○福岡
委員 民主党の福岡宗也でございます。
私は、さきに大綱については大体質問をさせていただきましたけれども、きょうは、昨日行われました参考人
質疑についての、参考人の御意見を踏まえまして、二、三点だけ御質問をさせていただきたい、かように考えております。
法務大臣より簡潔に
お答えをいただきたいと思います。
昨日の
質疑におきまして、まず参考人の江川紹子さんは、オウムはいまだ危険な
団体であって、調査と
規制は必要であるとしながらも、オウム信者であるからということで何でもあり、また、これに対して違法
行為をすべて許容するという社会風潮は好ましくないのだといたしまして、まず第一に、
地域住民も、オウムに最低
限度のルールを強く求めているのであるから、みずからも違法
行為はやはり慎んでおく必要があるのだということ、さらに、行政も適法に執行をなすべきで、
規制は
規制としても、その
限度はきちっと守っていく必要があるのだという
指摘もされております。さらに、報道自体についても、ある
程度の距離を置いて冷静に事実を見詰めて報道すべきである、さらに、調査、
規制についても、やはり厳格な
要件のもとに必要
最小限度であるという
趣旨のことを述べられているわけであります。
さらに、内野教授は、やはりオウムに対する公権力の調査、
規制というものが必要な場合もありましょうけれども、その
要件としては、やはり
規制のための正当な
目的があるということ、それから
規制の具体的な手段というものは適当なものであるかどうか、これは十分に判断をしなければならないのだということを
指摘されまして、公権力で人権を制限するためには、
公共の
福祉、しかもそれが、差し迫った危険が具体的にある場合に限定すべきであるということですね。そして、住民の現在のオウムに対する恐怖心とか不安というものについては、この正当な
目的には当たるのではなかろうかということで、ただ、その場合でも、それぞれの
危険性の
程度と比較考量した妥当なものでなければならぬという
指摘をされました。
それから、千保市長も、これは転入届の拒否なんかもされまして、苦渋の選択をされておるわけでありますけれども、やはり基本的な考え方は、そのオウムに対する人権制限も、やはり
公共の
福祉を守るための必要な
限度でなきゃならないとされまして、私の質問に対しましても、転入についても、個別的な転入についてはやはり認めざるを得ないのじゃないか、そして、拠点づくりみたいなものについてだけはやはり制限するとかという、
公共の
福祉の限界というものを十分に検討したいということをおっしゃっているわけですね。
それから、さらに、先ほども
与謝野先生の方から御
指摘のありました、いわゆる就学の問題についても、市長としては、そういうものについては拒否
処分もしないし、ライフライン的なものについての供給も、やはり人権、生存権の問題だから拒否しないということも、これは言っておられるわけであります。
すなわち、どういうことかといいますと、それぞれ、報道、学者、さらに現場で苦慮しておられる人たちがすべて、やはり制限は必要であるけれども、
基本的人権の
保障というものをきちっと守っていかぬといかぬのだということは、それぞれ認識をされているわけであります。そうしなければ、何か悪があった、すべて何でもできるということではやはり法治国家とは言えないのだという観点は、それぞれ参考人はお持ちだったというふうに私は理解して、意を強くしたところでもあるわけであります。
そこで、私の第一の質問は、内野先生もこれは同意をしていただいたのですけれども、前もちょっと質問したと思いますけれども、
公共の安全のほかに住民の
生活の平穏ということもやはり、先ほどの適正
目的ということを言うためにはちょっとわかりにくいというか、抽象的な幅広いそういう
公共の
福祉ということだけではなくて、安全ということだけではなくて、具体的な恐怖、不安というのでもって
生活ができにくいという
状況にあるからこういう
法案があるんだということを明確にしておく必要があるのじゃないかというのがまず第一点であります。
それから、さらにもう一つの考え方は、やはり
要件事実を、やはり
憲法違反のそしりを免れず、万一これが通ったら、
処分について
憲法違反の争いが生ずるようでは困るわけですから、そうするとまた適正な執行もできにくくなりますので、そういうことを避けるためにも、
要件事実としては、やはり学者も言われているように、なるべく明確できちっとしたものにしておくということが必要だろうというふうに思うわけであります。
それには、やはり私の考えるのには、現在の
観察処分における
要件、一号から五号までございますけれども、具体的な一号から四号までのものについてはやはり例示的なものとして、第五号の
殺人を犯す
危険性が明らかだというような
要件を第一号で持ってきて、そういう場合はやはりこういう
観察処分ができるのだとして、なおかつ具体的な事例、こういうやり方が一番いいのじゃないかなというふうに思っておりますし、
規制処分もやはりそういうような形に
規定した方がいい。
したがいまして、これは急いでおりますので、検討がそう細かくできるかどうかということは問題であります、一言一句細かく検討していくということができるかどうかというのはありますけれども、将来的にもこういった問題をきちっと検討していくという歯どめをかけてもらいたい、かように思っているわけであります。
この二点について、まず
お答えをいただきたいと思います。