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谷林正昭君 ありがとうございました。
実は、きのうバスの運転手さんとタクシーの運転手さん千五百名ぐらいがこの国会周辺で集まりまして、これからの法案作成に向けて、自分
たちの生活実態や職場環境、あるいは自分
たちがこれまで営々と築いてきた、そういう産業に自分
たちが立派にしてきたという、そういう
気持ちを込めながら幾つかの請願も
大臣にしておりますので、ぜひ機会をとらえてその請願も見ていただきたいな、そしてそれをぜひ法律に組み入れていただきたい、改めてお願いする次第でございます。
次に、具体的な内容で恐縮でございますが、タクシーの話に入らせていただきます。
今ほども言いましたように、タクシーの運転手さんがきのう、それこそ自分
たちはもう死ぬか生きるか、こういうような
気持ちで運転をしている、あるいは頑張っている、そういう
気持ちをわかってもらいたいといって、今ほど言いましたように多くの方が集まりまして、そして市民の
皆さんや多くの
方々に、タクシーの横に、ボディーに自分
たちの
気持ちをあらわしたものを張って一日行動をされました。あちらこちらでそういうものを私も見ました。
今のタクシーの
状況はどういうことかといいますと、御承知のとおり町は空車であふれております。まさに需給バランスが崩れました。それまで、二年前までは需給調整ということをきっちり
行政の方でやっていただいて、まさに需要者と供給する側が心の通い合ったようなやり方でタクシー産業というのは成り立っておりますし、新しい産業としてようやく国民に根差してきた、そして信頼されてきた。それは、ひとえに産業を頑張ってこられた、経営者の
皆さんもございますが、そこで一人一台を持って頑張っておいでになる運転手さん、こういう
方々がその産業の発展にどれだけ寄与してきたか、これは口で言えるような
状況じゃないと私は
思います。物すごい努力があったというふうに思っております。
ところが、最近はまさに
規制緩和の前段であります需給調整の見直しということがありまして、今
全国で、細かい数字は時間的にあれなものですから申し上げられませんけれども、三万台を超えるものが供給過剰になっている、実はこういうふうな統計も出ております。そういうことからいきましたら、今タクシーの
状況は、町には空車があふれる、一方ではお客さんがふえない。これは不況ということもあります。
私は富山でございますので富山の実態を少し調べてみました。富山では、一九九一年、約十年前三万二千円の一日の売り上げがあったものが、今は二万九千円に下がっている。これは本来でしたら上がっていくというのが普通だと
思いますが、それが下がってきている。そういうような
状況。
そこに、それに伴って今のタクシーの運転手さんの賃金体系は、恐らく御存じないと
思いますが、これは昭和三十年代の神風タクシーのときは需給バランスが逆だったんです。お客さんはたくさんいるけれども車がいない、こういうような
状況で、ばんばんばんばん神風のようにあっち行ったりこっち行ったりしながらやる。そうしたときに、歩合給ということになっておりましたから、給料のバランスが崩れるということで、タクシー運転手には歩合は好ましくない、固定給にした方がいい、こういうような方針も
政府の方で
行政から出ております。
そういうことを
考えたときに、今はその逆になりまして、需給バランスはその逆に崩れてしまって、運転手さんはオール歩合になってしまって、オール歩合の中で運賃収入が下がっているということでありますから、今四百万どころか三百六十万に一年間の収入がなってしまっている。私は国会議員という立場であって、月給百三十六万いただいております。年間でいきますと三千万近くなります。ところが、タクシーの運転手さんというのは一年間夜も寝ないで頑張って四百万いかない、こういう生活を今余儀なくされているというのが実態であります。
この後、
規制緩和という問題がどんどんタクシーの産業にも入っていきます。これは競争という観点からはやむを得ないと
思いますし、閣議決定もきっちりされておりますから政策としてはやむを得ないと
思います。しかし、新しい法律をつくるに当たって、ぜひ、そういうタクシーというのは運転手一人に車一台なんです。大量生産だとかそんなことはできません。したがいまして、運転手さんがこれまでつくってきた産業、そういうものが
規制緩和という名の
もとにガラガラガラと音を立てて崩れ去ってしまうようなそういう産業にしてはいけないと私は
思います。
そういう
意味で、ぜひタクシーの話についてこれから少し
大臣にわかっていただきたいというふうに
思いますので、まず公共
交通としてのタクシーの位置づけをお聞かせいただきたいなというふうに
思います。