行政法人物質
・
材料研究機構法案
(
内閣提
出、
衆議院送付
) ○
独立行政法人防災科学技術研究所法案
(
内閣提
出、
衆議院送付
) ○
独立行政法人航空宇宙技術研究所法案
(
内閣提
出、
衆議院送付
) ○
独立行政法人放射線医学総合研究所法案
(
内閣
提出
、
衆議院送付
) ○
独立行政法人国立美術館法案
(
内閣提出
、
衆議
院送付
) ○
独立行政法人国立博物館法案
(
内閣提出
、
衆議
院送付
) ○
独立行政法人文化財研究所法案
(
内閣提出
、衆
議院送付
) ○
独立行政法人
国立
健康・
栄養研究所法案
(
内閣
提出
、
衆議院送付
) ○
独立行政法人産業安全研究所法案
(
内閣提出
、
衆議院送付
) ○
独立行政法人産業医学総合研究所法案
(
内閣提
出、
衆議院送付
) ○
独立行政法人農林水産消費技術センター法案
(
内閣提出
、
衆議院送付
) ○
独立行政法人種苗管理センター法案
(
内閣提出
、
衆議院送付
) ○
独立行政法人家畜改良センター法案
(
内閣提出
、
衆議院送付
) ○
独立行政法人肥飼料検査所法案
(
内閣提出
、衆
議院送付
) ○
独立行政法人農薬検査所法案
(
内閣提出
、
衆議
院送付
) ○
独立行政法人農業者
大
学校法案
(
内閣提出
、衆
議院送付
) ○
独立行政法人林木育種センター法案
(
内閣提出
、
衆議院送付
) ○
独立行政法人さけ
・
ます資源管理センター法案
(
内閣提出
、
衆議院送付
) ○
独立行政法人水産大学校法案
(
内閣提出
、
衆議
院送付
) ○
独立行政法人農業技術研究機構法案
(
内閣提出
、
衆議院送付
) ○
独立行政法人農業生物資源研究所法案
(
内閣提
出、
衆議院送付
) ○
独立行政法人農業環境技術研究所法案
(
内閣提
出、
衆議院送付
) ○
独立行政法人農業工学研究所法案
(
内閣提出
、
衆議院送付
) ○
独立行政法人食品総合研究所法案
(
内閣提出
、
衆議院送付
) ○
独立行政法人国際農林水産業研究センター法案
(
内閣提出
、
衆議院送付
) ○
独立行政法人森林総合研究所法案
(
内閣提出
、
衆議院送付
) ○
独立行政法人水産総合研究センター法案
(
内閣
提出
、
衆議院送付
) ○
独立行政法人経済産業研究所法案
(
内閣提出
、
衆議院送付
) ○
独立行政法人工業所有権総合情報館法案
(
内閣
提出
、
衆議院送付
) ○
貿易保険法
の一部を改正する
法律案
(
内閣提出
、
衆議院送付
) ○
独立行政法人産業技術総合研究所法案
(
内閣提
出、
衆議院送付
) ○
独立行政法人製品評価技術基盤機構法案
(
内閣
提出
、
衆議院送付
) ○
独立行政法人土木研究所法案
(
内閣提出
、
衆議
院送付
) ○
独立行政法人建築研究所法案
(
内閣提出
、
衆議
院送付
) ○
独立行政法人交通安全環境研究所法案
(
内閣提
出、
衆議院送付
) ○
独立行政法人海上技術安全研究所法案
(
内閣提
出、
衆議院送付
) ○
独立行政法人港湾空港技術研究所法案
(
内閣提
出、
衆議院送付
) ○
独立行政法人電子航法研究所法案
(
内閣提出
、
衆議院送付
) ○
独立行政法人北海道開発土木研究所法案
(
内閣
提出
、
衆議院送付
) ○
独立行政法人海技
大
学校法案
(
内閣提出
、
衆議
院送付
) ○
独立行政法人航海訓練所法案
(
内閣提出
、
衆議
院送付
) ○
独立行政法人海員学校法案
(
内閣提出
、
衆議院
送付
) ○
独立行政法人航空大学校法案
(
内閣提出
、
衆議
院送付
) ○
独立行政法人国立環境研究所法案
(
内閣提出
、
衆議院送付
) ○
独立行政法人駐留軍等労働者労務管理機構法案
(
内閣提出
、
衆議院送付
) ○
自動車検査独立行政法人法案
(
内閣提出
、
衆議
院送付
) ○
独立行政法人統計センター法案
(
内閣提出
、衆
議院送付
) ○
独立行政法人
の
業務実施
の
円滑化等
のための関
係法律
の
整備等
に関する
法律案
(
内閣提出
、衆
議院送付
) ─────────────
吉川芳男
1
○
委員長
(
吉川芳男
君) ただいまから
行財政改革
・
税制等
に関する
特別委員会
を開会いたします。
委員
の
異動
について御報告いたします。 本日、
須藤美也子
君が
委員
を辞任され、その
補欠
として
吉岡吉典
君が選任されました。 ─────────────
吉川芳男
2
○
委員長
(
吉川芳男
君) まず、
政府参考人
の
出席要求
に関する件についてお諮りいたします。
中央省庁等改革関係法施行法案
、
国立公文書館法
の一部を改正する
法律案等独立行政法人個別法関係
五十九
法律案
及び
独立行政法人
の
業務実施
の
円滑化等
のための
関係法律
の
整備等
に関する
法律案
の各
案審査
のため、本日の
委員会
に
科学技術庁原子力局長興直孝
君及び
文化庁次長近藤信司
君を
政府参考人
として
出席
を求め、その
説明
を聴取することに御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
吉川芳男
3
○
委員長
(
吉川芳男
君) 御
異議
ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
吉川芳男
4
○
委員長
(
吉川芳男
君) この際、
中曽根科学技術庁長官
から
発言
を求められておりますので、これを許します。
中曽根科学技術庁長官
。
中曽根弘文
5
○
国務大臣
(
中曽根弘文
君) 一昨日、当庁の
政府参考人
の
出席
の件で本
委員会
の御
審議
に大変御迷惑をおかけいたしました。今後十分に注意してまいりますので、どうぞよろしくお願いをいたします。 ─────────────
吉川芳男
6
○
委員長
(
吉川芳男
君)
中央省庁等改革関係法施行法案
、
国立公文書館法
の一部を改正する
法律案等独立行政法人個別法関係
五十九
法律案
及び
独立行政法人
の
業務実施
の
円滑化等
のための
関係法律
の
整備等
に関する
法律案
の各案を一括して議題といたします。 本日は、
独立行政法人個別法関係
五十九
法律案
中、
文部科学省関係
十五
法律案
及び
厚生労働省関係
三
法律案
について
質疑
を行います。
質疑
のある方は御
発言
願います。
林紀子
7
○
林紀子
君 きょうは私は、まず
放射線医学総合研究所
について御
質問
したいと思います。
政府参考人
、おいでいただいておりますのでお聞きいたします。今回
独立行政法人
化される
研究所
に
放射線医学総合研究所
がありますが、
東海
村での
ジェー・シー・オー臨界事故
でこの
研究所
はどういうような
役割
を果たしておりますでしょうか。
興直孝
8
○
政府参考人
(
興直孝
君)
先生
の御
質問
に対しまして御
説明
申し上げます前に、一昨日のおわびと、また今後の私の姿勢につきまして一言御
説明
させてくださいませ。 一昨日、
政府参考人
としての私の
出席
がおくれましたことによりまして、
林先生
はもとより
委員会
の
皆様方
に御迷惑をおかけいたしました。まことに申しわけございません。先ほど
大臣
から
発言
がありましたとおり、私は今後、国会の
審議
に当たりまして全身全霊を打ち込んでまいりますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。 ただいま
先生
から御
質問
のございました
東海
村の
ジェー・シー・オー事故
に当たっての
放射線医学総合研究所
の
役割
、行った
措置
でございますけれども、
放射線医学総合研究所
は、
事故
当日の午後三時過ぎに三名の重度の
被曝患者
を受け入れ、
緊急被ばく医療ネットワーク会議
の助言のもと、
治療
を行ってまいりました。 また、
事故
後の
住民対応
といたしまして、十月中旬より茨城県の
住民
の方に対する
放射線
の人体への影響に関する
説明会
を実施するとともに、週二回
東海
村におきまして
放医研
の医師による
健康相談
を実施してきているところでございます。 さらに、
被曝者
の正確な
線量推定
のため、
原子力安全委員会健康管理検討委員会
の
方針
に従いまして、十一月中旬には
住民
の
方々
の
行動調査
を実施してきたところでございます。
林紀子
9
○
林紀子
君 お答えのように、この
放医研
というのは大変重要な
役割
を果たしてきたと思います。
局長
にもう一点確認したいところがあるんですけれども、九七年の六月に改訂されました
防災基本計画
では、
緊急被曝医療
の
中核機関
、こういうことでこの
放医研
が位置づけられております。
放射線事故
が起こったときには、まず第一
レベル
、
原子力施設
内の
救急医療施設
で
被曝者
に
対応
する。そして、ここで
治療
が難しいとなると第二
レベル
、
地域救急医療機関
、今回は
国立
の
水戸病院
がそれに当たると思うんですが、そこに運ぶ。そして、そこでも
対応
し切れないときは第三
レベル
、
放射線専門病院
に搬送する。 この第三
レベル
が
中核機関
、
放射線医学総合研究所
ということになると思うんですけれども、この
緊急被曝医療
の
中核機関
というのは、この
放医研
以外には日本ではどこにありますでしょうか。
興直孝
10
○
政府参考人
(
興直孝
君) 御
説明
申し上げます。
放医研
以外にはございません。
林紀子
11
○
林紀子
君 この
放医研
以外には
緊急被曝医療
の
中核機関
というのがないと、これがただ
一つ
だということがわかりました。
放射線
の
重大事故
が起こりますと、例えば
原発
のある
地域
、遠いところでは
北海道
の
泊原発
、南は鹿児島県の
川内原発
、全国十九カ所に
原発
というのは散らばっているということですが、この
放医研
の
医療チーム
がいざ
重大事故
だということで直ちに
現地
に赴くにしても、また
重傷者
が今回のようにここに搬送されるにしても、
国内唯一
の
被曝医療
の
中核機関
として今後
人員
、設備、あらゆる面での
充実
がどうしても必要だと思うわけですが、
科学技術庁長官
としてこの
予算
についてはどういうふうにお考えになっておりますでしょうか。
中曽根弘文
12
○
国務大臣
(
中曽根弘文
君)
原子力災害
の際、
放射線医学総合研究所
の果たす
役割
は大変重要でございます。 今回の
事故
の
教訓
も踏まえまして、緊急時
被曝医療体制
のさらなる
充実強化
が必要であると考えておるところでございます。このため、第二次
補正予算
におきましても
医療機器
の
整備等
を行うとともに、
緊急被曝
に関する
医療ネットワーク
のさらなる
有効活用
ができる
体制
を平時から
整備
し、緊急時における迅速かつ的確な
対応
を図ることといたしております。 今後とも
放射線医学総合研究所
の
緊急被曝医療体制
の
充実
に努めてまいりたいと思っております。
林紀子
13
○
林紀子
君 今、八億円の
補正予算
という
お話
がありましたけれども、
放医研
には
ヘリポート
がなかったということです。だから、今回の三人の
重傷者
はかなり離れた
ヘリポート
におろされて、そこからさらに四十分かかって
救急車
で
放医研
に運び込まれたということを聞いております。 ですから、そこで
ヘリポート
をすぐつくるというのはぜひとも必要なことだと思います。また、
無菌ストレッチャー
を備えるとか、
応援者
の
宿泊施設
もつくる。今までどうしてこういうものがなかったのかなと不思議に思うほどですけれども、早速手を打ったということは大変結構なことだ、当然なことだというふうに思うわけです。 しかし、これは機材をそろえたということで、何よりも
人員増
が必要、ここには今メスを入れていないわけです。
放医研
の三百八十七名の定員のうち七十三人が
病院関係者
、お医者さんはそのうち二十名だそうですね。そのほとんどが
がん治療
の最先端である
HIMAC
、この装置での
がん治療
に従事しているということを伺いました。
緊急医療用
の
人員
というのは実は配置されていないというのが現状だということです。 ですから、これは朝日新聞でも報じられておりましたけれども、今回の
重傷者
は三人だったから何とか
対応
できた、それも
大学病院
などから
応援
に入ってもらってようやくこれに対処をした。もし十人以上の
重症
の
被曝者
が出たらもうお手上げでどうにもならなかっただろう、こういうふうに
関係者
は口々に言っていたということなんですね。 この
放医研
では、現在、
染色体
の損傷を判定して
放射線
の
線量評価
をできる
スタッフ
というのはかなりの数いるということですけれども、これも
基礎研究
の積み重ねがあったからだというふうにおっしゃっているわけです。ですから、今後、
研究部門
にももちろん力を入れていかなければいけない。 また、私はこれは直接
お話
を聞いたんですけれども、
原発
を抱える
地域
では、第二次
レベル
の
医療機関
だけではなくその
地域
の
一般病院
にも
被曝医療
の実情をもっともっと教えてほしい、流してほしい、
人材育成
も
強化
してほしい、こういう切実な声があるわけです。 こうした声にこたえるために、
人員配置
、
人員
をふやす、それを本気でやる気があるのかどうか、その御決意を
科学技術庁長官
からお聞きしたいと思います。
吉川芳男
14
○
委員長
(
吉川芳男
君)
興原子力局長
。
林紀子
15
○
林紀子
君
長官
にお聞きしたんですが、どうですか。
中曽根弘文
16
○
国務大臣
(
中曽根弘文
君) 大変失礼いたしました、御
質問
の事前の
お話
がなかったものですから。 今回のいろいろ
事故
の反省から、今後
厚生省
の方の
関係
で、
医療体制
、
人員
の面につきましても配慮を行っていくということを今検討しております。また、
放医研
の方におきましても、現在いる
スタッフ
の中で今後も
強化
を行っていく、そういう
方針
でございます。
林紀子
17
○
林紀子
君 現在の
スタッフ
の中でということなんですけれども、先ほど申し上げましたように、ここでは
人員
がちゃんと確保されていなかったわけですね、緊急の
被曝者
のための。そうしますと、現在の
スタッフ
ではもう足らないんだ、そのことは今るる御
説明
したつもりなんですけれども。 ですから、もちろん
医療
という
部分
では
厚生省
の方
もちゃんとやっていただかなくちゃいけませんけれども
、この
放医研
というのはそもそも
科学技術庁
の管轄の
部分
ですね。ここが第三次
レベル
なんですから、どうしてもここにきちんと人をふやしていかなくちゃいけない。いかがでしょうか。
興直孝
18
○
政府参考人
(
興直孝
君) 御
説明
させていただきます。 今、
先生
の
お話
がございました点につきましては先ほど
大臣
から答弁をいたしましたが、まず今回のこの問題の
教訓
といたしまして、
原子力施設
を抱えているところにおける緊急時
医療
が十分でないという問題が顕在化したところでございます。
放射線医学総合研究所
は
千葉
の方にありまして、確かに第三次
医療機関
として専門的な
対応
をとるわけでございますが、
現場
の
医療体制
を
充実強化
すべきであるというのが地元の
方々
の大方のお声である、このように考えてございました。 今回、この
補正措置
の中におきまして、
厚生省
の方におきましては
国立病院
あるいは
地方
の
病院
の
整備
というふうな助成の
対応策
も同時に講じてきてございまして、あわせて文部省におかれましても
大学
の
病院
の
整備
も図ろうとしているところでございます。 先ほど来
先生
から
お話
ございますように、
放射線医学総合研究所
は、第三次
医療機関
としまして最後の銃後のかなめとしての
役割
を担うわけでございますが、
他方
、また
現場
における積極的な
医療陣
に対する指導、このあたりも重要でございますので、先ほど申し上げました
厚生省
の
国立病院
とかあるいは
地方
の
病院
でそういう
医療機関
として
整備
されるようなところに対しまして、緊急時があれば途端に派遣されて
現場対応
をし、なおかつ必要な場合には
千葉
の方の
放医研
の方に
患者
さんを移送の上
対応
する、こういう形をとる予定でございます。
他方
、また
先生
の方から
お話
ございました
放医研
の
スタッフ
は少ないのではないかという御
質問
でございますけれども、現在
放射線医学総合研究所
は、この
緊急被曝対応
というものをとるに当たりまして、先ほど私も御
説明
したつもりでございますが、
緊急被ばく医療ネットワーク会議
というものを設けてございます。例えば、
委員長
に
東京大学
の
救急医学講座
の教授でございます
前川先生
、またその
委員
のお一人に
東京大学医科学研究所
の
附属病院長
である
浅野先生
がいらっしゃるわけでございます。 今回三名の方が
放医研
の方に入られました上で、所要の移植を必要としまして、
東京大学病院
並びに
東京大学医科学病院
の方に現在
入院
をなさっているわけでございますけれども、これも
放医研
の
緊急被ばく医療ネットワーク会議
としての活動の一環でございます。
林紀子
19
○
林紀子
君 その
ネットワーク
をつくって、それが今回フルに生かされたという
お話
は聞きました。東大とそれから
あと東京医科学研究所
でしたか、一人ずつ
入院
なさっていますね。 しかし、今
国立病院
とか
地方
の
病院
をきちんと
整備
をしていくという
お話
がありまして、それは非常に重要だと思うわけです。
現地
でもそういう声が出ているのは確かです。しかし、それならば、第三次
レベル
、第三次
医療機関
の
役割
は何なのかということになるわけです。 こういう
重大事故
が起こった場合、すぐ
医療チーム
を組んで、そこへ飛び出していくということも
一つ
の役目でしょう。だけれども、飛び出していくには
HIMAC
の
がん治療
をしながら片手間で飛び出していくなんということはできないわけですよ。
HIMAC
の
治療
というのも今五十人か六十人の
入院患者
がいて、五、六十人毎日通ってくる人がいる。だから今回の場合も、もし
被曝医療
の方に全力投球しちゃって、
がん治療
をしている人にもし何かがあったらどうするか、そういうことも非常に危惧を抱きながらやったということなんですね。
総務庁長官
にお聞きしたいんですが、今の
やりとり
を聞いておりまして、この
放射線医学総合研究所
の
重要性
、
役割
、どういうふうにお感じになりましたか。
続訓弘
20
○
国務大臣
(続
訓弘
君) 今、
林委員
との
やりとり
を伺いながら、この
放射線医学総合研究所
が大変重要であるということは私
自身
も認識しております。
先ほど林委員
がおっしゃいました総
人員
は三百八十七名、その中で
医療スタッフ
は七十三名、
研究員
が百九十三名おります。そんな中で、御案内のように十一年度の
予算
も
債務負担
三億円を含めて百五十七億円の
予算
がございます。 したがいまして、私は、
独立行政法人
化することによって、この三百八十七人の枠の中で、今、
大臣
やあるいは
局長
が答弁されたように、あるいは
林先生自身
が御心配なさるように柔軟な
対応
、そしてその柔軟な
対応
の中で今御指摘のような
対応
ができるようなそういうシステムをつくっていくのが今回の
独立行政法人
だと、こんなふうに思います。
林紀子
21
○
林紀子
君 それじゃ全然解決にならないということですよ。柔軟な
対応
。確かにこんなに重大な
事故
が起こったわけですから、
現場
の
方たち
はもう必死にやっている。必死にやっても三人で限度だ、十人だったらどうしようと言っているわけですからね。柔軟な
対応
なんかできるはずがない。 ですから、本当は
HIMAC
の
治療
などもしながら、ふだんから余裕を持った
人員配置
をして、いざというときはそういう
人たち
が後顧の憂いなく
重症
の
被曝地
にも駆けつける、それから、こういう
被曝者
も受け入れながら
治療
をするということが大事だと思うんです。 だけれども、
独立行政法人
になったら柔軟な
対応
と今おっしゃいましたけれども、
独立行政法人
の
制度そのもの
というのは
中期計画
、
大臣
が定める
中期計画
には
効率化
を数値化した
収支計画
を組まなければならない、こういうふうになっているわけですね。
会計
は
企業会計原則
によるもの、こういうふうになっているわけです。 そうしますと、
放医研
で、例えば
HIMAC
の
治療
をしながら、
被曝者
がいざ生まれたときにそれに
対応
するような
人員
を組むといたしますと、こういう
人たち
は実際働く場面がないというのが一番いいわけですね。組んでもそれはむだになったというのが一番いいわけですよ。そうなったら、
企業会計原則
なんというのはどういうふうに当てはめるんですか。 ですから、私は思うんですけれども、今、新法をつくって、
原子力防災
の
強化
をしようとしているわけです。
国内唯一
の
緊急被曝医療機関
、この
放医研
を
独立行政法人
にどうしてしなければいけないのか。
放射線重大事故
は絶対に起こらないと想定していたときに、この
放医研
というのを
独立行政法人
にしようというのを決めたんです。だから、今状況は変わっているわけですから、
ジェー・シー・オー事故
でこれを
独立法人
にしてまさに
企業会計
でぎりぎりの運営をしていくなんというのはだめだということがよくわかったわけですから、この
放医研
の
独立行政法人
というのはぜひ見直すべきだ、考え直すべきだ、このことを
科学技術庁長官
にも、また
総務庁長官
にも厳しく申し上げておきたいと思います。 もう一点、私は、
美術館
、
博物館
の
独立行政法人
についてもお聞きをしたいということであれしていたので、今度はがらっと
大臣
にかわっていただかなくちゃいけないんですけれども。
独立行政法人
になると、主務
大臣
が三年—五年の中期目標を決めて、そして
独立行政法人
はそれに従った
中期計画
を立てて評価を受ける。
大臣
の立てる中期目標というのは、
効率化
、サービスの質の向上、財務内容の改善を数値化して示す。
博物館
、
美術館
の場合、一体どういうものを数値化するのか。これがまた奇々怪々、不思議といいますか、そういうところがあるわけなんですけれども、どうでしょうか。
近藤信司
22
○
政府参考人
(
近藤
信司
君) お答えをいたします。
独立行政法人
国立
博物館
、
国立
美術館
に対しまして示す中期目標でありますとか、それに基づいて行う業務の評価につきましては、全体の一部を構成するものとして例えば入館者数などの数値を用いることが考えられるわけでありますけれども、いずれにいたしましても、現在、文化庁の中に専門家
会議
を設けまして、そこで中期目標のあり方でありますとかあるいはその評価の方法につきましていろいろと幅広い観点から御議論をいただいておるわけでございます。こういった専門家の意見なども聞きながら、今後、十分に検討してまいりたい、かように考えております。
林紀子
23
○
林紀子
君
博物館
や
美術館
、これを目標を立てて評価をするときに、一律に数値化するというのは無理だというのは当然だと思うんです。今、入館者数、
美術館
、
博物館
、これで数値というのは見えてくるわけですけれども、このごく一面だけを取り出して目標として将来を左右するような評価がなされるということになったら、これはそれこそ文化や芸術には全くふさわしくない方法だというふうに思うわけです。
美術館
を対象にこういった評価を試みたところがあるんです。私も評価の数値なども見せていただきましたが、これは岐阜県
地方
自治
大学
校が岐阜県の県立
美術館
を対象に評価をしたというんですけれども、その担当者は評価をした結果、展覧会の入場者数のみで評価がなされるのであれば、外国の有名作品の展覧会を行えばその数値はぐっと上がるというんです。しかし、それでは、これは県立
美術館
ですから、県の文化を育てるという使命は果たせないために総合的な評価が重要だ、こういうふうに述べているわけです。 私は、
国立
西洋
美術館
の高階館長から
お話
を聞かせていただきましたし、また
国立
西洋
美術館
が発行いたしました「西美からのメッセージ」、こういう冊子も読ませていただいたんです。そして、そもそも
博物館
、
美術館
の機能というのは展覧会をするだけじゃないんだ、それ以外に美術品の作品の収集とか管理とか保存、調査研究、美術の情報収集と公開、
美術館
教育、本当に多方面にわたって非常に重要な機能を担っているということがよくわかりました。そして、こうした
役割
を十分に果たしていこう、これは「
国立
西洋
美術館
二十一世紀将来構想」と書いてあるんですけれども、今後こういう目標でやっていこう、その意気込みというのをひしひしと感じたわけです。
独立行政法人
というのは、
文部大臣
が中期目標を定めて、それに従って
美術館
は
中期計画
をつくらなくちゃいけない。そうなりますと、まさに
博物館
、
美術館
がみずから考えている二十一世紀にわたってこうしようという、こういう意欲的な目標というのは一体どういうふうになってしまうんでしょうか。
近藤信司
24
○
政府参考人
(
近藤
信司
君) お答えをいたします。 今、文化庁のもとに
国立
博物館
・
美術館
に関する懇談会というものを設けておるわけでございますが、この十一月に評価等に関するワーキンググループというものを設けまして、今、
委員
から御指摘がございました高階
国立
西洋
美術館
館長を主査にいたしまして、
大学
の
先生
でありますとかいろんな
方々
から
国立
博物館
、
美術館
の評価の問題を御議論いただいておるわけでございます。 いずれにいたしましても、貴重な国民的財産であります文化財の保存、活用あるいは文化の振興を図るという観点、その目的にかんがみまして実施をしていくということが大切でございます。展示、企画についての評価でありますとか、調査研究活動についての評価あるいは教育・普及活動についての評価など多種多様にわたるわけでありますけれども、いずれにいたしましても、そういった
博物館
・
美術館
活動の特性を踏まえて適切に行っていく、それが大切なことであろう、そのように考えております。
林紀子
25
○
林紀子
君 そうしますと、高階館長の意見なども大いに取り入れられるわけですから、この目標というのに沿って中期目標・計画の中に反映されるというふうに思いたいと思うわけですけれども、そうなりますと
予算
と人というのがまたまた必要になってくるわけですね。 今、
国立
博物館
・
美術館
関係
予算
というのは日本では八十億円余りというふうに言われておりますけれども、これに比べまして、フランスでは二百四十億円、イギリスでは四百十三億円、イタリアでは維持費だけでも二百六十六億円、こういう数字があります。それぞれの
美術館
、
博物館
、各国比べますと、設置形態、成り立ち、大いに違いますから一概に比較はできないとは思うんですけれども、しかし、この八十億円というのはやっぱりけた違い、本当に少ないんじゃないかと思うわけです。 これ以上スリム化、
効率化
できないというところで現在も
博物館
、
美術館
は運営されていると思うんですが、
独立行政法人
化したからといって、
予算
を今以上に減らすということはありませんね。これは
大臣
、お答えください。
中曽根弘文
26
○
国務大臣
(
中曽根弘文
君)
独立行政法人
の行う事業または事務に関する必要な経費につきましては、
独立行政法人
通則法第四十六条におきまして、「政府は、
予算
の範囲内において、
独立行政法人
に対し、その業務の財源に充てるために必要な金額の全部又は一部に相当する金額を交付することができる。」と規定をされております。 文部省といたしましては、
国立
博物館
、
美術館
が現在行っております事務事業を
独立行政法人
に移行するに際し、当該事務事業を確実に実施するための所要の財源
措置
に努める所存でございます。 また、この
独立行政法人
に対する財源
措置
についてでございますけれども、平成十一年四月の中央省庁等改革推進本部決定におきまして、「
独立行政法人
は、一般的には独立採算制を前提とするものではない。
独立行政法人
への移行後は、国の
予算
において所要の財源
措置
を行うものとする。」旨規定をされているところでございます。 文部省といたしましては、本部決定の趣旨を踏まえまして、所要の財源
措置
に努めてまいりたいと思います。
林紀子
27
○
林紀子
君 そこで、私は河村次官にお伺いしたいと思うんですけれども、先ほど申し上げましたように、
美術館
の機能というのは展覧会だけじゃなくいろいろな多面的な機能があるんだということなんですが、河村次官は
衆議院
の
委員会
の場で、運営交付金については配慮するというお答えをなさったと思うんです。その運営交付金の配慮という言葉はちょっと漠然としているんですが、こうした
美術館
のさまざまな機能、本当に計画に盛り込んで二十一世紀に大いに発展させる、そのための配慮というのは、ふやすことはあっても減らすことはない、将来にわたって、そういうことだと受け取ってよろしいですね。
河村建夫
28
○
政務次官
(河村建夫君) 先ほど
大臣
も御答弁された中にございましたが、私が申し上げたのは、ことしの四月の中央省庁等改革推進本部決定の中に、特に移行時の
予算
措置
に当たっては、
独立行政法人
はこれまでの公費投入額ということを十分踏まえた上でこの
美術館
、
博物館
の事業が確実に実施されるように十分配慮するものであると、こういうふうに規定をされておりますから、その方向で考えておりますということであります。 もちろん、おっしゃったように、十分にこれをやらなきゃいけない上でふやす必要があるということになればふやさなきゃいけないでしょうし、さらに入館料等々の問題もございますから、しっかりとしたまた御努力もお願いをしなきゃいかぬ、こういうことを総合的に勘案して十分な配慮をしていかなきゃいかぬ、こういうふうにお答えしたと思います。
吉川芳男
29
○
委員長
(
吉川芳男
君) 時間でございますから。
林紀子
30
○
林紀子
君 配慮という言葉がやはりまだわからないで終わってしまうんですけれども。 九七年五月の行革
会議
ヒアリングで、
博物館
、
美術館
として国際的にも少ない職員数で効果的な運営を実施しているんだと、日本の
博物館
、
美術館
について文部省
自身
が述べているわけです。ですから、本当に文化を国の責任で守るという立場で、
博物館
、
美術館
は
独立行政法人
にするのではなく国の機関として責任を持つべきだということを申し上げて、
質問
を終わらせていただきます。
吉川芳男
31
○
委員長
(
吉川芳男
君) 本日の
質疑
はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後六時三十四分散会