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西山登紀子君
日本共産党の
西山登紀子でございます。
昨日の本会議で、私も党を代表して代表
質問をさせていただきましたが、その際に総理に、安全神話にとらわれて
安全対策を怠ってきたことについての謝罪と、根本的なその転換をまず最初に御
質問をさせていただいたわけです。そしてまた、今回の
ジェー・シー・オーの
事故への対応のおくれについても
質問をいたしました。
結局、しかし、いただきました総理の
答弁は、例えばこういうことです、「
原子力開発利用に当たりまして、
安全確保に細心の注意を払い万全を期することを
大前提に、これまでも最新の科学的知見に基づき厳正に安全
規制を行ってきたところであります。」というのがまず最初の御
答弁であり、
事故への対応のおくれについての私の
質問に対しましては、「
事故現場の
状況につきまして得られた
情報をもとに、
政府としては可能な限りの判断と対応を行ってきたところであります。」ということで、今まで問題にされてきたようなことにつきましては、それこそ問題はないんだと、
政府は可能な限りの判断と対応をやってきたんだということの御
答弁でございました。私はこの点については大変納得することができない。多くの国民の皆さんも恐らくそのように思われると思います。
〔理事馳浩君退席、
委員長着席〕
そこで、
大臣にお伺いしたいんですけれども、この間繰り返し、直接の責任は
ジェー・シー・オーだけれどもそれだけではないよと、そういう
事故を起こしてきた
政府の責任については、もうるる当
委員会でも何度も
質問をされてきたところでございます。
そこで、現場の責任者として大変な苦労をされた
東海村の村長さんの御意見は私は非常に大事だろうと思っているわけです。私も、村上村長とは
事故の後、党の
調査団の一員としてもお会いをしました、十月二十七日のことでしたけれども、それから当
委員会の
調査のときにもお会いをいたしました。
村上村長は、もちろん国の安全神話の呪縛にとらわれていたということに対する国の責任を厳しく批判しながら、しかし同時に、
加工施設ではそういう
臨界事故は起こらないというふうに思っていた自分の不明も恥じるということを率直に私たちにも申されたわけでございます。
政府はそういう反省は全く今まで聞かれません。
私は、
衆議院の公聴会で村上村長が陳述をなさっている速記録をいただきましたが、非常に大事なことだと思いますので、
大臣に、この村上村長が指摘をしている今回の初動対応のおくれということについて、三つの原因を挙げていらっしゃるんです、三つの原因。ほかにもいろいろ、自分としてはふんまんやる方ない思いだと、
政府と
事業者を信じてきた
東海村村民はお人よしであったのかというようなことをるる述べられた後で、今回の初動対応のおくれということが問題になっているが、私はその原因を挙げれば三点あると。
その一つは、やはり想定外の
事故だったという思い込みから
臨界という
事態への認識に手間取ったということが一点あると思います。今回、村が独自に三百五十メーター範囲の
住民の
避難勧告をしたんだけれども、私は今となってみますと、評価されているんだけれども疑問に感ずると。
避難を開始したのは
事故発生後実に五時間が経過していたからだということを加えて発言をされているわけでございます。
第二の初動のおくれというのは、やはり
原子力事故を想定した防災法を制定することに対して
政府と
事業者は憶病であったのではないかと私は思っていると。
原子力事故に対する法整備も組織体制整備も欠いておりました関係で、有効な処方せんを当初初動体制では持っていなかった。これが二点目の原因だと。
三つ目、現地、現場重視と
住民保護の観点がどうも私どもとしましては薄かったのではないか。村は、科学的な解析よりも、
状況判断により
住民保護を優先したのは事実でございますがということで、三つの問題を挙げていらっしゃいます。
私は、あの
事故の中で村上村長が、いろいろな
状況が本当に手にとるように入ってこない
事態の中で、とにかく村民の安全を第一にということで三時に
避難勧告を出していらっしゃるんですが、これも現地に行って聞きましたら三百五十メートル、図にしますと、円を描きますとそれは三百五十メートルでぐるっと円は描けるんですけれども、
ジェー・シー・オーから三百五十メートル範囲といったって
住民の皆さんは
ジェー・シー・オーがどこにあるのかわかっていらっしゃらないわけですから、そんな
情報を流したって逃げられないということで、結局いろいろな区域をきちっと選びましたところ、結局こういうふうなひし形のような区域になって、村民の
避難を指示するということ、これになりました。(資料を示す)
そのときの村長の判断というのは、それこそ
ジェー・シー・オーの職員はもう全部逃げているんだからこれは逃がさなくちゃという、本当に現場感覚といいますか、そういうところで判断をしたというふうにおっしゃっているわけです。この現場の緊張した村長の判断、そして国会に出てこられたこの陳述、その点を非常に真摯に私は受けとめるべきだと思いますけれども、
大臣のお考えをお伺いします。