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西山登紀子君 当時の許可されていたとおりにやっていたら
事故は起こらなかったんだ、違反を起こしたのは
ジェー・シー・オーなんだとおっしゃっているけれども、私はそうじゃないと思うんです。行ってみて
二つの
調査ではっきりわかったことは、一貫して
形状管理されていない
施設で
質量管理が手
作業で行われれば、
作業員が計量や濃度管理を間違えれば
臨界に達する
可能性が強い仕組みになっていた、もともと、許可したときから。
先日、十月二十七日に我が党
調査団が参りまして、志位団長が
ジェー・シー・オーの幹部にこのように聞きました。このもともとのシステムでは、許可されたとおりに、許可された手順に従って
作業を実施しても、
作業員が間違えれば
臨界事故は起こるんじゃないですかと聞きましたところ、
ジェー・シー・オーの幹部もこれをお認めになったんです。専ら人手による
質量管理を残して、その上、百リットルという増量を誘うような
沈殿槽の
形状を許したところに審査上の初歩的なミスがあったのではないかと思います。
この点についてお聞きしても、何度お聞きしてもお認めになりませんので、このことはまた続けてお聞きするとして、次のテーマに移りたいと思うんです。
今回の
事故は、
ジェー・シー・オーの職場の安全教育も非常にずさんだったということが問題になっているわけですけれども、当
委員会の
調査のときに、私は
ジェー・シー・オーの教育マニュアルというものを提出してくださいというふうにお願いをいたしました。
事故の
作業員の方は、当日お聞きしたところ、お二人は回復が見られるということ、しかしお一人の方は依然重体だというふうにお聞きしたわけです。スペシャルクルーと名づけられていたそうですけれども、このグループは、しかし、
臨界についての特別な教育はされていませんでした。
臨界の危険性が十分教育されていれば、命を犠牲にしてまで今回のような
作業をやるでしょうか。
ジェー・シー・オーの教育マニュアルの中身はどうなっていたか調べてみました。
ジェー・シー・オーの方から私の手元に宅急便で送られてきた教育マニュアル、その部分に「
臨界安全」という部分がございます。これは非常に大事な点でもございますし、私、少し時間がかかりますが、ゆっくり読ませていただきます。
臨界安全
臨界とはU235が連続的に核分裂反応を起こす
状態を言い、原子炉ではこれにより熱エネルギーを発生させている。しかし、我々の工場では絶対に核分裂連鎖反応を起こしてはならない。
上記のような
臨界状態を起こさないために色々な制限があり、それを守るための指示書や手順書がある。また人の行動には間違いがあることを前提に、物理的な制限が加えられている。
色々な制限方法を挙げると次の
三つがある。
(1)質量制限 一度に取り扱う量は定められた量以下にする。
(2)濃度制限 Uの濃度は定められた濃度以下にする。
(3)
形状制限 Uを取り扱う
設備の
形状を安全
形状に設計する。
たとえば、
設備の直径、厚みは安全値に設計する
こういうふうに物理的な制限が加えられているということを述べています。その後で、
Uは放射性物質であり、従って放射線を出すが、Uの放射線は微弱でUに触れることがあっても
障害を起こすことはない。しかし粉塵を吸入する事はさけなければならない。そのために、粉末をオープンで取り扱う
作業がある場合は必ず所定の防塵マスクをしなければならない。
Uは放射性物質で且つ核燃料物質であることから世間
一般には怖がられているが、規則を遵守した取り扱いをすれば、全くおそれる必要がなく心配もない。
このように
説明がされているわけでございます。
これは教育マニュアルですけれども、そこの問題点は、人の行動には間違いがあることを前提にして物理的な制限が加えられているから大丈夫なんだと、こういうふうにむしろ教育マニュアルはなっているわけです。そして、世間
一般には怖がられているけれども、全く恐れる必要がなく心配もないものだというふうに最後はだめ押しがされているわけでございます。
つまり、
ジェー・シー・オーの教育というのは、手順を間違えば起こり得るよと厳しく警告をして、そして全体のものにするというそういう教育がなされていないで、むしろ安全神話に基づいた教育になっていた。こういう点が私は非常に問題だというふうに思ったわけですけれども、長官はこういう
ジェー・シー・オーの教育マニュアルの中身をごらんになっていらっしゃるでしょうか。そして、ごらんになったときにどういうお考えをお持ちになったでしょうか。