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1999-11-18 第146回国会 衆議院 行政改革に関する特別委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十一年十一月十八日(木曜日)     午前九時七分開議  出席委員    委員長 西田  司君    理事 甘利  明君 理事 伊吹 文明君    理事 熊谷 市雄君 理事 杉山 憲夫君    理事 松本 和那君 理事 古賀 一成君    理事 樽床 伸二君 理事 若松 謙維君    理事 中井  洽君       相沢 英之君    岩下 栄一君       岩永 峯一君    尾身 幸次君       金田 英行君    河井 克行君       倉成 正和君    高村 正彦君       坂井 隆憲君    新藤 義孝君       鈴木 俊一君    戸井田 徹君       西川 公也君    林田  彪君       水野 賢一君    宮腰 光寛君       宮島 大典君    持永 和見君       山口 泰明君    山本 幸三君       渡辺 具能君    池田 元久君       石井 紘基君    岩國 哲人君       枝野 幸男君    奥田  建君       金田 誠一君    田中 慶秋君       中川 正春君    赤松 正雄君       石田幸四郎君    遠藤 乙彦君       並木 正芳君    塩田  晋君       西田  猛君    三沢  淳君       春名 直章君    平賀 高成君       松本 善明君    畠山健治郎君       深田  肇君     …………………………………    国務大臣    (総務庁長官)      続  訓弘君    金融再生政務次官     村井  仁君    総務政務次官       持永 和見君    科学技術政務次官     斉藤 鉄夫君    大蔵政務次官       大野 功統君    文部政務次官       河村 建夫君    厚生政務次官       大野由利子君    通商産業政務次官     茂木 敏充君    自治政務次官       平林 鴻三君    政府参考人    (科学技術庁原子力安全局    長)           間宮  馨君    政府参考人    (建設大臣官房長)    小川 忠男君    衆議院調査局第一特別調査    室長           鈴木 明夫君     ————————————— 委員の異動 十一月十八日  辞任         補欠選任   田村 憲久君     宮腰 光寛君   枝野 幸男君     中川 正春君 同日  辞任         補欠選任   宮腰 光寛君     新藤 義孝君   中川 正春君     枝野 幸男君 同日  辞任         補欠選任   新藤 義孝君     田村 憲久君     ————————————— 本日の会議に付した案件  政府参考人出頭要求に関する件  中央省庁等改革関係法施行法案内閣提出第三号)  国立公文書館法の一部を改正する法律案内閣提出第四号)  独立行政法人通信総合研究所法案内閣提出第五号)  独立行政法人消防研究所法案内閣提出第六号)  独立行政法人酒類総合研究所法案内閣提出第七号)  独立行政法人国立特殊教育総合研究所法案内閣提出第八号)  独立行政法人大学入試センター法案内閣提出第九号)  独立行政法人国立オリンピック記念青少年総合センター法案内閣提出第一〇号)  独立行政法人国立女性教育会館法案内閣提出第一一号)  独立行政法人国立青年家法案内閣提出第一二号)  独立行政法人国立少年自然の家法案内閣提出第一三号)  独立行政法人国立国語研究所法案内閣提出第一四号)  独立行政法人国立科学博物館法案内閣提出第一五号)  独立行政法人物質材料研究機構法案内閣提出第一六号)  独立行政法人防災科学技術研究所法案内閣提出第一七号)  独立行政法人航空宇宙技術研究所法案内閣提出第一八号)  独立行政法人放射線医学総合研究所法案内閣提出第一九号)  独立行政法人国立美術館法案内閣提出第二〇号)  独立行政法人国立博物館法案内閣提出第二一号)  独立行政法人文化財研究所法案内閣提出第二二号)  独立行政法人国立健康・栄養研究所法案内閣提出第二三号)  独立行政法人産業安全研究所法案内閣提出第二四号)  独立行政法人産業医学総合研究所法案内閣提出第二五号)  独立行政法人農林水産消費技術センター法案内閣提出第二六号)  独立行政法人種苗管理センター法案内閣提出第二七号)  独立行政法人家畜改良センター法案内閣提出第二八号)  独立行政法人肥飼料検査所法案内閣提出第二九号)  独立行政法人農薬検査所法案内閣提出第三〇号)  独立行政法人農業者学校法案内閣提出第三一号)  独立行政法人林木育種センター法案内閣提出第三二号)  独立行政法人さけます資源管理センター法案内閣提出第三三号)  独立行政法人水産大学校法案内閣提出第三四号)  独立行政法人農業技術研究機構法案内閣提出第三五号)  独立行政法人農業生物資源研究所法案内閣提出第三六号)  独立行政法人農業環境技術研究所法案内閣提出第三七号)  独立行政法人農業工学研究所法案内閣提出第三八号)  独立行政法人食品総合研究所法案内閣提出第三九号)  独立行政法人国際農林水産業研究センター法案内閣提出第四〇号)  独立行政法人森林総合研究所法案内閣提出第四一号)  独立行政法人水産総合研究センター法案内閣提出第四二号)  独立行政法人経済産業研究所法案内閣提出第四三号)  独立行政法人工業所有権総合情報館法案内閣提出第四四号)  貿易保険法の一部を改正する法律案内閣提出第四五号)  独立行政法人産業技術総合研究所法案内閣提出第四六号)  独立行政法人製品評価技術基盤機構法案内閣提出第四七号)  独立行政法人土木研究所法案内閣提出第四八号)  独立行政法人建築研究所法案内閣提出第四九号)  独立行政法人交通安全環境研究所法案内閣提出第五〇号)  独立行政法人海上技術安全研究所法案内閣提出第五一号)  独立行政法人港湾空港技術研究所法案内閣提出第五二号)  独立行政法人電子航法研究所法案内閣提出第五三号)  独立行政法人北海道開発土木研究所法案内閣提出第五四号)  独立行政法人海技学校法案内閣提出第五五号)  独立行政法人航海訓練所法案内閣提出第五六号)  独立行政法人海員学校法案内閣提出第五七号)  独立行政法人航空大学校法案内閣提出第五八号)  独立行政法人国立環境研究所法案内閣提出第五九号)  独立行政法人駐留軍等労働者労務管理機構法案内閣提出第六〇号)  自動車検査独立行政法人法案内閣提出第六一号)  独立行政法人統計センター法案内閣提出第六二号)  独立行政法人業務実施円滑化等のための関係法律整備等に関する法律案内閣提出第六三号)     午前九時七分開議      ————◇—————
  2. 西田司

    西田委員長 これより会議を開きます。  内閣提出中央省庁等改革関係法施行法案国立公文書館法の一部を改正する法律案等独立行政法人個別法関係五十九法律案及び独立行政法人業務実施円滑化等のための関係法律整備等に関する法律案の各案を一括して議題といたします。  この際、お諮りいたします。  各案審査のため、本日、政府参考人として間宮科学技術庁原子力安全局長及び小川建設大臣官房長出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 西田司

    西田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。     —————————————
  4. 西田司

    西田委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。田中慶秋君。
  5. 田中慶秋

    田中(慶)委員 お許しをいただきまして、私は、民主党立場から、今回の独立行政法人改革の問題等々を含めながら、行革関連についてお伺いをさせていただきたいと思います。  まず、長官にお伺いいたしますけれども、あなたは、東京都の鈴木都知事時代、副知事として、都の財政再建等に手腕を発揮されたわけであります。このたびはかつての東京都副知事経験を生かしながら、小渕内閣行政改革担当大臣として、我が国の行政改革に対する取り組み姿勢、これについて、冒頭長官のお考え方をお伺いします。
  6. 続訓弘

    ○続国務大臣 田中委員のせっかくの御質問でございますので、お答え申し上げます。  去る五十六年の二月だったと存じますけれども、突然土光さんが知事のところに見えました。自分は、たまたま当時の総理から臨調の委員長をどうだろうか、こんな相談を受けた、しかし、それ以前にまず腹を固めるために教えを請いに来たと。私はそのとき同席いたしました。  知事が答えていわく、まず為政者姿勢ですよ、財政再建はと。同時に、都民理解を得ることが大事ですと。さらには、悠久の都政を願う労働組合理解協力が必要です。したがって、都財政再建は、まさにこの三つがかみ合って初めて財政再建ができましたと。私どもは、文字どおり、自分の財布で自分行政を行う唯一の団体が東京都であります、そういう意味では、為政者のリーダーシップ、そして今申し上げた都民理解、さらには働く労働者理解、この三つ理解協力がない限り財政再建はできない、こんな話を申し上げました。そこで土光さんは、わかりました、それでは総理から頼まれた委員長を引き受けますと言って帰られました。  事ほどさように私は、今田中委員からお話がございましたように、日本財政再建というのは容易なことではありません。しかし、小渕総理国民に公約されました。そして同時に、ここにおいでのお一人お一人が腹を固めてあの法案を可決、成立させていただきました。そういう意味では、一億二千五百万の代表が腹をくくり、かつ、それに対して国民理解協力を示していただく、そしてまた同時に、八十五万の労働者がそれに理解協力を示していただく、この三本柱があれば財政再建はできると思いますし、私はそういう姿勢総務庁長官の任を果たしたい、このように存じますので、御理解、御協力をお願い申し上げます。
  7. 田中慶秋

    田中(慶)委員 長官はかつての経験を生かしながら今大変前向きな考え方を述べられましたけれども現実に今日本で行おうとしている行政改革は、あなたの経験と今の現場その他のことを考えると大分差があるのではないか、こんなふうに思いますけれども、その辺はどのようにお考えですか。
  8. 続訓弘

    ○続国務大臣 置かれている立場は変わらないと思います。たまたま、千二百万都民、一方、一億二千五百万の国民、国を思う姿勢は変わらない、こんなふうに私は思います。
  9. 田中慶秋

    田中(慶)委員 それではお伺いしますが、今回の行政改革基本は、当初、官から民へ、国から地方へという権限及び業務の移譲をするという哲学があったわけでありますけれども行革は途中から制度いじりになってしまった。本来の行革とは、あなたが今おっしゃるように、国民あるいは納税者にとって納得し、かつ、よりよいサービスを安く提供する、こういう経営哲学があるはずであります。ところが、今そのことが制度いじりだけになってしまって、本来の行革精神がどこかに行ってしまった。  私はそのように受けとめておりますけれども長官はこの問題について、かつては私たちは、同じ新進党という立場で、同一の考え方を持たせていただいておりました。あなたは今むしろ政府側でありますけれども、私の気持ちはかつての新進党時代と、今民主党におりますけれども、その気持ちは変わっていない。ところが今、現状はそうでない方向流れているから私は質問しているので、このことについてあなたはどうお考えになりますか。
  10. 続訓弘

    ○続国務大臣 私は、田中委員と志は同じであります。同時に、政府も志は同じであります。
  11. 田中慶秋

    田中(慶)委員 私は、実態は、長官、今あなたが述べられていることとは大分違っております、こう思っているのです。行革そのもの考え方発想は、確かにその精神はあるでしょう。現実には制度いじりになってしまった、このことを私は憂えているのです。あなたはそう思いませんか。制度いじりだけになっていないと言えますか。  行革基本は、よりわかりやすく、より透明度がある、こういうことであるわけで、そしてスピード感がなければいけない。あなたの所管している総務庁、将来どうなるんですか。大ぐくりにくくって三十万余の職員を抱え、そして、そこには長官が一人でありましょう。そして、次々のそういう一連の問題、スピード感透明度やこういうことを考えたときに、本来の行革とは違った方向流れている、こんな感じを受けているのです。そのことをあなたは疑問に思いませんか。
  12. 続訓弘

    ○続国務大臣 私は疑問に思いません。なぜならば、まず、御案内のように一府二十二省がありました。それを一府十二省に、今御指摘のように大ぐくりする。それは、いみじくもおっしゃいました、中央から地方へ、官から民へ、こういう流れの中で、それに対応する組織考えている。しかも、総理は、中井洽議員質問に、実は、この場で二五%の削減を公約されました。そういうスリム化、そして透明度の高い、国民期待にこたえる、こういう組織と、そして組み立てを、陣立てを考えております。そういう意味では、ぜひ御理解を賜りたいと思います。
  13. 田中慶秋

    田中(慶)委員 基本的に、私は、今政府が行おうとしている基本精神理解できるのですが、現場がついていっていない。  今中央が行おうとしております、例えば今度の臨時国会皆さん中小企業臨時国会とも言われる。景気対策臨時国会雇用対策臨時国会とも言われる。ところが、二十九日から開かれている国会、本来ならば、その精神からすると、早急に予算も提示して、冒頭からその予算を、景気対策のために、中小企業のためにやらなければいけないでしょう。そうではない。中小企業対策というのは、中小企業基本法見直しだけで対策になっていませんよ。むしろ現場は、例えば分離分割発注であるとか、あるいはまた住宅ローンの減税の問題の継続とか、保証協会制度見直し制度資金の問題を含めて、現実問題としてこのようなことを求めて、仕事をより拡大しやすく、あるいはまた貸し渋り等々の問題についての取り組みを求められているのです。  ところが、今政府が行っているのは、そういうことも精神にはあるでしょうけれども、具体的に実態が見えてこないのと同じように、この行革についても、精神はわかりますけれども、あなたはその総責任者として今総理がやろうとしていることを絶賛されているように受け取れるんですけれども、私は、あなたの本旨というものはそんなことではないと思うのです。ということは、今の行革のずれというものが、総務庁一つとっても先ほど申し上げたような状態で大ぐくりになっているわけですから、現実には大変問題が多過ぎる、こういうことを指摘しておきますが、あなた、もしこのことについての考えがあったら述べてください。
  14. 続訓弘

    ○続国務大臣 田中委員のせっかくの御要望といいますか提言、しかと受けとめさせていただきます。
  15. 田中慶秋

    田中(慶)委員 若干この本旨とは異なるかもわかりませんけれども、例えば首都機能移転調査について国会等移転審議会が年内にも移転候補地についての答申をされる予定であります。これは御案内のようであります。そして、新聞報道その他に報道されているように、あなたのもといた職場、東京都知事石原さんはこの首都機能移転に反対を唱えております。恐らく、首都圏人たちは、この候補選定その他について大変注目をし、かつまた、考え方東京都知事とそう変わっていないと思っております。  そういう議論が高まりつつある中で、二〇〇一年の中央省庁の新体制に向けて、現在総理官邸やあるいは総合庁舎建設が進められているわけです。いいですか。地方分散をしようというときに総理官邸総合庁舎をつくる、こういうことについて、この首都機能移転という問題と移転先が、極端なことを言えば、新しい庁舎建設ということにもなるでしょう、今の財政事情その他を考えて、あるいはまた民間的な発想考えたならば、このような経費のむだ遣いということを、本来ならば、国民の多くはこのことに注目をし、かつまた、このようなことは今の実態と比較をすれば国民の批判は免れない、私はそう思っているのです。  移転先が最終的に決定するのは国会でありますけれども総務長官は副知事の御経験からして、首都機能の問題とあわせて、今総理官邸総合庁舎建設、こういうことを考えてみますと、はっきり申し上げて、今の実態と、この行革と同じような形の中で現場が行われているもの、そして首都機能というもの、そして将来どこへ行くかわかりませんけれども、そういう問題を考えたときに、これは少なくとも今の国の財政事情から考えると逆行しているんじゃないかな、こんなふうに思いますけれども、感想を述べてください。
  16. 続訓弘

    ○続国務大臣 私も全く同意見でありました。それは、かつて私が予算委員会でそのことを政府側に追及いたしました。まず隗より始めよと。私ども経験では、財政再建の渦中の中で一切の建物行政をストップいたしました。ただし、必要最小限度の福祉の問題等々に関する施設は別として、少なくとも今御指摘のような施設については一切やめろ、やめる、こういう大方針をやりました。そして、財政再建ができました。そういう意味では、御指摘のとおりだと存じます。  しかし、そのとき政府側から答弁されたのは、今まさにおっしゃったように、首都機能移転は今議論していただいている、しかし同時に、老朽、狭隘、どうしても建てる必要があるんだ、そういうものを精査の上、建てて、改造しているので御理解を賜りたいという返事がございました。私は、それを了としたわけであります。その辺のことは御賢察ください。
  17. 田中慶秋

    田中(慶)委員 長官もそう大きく変わってはいないと思いますが。民間企業が今大変なリストラをしている。本社機能を売ったり、いろいろなことをしているのです。そして、この中央省庁だけが今長官が言われているように狭隘であるとかいろいろなことを含めてただ単に建築をされるということは、やはり国民はそのことによく注目をされていると思いますので、これ以上申し上げませんけれども、やはり基本というものを政治はしっかりと大切にしておかなければいけないんだろう、こんなふうに思っております。  そこで、長官にお伺いいたします。  実は、私たちは、独立行政法人という問題について、基本的には賛成なんです。ただ、やり方の問題があるわけであります。私たちは、かつて新進党時代、ここにおりますけれども、現在公明党の若松さんと特殊法人あるいは天下りの問題について、一年近くこの問題について調査なり検討なり、そして共監して本も出しました。しかし、今の独立行政法人やり方は、本質的にやり方が違っていると思います。特殊法人、見てください。今、天下り先受け皿になっているような問題であります、あるいはまた財投の問題を考えても、この特殊法人、大変不透明な部分がたくさんあるわけであります。  こういう一連のことを考えながら、私たちは、かつて、行革をする大前提として、隗より始めよではありませんけれども特殊法人から先に手をつけるべきである、こんなことを申し上げました。そして、特殊法人基本的な考え方は、もう既に役割の終わったものはスクラップ・アンド・ビルド、こんな形で廃止しようじゃないか、民間にゆだねられるものは民間にお任せすればいいじゃないか、そしてどうしても必要なものを独立行政法人としてこの受け皿をつくるべきだと。この精神は私は今でも変わっていないんです。ところが、むしろ今は、特殊法人に手をつけることなく独立行政法人に手をつけてしまった。ボタンのかけ違い。物には順序というのがあるわけですから、こんなことをしていたらば行政改革は絶対できない、こんなふうに私は思っておるわけであります。  我々は、特殊法人を徹底的にその内容を究明しただけでも大変な圧力や邪魔やいろいろなことがあったんですから。妨害がこのようにあった。そのことを考えると、私は、独立行政法人を検討する、今からでも、検討と同じように、並行して特殊法人に着手すべきじゃないか。長官もおわかりだと思います。例えば、議員立法として情報公開制度ができました。特殊法人については先送りされて、三年後でしょう。こんな形で次々と天下りあるいはまたその受け皿を温存させているというこの実態が、日本行政改革をおくらす、あるいはこれからも独立行政法人あり方を狂わせてしまうのではないか、こんなことを私は考えておりまして、長官、どう思いますか。
  18. 続訓弘

    ○続国務大臣 田中委員新進党時代にこの問題について大変熱心に議論をされ、そして提言をされたことは承知しております。そういう情熱を今なお失わないで御質問がございました。私も同じ思いであります。  いずれにいたしましても、この問題については不断の見直しが当然必要であります。三次にわたってこの問題については議論されました。したがって、これからも同じような趣旨で議論をして、そして改めるべきは改める、こういうふうに思っておりますので、御理解を賜りたいと存じます。
  19. 田中慶秋

    田中(慶)委員 このことだけをやっているわけにまいりませんけれども、私は、やはり独立行政法人の設立について、これから独立行政法人の人事の問題、例えばイギリスのエージェンシーを含めて、私たち中央省庁の再編のときに議論させていただきました。少なくともその長は公募でやる、政府は大体基本的にはそういう方向を述べられたわけであります。官房長官もそうでありました、総理もそうでありました、総務長官もそういう考え方をしたわけでありますけれども。  この独立行政法人がこれから具体的に進むに当たって、その長はどのような形で任命しますか。公募でしますか、民間から採用しますか。こういうことを含めてお聞きしたいと思います。
  20. 続訓弘

    ○続国務大臣 法律にも明示されておりますように、それぞれの法人にふさわしい人を任命するのは当然であります。したがって、今お話しのように、民からの募集もあり得る、このことは当然だと存じます。
  21. 田中慶秋

    田中(慶)委員 二十一世紀目前なんですから、この国が将来とも元気で、あるいはまたこの国の将来が国民から失望や不安のないようにするためには、この独立行政あり方そのものによってこれから政治流れやあるいは行政あり方が大分変わってくるだろう、こんなふうに思っておりますので、そのことも含めて期待をしておりますので、それらについてはぜひしっかりとやってほしい。  従来の考え方からすると若干の不安があるわけでありますけれども行政最高責任者は、総理かもわかりませんけれども大臣であるわけであります。独立行政法人を設立し、行政の一部を独立法人に任せるわけであります。そして、独立法人がある面で事故を起こした、こんなこと言いたくないわけでありますけれども、そういう事故を起こした場合等について、その責任体制はどこにあるんでしょう。
  22. 続訓弘

    ○続国務大臣 御指摘の、万一の事故の場合、こういうお話がございました。もちろん主務大臣にあります。  しかし、独立行政法人はなぜ独立法人にしたのか。それは、民間経営効率等々を考慮しながら、これは独立法人になじむものだ、そうだとすれば大いに競争原理を働かせて国民期待にこたえてほしい、これが独立行政法人化の前提であります。同時にそれは、国の役割といいますか、一部はそういう公的な仕事も分担をしているわけでありますから、当然のことながら主務大臣が長を任命する、あるいは業績を評価する、そういう過程の中で、今、万一の場合のお話は、主務大臣責任をとるということだと存じます。
  23. 田中慶秋

    田中(慶)委員 今日の日本行政ではその責任というものについて、何か大変、責任とり方そのものが目に見えていない、これが実態であります。  ですから、この独立行政法人というものについて、せっかく独立行政法人にさせるのですから、どちらかというと中央省庁は必ずいろいろなことに全部口を出す、こういうことは絶対やめてほしいし、そしてその中で、企業責任、社会的責任、個人責任を含めてしっかりとやってほしい、このように思いますけれども、そのことについてどうお考えでしょうか。
  24. 続訓弘

    ○続国務大臣 まさに田中委員の御指摘のとおりであります。
  25. 田中慶秋

    田中(慶)委員 これからの二十一世紀の日本というものは、国際的に貢献する意味でも、やはりスピード感やあるいは責任問題というのは問われてまいりますから、ぜひそのことを含めて対応していただきたい、このように思います。  そこで、実は、長官を含めて、これから若干具体的に質問に入らせていただきたいと思っております。  例えば、この独立行政法人に対する取り組みの中で一番大切なことは、太田前総務長官も述べられておりますけれども、八十九の事務事業を独立法人化することを決定されておるわけでありますが、今回は、そのうち八十六の事務事業を行う五十九の独立法人を創設する、こういうことであります。個別法案がこのように提出をされているわけでありますけれども、これの大半が研究機関やあるいはまた研修施設でありまして、実施部門の多くは政府内に残されているわけであります。  そこで、この企画立案と実施部門を分離し、あるいは実施機能を強化させようという独立法人の目的達成そのものが危うくなるのではないかという心配があるのですけれども、この辺についてはどのようにお考えですか。
  26. 続訓弘

    ○続国務大臣 今、田中委員が御指摘されました企画と政策、そういう研究部門が残って実施部門が独立行政法人に移行する、こういうことであります。したがって、仕分けはちゃんとできております。いわば政策提言なりあるいはその省が必要とする研究、これは当然のことながらその省の幕下に置く。そして、そうでなくて具体的な実施部門はいわゆる民間の効率、今まさに御指摘がございましたように、いろいろな競争原理民間の知恵もいただく、同時に、予算的にも柔軟に対応できる、そして適時適切に対応できるような仕組みを考えておりますので、御理解を賜りたいと存じます。
  27. 田中慶秋

    田中(慶)委員 実は、いろいろな形で今回調べてみますと、行政改革会議の最終報告の独立行政法人化の対象業務として挙げられた中に「廃止、民営化、地方移管等を検討した上で、なおこれらになじまない場合に、独立行政法人化の検討対象とする。」とされているわけでありますけれども、最終的に廃止となったのは真珠の検査所と建設機械工作所、民営化は食糧検査のみで、あとすべてが独立行政法人化されているんですね。  そうすると、私は、最初の基本、今の時代にもう役割の終わったもの、あるいは民営化のできるもの、そして独立行政法人として残さなければいけないというこの精神から外れているんだろう、本当にそのことは痛切に感じているのです。  どうしてこうなったんですか。長官に聞くのはあれかもわかりませんけれども、しかし、あなたは今その最高責任者ですから、率直にその辺を答えていただきたいな、こんなふうに思います。
  28. 続訓弘

    ○続国務大臣 ただいまの事案につきましては、前大臣が、恐らく相当の議論、けんけんがくがくの議論を重ねながら、一定の結論を出されたと思います。  しかし、今委員が御指摘のように、なお検討する余地があるのかもしれません。まずこの法案を通していただきまして、その後に引き続き検討させていただきたい、このように思います。
  29. 田中慶秋

    田中(慶)委員 長官、本当に御苦労されて申しわけないのですけれども、こうなって。しかし、日本の現状というのはそんなものでしょうか。あなたはかつて、行政経験のベテランですから、質問をされてきました。別にあなたをいじめるわけで言っているわけでも何でもありません。今、本当に日本は、病気にすれば重病の状態になっている行政なんですよ。それが、今のような形で、検討してまた見直しすればなんという、こういうことじゃないと思うのです。思い切って手術をして悪いところを取る、この精神がなければ、行革ができますか。  今度の独立行政法人だってそうでしょう。私は、今までいろいろなことを、あれもなるんだろう、これもなるんだろう、こんなことを期待していたけれども、廃止は少ないんですよ。これは、行政のある面では抵抗であろうし、役人さんが日本の国や将来のことを本当に憂えているならば、たったこれだけの廃止で済まないわけです。そのことを国民に明確にわかるようにしないと、次また検討するとか、それはもう行革じゃないと思います。どう思いますか。
  30. 続訓弘

    ○続国務大臣 田中委員の思い、全く同感であります。いわば国の最高機関国会が、国民の意見をどんどん伺いながら、そして、あるべき姿を我々が示し、一致協力をしてこの国のありようを考えることは当然だと存じます。したがって、今の御発言を重く受けとめさせていただきます。
  31. 田中慶秋

    田中(慶)委員 端的にこんな例を申し上げたいと思うのです。  国は、統計業務をいろいろな形でしておりますね。おわかりだと思います。国が行う統計業務に、総務庁の計算センター、今回独立行政法人化されることになっておりますね。ところが、同じような他省庁の統計業務はそのまま国の業務として残されている。その理由、私はさっぱりわかりません。長官、教えていただけますか。
  32. 続訓弘

    ○続国務大臣 他省庁にある統計関係につきましては、そのそれぞれの省の政策を企画立案する、したがって、何としてもその省に置く必要がある、こういう前提で議論をされ、今御指摘のようにその省に残しているということで私は理解しております。
  33. 田中慶秋

    田中(慶)委員 そういうことで行革ができるんでしょうか。とんでもないことだと思いますよ。  国を挙げてこの統計業務をするのであれば、統計センターというのは一元化して、その中でいろいろなことを把握できるようにしなければいけないんじゃないですか。各省ごとに統計部門を置く、それならば、百歩譲っても独立行政法人化する、こういうことが必要じゃないんでしょうか。そうじゃないでしょう。みんな、お互いに役人の皆さん方は縄張りをしっかり守るだけじゃないですか。  特に、農水省を見てください。統計部門だけでも五千人いるんですよ、五千人。今回独立行政法人になった総務庁は千二百人ですよ。五倍の規模ですよ、あなた。これで本当に行革できるんですか。私は違うと思う。他省庁がどうのこうのじゃない、あなたは行革のトップなんですから。そのことを含めてしっかりとやらなければ、この行革は進みませんよ。あるいはまた独立行政法人そのものが、私たちはさっきから基本的に賛成ですと言っているのです。しかし、こんな考え方じゃ賛成できなくなるんですよ。
  34. 続訓弘

    ○続国務大臣 今の田中委員の深い思い、熱い思い、これをしかと受けとめさせていただいて、今後のいろいろな状況の中で検討させていただきたい、こんなふうに思います。
  35. 田中慶秋

    田中(慶)委員 長官、あなたは本当にまじめな人ですから、余りやりたくないわけですけれども、ただ、いいですか、一つ例を挙げるにしても、同じ統計業務でも、総務庁独立行政法人にする。片方は、しっかりと守って自分のところの省庁に残しておくんです。そして、その人間が五倍から六倍も、こんなことでむだな、行革じゃないですよ。  やはりこういうこと自体に長官がメスを入れないと、あなたも一緒に行革を、いろいろなことを論じてきた人なんですから、また、東京都を再建団体から健全な東京都に直した経験があるのですから、そのことを、その思いを、こういうところに今例を申し上げておりますけれども、私は、この例だけじゃない、たくさんあると思いますよ。そのことにぜひ取り組んでほしい。その決意を述べてください。
  36. 続訓弘

    ○続国務大臣 重ねての質問にお答えいたします。  御趣旨を踏まえて懸命に努力をさせていただきます。
  37. 田中慶秋

    田中(慶)委員 ぜひ期待をさせていただきたい、こんなふうに思っております。  長官にまた、意地悪でも何でもないんですけれども現実に今の行政の中で行革と大変矛盾している問題がありますので、質問させていただきます。  例えば、今度の行革を含めて、現在は、閣議決定されたり、閣議案件がありますね。あれは、事務次官会議で決定したものが閣議にかけられるシステムだ、このように私は伺っているのです。  ところが、先般の国会で成立した国会審議の活性化及び政治主導の政策決定システムの確立に関する法律第九条には、「内閣府、各省庁及び各大臣庁の政策等に関し相互の調整に資するため、副大臣会議を開くことができる」、こう規定しているわけであります。  特に、官主導から政治主導に転換するというならば、この閣議決定そのもののあり方、事務次官会議ではなく副大臣、今で言うならば政務次官がその主導的役割をするべきじゃないか、このように考えるわけでありますけれども現実には、私は、少なくとも事務次官等々を含めて、政府の皆さん方のサポート役をするんだろうと思うし、そしてもう一つは、この副大臣等については、現実には政策決定に、この法律上明確に規定しているわけでありますから、そのようにされるべきじゃないか。きょうは副大臣さんがたくさんおりますから、これから順次質問しますけれども、そういうふうに思うのですけれども長官、どう考えますか。
  38. 続訓弘

    ○続国務大臣 二〇〇一年一月六日から新しい省庁が発足いたします。当然、今おっしゃいました副大臣なり政務官がそれぞれもう人数は決まっておりますから、その時点で発令されると思います。したがって、閣議のありようについても、その時点でそれにふさわしいような決定をされると私は思います。
  39. 田中慶秋

    田中(慶)委員 日本の長い歴史を今変えようとしている、こういうことでありまして、二〇〇一年、もうあと一年足らずですから、そういう点では思い切って、この改革というものは痛みも必要でしょうし、しかし、求められているのは決断と実行なんです。そのことに、今の長官の発言を重く受けとめて期待を申し上げますが、長官もぜひ、あなたも二度とない人生なんですからこのことに命をかけてやっていただきたい、このように思いますけれども長官、再度、大変しつこいようでありますけれども考え方をもう一度伺わせてください。
  40. 続訓弘

    ○続国務大臣 重ねての質問にお答えします。志は同じであります。
  41. 田中慶秋

    田中(慶)委員 それでは、せっかく通告をさせていただきましたので、順次これから、特殊法人あるいはまた独立行政法人等々の問題について、副大臣、政務次官の皆さん方に質問をさせていただきたいと思います。  まず文部、河村さんおりますね。まず、国立大学の行政法人化について。  国立大学行政法人化については、平成十一年、ことしの四月二十七日の中央省庁改革の推進に関する方針において「大学の自主性を尊重しつつ、大学改革の一環として検討し、平成十五年までに結論を得る。」ということになっております。  今回の、平成十三年四月に設立される予定の八十九の独立行政法人、国立大学はなぜ含まれなかったのか、まず最初にそのことをお伺いします。
  42. 河村建夫

    ○河村政務次官 お答えいたします。  田中委員指摘のように、国立大学の独立行政法人化につきましては、十五年までに結論を得るというのが決定をされたわけでありますが、このような取り扱いになったということにつきましては、大学の教育研究活動、この特性というものを踏まえて、そして大学を、これから国際競争に勝てるような、世界に冠たる大学をつくっていくにはどうしたらいいかというような観点で、かなりそれについて、大学を改革していくという視点を持つならば時間を要するのではないかということが配慮されて、その結果そのようなものになった、十五年というふうに決定をいただいたというふうに私は思っておるわけであります。  しかし、文部省といたしましては、さはさりながら、独立行政法人方向というものをやるということであれば、早い機会にその問題について検討に入る必要があるのではないか。本件につきましては、国立大学の協会の皆さん方の意見等々も拝聴をして、平成十二年度までのできるだけ早い時期に具体的な、基本的な方向について結論を得ていきたい、しかし、さらに制度の詳細についてはもっと時間をかけさせていただくというような方向でおるところでございます。  いずれにしても、科学技術創造立国ということで、これから国立大学の役割というのはもっともっと重要になってくるというふうに考えておりますので、大学改革の一環としてこの独立行政法人化というものについては取り組んでいきたい、このように考えております。
  43. 田中慶秋

    田中(慶)委員 各省庁の中で一番頭のかたい、古い発想を持っているのは文部省なんです。いずれにしても、独立行政法人化ということは文部省改革のためにも画期的なことだと私は思っているのです。  そこで、今政務次官から述べられておりますけれども、十五年ですから、もう既にスタートして、年次ごとに、来年にその内容を検討、こういう話でありますから、ただ、その結果、国立大学が行政法人化されることになった場合、どのようなメリットがあるのですか。それをお伺いします。
  44. 河村建夫

    ○河村政務次官 国立大学の運営、教育研究の特性というものがやはりございます。自主性、自律性あるいは自己責任、これを基本としてやっていかなきゃならぬ、これが国立大学の独立行政化の方向でございますが、各大学を独立行政法人化する、各大学に法人格を持たせるということ、これによってみずからの権限を持ちますし、さらに、自己責任において大学運営がやれるということがまず第一点考えられると思います。  それからさらに、大学運営の中の、組織の編成とか教職員の配置、給与の決め方あるいは予算執行、そういう面で、法人格を持つわけでありますからかなり国による規制が緩和される、各大学の自主性そして独立性というものが拡大していくであろう、このように考えられます。これが第二点。  もう一点は、教育研究や教職員配置等で大学運営全体がより自由な設計といいますか、制度設計ができるのではないか、このように考えておるわけでありまして、これによって、大学間の競争というものも生まれてくるであろう。  私は、よく言われるのでありますが、これまでのような護送船団方式で、文部省が全部面倒見るんだからその枠の中でやってくれという時代ではもうないのではないか、大学ももう考え方を変えてもらいたいということで進めてまいりたい、こういう利点を生かしてもらいたい、こういうふうに考えておるところであります。
  45. 田中慶秋

    田中(慶)委員 大変すばらしい発想だと思いますよ。しかし、今の文部省は、少なくても、私学であろうと何であろうと、あれはいけないこれはいけないという、こんな縛り方ばかりしているんですよ。そのことも含めて、独立行政法人化された場合に、今あなたが言ったようなことも含めて、文部省改革の一環となれば、私は非常にすばらしいことだと思っているのです。  ところが、大学の独立行政だけで、文部省の改革にならぬ。学問の自由や大学の自治も含めながら、少なくてもこの発想と、今の社会的なニーズ、子供が少ないんですから、そして大学の、子供が少ない中でのそれぞれの個性化教育が始まっていく、こういうことを考えたときに、教育改革とあわせて、国立大学の改革そして独立法人化、さらに学問の自由や大学の自治というものを担保しながらやっていかなければいけない。大変難しいことであろうと思いますけれども、これも勇気を持ってやっていかないと、お題目だけで終わってしまう、こういう心配がある。その辺についてあなたの決意を聞かせてください。
  46. 河村建夫

    ○河村政務次官 田中委員指摘のとおりでありまして、これは大学側にとっても大変大きな改革につながる問題だというふうに考えております。  ただ、日本がこれから科学技術創造立国としてやっていく上で大学の役割というのが大きくなるということを考えますと、もっと大学は思い切った発想によってみずからを改革しながら、そしてまた、国立大学九十九あるわけでありますが、国立大学がともに競い合って、そして開かれた大学としてこれから発展をしていかなきゃいかぬ、そういうきっかけになるのではないか。また、このような形で、先ほど御指摘のように、文部省が上からすべて大学を縛るという御指摘、私は必ずしもそうは思っておりませんが、そのようなとらえ方じゃなくて、大学の独自の発想によって大学を運営していくという形をとっていかなきゃいかぬ。  それに向けて、これはまだまだ初めての試みでもございますので、いろいろな各大学側の意見も当然聞かなきゃなりません。そういう形で取り組んでまいりたいと思っております。
  47. 田中慶秋

    田中(慶)委員 まず、政務次官、いろいろなことをあなたはリサーチをしたり耳にする必要があると思いますよ。私は、国立大学を独立行政化すること、そして今の、子供が少ない、いろいろなことも含めながら、その環境、私はいいと思うのです。  しかし、これとあわせて、今、文部省全体の、私学やいろいろなところに対する、私学には建学精神もあるし、あるいは学校としての独立した責任も持っているわけですから、余りにも口を出し過ぎると思う。ですから、責任を明確にしながら、今、あれはいけない、これはいけないというような規制等々は、政務次官の、あなたの権限でそういうことは直したらどうですか。あなたは先ほどないと思うなんというようなことを言っているから私はこの問題を提起しているんですよ。文部省はあなたが考えていることと本当に全然違う。文部省の改革というのは日本の教育改革であり、日本の国の改革につながるのですから、そのぐらい重要な仕事なんですよ。そのことを簡単に考えてはいけない。  ですから、独立行政法人化することは大変結構でしょう。しかし、もう一方においては、文部行政においてのそういう検討をしっかりとやっていかないといけないわけでありますから、あなたが今、私学に対してあれはいけない、これはいけないとやっていること、そんなことではないみたいな発言をされておりますけれども、その認識は全然違いますから、答弁してください。
  48. 河村建夫

    ○河村政務次官 田中委員指摘のような観点があるとすれば、これはまさに大学改革の絶好の機会でありますから、正さなければいかぬ、こう思いますし、今御指摘のような点が、何がそういうふうな観点になっているかということも、これは、大臣おられますが、よく内部で検討をして正すところはきちっと正していく。そして、大学は自由濶達に、これからの国際競争の中で生き抜けるような大学をつくっていく、そういう観点で取り組んでまいりたい、このように思います。
  49. 田中慶秋

    田中(慶)委員 ぜひそのような形で頑張っていただきたいと思います。  次に、原子力行政の問題について斉藤次官にお伺いいたします。  茨城の東海村で九月末起きた臨界事故は、多くの国民に対して原子力に対する不安というものを与えたわけであります。原子力行政、平和利用であって、一歩間違えば大惨事が起きるということは間違いない、今までの経験でそういうふうになるわけであります。  ところが、原子力行政そのものが、日本においては危機管理の面からしても大変ばらばらであります。科学技術庁、通産省、あるいは総務庁等々含めて、こういう一連のことを含めて、原子力の行政そのものについて一貫性が欠けている。独立行政の問題でありますけれども、しかし、今の省庁再編成後、特に原子力行政というものが大変不安な状態になってくるのじゃないか。あなたは専門家ですから、このことについてどう思いますか。
  50. 斉藤鉄夫

    ○斉藤政務次官 田中委員指摘の点、二つに整理されるのではないかと思います。一つは、こういう事故を起こしたその安全規制に問題があったのではないかという点、それから、科学技術庁とか通産省とか、ばらばらに安全規制を行っているのではないか、そこに問題点があるのではないか、こういう二点の御指摘かと思います。  まず最初の御指摘でございますけれども、これまで原子炉規制法によって安全規制を行ってまいりました。ある意味で我々はそれを十分と考えていたわけでございますけれども、しかし現実に、起こるはずがないとされていたこういう事故が起きてしまった。これは、確かにこれまでの安全規制に問題があったということを現実が示しているわけでございまして、この点について、安全規制の強化、また、万一事故があった場合に対してきちんとそれに対処していくという二つの法律案、今回出させていただきました。特に安全規制につきましては、抜本的に、核燃料サイクル等にも安全規制の目をかぶせていくという形で、今国会で審議をお願いしているところでございます。これで実を上げていきたいと思っております。  第二点の、これまで科技庁、通産省、ばらばらだったではないかということでございますが、これまでは、原子力発電に関するところは通産省、核燃料サイクルに関するところは科学技術庁が行政庁審査をして、またそれとは独立した原子力安全委員会がダブルチェックをするという形で参りました。この点についても、省庁再編後は、原子力発電に関しては核燃料サイクルも含めて経済産業省原子力安全・保安院で一括して行政庁審査をしよう、大学等の研究炉等については科学技術庁が見るけれども、原子力発電については一貫してそのサイクル全体を原子力安全・保安院で行政チェックをする。また、そのダブルチェックを原子力安全委員会、これも陣容を拡大します。また、今は科学技術庁が事務局をやっておりますけれども、独立した事務局を設けて内閣府の中に置く、こういう形で対応しようとしておりますので、安全規制の面、また体制の面でも万全を期してまいります。
  51. 田中慶秋

    田中(慶)委員 これは日本のエネルギー問題や、あるいはまた核の平和利用という点からしても大切なことでありまして、科学技術庁であり、文部省であり、通産省であり、あるいは総務庁であり、こういうものが今度の省庁再編成でもしっかりと位置づけられていない部分があるわけでありまして、あなたはそのことを一番よく、百も承知しているわけです、はっきり申し上げて。私と同じ立場でこのことを政府に向かって言っていたわけですから。今度は立場が変わっているわけですけれども、こういう一連のことを含めて、エネルギー政策や核の平和利用という問題を含めて一貫してやっていかないと今度の事故の反省にはならないのじゃないか。今回の中央省庁の再編、あるいはまた独立行政等の問題も含めながら、そういう問題についてしっかりと考え方を述べていただきたい。  私は、今のあなたの考え方だけではこれからやろうとしている行政改革方向にはなじんでいない、このように思いますので、考え方を述べてください。
  52. 斉藤鉄夫

    ○斉藤政務次官 二〇〇一年一月六日から始まります新しい原子力安全規制の問題、大枠としては、私は、これでかなり安全規制の実を上げることができる、このように考えております。  ただし、その中身を実効あるものにするために、魂を入れるためには、本当の意味で、いろいろ政令等を含めて、また人員配置等を含めて考えていかなくてはならない、このように考えておりますので、その段階で、私と田中委員は同じ科学技術委員会の理事として頑張ってきた仲間でございますので、その志を実現させていきたいと思っております。
  53. 田中慶秋

    田中(慶)委員 通告では、国立病院・療養所の行政独立の問題や、あるいはまた通産省の関係についても通告をさせていただきましたが、時間の関係で、大変申しわけないと思っております。またの機会に質問させていただくという形で、きょうは時間が参りましたので、以上で質問を終わらせていただきます。  どうもありがとうございました。
  54. 西田司

    西田委員長 次に、古賀一成君。
  55. 古賀一成

    ○古賀(一)委員 今般より行政改革特別委員会の理事を拝命しました古賀でございます。  独立行政法人法案が五十九本出されておるということで、今後この審議が、一本一本というか、どういう形かは今後の検討課題でありますけれども、審議されていく。きょうは私は、冒頭行政改革の原点といいますか、そういうものについて、やはりこの際しっかりと新大臣に確認をしておかなければならぬだろう、こういう思いで三十分の時間をいただいて立ったわけでございます。  えてして、こういう膨大なる手続というのは、作業が進むにつれて法律が細かくなり、いつの間にか立法のいわゆる微細なる迷路に入っていって、何のためにやっているかわからぬという状況にもなりかねないし、先ほど斉藤さんから魂、あるいは続長官の方から志という言葉もありましたけれども、こういうものは大体ぼけていくのです。私は、ここに各委員の前に積んでございます膨大なる法案の資料は、単なるそういう微細なる立法手続の集大成じゃなしに、やはり思想というか戦略、そういうものがしっかりと貫かれた中で今後の行革法案の審議というものが行われていくべきだろうと思っておりまして、そういう面で、きょう冒頭質問させていただきたいと思います。  まず最初に、そういう面で大変抽象的あるいは概念的な質問になるかもしれませんが、続新長官に、行政改革を今やっておる真っ最中でありますけれども、そもそも何のために、どういう意義でやっておるか、やろうとしておるのかということを、担当大臣としてはっきりと御表明を賜りたいと思います。
  56. 続訓弘

    ○続国務大臣 せっかくの御質問ではございますけれども、私よりもむしろ古賀委員の方がこの問題についてはお詳しいのじゃないかと思います。  と申しますのは、古賀委員自身が長年の間官僚をしておられましただけに、国を思う、そしてまた行政改革を願わなくちゃならぬという思いは、私よりも強いのじゃなかろうか。そして同時に、今まで国会でいろいろ議論してこられました、そういう古賀委員に私が説明をするのも何だかはばかられますけれども、せっかくの御質問だからお答えを申し上げます。  私どもの志は、古賀委員と全く同じ、まさにこの国のありようをどう決めるのか、どう真剣に考えるのか。その結果、長年の間行政改革が叫び続けられました。しかし、一つとして完成したものはないと私は思う。それだけに、この問題は非常に難しい問題だと存じます。  先ほど私は、かつて仕えた鈴木知事のことを申し上げました。そういう為政者が、千二百万都民のためにどうすればいいのか、そういう思いであの財政再建を果たされたことを私は目の当たりにしております。  同じように、小渕総理が今、国会の御協力をいただきながら、ぜひ二十一世紀にふさわしい国づくりを、そのもとはといえば行政改革なんだ、その趣旨は、先ほど来申し上げているように、官から民へ、中央から地方へ、そして肥大化している行政組織スリム化する、そして同時に、情報を公開して国民の皆様にすべてがあからさまになるようにする、同時に、業績評価、政策評価を問うて、そして国民の皆様から御理解をいただける、そういう行政を、あわせて財政再建を、これが根幹の願いであると私は存じますし、私も同じような気持ちで所管大臣として責任を果たさせていただきたい、こんなふうに思います。
  57. 古賀一成

    ○古賀(一)委員 今大臣のおっしゃったとおりだと私も思っております。そしてまた、この行政改革の差し迫った必要性、これについてはお褒めの言葉をいただきましたけれども、私の方が強いのではないか、私もそう自負をしたいと思っております。  ただ、実は先日、若松委員冒頭質問で、長官が、東京都副知事の三十八年、東京都庁三十八年の経験の中で、きょうもそういう話がありましたけれども東京都は、自主の、自分の足で立っている唯一の団体というようなお話がございましたけれども、私はそうじゃないと思うのです。  実は、東京都はことし、平成十一年度、地方特例交付金という形で、五百六十億円だったと思いますが、交付金を受けたのです。そして、平成十二年度、来年度でありますけれども、千二百億を超える地方特例交付金というものが今度東京都に交付される。富裕団体のトップであった東京日本でこれだけの企業が集積し、日本で一番豊かと言われる東京都においてすら国から特例交付金という援助金をもらわなきゃならぬような事態になっているのです。私は、地方行政委員会でこの法案を審議したわけでありますからよく知っているのです。  しかも、その財政の原資というものは何かといえば、当然赤字国債なんです。つまり、次の孫子へのツケ回しで、何と、今の時代の一番富裕な地方公共団体と言われておる東京都に財政支援金が行く。実は、ここまで日本の危機的な状況、つまり、行政改革を命がけでやらなきゃならぬ状況は来ているのです。しかも、ほかの地方公共団体と違って東京都は強いというお話でしたけれども、それについて今のお話を問いたい。  では、国はどうかといえば、これはもう言わずもがなの、国、地方を合わせた長期債務は六百兆。国の毎年の累積債務というものはこれだけの増嵩ぶりでありまして、行政改革というのは、今から議論しますけれども独立行政法人で名前を変えましたというものでは済まない。東京都ですら千二百五十億に近い支援金をもらう、孫子にツケを回している、こういう状況にあるということで、本当に重要な、差し迫った、もういっときの猶予もない問題だろうと私は思っております。  そういう意味で、私は、続長官が今度この問題の担当大臣になられたことは本当に時宜を得たものだと思っております。あの組閣の結果を見たときに、私は一番よかったな、適材適所だなと思ったのはこの総務庁長官でございました。  それはなぜかといえば、長官は、もちろん地方公共団体の職員として地方自治を担当され、そしてまたそのトップに立たれた経験がある、そしてまた、政界においては野党の経験もあれば与党もある、そういう幅広い経験を持たれた大臣でありますから、小渕総理なんかに遠慮することなく、まさに一番多様な経験を持たれて、行政の問題点、行政はなかなかここが動かない、そういうことも全部御存じだと私は思うのです。私は、蛮勇を振るって、遠慮なしに、この危機的状況にある、一刻の猶予もない行革問題に、長官、先頭立って立ち向かっていただきたい、長官しかいない、こう思っております。これについて、改めて長官の御決意を再度お聞かせいただきたいと思います。
  58. 続訓弘

    ○続国務大臣 ただいま古賀委員から励ましの言葉をいただきました。私も、今委員が申されましたように、美濃部都政時代にも都政の十二年間の責任者でありました。同時に、鈴木知事の十二年間も、それこそ今お話しのような立場にありました。そして、それぞれの知事が、千二百万都民の幸せを、そして憲法に保障された地方自治を、こう願いを込めてやられました。私は、そういう教えをいただきました。そんな立場から、今委員から励ましのお言葉をいただきました、そういう趣旨に基づいて、のっとって、懸命に汗をかかせていただきます。
  59. 古賀一成

    ○古賀(一)委員 次に、私は、本委員会の今後の運営の基本的なスタンスといいますか、これについて、私の意見を述べさせていただきたいと思うのです。  御承知のとおり、これだけの法案が来ております。今後、行革関連でいろいろな法律というものがこの委員会に付託されてくると思うのですが、私は、行革というものはやはり、今議論があったように、常に原点に戻りながらその法案をチェックしていくという作業をしないと、微に入り細に入りの、そっちの世界に入ってしまうと思うんですね。だから、きょうはあえて私は独立行政法人の前にこういう総括的論議をさせていただいておるわけでありますけれども、私は、そういう観点から見て、今の行革流れというものに大変な疑問を持ちます。  そもそも行革というのは何なのか、今日本に求められておることは何なのか、そういうものを考えたときに、ある学者の方が、随分前でありますけれども政治、経済、社会の基本システムの、つまりコンピューターで言うとOSですよ、オペレーションシステム、この革新というものが今日本に求められているんだと。政治、経済、社会の基本システム、OSの革新が今日本に求められている。  そうしますと、どうしていくんだと。手順を大ざっぱに言えば、私は、中央省庁の権限を政治にもう少しシフトすべきじゃないかという論議がありまして今度の国会一連改革になったんだと思うのです。これはもう試行期間中だと思うのですが。次に、余りにも肥大化した中央省庁の権限というものを地方に、これが地方分権だと思うんですね。私も地方行政委員会で長らくこの議論を見てきましたけれども、まだ道半ばというにはほど遠い、まだ、道一歩を十年、二十年かけて足踏みしているような感じがしてなりません。しかし、基本的に言えば、この流れだろうと思うのです。三番目に、中央省庁の権限を市場に、マーケットに。これがいわゆる規制緩和で、民営化だと思うのです。ここら辺のいわゆる思想、大きい道筋の中で、手順の中で、私は行革というものが常にチェックされながら議論されていくべきだと思うのです。  そして、実は、今度の独立行政法人、この流れの中からいえば、今の三つをやった上で今度中央政府の簡素化、公正化、透明化というのが図られていく、その手段として情報公開、省庁再編、そして公務員制度改革、そして独立行政法人が、どの分野でそういう手法でやるべきか、こういう議論になるべきだと思うのでありますが、私は、出てきたこの独立行政法人の様子を見たときに、そもそもの行革の原点はどこにあったんだと、もう一度問い直してみなきゃならぬような感じに襲われるのです。  ある新聞によれば、日経新聞でありますけれども、平成十一年四月十七日、「独立行政法人が示す小渕行革の怠慢」というタイトルのるる指摘した記事、社説がございました。あるいは、詳しくは読みませんけれども、手元にありますが、同じく四月十九日に産経新聞、「いったい何が変わるのか」「これでは、まるで着せ替え人形ではないのか。」これは独立行政法人のことを言っているのです。こういう批判があるし、私自身も、この独立行政法人のいわゆる説明、あるいは資料を読む等々でぴんとこないんです。  そこで、私は再度お聞かせ願いたいのですが、着せかえ人形という話まで新聞で批判をされておるこの独立行政法人移行の基本的意義というもの、何をねらって、この仕組みをつくったからその目標が達せられるんだというところを、本当のエッセンス、中心のところを一言私は総務庁長官に御説明を賜りたい、かように思います。
  60. 続訓弘

    ○続国務大臣 今古賀委員が状況認識、時代認識をるるお述べになりました。私も全く同感であります。  そこで、それでは、そういう時代認識、状況認識のもとで独立行政法人を云々、こういう問いがございました。そういう時代認識、状況認識を踏まえた上での独立行政法人化であります。八十九対象事業の中で八十六、とりあえず八十六、その中を五十九独立法人にくくった。しかし、そのくくりについて、なおこれから、そういう独立行政法人を発足させて、しかる後にいろいろな評価等々を加えながら不断の見直しを行っていくということは当然だと存じます。したがって、今、とりあえずは五十九の独立行政法人を発足させていただく、そして、今申し上げたような不断の見直しを当然行っていく、そして国民のニーズにこたえていく、こういう考えでおりますので、御理解を賜りたいと存じます。
  61. 古賀一成

    ○古賀(一)委員 最近の政府の答弁、あるいは総理大臣の答弁もそうでありますが、いわゆる審議会で今後検討してもらいますとか、今後、施行後の経験を待って修正をしますとか、こういう話がずっと続いております。いわば、日刊新聞に載っております連載小説のように、続きと。長官の名前も続でありますが、続き、続き、続きということでいわゆる先送りしてこられた経緯があるんですね。  私は、もうその時間的余裕はないと思うのです。本当にないと思います。長官の名前は続でありますが、本当にこの内閣において、長官のもとにおいて大筋のシナリオは全部決めてしまうぐらいの燃えるような気迫がないと霞が関は動かないと私は思います。そして、先ほど言ったように、いつの間にか膨大なる、そして微細なる立法手続が、何のためにやっているかわからないままに続いていくということになりかねないと思うのです。  そして、独立行政法人への移行の基本的なねらいというか、戦略的な目標というか、そういうものについての御説明をお願いしましたけれども、私は、今の長官の説明では全然納得できない。それはきちんとすべきなんです。  なぜかといえば、私は役人時代建設省におりました。ただ、建築研究所、土木研究所、もちろん入っております。この方たちは、おれは、次の時代のいわゆる国づくりの建設省に入ったんだと。例えばですよ。私の出身省庁だけ言うのは変ですが、全部についてそうです。そして、私は国の、自分の思いで入った役所の、そこで今研究部門としてつくばに行っているんだ、みんなそういう誇りと自負を持っているわけですよ。  ところが、今勤務しておる人たちにとって、要するに、何か名前が変わるらしい、独立行政法人らしい、でも国家公務員の身分はあるらしい、でも建設省ではない、そういうことになるのです。私は、勤めている人たちの、場合によってはモラール、士気、これまで影響する問題になるんじゃないかとも心配しますが、少なくも、モラールに、士気に影響するかどうかは別として、今働いている人たちに、我々は独立行政法人になってますます頑張るぞという説明が全然なされていないと私は思うのです。ましてや国民の皆さんから見れば、何のために独立行政法人になるんだと。  だから、ここにこういう仕組みを持っているからこれは経営効率化になるんだ、そこら辺の戦略が、もちろん三年—五年に評価をし直すとか、先ほど公募の話がございましたけれども、これとても、私も役人をやった経験からいうと、本当にそうはならぬのじゃないか、単なる着せかえじゃないか、あと一年も二年もすれば換骨奪胎になるんじゃないか。それは、理念がない、戦略がないからなんです。私は、独立行政法人をつくることによってこれを目指しておるんだ、それはこの仕組みをビルトインしてあるから必ずそうなるんだ、そういう説明が長官からなければ、これはさまよっていく独立行政法人になると思うのです。  その点、私は、もう一度長官の明確なる御説明をいただきたいと思います。
  62. 続訓弘

    ○続国務大臣 私の経験を述べさせていただきます。  鈴木知事時代に、実は、美濃部さんがおつくりになった世界に冠たる四研究所がございました。老人総合研究所、臨床総合研究所、精神総合研究所等四つがありました。特に私は、副知事をしながら、世界に冠たる老人研究所の理事長をしておりました。そのときに、まさに今の独立行政法人化のはしりでありましたけれども、財団法人化いたしました。世界の学者も日本の学者も、あらゆる学者がこぞって反対をされました。東京都の組織から財団法人化することによって研究が損なわれるじゃないか、そういう心配でありました。  私は、その心配は要りませんよと。なぜならば、都庁の職員から志を立てて研究所に入られる、その研究所に入られても、研究者として通用するのは相当の年月がかかる。ところが民間では、志を持っているたくさんの方がおられます。東大教授からおいでになりました。名古屋大学教授からおいでになりました。あらゆる大学の教授が、みずからやめて、その老人研究所の研究員となられました。それはなぜか。今の、都庁の組織ではなくて、財団法人化することによって研究が自由になる、交互に交流が図られる、予算が潤沢である、官民の交流が予算的にもなされる、財政的にもなされる。したがって、今やどうでしょうか。ありがとうございますと、結果は大変よかった。しかも、今老人研究所はソ連とアメリカとイギリスしかありません。日本の厚生省もそれをつくろうとしておられます。しかし、できません。なぜならば、私どもが先行しているから。そういう研究所が、まさに独立法人化することによって活性化されました。  その事例を申し上げて、我々の独立法人も、まさにそういう東京都を見習ってやらせていただければ、こんなふうに思います。
  63. 古賀一成

    ○古賀(一)委員 私も、この独立行政法人が、今東京都の財団法人の例のように、本当に独立し、気概を持って発展していくことを、心からそう願いたいと思います。  でも、そこで、再度の要望というか指摘になるわけですが、やはりこれには政治のリーダーシップ、トップのリーダーシップというのが非常に重要だと思うんですね。先ほどの話も、恐らく都庁の各課、各担当の人任せじゃなしに、やはり都庁トップのリーダーシップがあったと思うのです。  たしか鈴木知事が都知事になられたのは昭和五十四年、ちょうど時を同じくして、私、建設省の道路局におりまして、驚くことがあったんです。  何かというと、鈴木都知事が誕生した、そして首都財政立て直しのために、今よりもっと力はあった時代ですよ、そのときに、首都建設における国の負担金のあり方、実は、これは細かい話になりますけれども地方道路譲与税の二重制限を撤廃して、百六億だったと思いますが、もっと東京都はもらえるはずだったと。そういうところを、鈴木都知事みずから乗り出して、自治省に叱咤激励し、建設省と戦争してこいという話があったんですね。あのとき鳴り物入りで鈴木都知事がなられて、あのトップが行動し、やったからこの動きになったのです。やはりそういうものだと思うのです。  とりわけ、行政機構の組織をいじる、人が動く、名前が変わる、そういうときには、私は、まさに小渕総理あるいは続長官のリーダーシップというのはこれまでにない重要性を持つと思うので、ぜひこの点、長官期待を申し上げます。  その点だけ申し上げて、時間も残り少なくなってきましたので、次の質問に移りたいと思います。  先ほど田中慶秋委員の方から質問がございました文部省関連でございます。これは五十九法人ございますので、今後、あしたからでも個別の議論というのが始まるようでありますが、一つのサンプルとしてというか、私は文部省の方にお聞きをしたいと思うのです。  国立大学の独立法人化、先ほども議論に出ていましたけれども、これが今回見送られた。そして、今回十一法人がメニューに上がっております。ここら辺のいわゆる仕分けの論議、あるいは結論を得るまでのプロセス、そういうものは、どういう論議が行われたのか。それは行政内部でやったのか、あるいは大臣からの、あるいは総務庁が主宰する独立法人化に関する総合調整会議というものの指導の中で一つのクライテリアを持ってやったのか。文部省の国立大学あるいは今回の十一法人を例に、ひとつ御説明をいただきたいと思うのであります。よろしくお願いします。
  64. 河村建夫

    ○河村政務次官 お答えします。  まず、大学の独立行政法人化の十五年見送り、見送りといいますか、そこまで余裕を持たせていただいた、この件については、これは閣議決定なされたこと、御存じのとおりでございますが、大学の自主性を尊重しつつ、大学改革の一環として検討して、平成十五年までに結論を得るということであります。大学の特殊性といいますか、そういうことを配慮いただいてこのような結果になったというふうに聞いておるわけであります。  その後、文部省としては、さはさりながら、大学の独立行政法人化方向を検討するにしても、これはやはり早期に内部で検討をする必要があるということで、有識者の懇談会をいただいて、その会議の結果を経まして九月二十日に、有馬文部大臣のときでありますが、国立大学の独立行政法人化の検討を行う際の基本的な方向が打ち出されたわけであります。  そのとき、有馬大臣方向づけとしては、国立大学協会を初め、関係者の皆さんの意見も聞いて検討を進めてまいりますが、平成十二年度のできるだけ早い時期までに基本的な方向の結論を出したいということで、十五年までの余裕はありますが、しかし、これは大きな問題でありますから、早目に検討して方向づけをしていかなきゃならぬ、こういう方向が大学については打ち出されておるわけであります。  さて、ほかの文部省分の独立行政法人、十一法人決めたわけでありますが、これの基準といいますか、文部省の認識でございますけれども委員御存じのとおり、中央省庁改革基本法四十三条にございますね。政府は、施設等機関について、各機関の性格に応じて独立行政法人への移行を検討すべきもの、こういうふうになっておりまして、文部省は、たくさん持っております試験研究機関あるいは文教研修施設等々、この機関あるいは研修施設の特性に応じたいろいろな形の検討が内部で行われたわけでございます。  その結果、政策、研究等、国が直接に実施する必要のある業務を行う試験研究機関以外は独法化するという方針に基づいて、文部省の十一法人の独法化の方向が打ち出された、こういうことであります。
  65. 古賀一成

    ○古賀(一)委員 時間が来たようでありますので終わりますが、私は、実は某大学の教授でこの独立法人化の担当教授を命ぜられておるのが同級生でございまして、この前一緒に飯を食って、やりましたけれども自分たちの身分が、あるいは自分たちの大学そのものがどうなっていくかというのはわからぬままで、それは大学研究も、もうそれどころじゃないと思うのです。しかも、では、文部省からいつまでにこういう手順を踏むからという指示があるかというと、私はないと思うのです。ただ大学側では、各大学は、どうなるのだろう、どうしたらいいのだろうと、それでおろおろしているのが実態じゃないかと思うのです。  これは、文部省がそういう点について作業がおくれておるのであれば、先ほどの話じゃありませんが、まさに総務庁の方でリーダーシップをしっかりとっていただきたい、そういうことを申し述べまして、質問を終わりたいと思います。以上です。
  66. 西田司

    西田委員長 次に岩國哲人君。
  67. 岩國哲人

    ○岩國委員 おはようございます。  まず最初に、行革担当の続長官質問させていただきます。  こうした行革を推進される最高責任者として、まず、長官がどういう信念、お考えを持ってこの行革に取り組んでおられるか、そのことを二、三質問させていただきたいと思います。  まず最初に、こうした長い期間都政の中におられて、また国政の中にお入りになり、地方から東京地方から日本を見て、日本から地方をごらんになって、またいろいろな思いも持っておられることと思います。先ほどの古賀委員に対する答弁等についても、私もその片りんをうかがわせていただきました。  まず、続長官行革精神行革で何が一番大事だと思っておられるか、外国の人に対してもわかるような言葉で、行革のポイントを二つだけ簡潔に、字数でいえば二百字以内ずつでお述べいただきたいと思います。
  68. 続訓弘

    ○続国務大臣 私はむしろ岩國委員に教えをいただきたい。なぜならば、岩國委員自身が民間経験もあります。アメリカにも長くおられました。同時に、出雲市長という行政のトップをきわめられました。それで、あわせて国会議員としてのお仕事もやっておられる。むしろ私よりも先達であります。ぜひお聞かせください。
  69. 岩國哲人

    ○岩國委員 きょうは全委員にかわり、また民主党を代表し、長官のそうした行革について、何が大事だと、何を心がけておられるのか、何を物差しにして、これはこうすべきだ、ああすべきだということを御自身の判断として持っておられるか、二つ。
  70. 続訓弘

    ○続国務大臣 古賀委員にも、あるいはきのうもこの問題がございました。岩國委員は、私の主張に対してはじっと聞いておられました。したがって、改めて私がお答えすることも、時間の関係もございますので、むしろ岩國委員の教えを請う、こんなふうに思います。
  71. 岩國哲人

    ○岩國委員 長官の、そうした都政の最高首脳部として、職員にどういう心がけで行革を諭してこられたのか。また、千二百万の都民に対して、都庁としてはどういう行革に取り組んでいるのか。やはり行政の一番根本はアカウンタビリティー、説明責任だと私は思うのです。それを、審議の中心のこの委員会で答弁を拒否されるということは、まず、行革精神に一番もとるものである、それが行革のポイントの一番大事なことだということを私は申し上げたいと思います。  わかる言葉で説明する、そして常に、この委員会の中にいる委員にだけではなくて、この委員会の外にいる多くの国会議員、そしてそれぞれの支持者、有権者にはっきりわかるような明瞭な大きな声で説明されることがまず第一。  もう一つ、長官はせっかく私に意見を言ってもよろしいとおっしゃっていただきましたから、つけ加えるならば、私は、小さな役所、大きなサービス、それだと思います。サービスは下げてはならない。しかし、役所は小さく小さく、コストは小さく、下げる。コストは下げる、サービスは上げる、これが行革の根本精神だと私は思います。そうした方向に沿って、民主党もこの法案の審議に取り組んでおります。  こうした鈴木都知事、それから美濃部都知事、このそれぞれについていろいろと、美濃部知事については、都政の中から外へ外郭という形でお出しになった、これは進歩であったという評価をされました。鈴木都知事については、そうした財政再建をされたという評価もされました。確かに、そういう評価があるということは私も承知しております。  しかし、今石原都知事が、昨日の朝も民主党と都庁との懇談会がありましたけれども、今石原都政が取り組んでいることは、いかに鈴木都政を否定しているか、いかに美濃部都政時代の不良債務の先送りをここでメスを入れるか、それは石原さんだからということではなくて、だれかが今この段階ではやらなければならなかったことだと私は思います。  また、鈴木都政の財政再建を評価しておられるということですけれども、私はそれには異論があります。結局、鈴木知事がされたことは、都庁本体の人員を外へ持ち出して、企業経営でいえば、単体のバランスシートだけはきれいにしたけれども、連結すべき子会社の方に全部そのしわ寄せが行っておった。今まさに世の中は連結決算の時代、そういうものが結局大きなツケとなって、東京都政に重荷となってのしかかっているのじゃないでしょうか。  今東京財政状態については、私以上に長官は御存じのとおりです。だからこそ、我々は長官期待しています。そうした責任をとってくださいという意味ではなくて、そういう貴重な経験を踏まえて、日本が破産するか東京都が破産するか、どちらが早いかというこの状態の中で、東京の貴重な経験を生かしていただきたい。  最も大きな自治体と言われた東京都がどうなったか。神奈川県がどうなったか。大阪がどうなったか。この東京、神奈川、大阪、頭文字、イニシアルでいえばTKO、まさにTKOかノックダウンか、ノックアウトかという情勢になっているじゃないですか。  先ほどから田中慶秋委員、それから古賀一成委員質問に対してお答えされるたびに、しかと受けとめておくという答弁が非常に多かったというのが私の印象です。また、重く受けとめますという御答弁もかなりありました。私は、結局、長官に限らず、日本責任者の一番いけないところは、重く受けとめと言いながら軽く流す、これが非常に多過ぎるのじゃないでしょうか。これの繰り返しでは行革にならないのです。重く受けとめると答弁された以上は、必ずその裏づけを説明していただきたい。どのように重く受けとめられたのか、重く受けとめた以上は、いつまでに何をやるという覚悟でその答弁をしておられるのか、それを答えていただきたいと思います。
  72. 続訓弘

    ○続国務大臣 岩國委員鈴木都財政の問題について言及されましたので、あえて申し上げます。  確かに、今の七兆二千億の借金、これは鈴木知事時代につくられた数字ではありません。御案内のように、私が都庁をやめたときには、二兆円の現金を残してやめました。美濃部知事から引き継いだときには三千億のマイナスでありました。わずかに十二年で財政再建を見事に果たし、二兆円の現金をためられる、こういう状況になりました。  したがって、私は、当時の財政状況からすれば、例えば、もう御案内のように、起債の、いわば一般財源に占める割合は幾つかといえば四・六ですよ。あるいは収支、もう御存じのように、税金が百円入ってくるところに、義務的経費は幾らかといえば四十六円なんです。美濃部さんのときは、百円しか入らないのに百六円かかっていたのです。その財政再建を果たされた、まさに鈴木知事だと私は思います。  しかしながら、時代の状況は変わりました。日本の経済も変わりました。そういう中で、確かに、先見性がないといえば、そういう、将来の経済状況がどうあるであろうかということを踏まえながらあるいは行政を進めるべきであったのかもしれません。しかしその見通しを誤ったといえば誤った、その反省はあると思います。しかし、私は、今せっかく鈴木都政に対していろいろおっしゃったから、あえて申し上げます。  あなたが、岩國議員自身が市長として、市民の幸せ、それを願って一生懸命汗をかかれたことも事実です。同時に、鈴木知事も美濃部知事も憲法に保障された地方自治の実現のために汗をかかれました。それはそれなりの、為政者はそれなりの汗をかかれるわけですよ。したがって、私は、今るるお話しになりましたけれども、それはいただけない。  それと同時に、私に対する質問がございました。私は、何回もこの場で私の所見を申し上げました。岩國委員自身もそこで聞いておられました。あえて、それよりもぜひ、岩國氏自身がいわゆる長い経験も持っておられます。そして、新進党時代にも私は今のお話を承っておりました。だから、あえて、この場で私どもにお示ししていただければと思って私はお願いをしたわけであります。したがって、答弁を拒否したわけではありません。
  73. 岩國哲人

    ○岩國委員 そして、今長官が、都政に関して、百円使うべきところを百六円使ってしまったと。問題はここなんです。今長官に我々が期待しているのは、この百六円をいかに百円に下げるか。それについてもっと、重く受けとめるだけではなくて、具体的に、いつどのようにして、例えば人員削減についても十年間で二五%ということが説明されております。しかし、十年間で二五%ということは、八年後に一遍に二五%落とすのか、一年目に一〇%落とすのか。隣の韓国は三年間で三〇%、一年目に一〇%、それをもう既に実行に入っております。日本においては、十年間で二五%というときに、最初の一年目、二年目にまず何%という数字を頭の中に持っておられますか。
  74. 続訓弘

    ○続国務大臣 先ほども申しましたが、中井洽議員にお答えをして最初は二〇%の削減だと総理は主張されました。ここで、二五%削減すべしとの発言に対して、わかりました、やります、こう誓われました。それが例の閣議の決定にもつながりました。そういう意味では総理国民にお約束されたことであります。したがって、二五%の削減はどうしてもやりおおせなければなりません。  しかし、今平成十二年度の定数の査定中であります。法律によれば、十三年の一月六日を起点に、改めて二五%の削減の計画をつくると書いてあります。したがって、私どもは、今は十二年度の定数を一生懸命査定をさせていただいております。その査定の結果に基づいて改めて二五%の削減計画を公にする、こんな予定でおります。
  75. 岩國哲人

    ○岩國委員 では、次に大蔵省にお伺いいたします。  まず、西暦。西暦二〇〇〇年問題ということは世界的規模において非常に心配されておりますけれども、もう一つの二〇〇〇年問題というのは、いつ日本は年号を世界的に使える西暦に直すかということです。二〇〇〇年問題についてということのメモがありますけれども、日付は平成十一年と書いてあります。こういった二重スタンダードをいつ変えていくのか。円の国際化、あるいはこれからのそういったグローバリゼーションというときに、いつまでも日本でしか通用しない年号を基準にしてやっていくのか。二〇〇〇年問題についてどのような取り組みをしているのか。これはもう一つの、より大きな二〇〇〇年問題だと私は思います。  例えば、二千円札をお出しになる。しかし、自民党の中からはデノミという話も出ております。私もデノミについては、後ほど触れますけれども、賛成です。デノミが実現したら、二千円札が出て一年後には二十円札になる。いいですか、二重円札、二にゼロを書くのではなくて、二に重ねると書いて、手間暇、金が二度かかる、二重円札。まさに行革に逆行するような象徴的なお札が回るわけです。二千円札を出したと思ったらもう一年後にはデノミで二十円札。こういったことに対して一体どういうふうに考えておられるのか。  この西暦の問題について、次官としてはどういうお考えを持っておられるのか。これからの行政の合理化あるいは国際化、金融のグローバリゼーション、この三つの角度から、私は避けて通れない問題だと思っております。御所見をお願いします。
  76. 大野功統

    大野(功)政務次官 ただいま、歴史の流れの中で急変するいろいろな情勢がございます。その中で一番大切なことは、国際化という問題と日本という独自性をいかに守っていくか、これをいかに調和させるかという問題だと思っております。  例えばお札の問題でございます。確かに、二〇〇〇年に二千円を出す、これは心が明るくなるような話でございます。しかし、岩國先生御指摘のとおり、デノミになったら一体どうなるんだ。しかし、デノミという観点を国際化というグローバリゼーションの中で考えますと、やはり一ドルに対して三けたの数字というのはいかがなものであろうか、もっともっと国際化という観点からはそういうことも考えていかなきゃいけないんじゃないかという問題と、さらに国内的にもデノミをやった場合にいろいろな影響がございます。それは利益が来るところもありますし、大変なコストを負担しなきゃいけないところもある。こういう幅広い視野からみんなで議論し合って決めていくことだと思っております。  ただし、根本はやはり、国際化と日本の独自性をどう調和させていくか、このような観点から考えていくべき問題だと思っております。
  77. 岩國哲人

    ○岩國委員 ありがとうございました。  そういった二〇〇〇年問題、年号というのは確かにもうなじまれており、出雲市も、西暦には変えましたけれども、当分の間は年号も併用しております。これは、三十人の市民の代表、神主さんも含めて、審議会の結論は、二十八対二で西暦を使うべきだ。出雲市は十年間ずっと西暦を使っております。将来どちらか一つということになった場合には西暦を使うべきだという付記された答申でありました。  こうした思い切った改革をする、それこそ行政改革ではないかと私は思います。世の中を明るくするために二千円札を出す、それはまだ随分スケールの小さい話であって、むしろ私は、デノミであるとか年号の呼び方を世界に統一させるとかいう大きな改革こそが本当の世直しじゃないでしょうか。世直し世直しと言いながら、やっているのは手直ししかやっていないじゃないですか。私は、本当の世直しは何かということをこの行革委員会でしっかりと議論すべきではないかと思います。  私は、明治天皇のこれをよく持ち歩きますけれども、明治天皇は、明治四年、勅諭でもって、今月十一月ですけれども、十一月十二日から洋服をもって礼服とすると。そして、日本の伝統的な和服を否定したわけではありません、それから洋服の時代に切りかわったのです。私は、独裁と言われようと何だろうと、これこそはまさに改革のすばらしいお手本ではないかと思っております。  次に、金融監督庁について質問したいと思います。  こうした大蔵省という、何でもかんでも大蔵省と言われた時代から今変わってまいりました。金融監督庁ができてから、投資家保護、預金者保護、具体的ないろいろな金融機関に対する苦情の問題が非常にふえています。これは、大蔵省の手を離れたからふえたのではなくて、離れなくても当然ふえておったと思います。新聞を開けば、毎日毎日金融関係の苦情が、あちこちでトラブルが発生しておる。  この新しくできた金融監督庁の事務ガイドラインにおいて、いろいろな規定が細かく記載されております。この事務ガイドラインについてお伺いいたしますけれども、事務ガイドラインというのは、いつできて、そして、全部で何ページありますか。
  78. 村井仁

    ○村井政務次官 事務ガイドラインというのは、私どもといたしまして、金融監督庁の事務を行いますために、平成十年六月に、当時は大蔵省銀行局及び証券局におきまして、いわゆる講学上の通達と呼ばれるものでございますけれども、要するに、行政庁の職員を縛る、そういうものとしてつくったものでございます。  ページ数につきましては、現在、私手元に持ってきておりませんでしたので、申しわけございませんが、後で御連絡なりさせていただきます。
  79. 岩國哲人

    ○岩國委員 そうすると、私の手元に来ております十一年四月一日というのは、これは改訂版でしょうか、十年六月というのが初版であるとするならば。
  80. 村井仁

    ○村井政務次官 御案内のとおり、金融関係の組織がいろいろ変わってきておりますので、それで、恐らくお手元に差し上げたものは十一年四月現在のものを、これはいろいろな機会に修正する場合がございますから、その段階で整理しましたものを印刷に付したものだろうと理解しております。それはたしか一番新しいのではないかと思います。
  81. 岩國哲人

    ○岩國委員 最近、商工ローン等をめぐりまして、いろいろな苦情が、各国会議員なり各官庁なり、いろいろなところに出ているのは御承知のとおりでありますけれども、昨日大蔵委員会で、ある委員から配付された事務ガイドライン、それに関して、今焦点の金融機関に対する苦情について、これは番号は0—6—1、そして苦情等を受けた場合の対応がここに書いてあります。十一年四月一日のものでは、これは0—7の中に入っております。0—7—1と、番号が一つずれてきておるわけですね。  これはなぜこのようにずれたのか、どちらが新しいのか。きのうの大蔵委員会で配られた苦情対応が新しいのか、あるいは0—7—1の方が新しいのか。それだけを簡潔に一つだけ。  そして、次官の御意見として伺いたいのは、次官のお考えとして、大蔵省時代か金融監督庁時代か、どちらがこうした一般の人たちの苦情対応のサービス内容がよくなったと思われるか、どちらが小さな政府、大きなサービスを実現したと言えるかどうか、この一点について次官の御意見をお伺いいたします。
  82. 村井仁

    ○村井政務次官 昨日もその点はいろいろ御議論があったところでございますけれども、いわゆる金融につきましての消費者のサービスという問題、これは私もきのうちょっと別の委員会でお話し申し上げたのでございますけれども基本的には、金を貸す、借りる、これは私法上の契約でございまして、それにどれだけ当局として介入するかということは、おのずから限度がある話でございます。申し上げるまでもございません。  それについて、前の大蔵省の通達などでは、かなり突っ込んだサービスをしていたという観点からの御議論がございました。それに対しまして、金融監督庁の立場では、我々は介入してこれをいわば裁く立場にない、そういうことであるから、適切な、例えば銀行協会連合会における相談機関でございますとか、あるいは保険協会における相談機関でございますとか、こういうところを御紹介するにとどめるということを書いてあるわけでございます。  それをどのように評価されるかということでございますけれども、残念ながら、金融監督庁は、預金者の利益のための預金の保護あるいは金融秩序の維持、そういうところは我々の職務、責務でございまして、そういうことに限定された権限を与えられている、そういう立場であるということで、今御指摘のようなお話があった。それを、消費者保護という観点から切って、それでどちらかと言われましても、ちょっとお答えがなかなか難しいのではないか、こんなふうに思う次第でございます。
  83. 岩國哲人

    ○岩國委員 その辺がきのうの越智長官の答弁のおかしいところでもあったと私は思います。  つまり、一般的に、行政改革とか、これからの行政あり方を変えていくというときにはできるだけ介入しない方がいい、この点は正しいと私は思います。  しかし、それは方向が問題です。そうした強い者、強きをくじき弱きを助けるのが政の精神であれば、強きをくじき弱きを助ける方向行政サービスは介入の度合いをもっとふやすべきだと思うのです。現に、弱い人たちが困っているじゃありませんか。あるいは、知識がないために、金融取引、投資等について大変な苦難に遭った。ところが、大蔵省の手を離れたからそうなったわけではありませんけれども、金融監督庁になったときに、その辺がどうも履き違えられたのじゃないか。何でも干渉しない方がいいと。  この事務ガイドラインを見ましても、確かに、できるだけ介入するな、コメントをするな、そしてどこかを紹介するにとどめなさい、こういったようなことであって、大蔵省時代のものから非常に後退しているわけです。大蔵省時代は、少なくともそういう苦情があれば、金融機関に直接、あるいは時には指導をし、注意をしということはあった事実も私は知っておりますし、むしろ金融監督庁時代のそういういい点は残していかなければならない。いい点も悪い点も全部下げてしまって、結果的に、こうした投資家保護、金融でいえば消費者というのは投資家になりますけれども、投資家保護の点が後退しておるのではないか。私はその点を大変懸念いたします。  これが、いろいろな独立行政法人になった場合に履き違えられて、何でも緩和、小さくすればいいんだと。つまり、ディレギュレーションとリレギュレーション。規制がもっと強くならなければならないもの、これも改革の一つです。何でも、行政は小さくなれば全部行政改革かというと、そうではない。ディレギュレーションの方向はそれでいいでしょう。しかし、環境の問題、薬害の問題、薬の問題、それはリレギュレーションが必要だと私は思います。まさに金融においてもアメリカはディレギュレーションをやり過ぎました。だから、今アメリカはリレギュレーションが必要になってきている。こういう時代に、こちらではディレギュレーションの一方通行ではおかしくなる、私はそのように思います。  次に、酒類研究所についてお伺いいたします。もう時間がありませんから、ごく簡単に。  この五十幾つある独立行政法人、私は、端的に言って、これは数が多過ぎると思います。二十三を十二にまとめたように、もっとまとめるべきじゃありませんか。ただ名前変えたというだけではなくて、醸造研究所が酒類総合研究所、こういうことをやっているから種類ばかりが多くなっていくのじゃないですか。  例えば、この中で、農業の農という字がついたものが八つもあります。これも多過ぎます。もっと二つか三つにきちっとグループでまとめるべきじゃありませんか。私も農業を愛する、農業にこだわりを持つ人間の一人です。ノーと言える日本でありたいと思います。しかし、ここでは、農と言っている法人が八つもある。そして、それ以外に、食品だとか林木だとかさけ・ます、水産、森林等々で、農林省関係はまたほかに八つもある。あるいは、海上技術安全研究所、海技大学校法案、海員学校法案、似たようなところがこれまた三つそれぞれ分類されている。やはりそういうものは一つにして基盤を強化して、より高度な研究ができるようにするのが行革精神じゃありませんか。それを今までのものをそのままにして、名前を変えたり場所を変えたり、私は、その程度のことで行革の目的が達せられるとすれば甘いと思います。  それぞれの独立行政法人に関して、最初の二年間に、最初の五年間に、どのような採算がとれるのか、そのシミュレーションはできておりますか。長官にお願いします。
  84. 続訓弘

    ○続国務大臣 今まさに御指摘がございました三年後の見直し、五年後の見直し、それを通じて、今御指摘のような、いわば本当に存続させる必要があるのか、あるいは統合化する必要があるのか、そういう時点で検討させていただきたい。
  85. 岩國哲人

    ○岩國委員 見直しは結構です。しかし、見直しという名前のもとに、問題の先送りが行われておったんではいけないと思います。  つまり、三年後、五年後に見直しても十分存続し得るようなものをここへ持ってきておられるのかどうか。ただ、今決断するのは怖いから、三年先、五年先に延ばすために三年後、五年後に見直しいたしますということで、気休めをしようというのか、その辺が問題なんです。つまり、これから五年間、十分採算がとっていけるというようなシミュレーションというものは情報公開をしていただきたいと思います。最初から赤字続きのところばかりが続々と出てきて、結果的に、五年たってみて後を振り返ってみたら、あのときにちゃんと整理しなきゃならなかったものを、五年間何となくその手術、改革を先延ばしにしておったんじゃないかと私は言われたくないからこれをお伺いしております。そういうシミュレーションは各法人ごとにできておりますか。
  86. 続訓弘

    ○続国務大臣 この大ぐくりの問題、八十九あった中から八十六、その中から五十九、それは委員案内のように、この国会議論の場で実は整理されております。そういう整理された方針のもとに五十九の大ぐくりをやったわけであります。  したがって、それはそれとして、これからの、今の課題については、先ほど来申し上げていますように、まず五十九の独立法人を発足させていただき、三年後、五年後の見直しの時点でちゃんとした整理をさせていただきたい、このように思います。
  87. 岩國哲人

    ○岩國委員 私の時間が終了いたしましたので、これで質問を終わらせていただきますけれども、本会議の席上で、あれだけ限られた時間にあれだけ膨大な書類の審査というのは、あれで十分な審議が行われたと思っている国会議員ははっきり言って一人もおられないと思います。  せっかくこういう特別委員会がある以上は、審議に関して不十分であったところは十分に審議をして、直すべきところは直し、改良すべきところは改良していく、それこそがこの特別委員会の名前、行革にふさわしいと私は思いますから、これからも、たとえ一応可決された法案であっても、中身をどんどんこの委員会の場で審議し合うということは私は必要ではないかと思います。  どうもありがとうございました。
  88. 西田司

    西田委員長 次に、松本善明君。
  89. 松本善明

    松本(善)委員 行革基本問題についていろいろ議論がございましたが、私も、長官行革に臨む基本姿勢からまず伺いたいというふうに思います。  そもそも国民のための行政改革というのは何か、先ほども議論がございましたが、私は、まず肥大した機構をスリムにし、むだや浪費のない簡素な行政にする、これが一つ。それから、汚職や腐敗で行政をゆがめない、ゆがみを正して公正な行政にする。そして三番目に、主権者である国民の意見が反映をして、国民の人権と福祉が実現をする民主的な行政をする。  こういう考えの基礎にあるのは憲法だと思うのです。「この国のかたち」は、この憲法の基本原理、そこにあらわれてくる国家目標をいろいろな制度やシステムの中に生かしていく、これが行政改革基本考えだと思いますけれども大臣はいかがお考えになりますか。
  90. 続訓弘

    ○続国務大臣 松本委員御自身が今三点にわたって基本的な考え方を述べられました。私もまさにそのとおりだと存じます。
  91. 松本善明

    松本(善)委員 大臣に、そういう観点から、日本政府が大きい政府か小さい政府かということが根本問題としてよく議論をされますので、最初に大臣の意見を伺っておこうと思うのであります。  といいますのは、一昨年来からこの行革の問題で本委員会で議論をしているのですけれども小渕総理大臣は、この省庁再編を、明治維新、第二次世界大戦後に続く第三の改革ということを強調されるんです。しかしながら、行政実態分析がどうなのかとか、行政の将来に対する需給の見通しはどうなのかというようなことが納得できるように政府の方から提起をされているように私は到底思えないんです。それで、この問題を改めて提起をするわけなんです。  政府の大きさをはかる手法というのは、学界でもまだ定式化したものはないようでありますが、しかし、一般的によく使われる手法で見てみますと、一つは、GDPに対する政府部門の支出がどうかということ。要するに、国内生産費に占める政府部門の支出がどうか。これの比率が高い政府ほど大きな政府ということになろうかと思います。  OECDの資料、ナショナルアカウンツの九八年版で、GDPに対する政府部門の支出の国際比較を見てみますと、日本が二九%に対してフランスが四九%、ドイツは三八%、アメリカは二九%、イギリスは二七%。アメリカ、イギリスとは日本はほぼ同じぐらいですが、フランス、ドイツと比べますと大幅に低いという数字が出て、決してGDPとの比較での政府支出が多い方ではないということが国際的な比較でも明らかであります。  もう一つの指標は公務員の数の問題だろうと思います。  やはりOECDの資料によりますと、全就業者に対する公務員の数が出ておりますが、日本の場合は、就業者に対する公務員の比率が六%というのに対して、アメリカは一四%、イギリスは一六%、ドイツは一五%、フランスは二七%と、日本の約二倍から四・五倍となっております。  こういう国際比較から見ますと、日本政府は国際的に見れば大きい政府とは言えない、むしろ小さな政府の部類に入るということになるのではないかと思いますが、長官はどのようにお考えでございますか。
  92. 続訓弘

    ○続国務大臣 ただいま松本委員がいろいろな資料を示されて、大きい政府か小さい政府か、日本政府はむしろ欧米に比べて公務員の数は決して多くはない、こんな資料を示しての御質問がございました。ただ、欧米の行政日本行政が、役割分担は私は違っていると思います。そういう意味では、その数字は直ちには比較にならないと思います。  しかし、せっかくの御質問でございますので、私の私見を述べさせていただきますと、やはり、この行政改革は、どういう時代の認識、歴史の認識の中で始まったのかといえば、先ほど三点哲学を示されました、その三点の哲学を実現するために政府としてどういう手法をとるのかとなれば、この際は、肥大化している行政システムをスリム化する必要がある。さらには、権限を中央から地方へ移す必要がある。さらには、官から民へ移す必要がある。そういうもろもろの政策を実現した上で六百兆円にわたる負債を何とか解決をしよう。私は、そのための時代の要請に合った今回の行政改革であると思います。  したがって、いろいろな立場のいろいろな御意見はあると思います。しかし、今申し上げたように、政府として先ほど述べられた三点の哲学を実現するための手段としてこれが一番正しい、こんな思いで行政改革を進めたということを御理解賜りたいと存じます。
  93. 松本善明

    松本(善)委員 最初に長官考えが一致した、これは結構な話でございます。そして、行政改革が必要だということについては、皆一般的に言えば変わりはないのですが、その方向がどうあるべきかという考え方についての違いがあるものですから、こうして委員会でいろいろ議論をしているわけでございます。  私は、長官の御答弁を聞いておりまして、私の挙げました根拠に対する、根拠を挙げての反論というものはなかったように思います。長官のお考えは、条件が違うというお話はございましたけれども、やはりこういう資料があるのだということを頭に置いて、いろいろな行政改革の施行に当たっていただきたいと思うのであります。  もう一つ、日本政府の中で何が大きくて何が小さいのかという問題もやはり考えなければならない問題であろうかと思います。  同じOECDの資料で国際比較をしてみます。典型的なもの、社会保障と公共事業について比べてみます。やはりGDPの比率で見ますと、社会保障給付と社会扶助金、これを合わせれば大体社会保障関係の給付ということになりましょうが、それは、日本は合計しますと一三・五%、アメリカが一二・二%、これはほぼ同じ、ちょっと多いですが。イギリスはちょっと資料がありませんので省きますが、ドイツが一六・八%、フランスが二一・五%ということで、社会保障給付と社会扶助金はアメリカとほぼ同じだが、ドイツ、フランスと比較をしますと少ないという状態であります。  一方、公的固定資本形成、言いかえれば公共事業費ですね。これは日本が六・六%、アメリカが一・七%、イギリスが〇・八%、ドイツが二・二%、フランスが三・一%、こういう関係になっておりまして、公共事業、公的固定資本の形成については日本が圧倒的に多いわけであります。こういうことを見ますと、社会保障給付については小さい、公共事業については大きいという関係になるのではないか。  こういうことを考えますと、やはり行政改革をする上では、国民の福祉の向上、基本的人権の実現という観点からこの分野を充実させる、公共事業の分野を削っていく、こういうことが必要なのではないかと私どもは思うのですけれども長官はいかがお考えでしょうか。
  94. 続訓弘

    ○続国務大臣 今、社会資本の問題について数字を挙げて述べられました。松本委員は海外にもう何回も行っておられる。したがって、かの国の社会資本がどれほど充実しておるのか、成熟社会であるのかということは、もう篤と御承知と存じます。  私どもは社会資本のおくれが目立ちます。いずれにしても、公共事業を推進するということは社会資本を充実するということ、それは産業の基礎にもなります。そういう意味で、おくれを取り戻すためには、ある意味では社会資本の充実も私は必要ではなかろうか、こんなふうに思います。  同時に、今、社会保障の問題がございました。数字を挙げての指摘がございました。私どもも一生懸命やらせていただいておりますけれども、給付と負担の割合がどうでしょうか。私どもの、いわば日本における税負担というのは、あるいは社会保障も含めて、欧米に比べて私は少ないんじゃなかろうか、こんなふうに思います。  したがって、給付と負担の問題、同時に、今の公共事業につきましては、一定の社会資本を充実するという状況が日本に課せられている、こういうことと私ども理解しております。
  95. 松本善明

    松本(善)委員 現実の問題として、支出の関係で見ました場合には、これはもう明白に公共事業が、他の国と比べまして、社会保障と比べて大きいわけですね。これは数字の上で出ております。これを是正するということをやはり頭に置きながら行政改革を進める必要があるのではないかと存じます。  それで、私は、今回の政府行革は、減量化というところに最大の特徴があろうかと思います。  私どもも、むだな分野をスリム化するとか、あるいは浪費を削るということはもちろん賛成でございます。しかし、今回行われております行革、省庁再編は、国際的水準から見て低いところにある部門の縮小、あるいは独立行政法人化による行政からの切り離しという方向になっているのではないかというふうに私どもは思っているわけでございます。  例えば独立行政法人、これは国が直接行わなくてもよい事務事業というふうに位置づけているわけですね、だから独立行政法人。国立という名前はついているけれども国立でない独立行政法人という奇妙なことも起こっております。独立行政法人をそういうふうに位置づけていますが、どういうところがそうなるかというと、国立病院、国立研究所、国立美術館、博物館、さらに国立大学もその視野に入れているということであります。  直接国が国民のために役立っている部門、医療、文化、教育など極めて公共性の高い分野ばかりではないのだろうか、こういうところの事業ほど国が直接かかわって行うべきではないだろうか、公共性を特に重視すべき分野ではないだろうか、こう考えますが、長官はどのように考えておられますか。
  96. 続訓弘

    ○続国務大臣 松本委員がお述べになりました、要するに、基本的なサービスはいかなる行政改革といえども私は落としてはならないと、これは国民期待しておられますから。しかし、同時に、今賛成をしていただきましたぜい肉落としは積極的にやらなければならない、そういう中で今回の行政改革に取り組ませていただいております。  同時に、今、独立行政法人の問題が御指摘ございました。それも、サービスは落とさない、しかし同時にスリム化する、あわせて民間の感覚も入れる、まさに国民期待するような独立行政法人、要するに、先ほども私はるる申し上げましたけれども法人化することによってそういう運営の妙を果たして国民期待にこたえる、そんな法人になっていただきたい、また、なりたい、なるべきだ、こんなふうに思います。
  97. 松本善明

    松本(善)委員 やはり国会や私たち政治家、国会議員が論ずべきことは、ではスリム化する、何をむだをなくすか、どこにむだがあって何が行政需要が大きいか、国民立場からそれを議論するというのが国会仕事であり、私たち仕事ではないかというふうに思います。  私は申し上げましたように、やはり公共事業が肥大化している。すべての公共事業を否定するわけではありませんけれども、むだなものが物すごくある。それは政府の関係、宮澤さんなんかでもむつ小川原その他について言っておられることであります。そういうところにメスを入れる。そして国民生活、国民の需要、行政需要の多いところにこたえていく、これが必要なんだ。何が必要で何にメスを入れるかということが十分論議をされなければならない。  私は率直に申しまして、例えば公務員二五%削減、一律にいく、その根拠についても十分な説明がなされない。こういう一律ではなくて、やはり行政需要との関係でこれが議論されなければならないのではないかというふうに私は思うわけでございます。  それで、先ほども述べましたが、公務員の数は、就業者に対する比率でも、人口に対する比率でも、他の国に比べて特別に少ないということは、総務庁の資料でもはっきりしております。これは御存じのとおりで、答弁もありました。それは結局、国民から見ると、低い行政サービスしか受けていないということになるんじゃないか。  きょうは、時間の限りもありますから、すべてのことを論ずるわけにはいきませんので、今大きな問題になっている原子力の安全問題でこの問題を長官議論してみたいと思います。  一昨日の本会議で、原子力災害対策特別措置法案に対する我が党の議員の質問で、OECDへの原子力の規制部門の職員数の報告を四百五十人というのは誤りで、二百九十人だということを外務大臣がお認めになりました。規制部門と推進部門とを分離するのが条約上の義務だということになっている、これはクエスチョンタイムでも総理と我が党の不破委員長との間で議論になっておりました。  これは、一体になっているという問題が日本行政では一つの大きな問題でありますが、これはこれとして、私は、規制の職員が今、訂正されたところでいえば二百九十人、アメリカ側は三千百二十人なんですね。十倍以上の数になっています。いろいろな条件の違いはありますけれども、余りにも違いが大き過ぎます。こういう分野をやはりふやさなければならないんじゃないか。長官はどのようにお考えになりますか。
  98. 続訓弘

    ○続国務大臣 この問題につきましては、去る十日のクエスチョンタイムで不破委員長小渕総理との質疑がございました。また、重ねて今、松本委員からの御指摘もございます。  その十日の総理発言も、御指摘はちゃんと受けとめます、今回の行政改革の中でも、その問題を心して、実は実施部門とチェック部門と、しかもチェックは二重のチェックにしております、あってはならない事故を未然に防ぐための努力は一生懸命いたします、こうお約束されました。私どもも、そういう総理の発言を受けとめて、これからいろいろなことを考えさせていただきたい、こんなふうに思います。
  99. 松本善明

    松本(善)委員 といいますことは、この規制部門の職員はやはりふやさなければならぬ、そういう方向考える、こういうことでございますか。
  100. 続訓弘

    ○続国務大臣 適時適切な判断をさせていただきたい、こういうことです。
  101. 松本善明

    松本(善)委員 原子力安全局長に政府参考人として来ていただいておりますが、私は、このままで原子力の安全が保てるのかどうか、その人数の関係について、専門家である原子力安全局長に聞きたいと思います。
  102. 間宮馨

    間宮政府参考人 御説明させていただきます。  先ほど長官の方からもございましたように、我が国におきましては、一次行政庁、通産省、科学技術庁、それと安全委員会がダブルチェックの体制をしいておりまして、安全委員会の方では二百名の専門家を擁して厳正な審査を行ってきたところでございます。  今回の原子炉等規制法、今改正をお願いいたしておりますが、その改正が行われましたならば、一次行政庁の機能強化がまず図られるということでございます。  それと、原子力安全委員会につきましても、これまで許可の段階につきましてはダブルチェックをやってきておりますが、今後、建設、運転段階を含めまして、一次行政庁の安全規制のあり方を中立的立場からチェックする機能を強化してまいりたいと思っておりますので、その方向で我が国の安全確保に万全を期してまいりたいと思っております。
  103. 松本善明

    松本(善)委員 長官の御答弁とあわせて、やはりこの分野を強化しなければならないということは、これはだれでも異論のないところであろうと思う。行政改革という観点からも、今長官はふやすということまでは言われなかったけれども、適切な判断をすると。この問題を強化するという観点から判断をされるというふうに受けとめておきたいと思います。  私は、ここで施行法について伺いたいと思います。  国民各層を初め専門的な意見を反映させる機関である審議会の制度を統廃合するということに伴う関係法律が二百五十七本施行法で提案をされております。  そこで、問題にしたいのは、審議会の答申、意見を尊重する規定を聞くことというふうに改定している、これの問題であります。  例えば、原子力の問題で言いますならば、核燃料の製錬、加工、再処理等を行う民間事業者を指定する場合に、主務大臣は原子力安全委員会の意見を聞き、これを十分尊重することになっているのが、今度の改正案ではこれを「意見を聴かなければならない。」に改めました。これは、施行法の九百四条の核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の改正でありますが、こういうことになりますと、原子力安全委員会の専門的意見を軽視することになる。聞きさえすればいいということになるんじゃないだろうか。国民の安全を守る上から問題ではないでしょうか。長官の御意見を伺いたいと思います。
  104. 続訓弘

    ○続国務大臣 二百十一の審議会の中で、尊重義務を課しているのが二十二ございました。今回それを整理しておりますけれども、その趣旨は、行政責任は内閣にある、行政府にある、したがって、仮に審議会に意見を求める、その意見の具申は当然のことながら尊重する、したがって、言わずもがなの規定であるので私どもは今回整理をした、こういうことであります。  今おっしゃるように、尊重は当然のことであります。しかし、最終の判断は行政、内閣が判断をする、責任を持って判断する、こういうことでございます。御理解を賜りたいと存じます。
  105. 松本善明

    松本(善)委員 そうしたら、尊重するということには変わりはないというなら何で文章を変えるんだという疑問が起こるのですが、文章を変えた理由は何ですか。
  106. 続訓弘

    ○続国務大臣 あるものもないものもということじゃ困るし、今申し上げたように、当然のことだ、言わずもがなだ、となれば整理をした方がよろしいということで今回整理をさせていただいた、こんな経過でございます。
  107. 松本善明

    松本(善)委員 ちょっと納得できる御説明、御答弁ではなかったと思います。  やはり、専門的な意見が軽視をされるということになりますと、それは最終的にはもちろん政府が決めることでありますけれども、これは国民の安全からも非常に問題が起こる。これは、原子力安全委員会の問題で申しましたけれども、ほかの問題でも全く同じだというふうに思います。  それからもう一つ、審議会を統廃合することによって起きる問題として、特定の審議会に権限が集中すると、多くの案件が一つの審議会に集中して審議が形骸化しないかという問題。例えば、文部省でいいますと、中央教育審議会の権限が非常に強化をされている。大学審議会、教育職員養成審議会、生涯学習審議会、理科教育及び産業教育審議会、保健体育審議会を廃止して、それが中央教育審議会に移行する。  これは、いろいろな問題がありますが、行政の政策決定の責任の明確化と称して、国民各層や専門的な意見を行政に反映させるという本来の審議会の民主的な機能を弱めることになるのではないかというふうに危惧をいたしますが、長官はどのようにお考えになりますか。
  108. 続訓弘

    ○続国務大臣 松本委員も篤と御案内と存じますけれども中央省庁改革基本法の第三十条の二号のイにこんな規定がございます。「原則として廃止するものとし、設置を必要とする場合にあっては必要最小限のものに限り、かつ、総合的なものとする。」と書いてあります。  したがって、今御指摘されました文部省の関連七つを一つにまとめております。これも、中央教育審議会ということにまとめておりますけれども、この場で大いに議論をしていただく、そして、先ほど申し上げたようにその審議会の答申は尊重する、こういうことで私どもは対応させていただきたい、こんなふうに思います。
  109. 松本善明

    松本(善)委員 果たしてそういうような運営になるかどうかということを私どもは危惧するわけでありますが、審議会というのはやはり非常に大事だというふうに考えております。  審議会に国民の声を反映するために、私どもは、審議会通則法というのを今国会に提案をしております。どっちかというと財界偏重の委員構成が多い、そういう委員構成を改めて公正な委員の編成を確保するとか、審議の公開をするとか、審議会を民主化するという審議会通則法を制定することを提案しているわけでありますが、審議会を民主化するということは大変大事な問題であろうかと思います。この構成の問題も含めまして、この問題について長官がどのようにお考えになっているか、伺いたいというふうに思います。
  110. 続訓弘

    ○続国務大臣 今御指摘のことについては、いろいろな見方がありました。一つは、委員会を隠れみのにするのじゃないかという御意見も一方にはございます。同時に、今お話しのように、国民の声を代弁する機関だ、大切な機会だ、尊重しなさいという御意見もございます。それらを総合的に勘案しながら、私どもは、必要な審議会は設置をする。それと同時に、今委員の公正さを求められました。これは当然のことであります。国民の声を審議会に反映し、その審議会の答申を尊重し、かつ、最終的には内閣の判断で、責任で事を処す、そういう仕組みを今回とらせていただいたわけであります。
  111. 松本善明

    松本(善)委員 これとの関係で、先ほど原子力安全委員会の意見を聞くという問題について、変わらないんだ、尊重するのは当然だというふうにおっしゃいましたけれども、これは原子力安全局長、今までの行政実態の中から、どういう状態になっているか、どう考えているか、ちょっと伺いたいと思います。
  112. 間宮馨

    間宮政府参考人 御説明させていただきます。  中央省庁改革基本法におきまして、原子力安全委員会は、内閣府に設置されて、その機能は維持されるという基本方針でございまして、それに沿いまして行政改革後の原子力安全委員会の位置づけが整理されております。  先ほど長官の方から、行政改革の統一方針として、尊重義務規定を一律削除ということでございましたが、この方針に従いまして原子力安全委員会の尊重義務規定が削除されることになったものでございまして、省庁再編後も原子力安全委員会の機能は変わることなく引き続き維持されるというふうに理解をいたしております。  原子炉等規制法における尊重義務規定の削除後も、事業許可等の処分に際して原子力安全委員会の意見を聞くということは手続的に法定されておりまして、かかる手続を踏む以上、原子力安全委員会の意見を尊重することは当然に想定されており、問題はないものと考えております。
  113. 松本善明

    松本(善)委員 長官とそれから局長の答弁で尊重することには変わりがないということでございましたけれども、今後の行政実態を見ていきたいというふうに思います。これが後退にならないようにということを強く主張しておきたいと思います。  それから、先ほど何をスリム化するか、どこにメスを入れるか、どこを強化しなければならないかという問題として、国立病院や国立研究所、国立美術館、博物館など独立行政法人になろうとしているもの等、重要な、国が責任を持ってやらなければならぬ問題だというふうに私は申しました。  一方で、では、どこをスリム化するかという問題としては、私どもは公共事業ということを言っているわけですが、国土交通省が非常に大きな行政官庁になる。公共事業の八割を占める国土交通省が設置されるというのは、私どもからすれば全く逆行ではないかというふうに思っているわけですが、この国土交通省の独立行政法人問題について聞きたいと思います。  現在の建設省では、土木研究所と建築研究所を独立行政法人にするという個別法を提出しております。その一方で、新たに国土技術政策総合研究所を二〇〇一年四月から設立することを決めている。この国土技術政策総合研究所は土木研究所の七割、建築研究所の一割、運輸省港湾技術研究所の三割程度の機能、人員で構成されると言われているのでありますが、この研究所の概要はどういうものでありましょうか、政府参考人建設省官房長に聞きたいと思います。
  114. 小川忠男

    小川政府参考人 現在の土木研究所あるいは建築研究所の業務は、基本的には独立行政法人というふうな形で引き継がれるべきものと思います。  ただ一方で、国土技術政策総合研究所の業務の範囲につきましては、通則法の二条に、国がみずから主体となって直接に実施する必要がある事務、こういうふうに書いてございます。現在、私どもは、この業務に該当するものとして、例えば土木研究所がやっております業務のうちで、建設省、道路にせよ、河川にせよ、国が直接管理している直轄道路あるいは河川がございます。こういったものの設置基準でございますとか管理基準といったような技術的基準はやはり国の責任において定めるべきものと思います。こういった分野の調査でございますとか研究は、国の責任において引き続きやるべきものと思っております。  現在、例えばの例で直轄の基準というふうなことを申し上げましたが、こういうものを確認して、国土技術政策総合研究所の担当すべき分野と独立行政法人が担当すべき分野の仕分けを平成十三年度までに具体的に行いたい、このように考えております。
  115. 松本善明

    松本(善)委員 一方で三つの研究所を国の行政から切り離して独立行政法人にするということをしながら、一方で新たに三つの研究所の一定部分を集めて研究所をつくる、これは国民にはなかなか理解のしがたいことではないか。うがった見方をする人は特権官僚の救済のためではないかというようなことを言う人もないではありません。  やはり私も、どうしても、今の御説明を聞きましても、合理的な理由がないのではないかと。独立行政法人にするということについては、これも含めてですが、全体として、一体この機関を独立行政法人にすることが本当に国民のためになるのか。国民のための行政になるのかどうか。その一つ一つについて本当に十分な検討がされているかどうか。今までの行政改革会議以来のいろいろな資料を読みましても、一つ一つのものについて、これはそのままの方がいいか、独法化の方がいいかということについて突き詰めた議論が十分なされていない。国会でも、それがなされないで、そのまま進んでいくというのは極めて重大なことではないかというふうに思っておりますけれども、この独法化の問題と残る問題について、長官はどのようにお考えになりますか。
  116. 続訓弘

    ○続国務大臣 今土木研究所云々の問題がございました。  官房長からお答えを申し上げましたけれども、最初にこの整理の方針について御説明申し上げました。いわゆる省庁の政策に直接かかわる研究所は存置をするんだ、企画立案、政策に直接かかわるもの、実施の部隊は独立法人化するんだ、こういう整理の方針を御説明申し上げました。  今まさに御指摘の研究所は、そういう政策あるいは企画立案、省にとって必要な部門であります。したがって、他は独立法人化する、そのエキス部分、そういう部分を取り出して今回新たに設置をすることでございますので、整理の方針としては変わっておりません。  ただ、重ねての御質問独立行政法人化対象に当たって、基本的方針はどうなのか、こういう御質問がございました。これは基本法の三十六条に明示されております。一つは、国民生活及び社会経済の安定等の公共上の見地から確実に実施されることが必要な事務事業。それと二つ目には、国がみずから主体となって直接実施する事業。そして三番目には、民間の主体にゆだねた場合には、必ずしも実施されないおそれがあるか、または一つの主体に独占して行わせることが必要であるもの。この三つが実は基本であります。この基本の整理に従って、私ども独立行政法人にすべきか否かを判断したわけであります。
  117. 松本善明

    松本(善)委員 その基本的原則については再々ここで議論をしていることですが、長官が改めて触れられましたので言いますが、国が確実に実施をする必要があるということが前提になっていながら、法人の改廃があり得る、廃止もあり得るということになっているところが問題がある。確実に実施をする必要があるということならば、廃止ということはあり得ないはずなんです。ところが、矛盾したものが入っているものですから、それで大きな問題になるし、それから、国立大学が独立行政法人になることには強い反対が国立全体の中にあるという状態なんだと思うのです。  だから、私が申し上げておりますのは、一つ一つの独立行政法人について、果たしてこれは独立行政法人になった場合に国民生活にプラスになるのかどうか、一つ一つの問題について、そういう議論国会でもされていない、行政改革会議でもされていません。そういう状態で、独立行政法人に五十九ものものがざあっとなっていくということが一体いいのか、こういう問題だと思うのです。  基本政策、土木の問題については今長官はそういうふうに言われましたけれども、例えば農業についてはほとんど全部が、一つ残ってほとんど独立行政法人になりますね。今日本の農業は、根本的に考えなければならない、このままでいけば壊滅するかもしれない、これは皆さんが展望が持てなくなっている、農協の皆さんも同じです。そういうようなことについて、根本的に、国の農政はどうあるかということについては、あらゆる分野から本当に国としてやらなければならない、そういうような議論が十分なされていないのじゃないかということを言うわけです。  長官は、今の言われている三原則との関係で、改廃の問題をどう考えておられるか、また、農業関係の問題については土木と比べてどう考えておられるか、伺いたいと思います。
  118. 続訓弘

    ○続国務大臣 この問題につきましては、今の三原則を踏まえながら政府部内で篤と協議をいたしまして、けんけんがくがくの議論の末、今お示しをしたような五十九法人独立法人化をお願いしているわけであります。  そして、同時に、先ほど廃止云々あるいは統合云々というお話もございました。時代は変わります。したがって、その法人が三年ないし五年の間にどういう実績を残したのか、あるいはさらにもうちょっと拡大すべきなのか統合すべきなのか、そういう実績を見た上で整理をさせていただく、これが私どもの方針であります。  したがって、お尋ねの、けんけんがくがくの議論をしたのかどうなのか、その議論は公にされていないじゃないか、こういうお話でございますけれども政府部内では篤と議論をしたということに御理解を賜りたいと存じます。
  119. 松本善明

    松本(善)委員 長官の御答弁の中でも、やはりちょっと矛盾しているんですよ。  三原則の中には、やはり国が確実に実施をすることが必要だというものというのが一つあるでしょう。今の判断では、これは確実に実施をしなければならないというものとして独立行政法人にするというのでしょう。それが、何で三年から五年たったら改廃をしなくちゃいかぬ。それは考え方として違うのじゃないですか。確実に実施をするということが必要なものであるならば、改廃ということはあり得ないんだ、私は、普通に考えればそう思うのです。  それが、改廃ということが前提になり、そして三年から五年ということでその業績評価をしてやるということになりますと、長期の研究、いろいろなものでもやはり二十年、三十年の研究によって初めてその成果が上がるという研究は各分野に、みんなそうですよ。それが三年—五年の評価で改廃されるということなら、確実に実施をするということはできなくなるじゃないか。この心配が根本問題なんですよ。  それを長官、今のお話で、私は到底納得できる御答弁ではないと思いますよ。重ねて伺いたいのと、農業についてどう思っていらっしゃるのか。
  120. 続訓弘

    ○続国務大臣 実は、私は農家の長男であります。したがって、松本委員がおっしゃったように、農業の基本、重要さというのは知っているつもりであります。しかるがゆえに、農業問題については特別に関心がございます。したがって、私は、長官になって改めて検討させていただきました。その中で、やはり、一、二、三という原則、その原則で仕方がないな、こう私自身は理解をいたしました。  ただ、今おっしゃるように、社会の状況も変わってまいります。農業の状況も変わってくると私は思います。そういう中でやはり、今改廃云々と申し上げましたけれども、むしろ充実強化すべき問題も出てくると思います。同時に、社会の情勢の変化によっては、先ほど御説明申し上げたように、当然廃止をしても構わないという事案も出てくるかと存じます。  いずれにいたしましても、そのときの流れ時代の要請等々を的確に踏まえながら、適切な判断をさせていただきたい。それが、三年ないし五年の見直し、その時期にさせていただきたい。あるいは、そうでない時期にもし必要であれば、その前にそういう事態になるかと存じますけれども、そういう考えでおりますことを御理解願いたいと存じます。
  121. 松本善明

    松本(善)委員 今のお話でも、やはりちょっとよくわからないのです。三年、五年で改廃されるかもしれないというところには、優秀な人材も集まらないですよ。心配で研究ができないです。せっかく就職をしたけれども、この法人は三年か五年でなくなってしまうかもしれない。そうしたら、それは優秀な人材がそこへ集まるか。  私は、やはり、そういう独立行政法人にする場合に、国のこれからのいろいろな行政需要、国際情勢、国がこれからどうならなければならぬかということの根本的な議論がもっとされなければならない。一つ一つの独立行政法人について、これはこれからの日本の将来にとってどういう必要があるのかという議論が、部内では議論されたと言われた、それは全部明らかにされなければならないですよ。明らかになっている部分ではないです。先ほど情報公開ということも言われましたけれども、もしあったのなら、それは明らかにしなければならない。少なくとも明らかになっている部分ではありません。非常に簡単に、一括して言っています。私は、この国会がその役割を果たさなければならぬのじゃないかというふうに思うのです。  農業についても、今のお話ではとても、例えば農協の皆さんとお話をいたしましても、農業の将来について展望を持っている人は一人もいないですよ。大変なことになる、みんなそうです。私ども立場の違う人もそうです。では、それに対して、農業研究をどうするんだということの展望がやはりきちっと出ていない。そのまま独立行政法人、ここへ出てくるんですよ。私はそう思います。  医療の問題も同じです。医療は物すごく要望が、行政需要が最高ですよね、医療、福祉。ところが、その部分がざっと独立行政法人になるでしょう。そういう事態は異常ではないでしょうか。  長官は、そういう指摘に対して、それはそれで当然だと思われますか。農業だとか医療だとか、そこはみんなそうなっていくんですよ。それでいいんでしょうか。
  122. 続訓弘

    ○続国務大臣 重ねての御質問ではございますけれども、私は、先ほど来申し上げているように、政府部内で議論されたことについて、実は検証してみました。検証した結果、やむを得ないな、私自身は納得をしたわけであります。  ただし、松本委員が今お話をされましたように、農家の関係やあるいはその他の関係者の間では、いろいろな御議論、御懸念があるかと存じます。しかし、いずれにしてもこの方針で進ませていただきたい、御理解を賜りたい、こんなふうに思います。
  123. 松本善明

    松本(善)委員 御理解賜りたいといいましても、この分野での反対はやはり物すごく強いです。これはなかなかそう簡単に理解をされないんじゃないか。国立大学の独立行政法人化を見れば、これはもう端的にわかると思います。  私は、最後にもう一つ伺いたいのは、行政をゆがめている問題、政官財の癒着とか、そういう腐敗ですね。行政機構の腐敗というのは、今も例を挙げるまでもなく、毎日のように新聞に出ていて、これはもう何とかしなければならない。むしろ、これこそが緊急の課題ではないか。省庁の再編というよりも、この行政機構の腐敗を正すということに真っ正面から全力で取り組まないと、行政機構に対する信頼が全くなくなっていく。神奈川県警の問題もそうですけれども、全体そうです。  それで、私は一つ伺いたいのは、防衛庁調達本部の背任事件、さらに飛行燃料の談合、農水省の構造改善事業の疑惑、警察もみ消し事件とかいろいろありますが、天下り問題ですね。  これは、天下りの規制について、私どもは禁止の法案を出していますが、公明党は規制の法案を出しておられます。防衛庁の調達本部の背任事件では、天下りそれ自体が犯罪に認定されている。天下りの禁止は、これはもう早急に行わないといけないと思うのです。  長官がその立場につかれて、天下りの禁止の問題についてどのように考えておられるか、伺いたいというふうに思います。
  124. 続訓弘

    ○続国務大臣 今お尋ねの件につきましては、公明党の前身である平和・改革は平成十年の十月十三日に天下り禁止関連法案を衆議院に提出しており、天下り規制の強化を主張しております。それは御案内のとおりだと存じます。松本委員が提出者となって出されている天下り制限の法案も、私、承知しております。  天下りが行われる原因の一つとして、官僚は早期退職慣行により、比較的若い時点で退職を余儀なくされる。これもいわば天下り受け皿が必要ということになって、事案を発生させる原因になるのかと存じます。そういう意味では、公務員制度の問題、六十まで勤められる、そういう制度を真剣に検討する必要があるのではなかろうか、私はこんなふうに思います。  いずれにいたしましても、この問題については、各党各会派でいろいろな形で今真剣な議論がなされておりますので、私としてはその議論を見守らせていただきたい、こんなふうに思います。
  125. 松本善明

    松本(善)委員 長官、各党での議論もいいのですけれども、やはり長官はこの関係の責任ある立場に立たれているんだと思うのです。私は、ただ政府のつくった法律がそのまま成立するということだけに関心を持つのではなくて、やはり今の行政機構の状態を率直に見るならば、この腐敗を正すということは本当に緊急の課題だと思うのです。  それは、仮に、この省庁関係、独立行政法人が、例えば一つがどうなったか、それよりもはるかに大きな関心が私は国民的にあると思うのです。それに対して真っ正面から取り組むという姿勢がなければ、私は、これは国民の信頼は得られないと思うのです。  そういう点でいうと、天下りなど公務員の問題ですけれども、公務員法にかかわる問題ですけれども、犯罪にもなってきているわけです。この天下りの禁止の問題については、長官がその立場におられる場合に、やはりみずからの意思によって閣議も動かしてやっていくという構えがどうしても必要なんじゃないだろうか。  腐敗を正すということが、行政改革の上では非常に大きな行政のゆがみを正すという、最も国民が願っていることではないか。汚職をなくすとか、その根源にあります政治献金、企業献金の問題もありますけれども、私どもは、政治と企業と行政の癒着、これを正すということにやはり真剣な取り組みをする必要があるのではないかというふうに思うのです。もう一度、長官のこの問題についての決意を伺いたいと思います。
  126. 続訓弘

    ○続国務大臣 松本委員の熱い思い、そしてまた国民立場に立っての御発言、私どもはしかと受けとめさせていただきます。  もとより、きのうもこの問題について、倫理の問題がございました。倫理は法律で規定するものではない、法律以前の問題だ、こんなふうに私はお答え申し上げました。国民の信頼をかち取ることは何よりも大切であります。その意味で、全体の奉仕者である公務員が襟を正し、国民のひんしゅくを買うようなことは絶対にしてはならない、こんなふうに思いますし、私どももこの点について、総務庁としても、全省庁に、公務員制度の問題を中心に取り組ませていただきたい、こんなふうに思います。
  127. 松本善明

    松本(善)委員 もう時間が来ましたので終わろうと思いますが、私どもも、行政のゆがみをなくす、それから、むだをなくして国民行政需要にこたえるという行政改革方向で努力をしていきたいということを申し上げて、質問を終わりたいと思います。
  128. 西田司

    西田委員長 次に、畠山健治郎君。
  129. 畠山健治郎

    ○畠山委員 別に委員会をとめるなんていうつもりはございませんが、ごらんのとおりでございまして、委員長からも十分にひとつ御注意をいただきたいというふうに思います。  私は、社民党を代表いたしまして、大きく言って三点について、一つは行政改革、一つは行政評価の問題、一つは総務庁行政監察にかかわる問題、主としてこの三点についてお尋ねを申し上げたいというふうに思っております。  具体の問題に入る前に、行政改革基本課題ともいうべきか、あるいは原則とでもいうべきでしょうか、行革基本認識について、ひとつ長官にお尋ねをいたしたいと思います。  確かに、省庁再編とか行政手続とか、行革の範囲は広いものがありますし、社会経済の変化等、時々の課題も変わるものとなろうかと思います。しかし、そうした課題を貫く基本課題は、我が国の場合、地方分権が端的に示すように、行政責任の明確化ではないかと考えます。この点についての、行革担当大臣としての長官基本的な御認識をひとつお聞かせいただきたいというふうに思います。
  130. 続訓弘

    ○続国務大臣 畠山委員御自身も、長い間、職を地方職員に奉ぜられました。そしてまた、組合の委員長としての御経験もございます。したがって、私がここでまたいろいろ御説明するのもいかがかと存じますけれども、せっかくの御質問でございますので、あえて答弁をさせていただきます。  今、国民の声は那辺にあるでしょうか。やはり将来の不安を解消してほしい、そして経済を活性化してほしい、そして公平で自由な社会を築いてほしい、憲法に保障された人権を守ってほしい、こんな多種多様な要望があると存じます。それに懸命にこたえるのが政府責任であります。同時に、国会責任でもあると私は存じます。そんな中で、時代の要請をしかと受けとめながら行政改革を、今回、国会の同意をいただいて断行しようとしているわけであります。まさに国民の声であります。るる申し上げる必要はございません。  いずれにしても、自由で公正な、そして老後に不安のない、そういう日本のあしたを築くそのもとが行政改革だと存じます。そのためにこそ汗を流す必要がある、こんなふうにも思います。御理解を賜りたいと存じます。
  131. 畠山健治郎

    ○畠山委員 まず、今回提案されております独立行政法人にかかわる個別法等によって、仮に八十九法人の全職員が総定員法から除外されたとしても、率からすれば八・三%程度にしかなりません。しかも、内部の振り分けができていない現状では、これをかなり下回ることは間違いないと思うのです。そうしますと、総理の公約である二五%削減はかなり厳しい状況にあると考えざるを得ないというふうに思うのですが、いかがでしょうか。
  132. 続訓弘

    ○続国務大臣 御指摘のように、私は大変難しいテーマだと存じます。私自身が、実はその衝にありながら、これは大変な重みだな、こういうふうに思います。すなわち、五十五万の職員を二五%というのは十四万人減らすということですから。しかし、これは国民に公約したお約束でもあります。そして同時に、今、先ほど申し上げた日本のあしたを築くための避けて通れない課題であるとも存じます。  したがって、この問題については、先ほど来お答え申し上げましたように、十二年度の定数の査定後に、改めて二十二年度までの十年間で二五%達成の、いわば目標といいますか、具体的な数字をはじかせていただきたい、こんなふうに思います。不退転の決意でやらせていただきます。
  133. 畠山健治郎

    ○畠山委員 行革担当大臣として、総理の公約を実行することは当然のことだというふうに思います。  問題は、省庁再編と定員との関係でありますよね。一府十二省庁にするということはあくまでも機構上の問題でありまして、大事なことは、現実行政は機構が行うのではございません。当たり前の話であります。あくまでも職員あって成り立つものであります。  その観点からすれば、政府にとって、省庁再編と二五%削減とは表裏一体の関係でなければならないと思うのです。二〇〇一年から新省庁体制のスタートをさせるのであれば、当然のことながら、中長期の行政需要の見通しをまずしっかりと定めなければならないと思うのです。そのことによって、省庁ごとの拡大すべき部門、あるいは縮小すべき部門、廃止すべき部門等々が整理することができるのではないだろうかというふうに思うのです。  当然のことながら、そういう意味からすれば、中長期の削減の見通しを示すということが前提でなければいけないと思うのですが、いかがでしょうか。
  134. 続訓弘

    ○続国務大臣 畠山委員の御指摘のとおりであります。  もちろん、そういう中長期的な見通しを持ちながら、かつ、先ほど私は土光委員長知事とのやりとりのお話を申し上げました。働く労働者理解協力が得られない限り、問題の解決にはなりません。御案内のように、四十四年五月の十五日に、実は参議院で決議がなされております。それは、出血削減は相ならぬ、こういう決議がなされております。私どもは、それらも踏まえながら今の二五%削減を実施したい、こんなふうに思います。
  135. 畠山健治郎

    ○畠山委員 冒頭行政責任の明確化を強調したのは、職員数と行政サービスは不可分の関係にあるということだと思うんですね。国民にとっては、我が身に降りかかる行政サービスがどれほどの職員によって担保することができるのかどうかというようなことが問われることになるからであります。  職員規模の問題は、国民に対する行政責任の明確化にかかわる大事な問題だと改めて申し上げなければならないかと思っております。いたずらな機構いじり、つじつま合わせも、職員削減と批判されても仕方がないというようなことは、中身が出てこないからそう言わざるを得ないというふうに思うのです。  政府は、そういう立場から、年次計画別に削減計画をしっかりと示してもらわなければいけない。くどいようですけれども、あえてもう一度お願いをしたいと思います。
  136. 続訓弘

    ○続国務大臣 具体的な削減計画と、さらには今の仕事の配分、何をなすべきなのか、どういう仕事が要らないのか必要なのか、そういうことを当然のことながら吟味しながら、人間の削減を整理させていただきたい、計画をつくらせていただきたい、こういうふうに思います。
  137. 畠山健治郎

    ○畠山委員 次に、視点を行政評価といいますか、政策評価に移らせていただきたいと思っております。  省庁等改革基本法並びに国家行政組織法、内閣府設置法、総務庁設置法などでも条文化されており、さらには、本年四月に、中央省庁改革推進本部において政策評価に関する方針が決定されておりますことは、今さら申し上げるまでもございません。  そこでお尋ねをいたしたいと思いますが、この推進本部の決定によってガイドラインが定められるようでありますが、二〇〇一年までのスケジュールについて、その方向性をお示しいただきたいと思うのです。
  138. 続訓弘

    ○続国務大臣 きのうの若松委員とのやりとりを委員自身がお聞きになっておられたと存じますけれども、従来の考え方は、法に基づいてそれぞれの省庁が業績評価をやる、政策評価をやる、そして、その上に立って総務庁が総合的な評価をやる、その上で法制化を、こういうのが従来の考え方でありました。  しかし、私は、それに対して、それでは遅過ぎると。国民の願いはもう一つ前向きで、ちゃんとこういう国民の心を心とするような、そういう評価をし、大胆に実施することだという国民の声が一方にあります。同時に、議会の声もそうだ。それらを受けまして、庁内でけんけんがくがくの議論をやりながら、きのう申し上げたように、二〇〇一年一月六日の新省庁発足までに何とかとは思いましたけれども、なかなかそうもいきません。だとするならば、なるべく早く今お話しのような業績評価法をつくって、国民期待におこたえする、ガラス張りの、そして、それをもとに予算を編成し、国民のニーズに的確にこたえる、そういうことをとらせていただきたい、こんなふうに思います。
  139. 畠山健治郎

    ○畠山委員 決意のほどはよくわかりますけれども、スケジュールはよくわかりません。重要なことは、基本法や設置法上の規定と、ガイドライン、そして評価内容、評価手法のあり方といったトライアングルの問題を制度上どう整理するかということだと思うんですね。  長官も御案内のように、行政評価はアメリカの行政学に端を発したもので、我が国の行政学会でも重要な研究テーマになっておる段階であります。しかし一方では、今後の行政あり方として、政策評価ないし行政評価の重要性は申すに及びません。  そこでお尋ねをいたしますが、研究学会で確立されていない概念を内容も定めることなく条文化したということは、いささか乱暴な法制化ではなかっただろうかというふうに思えてならないわけでありますが、御見解をお聞かせいただきたいと思います。
  140. 続訓弘

    ○続国務大臣 この問題については、やはり卵が先か鶏が先かという議論になると思います。私どもは走りながら考える、私は少なくとも走りながら考える、それを足らざるは後で補う、そういうことだっていいじゃないか。  要は、もう委員も篤と御案内のように、予算のときには一生懸命議論されるけれども、決算のときはだれも見向きもしない、それじゃ困る。国民の皆様は、本当に正しい効率的な予算が執行されているのかどうなのか、むだはないのか、そういうまなざしで見ておられると思います。そこで業績評価、政策評価というのは、そういう意味で最重要な課題だと私は存じます。  そんな意味で、確かに今七人の学者の先生方に御意見を求めております。一体どういう手法があるのか、どういう課題があるのかということを研究していただいております。その手法、結論をあわせて、私ども、先ほど申し上げたようになるべく早くという願いを持っていることを御理解賜りたいと思います。
  141. 畠山健治郎

    ○畠山委員 概念だけでまだ定まっていないというような部分にいきなり法制化をしようというようなことからすると、気持ちはわかりますよ、気持ちはわかりますけれども、少し乱暴ではないのかな、そう思えてならないわけであります。  基本法あるいは設置法に規定しても、実際には、行政評価法のような作用法がなければ法体系としては一貫したものとはなり得ないというふうに言わざるを得ません。百歩譲っても、ガイドラインはあくまでも過渡的措置であるべきで、作用法としての制定は不可欠と考えますが、いかがでしょう。
  142. 続訓弘

    ○続国務大臣 過渡的な問題として御理解をいただきたい。今まさにおっしゃいました。
  143. 畠山健治郎

    ○畠山委員 作用法の必要性としてのお話だというふうに承ります。  そこで、法体系上も、また現実行政上も、作用法の策定は避けて通れないはずだと思っています。重ねて法制定のめどについて明確にしていただきたい。
  144. 続訓弘

    ○続国務大臣 先ほども申し上げましたように、省庁再編は二〇〇一年一月六日に発足をいたします。本来ならば、それに合わせてそういう法の整備ができれば一番いいのではないかと私は思いますけれども、今申し上げたように、まだ、委員も御指摘のように、いろいろな材料が必要であります、検討の材料が必要であります。その材料も、先ほど申し上げた七人の先生方に実はお伺いを立てているわけです。その結論も近々出ます。それらを踏まえながら、今申し上げたように、なるべく急いで、でき上がったら直ちに準備をやりたい、そして国会の場で大いに議論していただきたい、こんなふうに思います。
  145. 畠山健治郎

    ○畠山委員 幾らやりとりしても、これ以上進展はないというふうに言わざるを得ないと思いますが、私どもも、国会という立場から、この行政評価、政策評価について大変深い関心を持っています。決まるまでは、ではなくて、できたら途中でも結構ですから、国会で見えるように、そういう機会をつくっていただくように御要望申し上げておきたいというふうに思っております。  次に、第三点目の行政監察についてお尋ねをいたしたいと思います。  最近、警察官の警察官による警察官のための犯罪があまた見られておりまして、まことに残念至極と言わざるを得ません。しかも、県警のトップにある者がそうした犯罪を主導したということは、まさにあいた口がふさがらないとしか言いようがございません。  聞くところによれば、最近十年間に、交通安全対策交付金と麻薬、覚せい剤に関した警察庁の勧告がなされたようでありますが、いかなる法律の条文あるいは事実行為に着目した勧告であったのか、あるいは、このほかにも行政勧告があったとすれば、その点をひとつお尋ねをしておきたいと思います。
  146. 続訓弘

    ○続国務大臣 神奈川県警の事案が起きましたその直後の閣議で、国家公安委員長から、おわびと背景の話がございました。それについて、直ちに総理が、こういう不始末を犯し国民の皆様に申しわけない、警察は襟を正してこの問題の解決に当たれ、同時に、警察だけじゃなくて綱紀の粛正は当然だという指示がございました。そのことをここで御披露させていただきます。  さて、御質問は、最近十年間において警察庁を対象とした行政監察としては、麻薬・覚せい剤等に関する実態調査など、平成十年の五月に勧告をしておりますけれども、警察庁所管の施策に関する監察を四件実施しておりますほかに、所管法人の監督など、各省庁に共通する管理事務についても四件の監察を行っております。  今般の神奈川県警の不祥事に関連して行政監察を行うことを検討したことはあるかとの御質問でございますけれども行政監察は、御案内のように、国の行政機関を対象として実施するものでございまして、今回の神奈川県警の不祥事を見ると、これは都道府県の、しかも警察内部の管理体制の問題でございますので、私どもの権限の及ばないところであります。  しかしながら、同種の事案が多発するなど都道府県警察に対する警察庁の指揮監督に問題があると考えられる状況になれば、行政監察を行うこともあり得ますので、本件への警察庁の対応を含め、当面事態の推移を見守らせていただきたい、こう思います。
  147. 畠山健治郎

    ○畠山委員 長官おっしゃるように、法制度上、都道府県警は、自治体の事務である以上は行政監察の対象外であるというようなことは私も承知はいたしております。  しかし、いろいろと問題があるのです。警察法十六条の二で、警察庁長官は、「警察庁の所掌事務について、都道府県警察を指揮監督する。」とありますよね。また、四十九条、五十条は、直接的には国家公安委員会及び都道府県公安委員会の権限の範疇にあります。国家公安委員会のもとに警察庁がある以上、実態的には一体と言わなければならないと思うのです。さらに、キャリア組が県警本部長以下主要ポストを占めておる人事慣行も当然のごとく行われておるという事実。  そこで、まず一般論としてお尋ねをいたしますが、国家公安委員会あるいは警察庁の指揮監督行政の範疇と考えられることによって犯罪などが行われた場合、それがたとえ都道府県警察のことではあったとしても、警察庁に対する行政監察は行い得るものというふうに考えたいのですが、いかがでしょうか。
  148. 続訓弘

    ○続国務大臣 先ほどもお答え申し上げましたように、法が許せば行政監察は当然できると思います。
  149. 畠山健治郎

    ○畠山委員 過去において発生した県警内部の犯罪ないし不祥事について、行政監察の対象として検討したことがおありですか。あるいは、今回の神奈川県警の犯罪について、これまで指摘したような観点から行政監察の可否を御検討なさったことがございますか。
  150. 続訓弘

    ○続国務大臣 実は、今まで神奈川県警のような事案がございませんでした。残念ながら、私自身は認識しておりません。したがって、過去にどういう事案があり、どう内部で議論をされたかということについては承知しておりません。したがって、大変恐縮ですが、この場ではお答えできません。  ただし、先ほど申し上げたように、法で許されるものであるならば当然行政監察ができるということを申し上げました。
  151. 畠山健治郎

    ○畠山委員 現実、起こる前にどうこうということじゃなくて、こういう不祥事が次から次へと出てきたという過程があるわけですよね。その過程を通じて、監察の範疇に入るのか入らないのかという御検討をなさったことがないんですか。  特に、きのうのクエスチョンタイムでも、鳩山代表と総理とのやりとりも若干この問題に触れておったようでありますが、それらを踏まえてもう一度お答えいただきたいと思うのです。
  152. 続訓弘

    ○続国務大臣 先ほど来お答えを申し上げておりますように、事案としても陸続と続いている、国民の怒りが爆発している、そういう状況の事案がたくさん出ているとすれば、今申し上げたように、当然のことながら、直ちに監察の対象になり得ると思います。  そういう意味では、いわば神奈川県警の事案はたまたま、先ほど来申し上げておりますように重大な事案ではございます、だけれども、そういう事案が続けば、今申し上げたように、法に基づいて行政監察の対象になるということは当然であります。
  153. 畠山健治郎

    ○畠山委員 明快なお答えを聞くことができなかったことは、まことに残念でありますが、行政監察という立場からすれば、警察行政に対するかかわり合い方について十分今後研究していく必要があるかと思いますし、国民期待にこたえるということにもなろうかと思いますが、いかがでしょうか。
  154. 続訓弘

    ○続国務大臣 今、委員指摘のとおりであります。
  155. 畠山健治郎

    ○畠山委員 通告してあります質問の最後になりますが、今回の神奈川県警の犯罪は、現行の警察制度の上に生じた犯罪と言っても過言ではないと思います。そうした性格を直視すれば、教育のみによって防止し得ると考えるのは極めて無責任と言わざるを得ないと思うのです。制度を温床にして生まれた犯罪は、制度改革によって根絶しなければならないと思うのです。それが、先ほどから指摘しておる行政責任の明確化の具体的な課題だというふうに言わなければならないかと思っております。  民間企業においても、商法の改正によって監査役の権限強化が図られております。一企業の違法行為もさることながら、事は警察行政の根幹にかかわる問題である以上、現行制度にあらわれた警察の制度疲労を正すためには、新たな制度補強が必要なはずであろうかと思うのです。そのためには、警察とは独立した国民的な監視機構を新たに創設することが必要ではないかと私は思うのです。内閣の一員として、我が国の行政改革責任を負う長官としてのお答えをいただきたいというふうに思うのです。
  156. 続訓弘

    ○続国務大臣 第一義的には、国家公安委員会がございます。したがって、国家公安委員会がこれらの事案にどう対応されるのか、これが第一義であります。  同時に、今申し上げたように、陸続として続くこういう事案に対して、それが行政内部の監察対象になり得るとするならば、我々は、行政監察の権能を生かして監察することは当然であります、あるいは勧告することは当然であります。
  157. 畠山健治郎

    ○畠山委員 いずれ、これほどの世論を逆なでにするような現象が現実に起こっているわけでありますから、あらゆる角度から調査研究をしながら、警察行政の監視のあり方、このことをひとつ総務庁も含めてしっかりと打ち立てていただきますように強く求めまして、時間でございます、終わります。  ありがとうございました。
  158. 西田司

    西田委員長 午後二時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。     午後零時三十七分休憩      ————◇—————     午後二時四分開議
  159. 西田司

    西田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。相沢英之君。
  160. 相沢英之

    ○相沢委員 行革に関心を持っている者の一人として、きょう質問のチャンスを与えられたことを大変に感謝を申し上げております。  今回かかっているのは、中央省庁改革関係施行法案、言うなれば中央省庁等の改革法に関連する整理法でありますが、それと独立行政法人の個別法案五十九本ということに相なっております。申し上げるまでもなく、それが当面の審議の対象であります。  私は、本来ならば、この前の国会における中央省庁改革法に関連する問題だと思いますけれども質問をさせていただきたい、このように考えております。  私は、役所の、大蔵省の生活が長く、かつ、主計局で予算仕事をしておりましたものですから、中央省庁等の機構、定員、組織、そういうような問題についても長いこと関心を持っておりました。それから最近は、我が党の、自民党の行政改革推進本部の副本部長として行革仕事に当たっておりました。  そういうことで、行政改革流れについてもある程度承知をしているつもりでありますが、私は、まずもって総務庁長官にお聞きいたしたいのは、長官としては、行政改革の意義はどこにあるかということでございます。
  161. 続訓弘

    ○続国務大臣 今、相沢委員が御自分でおっしゃいました。長らく大蔵省におりながら、しかもこういう関係に関心を持ち続けていた、自民党の責任者でもある、こんなお話をされました。主計局長、さらには事務次官を経験され、さらには政治家としての大変な御経験がございます。そんな相沢委員から、実は私どもはむしろ教えを請いたい、行政改革の意義はまさにこの辺にあるぞという教えをいただければありがたい、こういうふうに思います。
  162. 相沢英之

    ○相沢委員 いや、それは私が質問しているのであって、反問権ですか、早速行使をなすったわけですが、私は、行政改革の本当のねらいというものはどこにあるかということをしばしば考えることがあったのですが、どうも今まで行政改革というと、すぐ機構改革組織改革あるいは定員削減というようなことに、つまり、外形的に把握しやすい面に重点が置かれ過ぎてきたのではないかという気がしておるのであります。  戦後、幾多の行政改革に関する審議会、調査会等がつくられて、その答申に基づいて歴代の内閣がそれなりに行政改革を実施してきたと思いますが、私は、重ねて言いますが、どうも組織とか機構とか定員に余りにも重点が置かれてき過ぎたのじゃないかという気がしてならぬのであります。  その意味は、今度の行政改革推進本部がつくられるときにも、そのテーマになっておりましたのは、いかにして中央省庁仕事を減らして、言うなればチープガバメントをつくるか。その仕事は、できるだけ規制の緩和その他も当然行わなければなりませんけれども、要するに、仕事を減らしていく。そして、どうしてもやらなければならない仕事は、一部はアウトソーシングの形で民間に委託をする、民間に任せる。あるいはまた、地方分権の考え方に即して、地方の都道府県、市町村等にそれを移譲していく、委託をしていく。そういうようなことが考えられるわけであります。  しかし、基本的には、やはり戦後何十年の間積み上げてこられた各般の、ある意味において過剰な役所の規制、法律、政令その他というものを減らしていくことにあるのじゃないかというふうに考えているのであります。そういうような仕事減らしの結果として人員が節約される、あるいは経費が削られるということになるわけでありますが、どうも、繰り返して言いますけれども、まず形を、体裁を繕うといったらおかしいですけれども、そういうことに重点が置かれてきたということは、いささか行革本旨に沿わないものじゃないかと思いますが、いかがお考えですか。
  163. 続訓弘

    ○続国務大臣 相沢委員から貴重な御示唆をいただきました。ありがとうございました。  確かに、私どもは、形をまず考えがちであります。しかし、今お話しのように、そうではなくてまず仕事を減らせ、貴重な御示唆でございます。もちろん、そのことについても心しております。だけれども、たまたま二五%削減、五十五万の公務員掛ける二五%というのは十四万人だ、十四万人を減らすことが実は小渕総理の公約を果たすことだ、こう私どもは観念しがちでございます。  今、御示唆をいただきました仕事減らし、これも心してこれから取り組ませていただきます。
  164. 相沢英之

    ○相沢委員 私は、党の行革推進本部にありまして中央省庁等の改革にもタッチしておりましたから、いささか質問が天につばするようなところがあるかもしらぬと思いながら質問をしているのでありますけれども、まず、従来の一府二十二省庁が今度一府十二省庁になったわけです。その省庁の再編に伴って一体どれだけの人間が減らされることになったか、あるいはどれだけの経費が節減されることになったかについて、お答えを願いたいと思います。
  165. 続訓弘

    ○続国務大臣 この試算は、まだ残念ながらしておりません。
  166. 相沢英之

    ○相沢委員 これは計算のやり方にもよると思いますけれども、私は、先ほど申し上げましたように、行政改革本旨ということから考えれば、当然総務庁において試算をされてしかるべきものだと思うのです。  と申し上げますのは、一府二十二省庁が十二省庁になる、形の上では確かに省庁の数は減るわけです。減りますが、統合なんですね、形は。確かに局の数は減る、課の数は減るということが、あるいはまた定員を二割削減するということは掲げられております。ただし、局の数にしても課の数にしても、減ることが直ちに人員の削減あるいは経費の削減につながるものではない。しかも、省庁の再編に伴って中央省庁の大変大幅な異動が行われている。看板もかけかえなければならないし、部屋もつくりかえねばならないし、相当な経費がかかっておるわけですよ。では、そういう省庁再編に伴う経費はどのぐらいかかっておりますか。
  167. 続訓弘

    ○続国務大臣 具体的な数字はここに持ち合わせておりませんけれども、例えば、今まで行政改革をやり、そしてその結果、人員がネットとして五万三千人減らされております、カットされております。これは御承知のとおりだと存じます。  仮に今の試算で、給料が年間六百万とすれば六百万掛ける五万三千人、同時に、来年仮に六千ないしは四千人現実に減らすとすれば、六百万円掛ける減らした人数分、そういう経済効果というか財政効果はあろうかと存じますけれども、では、今お尋ねのように、国民経済的にどういう仕事を減らし、そして、規制緩和をすることによって結果として経済がどのくらい好転をするのかという試算は、なかなか私どもとしては難しゅうございます。  どういう試算の仕方があるのか、その辺のところも、私自身はまだそういう試算ができませんので、もしお教えがあればこれまたお教えを請いたいと思います。
  168. 相沢英之

    ○相沢委員 そう一々私が答弁するというんだったら、何のために質問に立っているかわからないのでありますが。  私は、このことを特に申し上げますのは、やはり省庁の再編その他機構をいじりますと、経費の節減になるどころか逆に附帯的ないろいろな金がかかるという例を今までに随分見ておるのです。ですから、省庁の再編等、機構を改変するに際しましてはそういうことも考えておかなければなりませんし……(発言する者あり)今、資料要求しろという声がありました。では、資料をひとつお願い申し上げます。試算をしてみてください。どれだけ節減になり、かつ、どれだけこれに経費がかかったのかということであります。  もう一つ、今総務庁長官が、人員がこれこれ削減になるというお話がございました。今まで、いわゆる定削、「定員削減計画と実績」という資料をちょうだいいたしましたが、これは第一次、つまり、昭和四十三年—四十六年の四年間で五%節減をするというのが最初の削減計画であったわけであります。  この削減計画は、実は、私どもが主計局にいたときに、まあほかに手もないものだから、こういうようなことでスタートしてみたらどうかということが事の起こりだったわけでありますが、これを見ますと、第一次が五%、第二次が五%、次が二・四、二・四、一・六七、五%、五%、四・五二%、四・一一%、これは足してみるとべらぼうな削減になってしまうんですね、そのとおりやれば。しかし、実際問題として、その削減の実績は三十万九千五百五十八人が定削だ、しかし期間中にその増員を認めたのが二十五万五千八百七十三人、そうすると、ネットではおっしゃるように五万三千六百八十五人ということなんですね。  確かに、その間に、役所の仕事というものは当然に社会経済の進歩に従ってふえていく面もあります。ですから、それに応ずる増員というものも当然考えられると思うのですが、ただ、しばしば聞くところによりますと、要するに、定員を減らしがたいから、例えば、一局について十人削減するとすると、大体八、九人ぐらいまではいろいろな理由を見つけて、いや理由はあるんでしょう、そして、ネットこれぐらいのところでとめておこうというような話が実際問題として行われているのじゃないかという気がするのです。  それは、なぜそういうことになったかというと、やはり私は、特に日本中央官庁は各国に比較して人口に比べればそれほど多いという方じゃない、むしろ少ない方なんだ、ですから、相当な負担を持って仕事をしているということがわかると思うのです。ですから、実質問題としてなかなか減らしにくい、減らしにくいので、定削でやったかわりにこっちでふやすということでもって、差し引きこういうような数字になってきている。  しかも、これはもう少し調べてみなければいけませんが、この間に相当ないわゆるアウトソーシングが行われている。従来ならば、庁舎の清掃とか警備とか、あるいは電話の保守とかエレベーターとか、そういうような仕事は全部国家公務員がやっておった、それを全部外注にしておる。そういうようなところを入れて見れば、本当に人が減っているのかどうか、私はわからぬと思うのです。悪いと言っているんじゃありませんよ。  そこで、そういうような形で減らしても、本当は減らしたことにならない。今度の二五%の削減というものについても、いわば国家公務員の総定員法からの削減なんであって、例えば、独立行政法人その他によってその総定員法のらち外になるところの人間は、当然減らした数に含まれているわけです。ですから、本当にそういうものを外したネットの減員がどの程度になるかということはこれからの推移によるわけでありますけれども、実際問題として、言われるごとく、二五%減らしましたといって威張れるようなことになるかどうか疑問だというふうに思っているのです。  そこで、私は、行革立場からいきますと、実際に仕事を減らすことによって、どれだけの人を削減できる、あるいは経費を削減できるかということについて、絶えず関心を持っていただかなければならぬというふうに思っていますが、いかがお考えですか。
  169. 続訓弘

    ○続国務大臣 先ほど来、相沢委員から貴重な御示唆をいただいております。今、人減らしが先ではなくて事業減らしが先だぞ、これはまさに至言であります。私どもも、そのお考えに共鳴を申し上げます。  ただ、さはさりながらといいますか、どうしても、私ども立場からすれば、五十五万人掛ける二五%が十四万人だ、それが頭にこびりついて、ややもすれば、今仕事減らしが先だとおっしゃる、そのことを踏まえながらも、どうしても人間の削減、その計画をつくる嫌いがございます。それに対して、貴重な御示唆をいただきました。全力を挙げて、仕事減らし、その結果、人間の削減がどのぐらいできるのかということを検討させていただきます。
  170. 相沢英之

    ○相沢委員 私は、なぜそういうことを申し上げるかといいますと、繰り返しになりますけれども、余りにも、どうも定員を減らすとか機構を減らすとかということに行革の重点が置かれ過ぎている。したがいまして、例えば庁舎の清掃というようなものについても、従来ならば、その役所の雇っている人がやっているのです。ところが、アウトソーシングで会社に頼めば、早い話が、その会社の社長やら何やらかんやら、こうした人たちの月給まで含めて払っていることになるんですね。  例えば、その例を言いますと、これは公共事業関係なんですけれども、公共事業は、年々歳々、特に景気対策の関係もあって拡大されてきている。ところが、設計管理するべき立場にある建設局の職員等は、逆に行政改革のために削減をされておる。どういうことになるかといえば、外注しているんですね。外注したら安くなるか。安くならない。これはうろ覚えの数字で恐縮です、間違っていたら訂正いたしますが、地方建設局で、そういうような設計管理、特に現場監督に当たる人が一人いると、大体年間五百万かかるんだそうです。ところが、外注しているときには、千五百万払っているというのです。そういうことをお聞きになったことはありますか。
  171. 続訓弘

    ○続国務大臣 私は予算をずっと長くやっておりましたけれども、今のようなお話は、実は実態を知っておりません。
  172. 相沢英之

    ○相沢委員 お断りいたしましたが、私が伝聞で聞いたことでありますから、もう少し正確にそれは調べてからにしないといけないと思うのですが、それはどういう理由かといいますと、外部に委託した場合のコスト計算は、その雇った人について、言うなれば退職後のことまでいろいろなことを全部考えて、それを計算するんだそうですよ。だから、決して千五百万というのは高いことはないんだと。よろしゅうございますよ。ただ、受けた方は、大変に喜んで受けているわけですよ。当たり前なんです。ですから、人を一人減らして外注することによって、経費の方が浮くんじゃなくて余計かかっているということであれば、何のために人を減らしたかということになるんですね。ですから、私は、余りに定員法にこだわるということはどうかという気がしてならない。  もちろん、仕事がふえたから人をのべつにふやしてもいいということは言っていません。ただ、仕事がふえるならば、そのふえる部分については、それは見ることは一向行政改革立場からいっても差し支えないんじゃないか。ふやすものはふやすという考え方をとらねばならぬと思いますが、いかがでしょうか。
  173. 続訓弘

    ○続国務大臣 恐縮でございますけれども、私の経験を申し上げさせていただきます。  それは、東京都における経験でありました。小学校は二千五百あります。中学校は千二百五十あります。高等学校は三百五十あります。夜間警備の問題を一例を挙げます。それぞれに、実は、必ず一校に二人の夜間警備を職員として採用しておりました。行政改革考え、経費の節減を考えて、それを民間委託に切りかえました。結果は、仮に一人警備員として雇っても、年間の給料、そしてまた生涯賃金は一億円を超える生涯賃金であります。そうなりますと、それと警備委託との比較においては、全然人件費と警備委託はダンチの状況でございました。  したがって、私はただ、今、例を申し上げて大変恐縮ですが、少なくとも、そういう民間委託になじむもの、これについては格段の違いがある、財政効果がある、費用の節約になる、こんなふうに経験を通じて申し上げさせていただきます。  ただし、今先生が御指摘のような、実際にそうであったとしても、内輪上は経費の節減になっているという、帳面づらはそうであるかもしらぬけれども実際はそうではないぞという議論もあるいは一方にあるのかもしれませんけれども、たまたま私の経験ではそういう事例がございました。
  174. 相沢英之

    ○相沢委員 今、長官お話にありました東京都の実例は、あるいはそうかもしれません。ただし、大変皮肉な言い方をしますと、東京都の場合は、給与にしてもいろいろな面にしても、一般の、例えば私のような貧乏県などに比べてはるかに恵まれたところであったということもその前提にあるのだろうと思います。  私は、話を続けますと、例えば国立学校の定数というようなものがやはり総定員法に入っているわけです。これは、私は前から、こういうような学部・学科の増設その他教育機関の拡充によってふえる部分まで一緒に、いわゆる行政の事務と一緒くたにしてこの定削をかけていくという考え方はおかしいじゃないかというふうに思っているのです。  あれは昭和四十年か四十一年でしたか、国立学校を一般会計から離して特別会計にいたしました。その特別会計にするときの趣旨は、一つは、授業料とかあるいは入学金とかというものがふえた場合に、それに応じてそれを使うことができるように、それからもう一つは、特に大学の附属病院について、患者がふえる、あるいは診療報酬がふえる、けれども、なかなかこれに応ずる歳出というものが確保できない、そういうために第二薬局とか第三薬局というものをつくるということで、極めて会計としては明朗ならざるものがあるということで、むしろ収入に応じてその歳出を増額することができるように、つまり予算の弾力的な活用ができるようにという趣旨で、あれは特別会計に移したのであります。  当時は、その特別会計に移すことによって、一般会計からの繰入額を抑えて学校経費の節減を図る目的があるのじゃないかということで、私は当時政府委員で、大分いじめられました。いじめられましたが、趣旨はそうじゃなかったわけです。  そこで、その後、見ますと、国立学校も行革の対象だからということで、学部・学科の増設が行政改革の方針のために見送られたとかストップしたとかという例があるのです。ですから、それは私はおかしいと思っているんですね。だから、一般の行政事務と違って、例えば国立学校、あるいは国立病院や診療所は今むしろ整理の段階にありますけれども、そういうようないわば現場的な性格があるものについては総定員法から外して、今度も独立行政法人にすれば外れますけれども、それは総定員法から外して考えるべきものじゃないか。それぞれの仕事の性格によって決めていくべきものであって、全体でひっくるめて幾らになって、それで十把一からげで定削をかけていくというやり方はおかしいのじゃないか。  もう少し極端に言いますと、定削をやったって、またそれに応ずるものを戻しているんだから、もうそういうような、形は減らしたけれども、何か新しいものを見つけて穴埋めをする、こういうようなやりとりをするむだは省いて、もう定削をやめたらどうかと思っているのです。
  175. 続訓弘

    ○続国務大臣 今また貴重な御示唆をいただきました。  ともすれば、私どもは今お話しのような状況に陥りがちであります。しかし、仕事本位に考えた場合には、先生が御指摘のように、例えば、せっかく学校の特別会計をつくった、そうだとすれば、その国立学校の特別会計が十全に機能するように心しなければならないという御意見もございました。同時に、定数の問題も、やはり魂を入れろ、学校には学校の生き方があるぞ、生きざまがあるぞ、こういう御示唆でございました。これも貴重な提言だと思います。これから検討させていただきます。
  176. 相沢英之

    ○相沢委員 機構・定員の考え等についてはまだお聞きしたいこともありますけれども、時間があと二十五分でありますので、その次の質問に入りたいと思います。  今回の議題の一つは独立行政法人の個別法でありますが、そもそも、独立行政法人をつくるところの意義あるいはそのメリットというものはどこにあるとお考えですか。
  177. 持永和見

    持永政務次官 今回の行政改革で、独立法人を五十九つくらせていただく、その関係の個別法をこの国会で御審議をお願いしているわけでありますけれども、言うなれば、今政府がやっております仕事の中身で、できるだけ企画立案あるいは政策部門とそれから実施部門と分けて、実施部門はできるだけ民に近い創意工夫だとかあるいは効率化とか合理化とか、そういうものを生かしながら独立法人化しようじゃないかということで、さきの国会独立法人通則法をお願いして、これは成立をさせていただいております。その中で一定の基準がございますから、その基準に基づいて、今回の五十九法人を今度の個別法としてお願いしているということでありまして、あくまで、今まで国がやっていたものの中で、国が直接やるよりも、むしろそういった民に近い形でやった方が合理化、効率化のためにいいのではないかというような法人をそういう形でお願いする、こういうことでございます。
  178. 相沢英之

    ○相沢委員 独立行政法人考え方というのは、おっしゃるように、それなりにメリットがあると思うのですが、国家機関の組織としては、会計でいえば一般会計もあり特別会計もある。特別会計も大分整理されてきました。  しかし、そのほかに政府関係機関として国会予算書を提出しているものもありますし、政府関係機関と呼ばないのかもしれませんが、特殊法人ですね。特殊法人で道路公団とか住宅公団とかその他たくさんあります。それから、もう一つは認可法人というのもある。その特殊法人と認可法人とは必ずしも截然と区別がつかない面もある。というのは、認可法人というのは、法律をつくって、その法律に基づいて設立認可申請をするわけですけれども、一つしかつくらない、一つしかつくらせない。つまり、実際問題として、特殊法人のかわりにそういう認可法人の形をとっているというものもかなりあるわけなんです。  そこで、それでは、特殊法人、認可法人とこの独立行政法人とは一体どういう違いがあり、特殊法人や認可法人にしないその意味はどこにあるかということについて伺いたいと思います。
  179. 持永和見

    持永政務次官 相沢先生もう既に御承知のことであろうかと思いますけれども特殊法人特殊法人それなりの沿革、経緯でできたものもありますし、また、認可法人は、特殊法人についていわば行政改革、そういったことでなかなか特殊法人がつくり得ないというような状況の中で、今先生御指摘のように、認可法人という形で成立したものもあります。  そういったことで、特殊法人、認可法人というのは各種多様であることは事実であります。各種多様でありまして、ただ、一方、特殊法人については、既に行政改革の中でも、できるだけこれを統合するとか廃止するとかいう努力をやっておりまして、さきの国会でも政府関係機関などについて思い切った統合なども行ったところでありますが、今回の独立行政法人は、この通則法で業務の性格なり運営の共通原則を決めておるところであります。  したがいまして、この問題は、独立行政法人につきましては、どちらかというと、先ほど私も御説明申し上げましたように、法人の性格としては官に近いのかな、業務やり方はできるだけ民のいいところを取り入れながら業務をやっていただきたいなというような思いであります。  なお、特殊法人につきましても、これはその後も見直しを重ねていく、こういうことでありますから、特殊法人の中で、あるいは場合によってはこれからの見直しの中で改廃を、廃止をする、縮小するというものもありましょうし、あるいは独立法人になじむかどうか、そういった問題について見直して、そういった検討も行われる面もあると思います。  いずれにしても、こういった認可法人特殊法人独立行政法人、確かに先生御指摘のように、いろいろな態様がありまして、国民の側から見れば大変わかりにくいという御指摘もごもっともでありますから、そういった点について私どももさらに検討を重ね、見直すべきところは見直していきたいなというふうに思っておるところであります。
  180. 相沢英之

    ○相沢委員 今の総括政務次官のお話では、独立行政法人特殊法人や認可法人に比べてどちらかというと官に近いものだというお話がありました。そのように承ってよろしゅうございますか。
  181. 持永和見

    持永政務次官 特殊法人に比べるというよりも、独立行政法人そのものの性格が官に近いだろう、しかし、その業務やり方というのはできるだけ民のよさを取り入れる形の方がいいのではないか、こういうことを申し上げました。  冒頭に申し上げたかと思いますけれども特殊法人というのはまさに多種多様でありまして、民に近いところもある。できる限り民に近いところもあれば、できる限り官に近いところもあるというようなことで、そういう意味で多種多様でありますから、全体として特殊法人の方が民に近いとか、あるいは全体として独立行政法人の方が官に近いとか、そういうことは私は一概には申し上げられないというふうに思っております。
  182. 相沢英之

    ○相沢委員 これはどこがどうということではありませんが、特殊法人あるいは認可法人の中には、今後独立行政法人に切りかえてもらいたいというような意向を持っているところがあるわけなんですね。聞いておるのです。そうすると、私は、独立行政法人特殊法人や認可法人よりもどちらかというと官に近い存在であるとすると、特殊法人や認可法人から独立行政法人に切りかえていくということは、行革考え方からいえば逆行じゃないかという気がするものですから、そういうようなことを総務庁としてはお考えなんですか。もしそういう要求があったらどういうふうにされますか。
  183. 持永和見

    持永政務次官 申し上げましたように、特殊法人は多種多様な性格であります。この中で、実は四月の二十七日に閣議決定をいたしておりまして、特殊法人については、徹底した見直し、民営化、事業の整理縮小あるいは廃止を進めるとともに、存続が必要なものについては、独立法人化等の可否を含めて、ふさわしいあり方を検討しなさいということで閣議決定がなされております。  したがって、すべての特殊法人独立法人になるというよりも、それぞれの特殊法人の中身、業務の形態、あるいは性格、そういうものによって独立行政法人としてふさわしいものであるというならば独立法人に移行をしてもいい、あるいは、そうでないものはむしろ民に移行するなり、整理縮小した形で民間でやるというような方向でいくのが望ましいかと私は思いますので、一概にどこが、全部が独立法人化するということではなくて、それぞれの個々の特殊法人の中身によるものだと思っております。
  184. 相沢英之

    ○相沢委員 いや、私が申し上げたのは、ちょっと言葉じりをとらまえるようですけれども独立行政法人はより官に近いものだということをおっしゃったから、だから、独立行政法人特殊法人や認可法人に行くというのはわかるけれども、逆はどうも変だな、こういう気がするので申し上げておるのです。よろしゅうございます、それは。  ただ、もう一つ私は、独立行政法人をつくったときに、やはりできるだけそれらの機関が自主的に運営できるということは大きな眼目であったわけです。したがいまして、その独立行政法人の例えば機構や定数については、できるだけこれは、要するに、中央官庁において干渉しない。したがって、定員にはもちろん、これは予算上も定数というものはないですね。それからまた、中央官庁としては、所管官庁で認可ということはあるかもしれませんが、その辺はどうなっていますか。人員については独立行政法人の自主的な判断でやれるというふうに考えてよろしゅうございますか。
  185. 持永和見

    持永政務次官 独立行政法人は、確かに職員の定数あるいは役員の定数、こういった問題については、これは予算などと直接関連をいたしますので、あらかじめ当該主務官庁の方と相談をしながら決めていくことになると思いますが、ただ、しかし、できるだけ独立行政法人の自主性を尊重しつつ、あるいは自律性を尊重しつつ、そういった問題は決めていくということになると思っております。
  186. 相沢英之

    ○相沢委員 私は、その独立行政法人というのはやはり自主的な運営ということが大きなねらいですから、例えば同じような試験研究機関ですね、通産関係は十幾つでしたか、同じグループの中へ入って独立行政法人になりました。そうすると、その試験研究機関によっては、もちろん定数もそうですけれども、例えば、給与の面なんかについても、機関によって差が生ずることもあり得るというふうに理解してよろしゅうございますか。
  187. 持永和見

    持永政務次官 おっしゃったように、給与の面では、それぞれ独立法人がそれぞれの経営のノウハウを生かしながらおやりいただくということですから、結果的にそういうことが起こり得ると思います。
  188. 相沢英之

    ○相沢委員 ちょっと時間が足らなくなってきましたので少し先を急ぎますが、今回この独立行政法人になっている、法案で予定しているものは法案として五十九本あるわけですね。  そこで、これ以外に、例えば、国立病院・療養所あるいは国立大学、この国立大学についてはまだ結論が出ているわけじゃありませんが、それらについては、やはり独立行政法人になる、あるいはするという前提でお考えですか。
  189. 持永和見

    持永政務次官 全体として、今まであります事項の中で八十九事業を独立法人化するということになっておりまして、そのうち、とりあえず八十六事業ということで、三つの事業は先に延ばされております。  その三つの事業というのは、今先生御指摘の、一つは国立病院であります。もう一つは大蔵省の印刷、それから造幣、この三つでありまして、国立大学の方は、これは将来の検討課題ということで十五年までに検討結果を示す、こういうことになっておりまして、しかし、文部省としてはできるだけ早くそれを前倒しして結論を出そうということで、今鋭意御検討いただいているというところであります。
  190. 相沢英之

    ○相沢委員 文部省はそういうことでよろしゅうございますか、河村政務次官。
  191. 河村建夫

    ○河村政務次官 今総務政務次官がお答えになりましたように、大学の独立行政法人化については、大学の自主性を尊重しつつ、大学改革の一環として検討をして、平成十五年までに結論を得る、こういう方向が出されたわけであります。  文部省はこれを受けまして、文部大臣の私的懇談会をつくりまして、「今後の国立大学等の在り方に関する懇談会」を開催いたしまして、有識者から各般にわたって御意見を聞いたところでございます。その検討を踏まえまして、九月二十日、国立大学長・大学共同利用機関長等会議というのがございますが、国立大学の独立行政法人化の検討を行う際のその席におきまして、当時有馬文部大臣でありますが、基本的な方向が明らかにされました。  その際に申し上げたことは、各大学が独立した法人格を持って、みずからの権限と責任において大学運営に当たることが可能になるなどの点で一定の意義が認められるけれども、検討に当たっては、文部省としても、国立大学の教育研究の自主性、自律性に十分配慮しなければならぬということを踏まえて、そして、国立大学協会を初め関係者の意見を聞きながら検討を進めていくのであるが、平成十二年度のできるだけ早い時期までに基本的な方向について結論を得たい、このように考えておるわけでありまして、さらにその制度の細部についてはもっと時間をかけさせてもらいたい、こういうことであります。
  192. 相沢英之

    ○相沢委員 私も、できるだけ国立大学も独立行政法人に移行することが望ましいと思いますし、そういう方向にぜひ誘導していただきたいと思います。  国立病院と国立療養所につきまして、よろしゅうございますか、国立病院と国立療養所について。  これは今、国立病院・療養所は極力、地方に移管できるものは移管する、あるいは民間に移せるものは移す、廃止するものは廃す、そういう整理をやっているほかに、考え方としては、言うなれば、国の直接、試験研究その他に重要な基幹的なものは特別会計に残して、そしてあとは独立行政法人に持っていくという考え方をしているわけだろうと思うんですね。  その際に、多少技術的なことになって恐縮なんですが、それを一つの独立行政法人というふうにされるようなお考えか、あるいは各病院ごとにそれぞれ独立行政法人にしたらいいというふうにお考えなのか、その点についてもしお考えがあれば承りたいと思うのです。これは学校についても同じ問題があるんですけれども
  193. 大野由利子

    大野(由)政務次官 国立病院・療養所につきましては、平成十六年度中に独立法人に移行するということで、今移行作業を、いろいろ準備を進めているわけでございますが、この移行の準備の中で、法人の運営の基本となる組織形態のあり方とか業務運営の方向等々につきましても、今現在、鋭意検討を進めている状況でございます。  そして、特に法人組織形態につきましては、やはり先進的な、先駆的な高度医療を担っていく、そういう観点から、各施設ごとに重点的に果たす役割、例えばがんだとかまた心臓病の循環器病とか、そういうそれぞれの施設が果たすべき機能というものを設定して、がんのもとに、また各県のがんを専門的に扱うところとしっかりネットワークを形成する等々、政策医療を実施することができるためには、全体を一つの独立法人とするのが望ましいのではないか、このように思っております。
  194. 相沢英之

    ○相沢委員 私も、それぞれ一つずつの病院を独立行政法人にするという考え方の人もあることも承知していますが、もしそうなると、現在特別会計でやっている以上に運営上問題が出てくるんじゃないかという気がいたしますものですから、それは今お話しのように、独立行政法人としては一本にして、そして、各病院、療養所等に、やはり経理面で収支も明らかにする、そういう必要があれば、それぞれ勘定を設けてやっていったらいいんじゃないかというふうに思っているのであります。ですから、それは一本として考えているということは私も賛成をいたします。  なお、この行革の問題としては、私ども自民党の行政改革推進本部では、今、特別会計の整理の問題、それからさらに特殊法人、認可法人の整理、これは一応はやったのでありますけれども、今度の大幅な行政改革というものに照らして考えてみると、あるいはまた独立行政法人の創設ということとの関連を考えてみると、まだ不十分じゃないかという思いが深くいたしますので、この特殊法人並びに認可法人についてもひとつ整理統合等を進めていきたいという考え方でありますが、これについては長官はいかがお考えでしょうか。
  195. 続訓弘

    ○続国務大臣 今、自民党行革本部として鋭意研究をしている、こういうお話をいただきました。ぜひその成果を私どもにお教えいただきたい。私ども自身も、今お話しのような趣旨を踏まえながら検討をさせていただきます。
  196. 相沢英之

    ○相沢委員 これは直接は国の組織、機関ではありませんが、やはりこれとの関連で、公益法人ですね、財団法人、それから社団法人、これについても、かなり整理統合すべき問題があるというふうに思って、検討もしているのであります。  特に、これは各省の中で特別会計に多く依存しているところがあります。名前を言ってはなんですけれども、労働省にしても、厚生省にしても、郵政省にしても、いろいろと大きな特別会計を抱えている。  その特別会計の仕事の、本来ならば特別会計がやるべきものについて、それが委託費とかその他の形でもって、一種のアウトソーシングなんです、出ているものがあるんですね。それが形としては公益法人の形をとっている。物によっては眠り口銭を取っているにすぎないものもあるのです。  ですから、やはり、ただ特殊法人とか認可法人というように形に既にあらわれているものだけではなくて、そういう、特別会計その他の関連におけるところの財団法人あるいは社団法人についても、これは直接総務庁の所管の行政になるのかどうか、ちょっと疑問に思いますけれども、方針を、お考えをお聞かせいただいたらどうかなというふうに私は思っていますが、いかがでしょうか。
  197. 続訓弘

    ○続国務大臣 官庁関係においても、一般会計あるいは特別会計あるいは公営企業会計、準公営企業会計という仕切りがございます。  それぞれの目的に従って、これは税金で処理すべきであるとすれば一般会計であるし、そうでなくて、特定の財源をもって処理すべしとなれば特別会計である。やはり経理を明確にし、かつ、今御指摘がございましたように、いろいろな仕事をそれなりにちゃんと目的に従った事業ができますように定めたのが一般会計であり、特別会計だと存じます。そういう意味での仕分けは我々も重要だと思います。
  198. 相沢英之

    ○相沢委員 私は、行政改革考える場合に、忘れてはならないというよりも大変重要なのは、地方公共団体の行政改革だというふうに思っております。  と申しますのも、やはり国の機構・定員その他は、このように国会審議の場においてしばしば取り上げられて議題にされるところが多いので、私は、それなりに行革としても実績を上げてきているんじゃないかと思うのです。  ただ、地方公共団体の場合は、それぞれの、もちろん地方自治でありますからそれぞれの団体に任されているわけでありますが、例えば定員をとりましても、国の方は曲がりなりにもとにかく毎年度の減員が行われてきている。しかし、地方の公務員の定数は、ここ一、二年はちょっと承知しておりませんが、かなりふえてきているんですね。そのふえる理由については、例えば公民館ができる、博物館ができるとか、あるいは保健施設ができるとかという、それなりの理由はもちろんあるわけですけれども、それにしても、地方公務員がふえ続けておるということについては、これはやはり問題があるんじゃないかと。  これらの点について、これは地方自治でありますから自治省が指導監督する立場に必ずしもないかもしれませんが、やはり地方団体に対して自治省として指導する方針が当然あるのじゃないかなというふうにも思っています。従来、この点について、自治省としてはどういうような考え方で、どういうような指導をしてこられたか、承りたいと思います。
  199. 平林鴻三

    ○平林政務次官 自治省の行政改革に対する対応でございますけれども、近年といってももう大分前になりますが、二十年ほど前の土光臨調のときにも、地方公共団体に対して歩調を合わせて行政改革を努力してほしいというようなことを申しております。  また近年は、二年前に、ちょうど平成九年の十一月でありますが、行政改革の指針を定めまして、その中で、例えば定数管理、これの数値目標を定めて、そしてその内容を住民に公表しながら行政改革に努めてほしいとか、あるいは公社、例えば法律で決まっております住宅供給公社とか土地開発公社とか、いろいろなものがございますが、そのほかにもたくさんの類するものがありまして、その公社などの外郭団体につきましても統廃合に努力するように、地域の実情に応じて実行するようにということを要請いたしたりしております。  それで、定員の方でございますが、したがって、二十年ほど前に定数が、実数でございます、定数実数が減少した、こういう時期もございますし、また最近では、平成七年以降減少いたしております。現に、平成十年四月一日現在で見ますと、前年同期に比べまして一万七千五百人減っておる、さような結果が出ておりますので、もちろん各地方公共団体が自主的、自立的に行うべきものではありますけれども、元来、県や市町村も行政改革については絶えず努力をすべきものでありますから、それなりに自治省も地方の情勢に注意をいたしておりますし、また、国のさまざまな行政改革についても連絡をいたしまして、歩調を合わせてもらうようにというようなことをいたしておるようなわけでございます。
  200. 相沢英之

    ○相沢委員 ちょうど時間になりましたのでこれで終わりますが、なお地方につきましては、御承知のように市町村合併あるいは広域連合、そのような形によるところの機構の縮小、統合、あるいはまた定員の減という大きな課題を抱えております。これは地方自治体が主体的に行うべきものではありますけれども、やはり何といいましても、この地方団体の行政財政について所管をしていますところの自治省においてよろしく御指導あらんことをお願い申し上げまして、終わらせていただきます。ありがとうございました。
  201. 西田司

    西田委員長 次に、中川正春君。
  202. 中川正春

    中川(正)委員 民主党中川正春でございます。  まず冒頭、これは少し、事前の通知がしてない課題で申しわけないところがあるのですが、あえて、今非常に大きな問題となってきておるところでありますので、特に続長官の見解をぜひお聞かせいただいて、言うべきところを言っていただくという意味でもお聞きをしたい問題がございます。  それは、前回の国会で、省庁の再編とそれから地方分権の一括法案、これが通過をいたしまして、それぞれ今準備に取りかかっております。そんな中で、特に地方分権の一括法案については、まずは第一歩といいますか、自治事務がはっきりしてきまして、これで第一歩ということで皆の認識が一つそろったところで走り始めておりますね。  それに対して、今度は介護保険の問題が今出ております。今回の三党合意の、介護保険で保険料をまず半年徴収しない、あと一年は半額を交付金として出す、あるいはまた、その徴収しない分は交付金として出しますよ、その財源は赤字国債、そしてまた額としてはこの補正予算で上げますよ、こういうプロセスといいますか、こういう議論というのがどんどん今進んでおります。  この間から、地方自治体の首長さん、特に市町村会長あるいは知事会、あるいはまた、きょうも実はお話を聞いていましたら、自民党に対して、そんなことをやってもらったら困るんだ、とにかくここまで私たちが給付と負担の関係を市民に説いて、そしてこの介護保険が地方自治のまず第一歩なんだ、あの法案の自治事務としてやっていく第一歩なんだ、そういう気持ちの中でここまで進めてきたものを何てことをしてくれるんだ、こういう議論というのが沸き起こっております。私のところにも、地元だけじゃなくて方々からいろいろなファクス、いろいろな資料が届いておりまして、このままだと大混乱を起こすのだというようなことになってきております。  この地方分権というのを本当に中心になってこれから具体的なものにしていこう、そういう立場におっていただく続長官、このことについてまずどういう見解をお持ちか、お聞きをしていきたいというふうに思うのです。     〔委員長退席、甘利委員長代理着席〕
  203. 続訓弘

    ○続国務大臣 中川委員も篤と御承知のように、介護保険の問題につきましては当初からいろいろな懸念の問題がございました。これはもう御承知のとおりであります。しかしながら、一たん決められた法律であります。したがって、法に基づいて粛々とやりましょうということでありました。  しかし、そうはいうものの、地方団体やあるいは被保険者の方々、保険者の方々、いろいろな不安がございました。そういう中で三党がいろいろ協議をされました。いわゆるこの介護保険をスムーズに施行、実施するためには一体どういう手だてがあるだろうかという真剣な議論の中での今の結論であります。私はそれなりに、汗をかかれた努力を必ず地方団体の方々あるいは被保険者の方々、保険者の方々は理解していただけるものだと思います。
  204. 中川正春

    中川(正)委員 先ほどいみじくも、法に基づいて決めたことは粛々とやっていきましょう、こういうふうにおっしゃいましたね。私は、もしそれが本気でおっしゃっているのであれば、いろいろな議論がもっと沸き起こってきていいと思うのです。  今回の措置というのは、法をいろわずにその運用の中でやっていきましょう、これが一つ問題なんです。それからもう一つは、法に基づいてということであれば、本来はこれは保険制度と税、これを半分ずつ置いていきましょう、その中で理解をしてもらっていきましょうという前提であるのですが、今回言っているのは、保険制度の方を赤字国債で賄う、その資金でもって国の方から補てんをしていきましょう、そういう構図なんですね。だとすれば、これはもともとの法で定めている、あるいはいろいろな議論の末積み重ねて合意を得た半分半分というのが、これはみんな税に置きかわっちゃうんですよ、そうでしょう。  保険に後でその分を上乗せしますよという話ならわかる。しかし、これは最終的には赤字国債で見ていきますよ、その負担というのは税でやっていきますよ、こういうことでしょう。これは法にのっとった形じゃないんですよ。それにもかかわらず、こういう形でごり押しをしていくということに対して、これは地方自治体としては説明を受けたことと違うでしょう、法と違うでしょう。そして、私たちが今努力して、この半分半分、保険制度で今度は入ってくるんですから、負担と給付の形を理解してください、そんな形で市民に対して説明をしているんです。それを曲げた形で今度は入れようとするわけですよ。  そういうことに対してちゃんとした説明というのがなされないままにどんどん物事が進んでいくというこの状況が、せっかく地方分権ということも我々いろいろな方面から議論をした、そして一応の成果を見ながら、第一歩だからということでスタートしたあの一括法案、これは今度は自治事務ですよね、これを現実的に踏みにじる形でまずこの介護保険というのが第一歩を踏み出さなきゃならない。このことに対しては、やはり担当大臣として、担当長官としてはしっかり物を言っていただきたい、そんなふうに私は思うのです。さっきの点についてはどんなふうにお考えですか。
  205. 続訓弘

    ○続国務大臣 せっかくの御質問ではございますけれども、法は実施するわけですよ、四月一日からちゃんとやるわけです。ただ、負担の問題について今申し上げたような汗をかかれるわけですから、それに対して確かに地方団体が準備をされたかもしれません。同時に、被保険者もそれに対して納得をされたかもしれません。しかし、多くの国民の方々はなお不満があったわけです、あるいは不安だった。そのことに対して、その不安をなくそう、幾らかでもお助けしよう、軽減しよう、そしてスムーズにこの制度が定着するように、そういう手だてをいろいろ考えた結果の結論だと私は思います。
  206. 中川正春

    中川(正)委員 私は、今地方分権という立場から議論をしているのです。それで、さっきの不安ということを議論し出すと、一時間、二時間あっても足りないぐらいで、本当に不安なのは何なのかといったら、そういう形でツケ回しをして、最終的にはやはりこれも国民が負担しなきゃいけないんじゃないか、最初にいいことだけ言っているのはどういうことだ、そういう政府姿勢に対して国民は不安を感じているということなんです。これは見解の相違だと思うのですけれども。昔、一緒に政策立案した仲間の中でこういう議論をしなきゃいけないというのは本当に悲しいことなんですが、しかし、そんな中で、本当に、今長官が立っておられる立場からいったら、やはりこれは閣内の中でももっともっと議論が出てきていいことだというふうに思っております。  それと同時に、もう一つお願いをしたいのは、これは市町村によっては、もううちは準備ができているんだ、徴収しようと思ったら、市民に対して説得ができていて、もう徴収できるんだというところもあるわけですよ。現に私も何人かそういうことを言っておられる市町村長さんを知っています。  ところが、今回のは、そういうところに対してもやはり交付金を出すべきだというふうに思うのです、やるんだったらやりなさいと。それは基金として積み上げるわけですから、その部分は地方公共団体が自分の裁量の中で将来のそうした負担に対しても積み上げていきながら、金を積み上げていきながら、交付金を積み上げていきながら利用していく、そういう流れが出てきていいというふうに思うのです。そういう意味地方分権というのが、これまで期待されていたことであります。  ところが、今の流れを見ていますと、国の言うように保険料を取らないというところには交付金を出しますが、取るというところには出しませんよ、こういう議論がなされています。これはけしからぬことだというふうに思うんですよ、地方分権という観点から見て。この部分については、どうか、もっと長官として毅然とした態度で議論をしてください。  そんな中で、それぞれ準備ができているところだったら、地方自治体に任せていいじゃないですか。これがまず第一歩の地方分権、法を一つの実現をしていく、それで自治事務というのを地方公共団体の長の意思によって持っていく、そういう第一歩になるわけであります。そこのところはどうですか。
  207. 続訓弘

    ○続国務大臣 この介護保険制度というのは、いわば安心のための大改革であると思います。そのためにこそちゃんとしたスタートが必要である。そのためには、国民の皆様の理解を深め、よし、これでいい、すべてでき上がったという時点で発足をする方が私はベターだと。そういう意味では、いろいろな御意見はございます。その御意見も一つの御意見です。同時に、別な意見も私はあると思います。そういう議論を闘わせながら、せっかくのスタートを本当に国民が喜んで、介護保険ができてよかったな、こういう保険制度なのか、それでは負担しよう、同時に国も二分の一の負担をしてくれる、ありがたい、こう言われるような制度にすべきではないか、そのための助走だ、私はこう思います。
  208. 中川正春

    中川(正)委員 答弁になっていないんですね。非常にこれは難しいんですが、いずれにしても、これからの議論の中で、続長官、ひとつ期待を申し上げたいので、今現実にこの制度は動いていて、その議論が今この段階で進んでいる話ですから、どうぞよろしくお願いを申し上げたいというふうに思います。     〔甘利委員長代理退席、委員長着席〕  ここで、先ほどから気にしておられる省庁再編の問題に入っていきたいというふうに思います。  これは、民間の方では既にいろいろな意味でのリストラ、リストラというよりも構造改革あるいは産業の再編等々、非常に大きなうねりというのが起きてきております。そんな中で、例えば公的資金を注入したそれぞれの銀行に対して、国として、再編計画を提出しなさい、それぞれその場その場で非常に厳しいことを言いながら、そういう条件をつけながらこの再編を促していく、あるいは、国民に対していかに負担を最小限にしながらこの構造改革を進めていくか、そういう段階になっているわけですね。  それに対して、翻って、私たちの国のサイドの構造変革というのを見ていきますと、基本法ができてから、それぞれ先ほどの省庁再編あるいは地方分権と順番に来て、今回、このいわゆる独立行政法人を中心にした法案というのが出てきた、こういうことになるわけです。大局的に見て、これは前回の話の蒸し返しにもなりますけれども、それぞれのリストラをしていこうじゃないか、あるいは定数というのを削減していこうじゃないかというので、政治的に、十年間で一〇%、それから二五%と積み重なっていって、その中で、例えば今回の独立行政法人というのを一つ取り上げてみても、その二五%枠の中に独立行政法人は入れるのか入れないのかという議論があって、やはり入れますよ、郵政も公社化した分は入れていきますよ、そんな中で二五%持っていきますよ、そういう議論がるるとしてありました。  それは、私もいろいろな人の意見を聞いているのですが、民間から見ていると、何だ、国はそれぞれ民間に対しては非常に厳しいことを言いながら、あるいは物のわかったようなことを言いながら進めているにもかかわらず、国の方でみずからやっていることというのは、どうも省庁再編もしかり、あるいはこの独立行政法人もしかり、あるいは郵政もしかり、みんな名前を書きかえているだけで、全体の大枠については本来の機能の見直しもないし、あるいはコストの見直しもないし、人員の見直しもない。名前がそれぞれつけかわって、それぞれの結び目をこっちとこっちとをあっちにつけかえたというだけのことであって、中身の議論がないじゃないか、そういう厳しい批判があります。  これは民間から見たら当然そうでしょう。民間のリストラというのは、それぞれの企業企業の機能、それから産業のあり方、こんなものを見直していく中で、全体で血を出しながらぐっと再編を進めていっているわけですから、それと比べると我々の手法は逆なんですよね。形から入っていって、その機能の見直しというのはいつまでたっても出てこない。いつまでたっても具体的な話にならない。さっきの介護保険もそうですよ。いつまでたっても昔と同じような国の流れというのを変えられない、そういうことになっているのだろうという見方を私はしております。  そうした全体的な流れに対して、それから、これからやっていこうとしていくことに対して、まず基本的な見解というのを長官にお聞きしたいというふうに思います。
  209. 続訓弘

    ○続国務大臣 中川委員は、かつて新進党時代に、この問題に対して大変関心を示されました。そして同時に、みずからかくあるべしという処方せんも示されました。私どもも、なるほどとそれに共感を覚えたわけであります。それは一に今の行政改革の断行の必要性でありました。いわゆる官から民へ、中央から地方へ、そしてこの国のありようを真剣に考えていく、二十一世紀にふさわしい日本の国づくりのためには何が必要なのかという熱心な議論でありました。そういう議論を踏まえながら、我々は一定の結論を出したわけであります。  同じように、政府側においても今のような立場でけんけんがくがくの議論をされました。先ほど相沢委員からも御指摘がございました。単なる人減らしではだめだぞ、まず仕事見直しなさい、これも大きな提言であります。今お話しのような考え方も大きな教訓でもあります。  しかし、事はもう進んでおります。しかも、一府二十二省が一府十二省へと。しかも、先ほどいみじくも言われました定数の削減の目標も示されました。そういう意味では、定数削減、仕事の量の減らし、規制緩和、さらには情報公開、あるいは業績評価等々、いろいろな手法を駆使して国民の皆様の期待にこたえる、そういう行政改革を断行したい。不動の姿勢でこれを貫き通すというのが私の姿勢であります。
  210. 中川正春

    中川(正)委員 それでは、今度は具体的に、独立行政法人についてのそうした見直しが本当にできているのかどうかということ、これは先ほど、非常に前向きの、気持ちの上ではやっていきますよと、こういう総論での答弁があったわけでありますが、それが本当に具体的にできているのかということを独立行政法人を中心にお聞かせいただきたいというふうに思います。  まず第一に、機能の方についてでありますが、独立行政法人議論していくときに、何を独立行政法人として定義をしていくかということがさまざまな方向からありました。今さら、もう一回これを聞くつもりはないのですが、わかったような、わからないような定義ですね。仕事の内容はこうですよと一つ一つあるわけでありますが、それはそれとして、それに基づいて具体的に出てきたものが、あの基本法の中で、あるいはそれから以降の議論の中で、八十六あったのが、それが最終的に今度固まってきたのが五十九になりますよ、こういうことですね。  ところが、これはなぜそうなったのか。なぜこの機関が独立行政法人になって、ほかに残っているところはたくさんありますし、それから、まだまだ議論が続いている部門もある。例えば、大学をどうするのか、病院をどうするのか、そういう問題もある。これも承知をしております。承知をしておりますが、現にこういうプロセスの中で五十九研究機関にまとめてきたその基準、そして、どういうプロセスで五十九にまとめてきたのかということ、これをまずお聞かせいただきたいと思います。
  211. 持永和見

    持永政務次官 お話しのように、事業としては八十九事業を独立法人化にしようということでありました。そのうち、国立病院・療養所関係、大蔵省の印刷と造幣、この三事業については、時期的にいろいろ事情がございましたので、時期的にずらすということになりました。残り八十六事業を今回五十九の個別法にまとめたわけであります。これはできるだけ統合なりお互い合併しようということで作業をした結果でありまして、そういう意味で、できるだけ類似の独立法人につきましては、それをまとめた形で、八十六を五十九にしたという作業の結果そういう形になったということで御理解をいただきたいと思います。
  212. 中川正春

    中川(正)委員 いや、それでは答えになっていないので、もう少し的確につかんでいただきたい。  では、もっと具体的に聞きますが、事務局から出ている資料だけでも、今回五十九法人に対して独立行政法人をやっていきますよという法案が出た。それ以外に、同じぐらい取り残しがあるんですよ、例えば、その範疇といいますか、どういう施設なんだと。これは、本来はみんな外部化されている施設なんですね、いわゆる施設等機関。だから、本来の本庁サイドの話ではなくて、もう既に研究機関とかあるいは検査検定機関とか文教研修施設とか、こういう形で既に外部化しているものを改めて独立行政法人という名前でくくりましょう、これは新しいスキームで管理していきましょう、こういうことですね。  ところが、その施設等機関の中にあっても、ここで今回独立行政法人化されたものとそうでないものと同じぐらいの数があるんですよ。例えば、大学でいえば、片方、水産大学校なんかは独立行政法人化されていますが、防衛大学校だとか消防大学校あるいは自治大学校、こういうようなものは独立行政法人化されずにこちらに残っているわけですよね。  そんなものをずっと数えていったら、同じ研究所という名前がついていても、こちらで独立行政法人化した、こちらでしない、こういう話がそれぞれの分野でできている。これはどういうことなんですか。それはしたくない、したいという形で相談しながらやっていたのです。やっていて、こっちは、いや、したくないから、しっかり腹をくくって反対したから残っていった。こっちは、やりましょうということだからやった。こんな話じゃないはずなんですよ。こんな話じゃないはずなんです。本当はそうなのかもしれないけれども。そこのところをはっきりとした基準を示さないと、これは説明ができない。それぞれの施設で働いている人たちにとっても、将来どうなっていくんだということで、説明ができないということだと思うのです。
  213. 持永和見

    持永政務次官 独立法人化する機関については、先生は御承知と思いますけれども法律の三十六条にその淵源があるわけでありますけれども、そこで、国がみずから主体となって直接に実施する必要がある事務事業のうち、まず、私人の権利義務に直接の、かつ強度の制限を及ぼすいわば公権力の行使、こういった事務事業については、これは独立法人から除いております。  それから二つ目としては、その性質上、国がみずからの名において行うのでなければ成立しない事務、例えば迎賓館でありますとか、あるいは正倉院事務所でありますとか、そういうものは除いております。  それから、三番目に除いた事務としては、災害など国の重大な危機管理に直結し、直接国の責任において実施することが必要な事務、これは、厚生省の感染症研究所でありますとか医薬品関係の研究所、あるいは運輸省の気象庁の関係、こういったものが除いてあります。  それから次は、四十三条関係で除いておるものが、一つは国立病院・療養所の関係、医療機関の関係でありますけれども、この中で、特に国が直接その運営をしなければならない、例えば高度の専門医療センター、いわゆるこれはナショナルセンターと言われるものでございますが、国立病院の中でナショナルセンター、あるいは身障者の人たちのための光明寮でありますとか、そういった知的障害者の人たちのための施設であります。  それから、第四十三条の四項というのがありまして、そこでは、政策研究を直接に実施している機関、これを除いてあります。例えば防衛庁の防衛研究所、経済企画庁の経済研究所がそれに相当します。それから、学校関係でありますが、文教施設については、行政機関の職員のみを対象とする研修施設、これは、自治大学校でありますとか消防大学校、あるいは大蔵省の国税庁の税務大学校、こういった行政機関の職員のみを対象とする学校、文教施設、これは除く。こういうことで、そういうような観点から入るもの、入らないものを検討したところでございます。
  214. 中川正春

    中川(正)委員 そういう基準以外にも、まだ漏れているところはいっぱいあるんですよ。これは指摘していったら、一つ一つそうやって話をしていったら、どれだけでも話が進んでいくのです。だから、説得力がない。  私は、そういう答弁を求めているのじゃなくて、本来これは漏れているけれども、ずっとこれから続いてやっていきますよ、ただ話し合いをして、そっちが賛成だからやりますよ、こっちが反対だからやりませんよという話じゃなくて、その基準ももっとはっきりした上でやっていきますよ、まずこれは第一歩なんですよ、これぐらいの答弁をしてほしかったのです。それでよかったと思うのです。そういうことなんですよ。
  215. 持永和見

    持永政務次官 おっしゃるように、今のところ五十九法人というのを、五十九の機関を出しておりますけれども、この独立法人はこれに固定しているものじゃありません。将来、それぞれの施設あるいは研究所の態様なりなんなりを見て、これからも前向きにひとつお互い検討していって、独立法人化できるものは独立法人化するというようなことでやってまいりたいと思っております。
  216. 中川正春

    中川(正)委員 それは大切だと思うんですね。  そのときに、一つだけ確認しておきたいのは、だれがやるのですか、それは。というのは、この行革の推進本部というのは、ずっと続くのならいいですよ、ずっと続けていくというのならいい。これはサンセットだと思うのです、いつかの時点で。これを、さっきのような業務というのを基本的にここで将来、省庁再編の中のここでしっかりやっていきます、ここだけしっかり御答弁をください。
  217. 続訓弘

    ○続国務大臣 今の問題は、これは当然内閣の責任においてやらなければならないテーマであります。
  218. 中川正春

    中川(正)委員 大臣、ぜひ、抽象的な答弁もいいんですけれども、これからの骨幹ですから、もう少し具体的に、部署を特定してください。
  219. 持永和見

    持永政務次官 おっしゃったように、行革本部はサンセット方式になっておりますから、これはなくなるわけでありますけれども、その業務は、これは総務庁が引き受けることになります。総務庁の中に行政評価局あるいは行政管理局、それはそのまま残りますから、その中で各省との相談をしながらやっていく、こういうことになっております。
  220. 中川正春

    中川(正)委員 次に、業務の中身なんですね。  今回、それぞれ五十九法人の独法が出てきましたけれども、実はこれを一つ一つ見ていくと、民営化できるものもあるのじゃないか、あるいは廃止、もう既に要らないものもあるのじゃないか。その業務も、一つじゃないですよね。目的というところを見ていると、目的の項目の中に幾つも出てくる。幾つも出てくるのを一つ一つ見ていくと、全部スクリーニングができるような体系になっているんですよ。  その作業はしたかどうかということを確かめたのですが、どうも、現在あるそれぞれの施設、機関というもの、それの機能を、中身の点検をせずに、現状をそのまま独立法人の目的として全部羅列して書いた、これが現状なんです。これは、本来の意味でのスリム化、本来の意味での機能見直しになっていない。そこが、名前が変えられただけじゃないかということだと思うのです。  それについて、行革本部がやらないのであれば、これは国会でやるより仕方ないと思うんですよ。こういう時間配分で、こんな中でやるのじゃなくて、しっかりこれは、五十九本あるわけですから、それぞれの委員会に返して、特別のプロジェクトをつくってでもこれは一遍全部見直していくよというような態勢を国会がとらなければいけないというふうに思うのです。
  221. 持永和見

    持永政務次官 これは、国会の審議のやり方と申しますか、審議をお願いする問題でありますから、国会の方できちんと御議論をいただきたいと思う事項であります。
  222. 中川正春

    中川(正)委員 委員長、そういうふうに希望を申し上げます。  それと同時に、行革本部がその機能の見直しをせずにそのまま目標を羅列したということ、ここについては、これはもう一回、続長官、ひとつ、どうしましょう、これは。行革になっていないということなんですよ。
  223. 続訓弘

    ○続国務大臣 かつて新進党時代にすべての見直しを廃止するという法律を出されたと存じます。しかし、それは日の目を見ましたでしょうか。なかなか日の目は見なかった。やはり、こういう一つ一つの積み重ねが結果として日の目を見る、こんなふうに私は思います。  いずれにしても、今の御議論は、当然のことながら国会でいろいろな議論をしていただく、これはもう当たり前の話であります。ここは国民の代表ですから。そういう中で、例えば議員立法で出す方法もあるでしょうし、あるいは党として出される方法もあるでしょうし、しかし、それはお互いが議論し、議論を尽くして納得をした上で、私は法案として成立すると思います。
  224. 中川正春

    中川(正)委員 前半の部分の意味がわからなかったのですが、いずれにしても、私が長官に求めたかった答弁は、いや、これからもやっていくんですよ、この見直しは。これですべて独立行政法人が落ちついたというわけじゃなくて、三年後に見直しがあるわけでしょう。私が答えたらだめなんですが、三年後に見直しがあって、そのときにこのそれぞれの独立行政法人に対して、民営化するのか廃止するのか、それとも存続させていくのか、そういうこともやっていきますよということがここに組み込まれているわけですね。それをしっかりやっていきますという御答弁が欲しいのと……。
  225. 続訓弘

    ○続国務大臣 先ほどは、要するに議員は、いわゆるこういう具体的な法案に対してどういう検討の機会があるのか、こうおっしゃった。そこで、私は新進党時代の話を申し上げたんですけれども、今の御質問に対しては、当然のことなんです、不断の見直しはもう当然のことなんです。したがって、私どもは再三申し上げております。三年後、五年後の見直しは必ずやりますよ、同時に、それ以前だってやりますよ、こう申し上げております。
  226. 中川正春

    中川(正)委員 だから、今回のこの独立行政法人化をしていくプロセスの中にそうした機能の見直しがなかったということ。それからもう一つは、したがって、当然それは人的なリストラというのもありませんよね。まずは全部名前を変えただけで、それでスタートをしましたよ、こういうことだと思うんですね、先ほどの答弁の中でお聞きしたのは。だから、これからその体制をどうしていくかということをちょっと議論しないと、本当にだれがやっていくのか。  今、総務庁の中に、今度は総務省になって、これの審議会といいますか、評価委員会というのをつくりますよ、それから、各省庁の中にもそうした意味での評価委員会をつくりますよという建前にはなっていますけれども、これが本当に機能するのかしないのかというのは、これまでの行政管理庁あるいは行政監察局の仕事を見ていたら明らかなんです。これがもっとしっかり機能していたら、全体の省庁の再編、リストラ、あるいは特殊法人もそうですが、それらに対する問題意識というのはもっともっと早くこの議論の俎上に上がってきただろうというふうに思うのです。  そこのところが、非常に残念なことに、そのチェック機能というのが役所の中の機能ということになってしまったということが一つ。それからもう一つは、情報公開がなされていなかったということが一つ。この二つでなかなか機能しなかったという痛い経験というのがあるわけですから、この二つの審査委員会あるいは評価委員会というのは、そこのところをもう一回見直していくといいますか、機能をしっかり見詰めていくということが必要だろうというふうに私は思います。  その関連でもう一つお尋ねをしたいのですが、さっき特殊法人の話が出ましたね。特殊法人は全廃しろ、その特殊法人の話だと思うのです、その全廃という話をしていたのは。こっちの方じゃないんですよ。  特殊法人は、今の流れの中でいきますと、情報公開法ができて情報公開がなされてきています。それに対して行政管理局が、特殊法人の場合は全体の政府機構の中の一つというふうに定義されていますから、常時監査に入っているわけですね。調査に入って、それが徐々に徐々に表に出てきて、いろいろな不良債権の話がある、あるいは財政的に完全に行き詰まっているというようなことが一つ一つ今表に出てきています。  それに対して、実は、独立行政法人というのは結果責任ですね。それぞれの仕事流れというのは完全にその長に任せますよ、任せた結果、目標と計画だけをチェックして、あとは結果責任でその評価をしますよ、こういうシステムになっているんですね。  そうすると、これはどうなんですか。もう一回確認をしたいのですが、ふだんの仕事の中で、この中において行政監察なり行政管理局なり、これが独立行政法人の中に入っていけるのかどうか。ここのところを一つ確認をさせてもらいたいというふうに思うのです。  今のところ、さっき申し上げたように、特殊法人については入っていっているんですね。こちらの独立行政法人についてはどうなんですか。どういう建前で運営しようとしているのですか。
  227. 持永和見

    持永政務次官 今回の特殊法人の設置をお願いしておりますのは、これはもうさきの国会でも十分御議論いただいたことだと思いますけれども、いわば従来の特殊法人の方が、どちらかというと責任体制が不明確であったり、あるいは業務がいたずらに拡張したり、経営内容が不透明だったりというようなことを反省しつつ、新しい形態としての独立行政法人をお願いしているわけでありまして、こういった独立行政法人につきましては、今先生もお話しのとおり、きちんとした評価委員会を置いてダブルチェックという形で、一つは各省の評価委員会、最後は横断的に、総務庁行政評価局に置かれます評価委員会、その二つの形でこれをチェックする、こういうことになって、この適正化を図るということであります。  もとより、その行政監察というのは国の行政事務全般について行い得るわけでありますから、そういう意味行政監察の手が及ぶんだというふうに御理解をいただきたいと思います。
  228. 中川正春

    中川(正)委員 もう一つ、さっきの特殊法人との関係でお尋ねをしたいのですが、独立行政法人特殊法人とはどう違うんですか。
  229. 持永和見

    持永政務次官 先ほどもちょっと申し上げたかと思いますが、さきの国会で成立させてもらいました独立行政法人というのは、独立行政法人通則法というのがございます。これは既に御審議をいただいて、それによって成立したものでありますが、主務大臣が目標を示す、あるいは外部有識者による定期的な評価を必ずやる。それから、先ほども先生のお話がありましたが、三年、五年ごとに業務全般にわたる見直しをやる、いわば中期目標を立ててそれの見直しをやる。あるいは公表を、透明性を確保する。業績の悪い場合の役員の解任などの仕組みをつくっておりまして、そういう意味では、従来の特殊法人とは異なる、透明性あるいは業務の効率性、そういうものをきちんと与えた制度であろうと思っております。
  230. 中川正春

    中川(正)委員 運営形態としてはよくわかるのですが、もう一つは機能ですね。何をさせるための法人か、こういうことなんですが、これについては、前々から議論が出ているように、特殊法人見直しの中でそれぞれ、独立行政法人化していける法人があるんじゃないか、民営化していけるものがあるんじゃないか、あるいは廃止をしていけるものがあるんじゃないか、こういう形で見直していくということ、この方向性はそれでいいんですね。
  231. 持永和見

    持永政務次官 特殊法人の合理適正化については、今おっしゃったとおりであります。
  232. 中川正春

    中川(正)委員 言いかえれば、チェックシステムとしては、あるいはそれぞれ目標管理をさせていく、あるいは民間手法、まあこれは特殊法人は既に取り入れているわけですけれども、情報開示を担保していくという意味でもこの独立行政法人のシステムの方がいいだろう、こういう判断のもとにチェックを入れていくということでありますね。  それは、言いかえれば、先ほど続長官が言われましたけれども特殊法人というあり方はもうやめていこう、個々に独法で法人をつくっていくのはやめていこう、通則法をまず整備をして、その範疇の中でそれぞれの特徴を考えていこう、こういう考え方でやっていくんだ、そういう意味特殊法人全廃ということ、そういう認識でいいわけですね。
  233. 持永和見

    持永政務次官 基本的にはおっしゃるとおりだと思います。  特殊法人につきましてはできるだけ見直しをして、一つは独立法人化する、一つは廃止するあるいは民間に委託する、こういうことで方向づけをしていかなければならないと思っております。
  234. 中川正春

    中川(正)委員 そういう方向が出ているにもかかわらず、これは最近、去年からことしにかけて特殊法人の改廃がずっと続いているんですね。その中で、一つ一つ例を持ってきたのですが、それを見るまでもなく、みんな名前を変えているだけのことが多いのです。それで、同じように独立行政法人の枠組みでやるのではなくて特殊法人で全部起き上がってきているのです。これについては、総務庁はどう考えておられますか。
  235. 持永和見

    持永政務次官 独立法人は、先ほど来お話し申し上げておりますように、さきの国会で成立させていただいた独立法人通則法、これに基づいて、きちんとその条件に合っているかどうかということで、各省がそれぞれ努力しながらこの八十九法人のうちとりあえず八十六の事業についてやろう、こういうことになったわけであります。  一方、特殊法人の方は特殊法人の中できちんとした合理化なりあるいは統合なり、そういった縮小、見直しというものを常にやっていかなければならぬわけでありまして、そういう意味で、先般来政府関係機関での、金融機関での統合したものもありますけれども、それはそれでまた業務をやりながら、これは将来そのままでいいというわけではありません、これはやはり業務をやりながら見直しを常に図っていく、こういうことであろうと思っております。
  236. 中川正春

    中川(正)委員 例えば雇用促進事業団、それから住宅・都市整備公団、あるいは先ほどお話の出た銀行関係ですね、これはみんな名前を変えて、起き返ってきているんですよ。  確認したいのは、見直し見直しと言いながら、現実はこういう形でやはり特殊法人も継続しているではないか、こんなことをこれから先もやっていくつもりなんですか。こういうことに対して、どういうような措置を入れながら管理していくのですかということですね。長官、どうですか。
  237. 続訓弘

    ○続国務大臣 今お尋ねの件につきましては、それなりに存在価値があるもの、それについては存続をする。しかし、そうでないものについては、今持永総務政務次官がお答えしましたように積極的な見直しをやる、統廃合を含めて、あるいは民間に委託をするなり、そういうことを積極的にやりますよ、こう申し上げているわけです。  いずれにいたしましても、事は国民のまなざしで判断をしていただくわけですから、特殊法人といえども、あるいは国の機関といえども、あるいは今独立法人といえども、同じなんです。視点は同じと私は思います。
  238. 中川正春

    中川(正)委員 ちょっと答弁にずれがありますね。というのは、さっき私確認しましたね、特殊法人は全廃していきますよ、独立行政法人化して、だから存続の必要のあるもので国が関与していかなければいけないものについては独立行政法人化していきますよという答弁だったのです。あと民営化するものは民営化する、廃止するものは廃止する、だから特殊法人というような形を残すということについてはこれからはしていきませんよ、そういう話だったのです。明らかに違うのです、ここ一、二年の話は。これは特殊法人です。だから、これから先の話も含めて、こういうことをどういうふうに整理をしていくのかということなんです。  現実にいろいろな議論が、審議会だとかあるいは行革の推進本部だとか、あるいは地方分権もそうですが、総論では進んでいるのです。総論を見ていると、非常にいい流れができているな、我々も賛成していこうか、こういうことになるのですが、各論が出てくると、全部こんな形で既存の権益が生き残っている。なかなかそれが突き崩せないというのが現実だと思うんですよ。この各論に対して行革推進本部がどうしていくかというそこの話がないと、いつまでたってもこんなことが続いていく。  これから先の恐らく独立行政法人も、しっかり見ていきますよ、民営化するところは民営化していきますよと言っているけれども、それは総論であって、本当にそういう装置が入っていないから、そういう仕組みが入っていないからやはり流れていってしまうということが国の行革の中には続いているじゃないかということだと思うのです。  ですから、せめてこの特殊法人だけでも、将来こんな形でしっかりと全廃をしていきます、さっきそういう答弁があったわけですから、そういうような形を示してください。
  239. 持永和見

    持永政務次官 特殊法人については、政府としても四月二十七日に閣議決定をいたしております。その中身を申し上げますと、国の行政組織の減量、効率化に関する基本的計画というところで閣議決定をしておりまして、「特殊法人について、累次の閣議決定等を踏まえつつ、徹底して見直し、民営化、事業の整理縮小・廃止等を進めるとともに、存続が必要なものについては、独立行政法人化等の可否を含めふさわしい組織形態及び業務内容となるよう検討する。」こういうことでありますから、これが政府基本的な方針であると思います。
  240. 中川正春

    中川(正)委員 私は、総理大臣の答弁を求めているんじゃないのですよ、総務庁長官の答弁を求めているのです。総務庁長官としては、さっきの閣議決定を受けて具体的にこうしますよという話がないとだめですよ。だから、そういった意味からいけば、はっきりと特殊法人は全廃していきますよ、そういうふうに全部見直していきますよということなんでしょう。
  241. 続訓弘

    ○続国務大臣 中川委員も御存じのように、三次にわたって特殊法人見直し政府はやってまいりました。しかし、なお七十八法人が残っております。その七十八法人に対して、今総括政務次官がお示しをしたような方針に基づいて徹底的な見直しをやる、こういうことで、それは決定したことであります。
  242. 中川正春

    中川(正)委員 ちょっと、私は今、どこにどういうふうにお話を進めていったらいいかわからないところがあるので、戸惑いながらお話をしているのですが、いずれにしても、このままの体制で例えば特殊法人見直していくと言い続けても、これは見直しにならないだろうというふうに思います。  それで指摘をしたいのは、その中で特別に法的根拠を持って、それで独立行政法人のときのように話し合いでやるのではなくて、おまえのところどうだ、じゃいいのか、じゃ行こうか、こんな話じゃなくて、法で決めて、基準で決めてぴしっとやるべきことはやるという、そんな体制を持っていかないと、これはいつまでたっても動きませんよ。それと同時に、こうやって生き返ってきますよ、どんどん生き返ってきますよ、役人に任せていたら。そこをリーダーシップをとるのが私たち政治家なんだというふうに思うのです。そんな仕組みをぜひつくっていきましょう。どうですか。
  243. 続訓弘

    ○続国務大臣 いみじくも議員自身がおっしゃいました。それは政治家の仕事だともさっきおっしゃいました。そういう世論を巻き起こす、同時に、政府自身としては今申し上げた既定方針にのっとって積極的な見直しを図る、同時に、国会としては国会議論を大いに巻き起こしていただく、これが両々相まって国民のためのいわゆる特殊法人見直しに通ずるものだと私は思います。
  244. 中川正春

    中川(正)委員 次に進みます。  もう一つこの独立行政法人で私、気になっていることがあるものですから、それを指摘をしたいと思うのですが、さっき申し上げたように、これ、事後チェックでやっていくということなんですね。結果責任だということ。これを精いっぱいシステムとして入れなければいけないのですが、このシステムの見本というのがイギリスにあるとすれば、イギリスのシステムのみそというか基本というのは、実は競争原理なんですね。  日本の場合はどちらかというと、大臣が中期目標をつくって、それで、独立行政法人のサイドがそれに対して計画をつくって、年度に基づいてやっていく。それで、それの結果がよかったか悪かったかという評価を評価システムの中でやりましょう、こういう流れになっているのですが、これは私は、基本的にはしっかりと機能していかないんじゃないかと思っています。  本当にこれがコスト低減につながり、そして効率化につながり、そして新しい分野に例えばこの法人がどんどん進出をしていくという、そのインセンティブになっていくものは何かといったら、これはやはり競争原理なんですよ。民間のいろいろな企業が生き返ってきているのは、競争原理があるから構造変革が起こっている。ところが、役所がそれをできないというのは、そのメカニズムが入っていないから、みんな独占だからですよ。  今回、独立行政法人議論の中で一番抜けていたのはこの競争原理だというふうに私は思うのです。例えば研究機関、あるいは大学、あるいはそれぞれの研修機関、これからまだまだその分野が広がってくるという中で、中期目標を大臣が決めるときに、本来は、その目標を達成するためにこの独立行政法人仕事をするのがいいのか、あるいはそれ以外の、地方自治体もあるでしょうし、あるいは民間もあるでしょうし、いろいろな団体、いろいろな人たちがそれに対して仕事をして、その競争原理の中でそれぞれ切磋琢磨しながら独立行政法人を鍛えていく、そのメカニズムがやはりシステムの中にどうしても必要なんだろうなという気がしているのですが、そういう点についての御認識はどうでしょうか。
  245. 続訓弘

    ○続国務大臣 例えば公害研究所というのがございました。東京都にもありました。今お話しのように民間にもあります。したがって、そういう研究機関相互の競り合い、競争し合いといいますか、あるいは統合という、効率的な研究機関を模索するのもこれからやらなければならないテーマだと私は思います。  いずれにしても、確かに研究機関にはそれぞれの歴史があり、研究者がたくさんおられます。それで、同じような目的で研究をし続けております。したがって、それを統合して、名実ともに総合的な研究所をつくる。これは官も民も国もあわせて、そういう手法ができれば私は一番国民のために効率的な研究がなされるのじゃなかろうかなと思います。  いずれにしても、今、るる提言的なお話もございました。それらを踏まえてこれから我々も検討させていただきます。
  246. 持永和見

    持永政務次官 中川先生のお話で、イギリスのエージェンシーのお話が出ましたので、そこと日本独立法人はちょっと違うということだけ御説明させていただきたいと思います。  イギリスのエージェンシーというのは非常に幅広くて、例えば刑務所とか、あるいは日本でいう社会保険庁だとか、あるいは国税の関係まですべてエージェンシー化されております。日本の今回の独立法人というのは、国が直接やらなければいけない、国民の私権に該当するようなものはこれは独立法人化にはしておりません。それは、この間の通則法による基準でそうなっておりますから、そこはちょっと……。  したがって、エージェンシーそのものを、エージェンシーのやり方そのものを日本独立法人にそのまま取り入れるというのは難しいことだと思います。ただ、おっしゃったように、今大臣も御説明いたしましたが、各省から出される委託研究などについては、民間とそれから独立法人とお互い競い合って、効率的な方法を検討するということはあると思います。  ただ、イギリスのエージェンシーと日本独立法人はちょっと違うということだけ申し上げさせていただきます。
  247. 中川正春

    中川(正)委員 時間が来てしまったようであります。  またこの続きはこれからそれぞれの独法の中で、もともと推進本部でしていなかったわけですから、本当に国会議論をしなければならない、こういうことでありますので、また、たびたび中身を深めていきたい、こんなふうに思っております。ありがとうございました。
  248. 西田司

    西田委員長 次回は、明十九日金曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後四時六分散会