○木島
委員 内容について入りたいと思うのです。
私は、率直に言ってたくさんのことを
指摘したいのですが、法曹一元の問題について集中的に、この文書に盛られている最高裁の認識について
お尋ねしたいと思うのです。
最初に、この文書は、戦後の
司法制度改革はどのように行われてきたかという論述をしております。第一期は新
制度の草創期、そして第二期は理念的対立による停滞期という位置づけであります。その中に、こういう文章があるのですね。
昭和三十七年、裁判官の確保の方策等について検討するため臨時
司法制度調査会(臨司)が設置され、法曹一元問題、裁判官及び
検察官の任用・給与に関する
制度等を中心として検討された。昭和三十九年に出された
意見書は、法曹一元問題のみならず、当時の
司法制度全般にわたって検討を加えた総合的な改革の指針ともいうべきものであった。
これはいいのです。しかしその次に、
しかし、日弁連は、臨司
意見書につき「法曹一元に対し消極的姿勢を示し、民主的
司法の理念と相容れない官僚制的側面の除去に熱意を欠き、訴訟促進や裁判
手続の合理化を追求した能率主義にとらわれている」などとして、これを厳しく批判し、この
意見書に沿った改革に協力できないとの姿勢をとった。そのため、その後は、基本的に臨司
意見書に従って
制度改革を進めようとする
裁判所・
法務省と弁護士会との間の対立が顕著となり、法曹三者の合意を要する改革は著しく困難となった。
こういう
指摘をしておるのですね。
私は、驚くべき最高裁の現状認識だと思うのです。臨司
意見書は、もう最高裁も御存じのように、法曹一元
制度については、我が国においても
一つの望ましい
制度だと
指摘をしました。しかし同時に、あの当時、「現段階においては、法曹一元の
制度の長所を念頭に置きながら現行
制度の改善を図るとともに右の基盤の培養についても十分の考慮を払うべきである。」こうして、基盤が残念ながらまだ未成熟だという
立場に立って
意見書がつくられて、事実上、日弁連等からの法曹一元を速やかに実施すべきだという
要求に対して、これを先送りしてしまう、そういう
意見書になった、そこを日弁連は批判しているのですね。先送りさせちゃいかぬぞということで批判をしていたわけであります。
ところが、ことしの十二月八日に最高裁から
司法制度改革
審議会に出されたこの歴史的な経過に関する文書を見ますと、そうじゃないのですね。
裁判所と検察庁は
制度改革を進めようとしたが、弁護士会がむしろ消極的であったかのごとき文書になっているわけであります。
そこで、私は
裁判所にお聞きしたいのですが、では、この間、臨司
意見書を受けて、最高裁は法曹一元の基盤整備のために一体どんな
制度改革を一生懸命進めてきたというのか、まずこの点をお聞かせ願いたいと思うのです。