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1999-11-16 第146回国会 衆議院 厚生委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十一年十一月十六日(火曜日)     午前十時一分開議  出席委員    委員長 江口 一雄君    理事 安倍 晋三君 理事 衛藤 晟一君    理事 木村 義雄君 理事 田中眞紀子君    理事 金田 誠一君 理事 山本 孝史君    理事 福島  豊君 理事 岡島 正之君       伊吹 文明君    石崎  岳君       江渡 聡徳君    遠藤 利明君       大村 秀章君    鴨下 一郎君       桜田 義孝君    鈴木 俊一君       砂田 圭佑君    田中 和徳君       田村 憲久君    戸井田 徹君       根本  匠君    桧田  仁君       堀之内久男君    松本  純君       宮島 大典君    山下 徳夫君       家西  悟君    石毛えい子君       五島 正規君    中川 正春君       中桐 伸五君    古川 元久君       青山 二三君    大野由利子君       久保 哲司君    吉田 幸弘君       児玉 健次君    瀬古由起子君       中川 智子君    笹木 竜三君     …………………………………    厚生大臣         丹羽 雄哉君    厚生政務次官       大野由利子君    政府参考人    (内閣法制局第一部長)  阪田 雅裕君    政府参考人    (厚生大臣官房審議官)  堺  宣道君    政府参考人    (厚生省医薬安全局長)  丸田 和夫君    政府参考人    (厚生省老人保健福祉局長    )            大塚 義治君    政府参考人    (厚生省児童家庭局長)  真野  章君    政府参考人    (厚生省年金局長)    矢野 朝水君    厚生委員会専門員     杉谷 正秀君     ————————————— 委員の異動 十一月十六日  辞任         補欠選任   大村 秀章君     桜田 義孝君   砂田 圭佑君     江渡 聡徳君   土肥 隆一君     中川 正春君 同日  辞任         補欠選任   江渡 聡徳君     砂田 圭佑君   桜田 義孝君     大村 秀章君   中川 正春君     土肥 隆一君     ————————————— 本日の会議に付した案件  政府参考人出頭要求に関する件  参考人出頭要求に関する件  厚生関係基本施策に関する件     午前十時一分開議      ————◇—————
  2. 江口一雄

    江口委員長 これより会議を開きます。  まず、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。  厚生関係基本施策に関する件、特に介護保険問題等について調査のため、明十七日水曜日午前十時、全国市長会社会文教分科会委員長・大阪府守口市長喜多洋三君、全国町村会長・福岡県添田町長山本文男君、介護社会化を進める一万人市民委員会運営委員龍谷大学社会学部助教授池田省三君、全日本民主医療機関連合会理事医療生協さいたま生活協同組合理事長埼玉協同病院院長肥田泰君及び福祉自治体ユニット代表幹事・長崎県佐世保市長光武顕君を参考人として出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 江口一雄

    江口委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。      ————◇—————
  4. 江口一雄

    江口委員長 厚生関係基本施策に関する件について調査を進めます。  この際、お諮りいたします。  本件調査のため、本日、政府参考人として内閣法制局第一部長阪田雅裕君、厚生大臣官房審議官堺宣道君、厚生省医薬安全局長丸田和夫君及び児童家庭局長真野章君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 江口一雄

    江口委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     —————————————
  6. 江口一雄

    江口委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。金田誠一君。
  7. 金田誠一

    金田(誠)委員 おはようございます。民主党金田誠一でございます。  丹羽大臣大野政務次官につきましては、このたびは御就任まことにおめでとうございます。  丹羽大臣とは、たしか自社さ政権時代与党福祉プロジェクト、ちょうど介護保険の原案をつくっていたときでございますが、同席をさせていただいたわけでございます。私はさきがけの一年生議員で、さきがけから出た三人の中の一人でございました。末席に加えていただいておりましたけれども丹羽大臣の御見識には、そのころから大変尊敬を申し上げていたところでございます。福祉医療のエキスパートということで、大変期待を申し上げる次第でございます。  にもかかわらず、就任早々介護保険の問題、大臣実務レベルで実際つくり上げたその骨格にかかわるような、特別対策というのでしょうか、そういうことに踏み込むことを余儀なくされた。恐らく不本意なお気持ちでおられるだろうと思います。しかし、願わくは、大臣、ぜひひとつ蛮勇を振るっていただいて、御自身の理念に基づいて手腕を発揮していただければありがたいなと思うわけでございます。介護保険見直し撤回要求など、各方面から出ているようでございますけれども、真摯に受けとめて、ぜひひとつ本来の形を整えていただきたいと御要望申し上げておきたいと思います。  質問の本題に入らせていただきますが、きょうは大綱三点用意をさせていただきました。東京杉並井草森公園周辺健康被害について、これが一つ。もう一つは、憲法二十条、信教の自由に関しましての質問が二点目。三点目として、医療保険制度抜本改革について。大臣、先般の御答弁では、来年度からの抜本改革は不可能になったという御答弁もあったものですから、この問題を三点目として質問させていただきたい。以上、大綱三点、順次質問させていただきたいと思います。  まず、一点目の井草森公園周辺健康被害について、マスコミ等ではいわゆる杉並病ということで報道されている問題でございます。仄聞いたしますと、杉並区長さんなども杉並病という言葉自体にも非常に神経を使っておられるようでございまして、今回の質問では、いわゆる杉並病井草森公園周辺健康被害、こういう形で言葉を選ばせていただきたいと思うわけでございます。  そこで、第一点の質問でございますが、私ども民主党といたしまして、市民がつくる政策調査会市民政調などを通して被害住民の方々と意見交換をする、あるいは、厚生省環境庁東京都、杉並区、これら行政も交えて円卓会議という形で意見交換をしてきた経緯がございます。  その辺のところ、大臣もお聞き及びと思うわけでございますけれども、この問題について、かなり特殊な事情を含んでいると思うわけでございます。この健康被害原因になっているというふうに指摘をされている不燃ごみ中継施設、この中継施設設置者東京都でございます。したがって、こうした被害に対する監督官庁としての行政責任を負わなければならない東京都が、不燃ごみ中継施設自身設置管理もしている。加害者と目されているその一面で、監督官庁でもあるということが一つ。もう一つは、来年四月からでしょうか、清掃行政区移管ということがございまして、この不燃ごみ中継施設杉並区に移管の予定になっている。そういう微妙な関係にこの問題がある。そうしたことも問題の解決をおくらせている一つの要因になっているのではないかな、こう認識をしているところでございますが、であればこそ、本来、厚生省役割が重要ではないか、私はこう思うわけでございます。  ところが、その円卓会議等意見交換の場におきましても、今までは、厚生省は必ずしも積極的ではなかった。事態推移を見守るということに今日時点でも終始していると思うわけでございますが、この推移を見守る中で、被害は非常に深刻な状態で、一向に改善の気配を見せておらないわけでございます。国民の健康に責任を負う、あるいはごみ処理廃棄物処理ということに責任を負う行政機関立場として、私は、厚生省としてこの問題により積極的に取り組んでいくべきだ、施設管理している東京都、実際の被害住民が出ている杉並区、そうしたところと連携を密にしながら解決に向けて厚生省が積極的に関与する、それ以外にこの問題解決の道というのは恐らくないのではないか、こう思うわけでございます。  新大臣就任契機に、厚生省としてこの問題に積極的に関与していただきたい、こう思うわけでございますが、ぜひひとつ前向きな御答弁をお願いしたいと思います。
  8. 大野由利子

    大野(由)政務次官 今、金田先生から、井草森周辺健康被害の問題についてお尋ねがございました。長いものですから、いわゆる杉並病というふうに呼ばせていただいていいのかどうか、本当はこういう言葉を使わない方がいいのではないかとは思いますが、とりあえずこういうふうに言わせていただきたいと思いますが、この杉並病が大変深刻な状況である、こういう実態を聞いております。  平成八年の四月ごろから、のどの痛みとかせきとか、また呼吸の苦しさというものを訴えている方がいらっしゃる、こういうことで、厚生省では、この中継所周辺における調査実態とか、また対策実施状況等々を東京都から意見聴取をいたしてまいりましたけれども、現在のところ、東京都によれば、いわゆる杉並病杉並中継所の関連については明らかになっていないと。しかし、いわゆる化学物質過敏症と思われるような方がたくさんいらっしゃることは、実態としてそういう実態があるということは事実でございますが、原因が、随分調査されているにもかかわらずわかっていない、因果関係が明確でない、こういう実態もありまして、現在、公害等調整委員会でこの中継所との因果関係の有無について審理が行われております。ことし一月から審理が行われておりまして、間もなくこの結論が出るのではないか、このように予想されているわけです。  また、東京都では、これまでの調査結果等を踏まえまして、今般、杉並中継所周辺環境問題調査委員会設置し、総合的な原因究明を行おうということで、きょう第一回の会合が行われて、そしてできるだけ早急に取りまとめたい、こういう意向であるというふうに伺っております。  こうしたこともございますので、まず設置者であります東京都の御意見、また調査研究の結果を初めとする東京都の御意見等々もしっかり伺いながら、厚生省も前向きに積極的に今後も検討を重ねていきたい、こう思っております。
  9. 金田誠一

    金田(誠)委員 政務次官から、旧来聞いておりました役所見解を改めて伺ったわけでございますが、そうした役所見解で、はいそうですかと承って問題が解決をするのであれば、何もこの場で取り上げる必要はないわけでございます。今まで、これは平成八年の四月からですから三年半たつわけでございますけれども、その間何らの進展もないという状況の中で、だからこそ国が腰を上げてという事態にもはや来ているのではないかという立場から指摘を申し上げているところでございます。  お役人が答弁を書いてくるとそういう答弁になる。これはもう私も何度も聞かされておるわけでございますが、その答弁を追認するだけでは、政府委員を廃止して、大臣政務次官と議論をするというふうにした意味がないのではないか、そう思うわけでございます。大臣、最終的に大臣の御見解を伺いますけれども、ぜひ念頭に入れていただいて御決断を、こういう立場から次の質問に入らせていただきたいと思います。  これも資料を差し上げておりますけれども岡山大学津田教授がこの円卓会議の中でも一定所見を述べておられます。今回杉並区が行った井草森公園周辺環境問題に係る健康調査報告書、こういう報告書が出ているわけでございますけれども、それで因果関係立証されたのではないかというのが岡山大学津田教授所見でございます。  津田先生は、今までもこうした公害病に相当深くかかわってこられた、そういう経験をお持ちの先生というふうに伺っておるわけでございますけれども先生がおっしゃるには、もしこの調査に基づいてなおかつ原因究明が終わっていないんだ、因果関係はこれで立証されていないんだという御主張をされるのであれば、どういう調査をすれば因果関係立証されるのか、この調査不備であるとすれば、どういう調査をすれば立証したということになるのか、そのモデルをきちんと示した上で、これではこれこれこういうわけで不備なんだと言うべきではないかという指摘をされているわけでございまして、私はもっともなことだと思います。  この調査は不十分で、原因究明がまだこれからなんだということであるならば、どういう調査をすれば因果関係があると立証できるのかということを示して話をすべきだということでございます。これは論理的にそのとおりだと思うんですね。厚生省として、これによってこの因果関係立証されていないというお考えをおとりになるとすれば、どういう調査をすれば立証されたと言えるのか、この辺のところはお示しになる義務があると思うんですが、どうでしょうか。
  10. 大野由利子

    大野(由)政務次官 杉並区の調査によりますと、井草地区と他の三つの比較対照地区から無作為にアンケート調査をした結果、井草地区では症状を訴える人が他地区より多いとか、症状の新たな発現については一応鎮静化をしているとか、特定の症状杉並中継所との関係一定相関関係はあるものの原因究明課題として残っている、こういうことが示されております。  現在いろいろな御意見がございますが、この井草森周辺地域には、非常に交通量の多い還八通りもございます。非常に車が渋滞をしている、その排気ガス等々、そういうものとの複合的なものも心配されるのではないかというような御意見も一部ございますし、今、金田先生のおっしゃったような、どういう調査をやればいいのかも含めて今後の課題である、こういうふうに思っております。
  11. 金田誠一

    金田(誠)委員 前段の質問津田教授と申し上げましたが、津田先生ということで訂正させていただきたいと思います。  よくわからない御答弁でございましたが、この調査で不十分であるとすれば、どういう調査をすればいいのか。これこれこういうモデルをつくってこういう調査をすべきだ、それをやっていないからこれは不備なんだ、論理的にそうなるのではないですかということを申し上げているわけで、いま一度御答弁をお願いします。
  12. 大野由利子

    大野(由)政務次官 この杉並地区だけではございませんで、東京都に同様の中継施設がほかにも四カ所あるわけでございますが、他の地域ではこういう訴えがないというようなことで、どうしてほかはなくて杉並井草森周辺ではあるのかというようなことについて、金田先生がおっしゃったように、確かにそう思われる実態はあるわけですけれども、この原因によってこういう因果関係が出ている、そういう科学的知見因果関係が現在までの調査結果では出ていない、こういうことでございますので、他の地域にはなくてどうしてこの井草森にはあるのかというふうなことも含めて、そういうことも必要ではないかと思っております。
  13. 金田誠一

    金田(誠)委員 他の中継所被害が出ていないということは喜ぶべきことではあると思います。しかし、ほかのところにないから井草森中継所原因ではないんだなどということは、それこそ因果関係の全くないことではないでしょうか。井草森の場合はそれなりの原因があるかもしれない。少なくともこの施設が稼働し始めてから被害が出てきている。調査の結果、その周辺に集中して被害が多いという状況なわけでございます。  したがって、ほかの四カ所はどうであるにせよ、井草森施設の場合はこことの因果関係が極めて強い。その施設が稼働し始めて症状が発生して、近づくに従って症状がふえるということは、もしこの施設原因でないとすればそれこそ大変な、何かさらに未知のものがあるということですから、それこそこんな悠長なことはしておられないだろうと思うわけでございます。だれが見てもまず第一に疑われるべきがこの中継施設なわけです。そして調査をしたら、一定因果関係相関関係があるということが立証された。それでもなおかつ、そこではないというのであれば、どういう調査をすればいいのですか。  これこれこういう調査をしろという答弁大臣に求めているわけではない。政治家として、もし井草森原因でないとするならば、この調査で不十分だとすれば、それではどういう調査をすれば立証と言えるのかということを事務方指示していただきたい。それをしなければ、ただ単に問題の先送りにしかならないということを申し上げているわけです。技術的に大臣にお聞きをしているわけではない。論理としてそうではないですかと。政治家として決断するのはまさに——これで一定結論は出た、一〇〇%でなくてもかなり高い確率で結論は出た、それに基づいて行動を起こすべきだと私は思います。しかし、まだそこまで起こし得ないんだとすれば、ではどういう調査をやればいいのか。都や区に任せっ放しでは被害は何ら解決しないということでございます。  どうでしょう。私は、もうこれで一定結論に達することができると思いますけれども、それができない、そういう判断に立てないとすれば、どういう調査をすべきなのかを事務方指示するべきだと思いますが、大臣、これはそろそろよろしいのではないですか。
  14. 大野由利子

    大野(由)政務次官 先ほど申し上げましたように、今、東京都が杉並中継所周辺環境問題調査委員会設置いたしまして、早急に公害等調整委員会等々の結果も踏まえて結論を出したいということでございますので、厚生省としては、この東京都の研究に積極的に協力をしてまいりたい、そして施設主体者であります東京都と協力をしながら進めてまいりたい。そして、環境庁といたしましても、平成九年十二月から研究班を設けて原因等々の検討をしております。  さらにどんな調査が必要か、専門的な、技術的なことは専門家でなければわからないわけでございますが、政治家としての答弁はそういうことでございまして、環境庁東京都とも連携を密にしながら必要な調査研究をするように、その原因究明の過程で新たな調査厚生科学研究の一環として厚生省としても取り組んでいく、積極的に協力をしてまいりたい、このように思います。
  15. 金田誠一

    金田(誠)委員 これは一種の危機管理ということが問われていると思うわけでございます。  もう被害が発生して三年半放置されているわけです。再三こちらに来て訴えておられて、大臣はお聞きになるのは恐らく初めてかもしれませんが、事務方の方は何人も聞いておられる。それを三年半放置されて、被害状況など、本当にここで申し上げるのもはばかるような極めて深刻な事態でございます。そういう事態が放置されている。一方的に被害をこうむったままの状態で今日に至っている。東京都はそれを放置してきた。杉並区は、区長さんがかわって調査に踏み込んでいただき、一つ契機、転機になったと思うわけでございます。  こういう状況を受けて、四月からの区移管という状態と、施設そのものが、冒頭申し上げたとおり都が設置管理している施設であるということと、政務次官答弁でおっしゃったように、この中継所で起こした被害というのはまだほかには見られていない、極めて特殊な特異な例であるという要件から考えても、国として放置すべきではない。危機管理という観点から積極的に関与しなければならない。いわば当事者同士ということではなくて、もっとこれを大局から見られる、客観的な立場から見られるのが国だと私は思うわけです。そういう立場から関与してほしいということを申し上げているわけでございます。  最初の質問に戻りますが、大臣、いかがでしょう。
  16. 丹羽雄哉

    丹羽国務大臣 先ほどから大野総括政務次官がお答えをいたしております杉並病につきましては、因果関係がはっきりしない、こういうことでございますが、私どもも決して手をこまねいているわけではなく、フィルターの設置などさまざまなことにつきまして、私どもなりにこれまでも手当てをしてきたところでございます。  しかし、先生指摘のように、現に住民皆さん方がこの問題で苦しんでいらっしゃる、それから不安を持っていらっしゃる、これは紛れもない事実でございます。そこで、当然のことながら、因果関係とこの問題を切り離すことはできませんけれども、しかし、私どもとしては、これを放置しておくわけにはいかないわけでございますし、今後、この杉並病の問題についてどういうことができるのかということを、先生の御質問でございますし、真摯に受けとめまして、この点を十分に事務当局指示をしていきたい、このように考えているような次第でございます。
  17. 金田誠一

    金田(誠)委員 大臣因果関係ということをおっしゃられたわけでございますが、この調査だけでも因果関係はかなり立証できるだろうという指摘専門家から出されているわけでございます。もしこの調査不備であるとすれば、もっと疫学的なさらに精緻な調査も十分可能だと思います。  不備だとお考えだとすれば、さらに精緻な調査をすべきだ——ここまではよろしいですか。これで因果関係がはっきりしていないんだとおっしゃるのであれば、どういう調査をすればはっきりするのかということを厚生省として示していただける、こういうことで理解してよろしいですか。
  18. 丹羽雄哉

    丹羽国務大臣 率直に申し上げて、その報告書をまだ私見ておりません、大変申しわけなく思っておりますけれども。その報告書不備不備でないかということは、私の口から申し上げるわけにいきません。  いずれにいたしましても、問題は、地域住民皆さん方の不安をいかにして解消するのか、こういうような観点から、今後ともこの問題については、先ほど申し上げましたけれども、よく私の方から、具体的に有効的な手だてとしてどういうものがあるのかということが一番大切なことではないか、こういうような認識に立ちましてさらに検討するように指示をしたい、このように考えているような次第であります。
  19. 金田誠一

    金田(誠)委員 堂々めぐりみたいな感もございますが、これで因果関係がかなり確かだという指摘もある。もし厚生省としてその指摘をとらないとすれば、どういう調査をすれば立証したということになるのか。そう問われるのは当然のことだと思うわけでございまして、一つはこれで因果関係立証ができるのかできないのか、ぜひ決断をしていただきたい。もしこれでまだ不備だとすれば、これは急を要するわけでございますから、もう三年半被害住民の方は苦しんでおられるわけですから、本当に危機管理、急を要するということで、まず腰を上げていただく。そして、今さら調査なんというのは私は不要だと思うんですけれども、どうしても調査というのであれば早急に精緻な調査をしていただいて対策をとっていただきたい。大臣の御答弁は、そうしたものも含んでの御答弁だろうと思って受けとめさせていただきたいと思います。  そこで、もう一つお願いでございますが、いずれにしても、直接被害住民の方に会っていただけませんでしょうか。私も、テレビや活字で見るのと直接お会いしてお話を伺うのとでは、これほど深刻なのかということを肌で感じるわけです。ぜひ会って直接話を伺っていただければ、それでもう解決するのではないか、解決に大きく踏み出さざるを得ないのではないか、こう思いますので、大臣、直接被害住民の方に会っていただくということをここで御確約をいただきたいと思います。
  20. 丹羽雄哉

    丹羽国務大臣 現に大勢の皆さん方が大変苦しんでいらっしゃる問題でございますし、また不安を抱えながらこのまま放置しておくわけにもいかないわけでございます。因果関係とは別に、そういった住民皆さん方の痛み、苦しみというものを政治家が真摯な気持ちでお聞きするということは、これは政治家としての当然の役割であり義務である、このような観点から、もし時間等が許せばお会いしたいと思っております。
  21. 金田誠一

    金田(誠)委員 ありがとうございました。ぜひひとつ直接お会いをして声を聞いていただきたい。よろしくお願いをしたいと思います。  最後に、これから厚生省としても早期に検討していただくと同時に、都あるいは区でそれぞれ委員会をつくったり、こういう調査をしたりということで努力はされているんだと思うんですが、もう三年半、今日に至っているわけでございます。そういう意味から、都なり区なりとも早急に厚生省として具体的な協議に入っていただきたい、このこともあわせてお願いをしたいと思いますが、いかがでしょう。
  22. 大野由利子

    大野(由)政務次官 東京都、また環境庁とよく連携をとりながら、先生のおっしゃる方向でしっかり前向きに積極的に取り組んでまいりたい、このように思います。
  23. 金田誠一

    金田(誠)委員 お役所が悪いとか言うつもりは全然なくて、それはそれなりに体系立った行政をする上ではそういう発想も一面必要だという立場は私はとっているんですが、しかし、事危機管理、こういう前例のない事態にはお役所というものはなかなか対処しにくい思考回路になっているような気がしてなりません。そのお役所の思考回路をもっと血の通ったものにしていくのが大臣であり政務次官だろうというふうに思っております。そういう観点からこういうやりとりのシステムに変わってきたんだろう、こう思いますので、ぜひひとつそういうことも体していただいて、事は急を要しますので、早急に対策を立てる、あるいは直接お話を聞く、都、区その他とも具体的な協議に入る、このことを最後に改めてお願い申し上げまして、一点目の質問は終わらせていただきたいと思います。  次に、二点目でございますが、憲法二十条、信教の自由に関してということでございます。  政務次官、私も細川内閣では公明党さんと政権を共有してきた、そういう立場でもございます。したがって、何も他意があるわけではございません。ぜひ誤解なくお受けとめいただければありがたいなと思うわけでございます。そして、私自身も、家に伝わる宗教の信仰者でございます。浄土真宗でございますけれども。余り敬けんな信者とは言えないかもしれませんが、それにしても、折につけお寺に伺って精神的安らぎを得ております。信教の自由はいかに大切なものであるかということをよく踏まえているつもりでございます。そういう観点から、信教の自由について質問させていただくわけでございます。  まず、内閣法制局に前段お伺いをしたいと思います。  憲法二十条の中の「いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない。」この件については、今まで質問主意書、政府答弁、いろいろな形で見解が示されている。答弁は一貫していると思うわけでございます。そして、かなり限定的に解釈をしている。信教の自由ということに非常に重点を置いて、「特権を受け、」「政治上の権力を行使し」などという部分は非常に限定的に解釈をしてこられたと思うわけでございまして、私はその解釈には敬意を表したいと思います。そういう解釈であってしかるべきだろうというふうに思うわけでございます。  そこで、今までの答弁書あるいは答弁を見ますと、宗教団体が公職の候補者を推薦し、または支持した結果ということが前提条件になって答弁が組み立てられている。宗教団体が公職の候補者を推薦し、または支持した結果と。  しかし、今さまざまな方々が発言をされておるわけでございます。例えば自民党の白川勝彦先生ども、憲法違反であるという論理を展開されているわけでございますけれども、恐らくさまざまな方が懸念されているのは、推薦または支持した結果にとどまることなく、宗教団体が政党を結成し、その政党の構成員が閣僚に就任した場合、この場合であっても憲法に抵触するものとは解されないという従来の答弁がそのまま当てはまるのかどうか、疑問として残るのはその点ではないかなと思っております。  この点、今回、公明党さんのホームページも拝見をさせていただきました。その中には、冬柴鐵三幹事長のコメントといいますか、質問に対する回答ということでホームページが構成されているわけでございますが、「憲法でいう「政治上の権力の行使」の禁止とは、宗教団体が政党を結成し、政治上の運動をすることを禁じたものではないということです。」というくだりもあるわけでして、推測をしますと、宗教団体が政党を結成しという意識をお持ちなのかな、こう推測できるわけでございます。  この場合、旧来の答弁、推薦または支持した結果ではなくて、宗教団体が政党を結成しということを前提にした場合にも旧来の法制局の見解というのがそのまま当てはまるのかどうなのか、一点目はまずここをお聞かせいただきたいと思います。
  24. 阪田雅裕

    阪田政府参考人 先生今御紹介いただきました質問主意書に対する政府の答弁書でありますけれども、それは御紹介のとおりでありまして、公職の候補者が特定の宗教団体の支援を得て当選する、そしてその結果閣僚等に就任するということになっても憲法上の問題はないということを明らかにしたものでございます。その場合に、その候補者が一体どのような政党に所属していたのかということは、実は問題にはしていないということなのであります。したがいまして、この考え方というのは、どんな政党に所属して立候補し、当選をする候補者についても妥当するんだというふうに考えております。  そういたしますと、問題は、御質問のお言葉をおかりしますと、宗教団体が結成した政党、これは多分、私の理解では、結党に際してその宗教団体がイニシアチブをとるとか、あるいは、そのでき上がった政党の構成員、党員ですね、そのかなり多くの部分が当該宗教団体の信者であるといったような状況を指すものと思われるわけですけれども、このような政党が公職の候補者を立てることが許されるのか。つまり、宗教団体が今申し上げましたような意味で支持団体をつくって候補者を擁立しても憲法上の問題はないのかということに多分帰着するのではないかというふうに思われます。この点につきましては、宗教団体といえども政治的活動の自由は憲法上保障されており、宗教団体がその政治的活動の一環として政党その他の政治団体の設立を主導することも憲法上許されるというのが政府の従来の考え方でございます。  以上、申し上げましたように、このような、つまり宗教団体がその設立を主導した政党の党員であっても、彼が選挙で当選をし閣僚に就任するというようなことになったとしても、そのこと自体が憲法に抵触するということにはならないというふうに考えております。
  25. 金田誠一

    金田(誠)委員 一貫して非常に限定的な解釈、宗教団体が政党を結成した場合であってもというところまで解釈を広げていただいたといいますか、特定していただいたというふうに思います。それはそれとして受けとめさせていただきたいと思います。  ところで、政務次官にお伺いをしたいわけでございますが、公明党さんが政権に着く、あるいは閣僚を出すというときに、必ず、今までもそうでございまして、最初の細川政権のときには自民党さんがかなり厳しい御指摘をされていたように思います。今の亀井政調会長なども当時はその急先鋒の一人だったように思うわけでございますが、公明党さんが政権に着くとこの問題が惹起されるということは、私は余り好ましいことだとは思っておりません。しかし、現実にこういう問題が惹起するにはそれなりの原因といいますか背景といいますか、それがあるのではないかなと思うわけでございます。  憲法論議云々は今法制局から見解が出されまして、推薦し、支持しの場合であっても、宗教団体が政党を結成しての場合であっても同じである、憲法違反には当たらない。それはそれで見識だろうというふうに思うわけでございますから、私の立場はそういう立場からの質問ではないわけでございますが、そういう違憲か合憲かという範疇を超えても、いつもいつもこの問題が惹起される、恐らく政務次官のお立場からも非常に不本意だろうと思うわけでございます。  そこで、しかし、公明党という強大な政党、それを支える創価学会という大変大きな宗教団体、この力に対するある意味では不安感といいますか、そういう何かの精神的要素を与えているのではないのかな、その辺のところをもっと、説明責任といいますか、アカウンタビリティーといいますか、明らかにしていくことでこれが乗り越えられればそれにこしたことはないだろうという気もいたします。  そんな思いも含めまして質問させていただきたいんですが、公明党さんと創価学会さんの関係は、例えば旧来自民党なども、これは現在もそうでしょうか、特定の宗教団体で自民党支持あるいは特定の個人を大変強力に支持をされるという関係がつくられてきたと思うんですが、そういう関係よりもまだ踏み込んだといいますか、もっと濃密なといいますか、そういう関係に見えるわけでございます。その辺のところは、政務次官、他の宗教団体と政党との関係に比べてより特殊なといいますか、そういう関係を意識されますでしょうか。  それと関連してお尋ねをすれば、宗教団体が政党をつくりというこのホームページの一節を見ても、宗教団体が政党をつくるというのはほかの宗教団体では現実にはないのではないか、こう思うんですが、そこの関連はどう御認識でしょうか。  この二点、率直にお答えいただければと思います。
  26. 大野由利子

    大野(由)政務次官 他の宗教団体と政党との関係と違うのではないか、最初そういう御質問でございましたが、他の宗教団体と他の政党との関係がどうなっているのか私は詳細に知りませんので、この辺は答弁ができない、こう思っております。  また、公明党と創価学会の関係でございますが、いわゆる政党と支持団体の関係でありまして、他の政党と支持団体の関係と何ら変わるものではない、このように思っております。  また、先ほど法制局から答弁もございましたように、確かに公明党は宗教団体創価学会の会員である皆さんがつくった政党ではございますが、憲法二十一条に結社の自由等々も認められているわけでございますし、これは何ら問題はないのではないか、このように思います。  また、細川政権のとき、また新進党のとき、同じ政党の仲間であったときには同じ政党の中からは何ら疑念を発する声が出なかったのに、政党が分かれた途端にこういう声が出てくるというのは、非常に政治的な思惑にこれが使われている。私は、信教の自由というのは、憲法の二十条は人権を尊重する非常に大切な憲法の一項でございますが、これが政治的な思惑の中でいろいろ取りざたされているということは非常に残念なことでございます。  金田先生は従来から人権擁護の問題では非常に熱心に取り組んでこられた先生である、このように承知をしております。先ほど公明党のホームページの一文を引かれましたが、金田先生質問には、非常に残念ですが、この公明党のホームページに出てくるのは、先生が言われたような形でこれを書いているわけじゃございません。これは、憲法で言う政治上の権力の行使の禁止とは、宗教団体が政党を結成し、政治上の運動をすることを禁じたものではないということを一般論として述べているわけでございまして、公明党のホームページの中に金田先生がおっしゃったような記述があるかのような御質問は、いささかちょっと趣旨が違うのではないか、こう思います。
  27. 金田誠一

    金田(誠)委員 趣旨の方は、その他新聞記事などにも同様な御発言が載っておりましたものですから、ホームページだけを取り上げてというつもりではございません。それと、ぜひひとつ誤解のないようにしていただければ、こういう問題が惹起されることのない形になればいいなというふうに私ども考えております。  そして、私の趣旨は、憲法に抵触をするとかという趣旨ではない。不安があるとすれば、他の宗教団体と他の政党との関係とはかなり、これは外から見た範疇でございますけれども、その関係を異にするのではないか、それに対するさまざまな疑問なりがわくのではないかということを御指摘をさせていただきました。  他の政党について御存じない、したがって比較しながらの答弁はできないということでございますから、それはそれなりに受けとめさせていただかなければならないのですが、その疑問が解明されればこうした問題が折に触れて出てくることもなくなるのではないかなという希望を持ってございます。  次の質問に移らせていただきます。  法制局に端的にお答えいただきたいのですが、さきの国会で、日の丸・君が代等々、成立したわけでございますけれども、その流れの中で、靖国神社の特殊法人化というものが出てまいりました。この問題は、戦没者ということからすると厚生省ともかかわりがないわけではないと思うわけでございます。  この靖国神社の特殊法人化について二点お聞かせをいただきたいのですが、宗教色を残したままで特殊法人化することは憲法に抵触すると私は考えますが、これについてはどうかというのが一つ。  もう一つは、現に宗教法人として存立している宗教団体のあり方に政府が干渉することは、これまた憲法の政教分離規定に反する行為と私は考えますけれども、この二点について、端的にお答えいただきたいと考えます。
  28. 阪田雅裕

    阪田政府参考人 まず第一点でありますけれども、政府として今御指摘のようなことを考えているというわけではございませんので、具体的には大変お答えがしにくいわけでありますけれども、したがいまして、あくまでも一般論として申し上げるということになろうかと思いますが、宗教上の儀式、行事あるいはその他の宗教的な活動を行うことを本来の業務とするような法人、こういったものを国が設立するということは、そのこと自体が憲法二十条三項で禁止されております国が行う宗教的活動に該当する、したがって到底許されないというふうに考えております。  それから、第二点目の、政府の干渉ということの意味でありますけれども、その意味が必ずしもはっきりとはしないのですけれども、一般に、憲法二十条が保障する信教の自由は、信仰の自由、あるいは宗教上の行為の自由というものだけではなくて、宗教上の結社の自由も含まれるというふうに解されております。そして、この宗教上の結社の自由には、単に宗教団体を設立するということだけではなくて、設立された宗教団体が宗教活動に関して自主的にその意思を形成するという自由も含まれるというふうに解されております。  そういたしますと、今の政府の干渉ということの意味が、仮に、例えば宗教団体の教義であるとか、あるいは宗教上の儀式、行事のあり方、さらに申し上げますと、宗教団体が宗教団体として存続を続けるかどうかというようなことについて、これは本来宗教団体の自主的な判断にゆだねられるべき事柄でありますから、そういった事柄について政府がその意思形成に介入するということを意味するものだといたしますと、これもまた憲法二十条との関係で問題が生ずるというのが私ども考えでございます。
  29. 金田誠一

    金田(誠)委員 政務次官、先ほどのホームページ、さっきの部分だけでなく、全部読ませていただいて、政教分離とはどういうことなのか、よく勉強させていただいたつもりでおります。そういう観点からいたしますと、このホームページの中にも、創価教育学会はかつて国家神道のもとで弾圧された歴史があるということも述べておられました。  一方、自民党の方も、この靖国神社問題が、公式参拝とか、事あるごとに惹起されるわけでございます。そして、今回は靖国神社の特殊法人化ということまで取りざたされて、それは途中でさたやみになったようでございますけれども、これが自民党の大勢だとは思いたくないのですが、そういう方々も中に抱え込んだ政党であるということからして、そこと公明党さんが連立を組んでおられるということは、私は非常に残念でならないわけでございます。そういう立場から、いずれ今の政権の枠組み自体も変更になることもあるだろうというふうには思いますけれども、現在の枠組みについては、私は非常に残念であるということを申し上げておきたいと思います。  そこで、今の法制局の見解、特殊法人化につきまして、大臣、これは全くそのとおりだということになりましょうけれども、改めて御見解を確認させていただきたいと思います。
  30. 丹羽雄哉

    丹羽国務大臣 金田委員の御質問は靖国神社の特殊法人化の問題だと思いますが、政府の方の見解につきましては、ただいま法制局の方から答弁がございました。政府の一員として、この問題について個人的な見解を申し上げることは差し控えさせていただきたいと思っています。
  31. 金田誠一

    金田(誠)委員 大臣は個人的にはまた別な見解をお持ちということなんでしょうか、その見解の中身はさておいて。
  32. 丹羽雄哉

    丹羽国務大臣 私の答弁を素直にお聞きいただければ結構だと思います。
  33. 金田誠一

    金田(誠)委員 この件については質問をこれでとどめさせていただいて、次に、三点目に移らせていただきたいと思います。  医療保険制度抜本改革についてでございます。  大臣は、先般介護保険の集中審議の際に、医療保険制度の年度内の抜本改革といいますか、来年度からの実施でしたでしょうか、これは不可能であるというふうにお答えをされたわけでございます。よくそこまで言い切られたなと思って、ちょっとびっくりしながら実は聞いたのですが、それも無理のないことかなという気もいたします。  老人保健制度をどうするか。薬価の問題についても参照価格でああいう形になっておりましたし、医療提供体制では急性期と慢性期の分離、程度、診療報酬改定についてもほとんど財源の見通しも立ってこないという八方ふさがりの状態で、問題の先送り状態がずっと続いているわけでございますけれども、旧来型の発想ではこの問題を打破することはおよそ不可能ではないかという気がいたすわけでございます。  その背景は、一つは経済のゼロ成長。昔は何だかんだ言っても多少保険料収入は伸びてきた。いろいろ不満はありながらも、各方面、それぞれ何とかおさまるような手だてができたということがあったと思うのですが、ゼロ成長と高齢化の進展、黙っていても老人医療費はどんどん伸びていくという状況の中で、もう旧来型の微調整といいますか、これは自民党の専門家の皆さんの本当に得意とするところだったと思うのですが、その手腕が発揮しようがなくなったというところまで行き着いたというのが現状ではないかと私は思うわけでございます。  そして、それではどうするかということでは、もう発想の転換を図るしかない。厚生省なりがすべて引き受けて、医師会の言い分、支払い側の言い分、全部まとめて痛み分けにさせるような、何か三方一両損のような芸当ができなくなったわけですから、ここに来て必要なことは、当事者間の契約といいますか話し合いといいますか、契約自由の原則に基づいて、お役所はもう権限を放棄する。うまいぐあいに、時の氏神になるか憎まれ役になるかして物事をまとめることが不可能になった。それぞれ言い分をぶつけ合いながら当事者同士の妥協を探る。それが不可能なときに初めてアンパイアが登場するという形しかもうないのではないかというふうに思えてならないわけでございます。  これを具体的に言うと、保険者が当事者としての機能を回復するということが一つだと思います。前は、高齢者医療の薬代一部負担を、全く当事者抜きで、支払い側抜きで決定してしまった自民党さんの大変な腕力もございましたけれども、もうこういうやり方は通らない。支払う方と受け取る方、どのようなサービスを幾らで買うかは当事者間の契約が原則であるという立場に立ち返る。これが自由主義経済の本来の姿だと私は思うのですけれども、そのためには保険者機能をどうするか。保険者にそれにたえ得るような保険者機能を備えさせなければならないと思うわけでございます。  具体的に言うと、例えば、この制度の中でも一番保険者機能を発揮しているのは組合健保でございます。機能を発揮し得ないでいるのが政府管掌であり、国保も頑張っているところは頑張っているのですが、総じて言うと、組合健保並みに機能を発揮しているかというと、そうではない。規模も、国保などは余りにも脆弱過ぎるところもございます。政府管掌なんというのは余りにも巨大過ぎるものがある。国が保険を管掌するとか自治体が管掌するとかという時代はもう終わったのではないか。  これは今すぐとは言わなくても、本来、民営化、組合健保化ということを見据えながら、差し当たって規模の適正化。政府管掌であれば各県ごとに保険者を分割をしていくとか、国保であれば県レベルに統合をしていくとか、規模の適正化。そして、医療団体の指定解除とか、診療報酬に対してもっと発言する権利とか、そういうものを徐々にふやしていって、行き着く先は、組合健保化という方向を一方では目指す。  そして、もう一つは、保険者機能の強化ということからいいますと、保険者間のリスク構造調整。これは、ドイツではもう完全にリスク構造調整はほぼ完全に近い形で行われていると思うわけですし、日本でも、例えば老人保健拠出金制度というのもある意味でリスク構造調整の変則の形ということになると思うのです。  特に、我が国においては、これは厚生省の機関だと思いますが、人口問題研究所でしょうか、塩野谷祐一先生などが保険者間のリスク構造調整ということを盛んに唱えておられる。保険者間のリスクを均等化して保険者機能を高めて、支払い側と協議し決定し得るような、そういう主体を一方では形成する。支払い側団体も、今の形が本当にいいのか。診療側も、当事者として支払い側と本当に協議決定できるような仕組みを考えていく。厚生省は、自分のところで全部引き受けて、うまい方法をたまたまこういうふうに出すというのはもう不可能ですから、アンパイアに徹するという形に構造転換をしていかないと、これはもう何も決まらないということになるのではないか。  高齢化社会の中でこれに対応をするのは、私は、こういう方向にかじを切る、大綱こういう方向で転換をしていくしかないと思っているのですけれども大臣大綱的に大臣考えておられる医療保険制度抜本改革というものについての御見解を、この私の考えにかみ合う形でお示しいただければありがたいと思います。
  34. 丹羽雄哉

    丹羽国務大臣 まず、医療抜本改革でございますけれども、今後の急速な高齢化社会によりまして医療費が大変伸びております。平成十一年度推計でも、国民医療費が三%、老人医療費に至りましては六%増加をしておる、こういうことを考えますと、当然この医療抜本改革というのはまず避けて通れない、こういうような認識をいたしておるような次第でございます。  それで、医療抜本改革といたしましては、一つ医療提供体制の問題であり、一つは診療報酬の問題であり、一つは薬価制度の問題であり、もう一つは高齢者の医療制度の見直しの問題、これがいわゆる四本柱と言われておるわけでございます。  これまでの議論の中では、いわゆる薬価差の解消と技術料の適正な評価を下していこうではないか。出来高払いと定額払いの最善の組み合わせということも今後は十分に配慮していかなければならない。高齢者の患者負担につきましては、自己負担の上限定額を設けましておおむね一割を超えない負担とするというようなこと。それから、いわゆる高額療養費のあり方、これは六万三千六百円でございますが上限がある、これも考え直していこうではないか、こういうような方向性が既に示されておるわけでございます。  それで、先生ちょっと誤解をいただいておると思いますが、私が前回の委員会で申し上げましたのは、高齢者の医療保険制度の問題であります。  高齢者の医療保険制度の問題では、老人福祉審議会の段階でも、またさまざまの分野におきましても、いわゆる高齢者だけを対象にする独立型方式がいいのか、あるいは日経連であるとか連合などが主張しておるような突き抜け方式というものがいいのか、こういったような問題で、率直に申し上げてまだ集約されておらないのだという段階でございます。  集約されていない段階において、しかも来年の四月からは介護保険制度というものがスタートをするのだ、こういうことでございまして、今私どもは高齢者の医療制度の問題については環境整備を行っていかなければならない。環境整備は行っていかなければならないのですが、もし仮に、例えば独立型にした場合には国保組合はどうなるのか、こういうような問題があるわけでございます。そういった面から、率直に申し上げて、高齢者の医療保険制度についての抜本的な改革については若干時差があるといいますか、若干おくれざるを得ない、これが現実的な選択ではないか、こういうことを申し上げたということをまず御理解をいただきたいと思います。  いずれにいたしましても、今幾つかの問題を申し上げたわけでございますけれども、具体的な成案を得まして、平成十二年度から段階的な抜本改革の実現に向けて最大限の努力をしていきたい、このように考えているような次第でございます。  それから、先生から御指摘がございました保険者機能の強化の問題であるとか、いわゆるリスク構造の調整、さらに保険者の再編などの問題でございます。これはいずれも大変重要な問題でございまして、私もこういった視点においては全く先生と同じ認識に立つような次第でございます。  しかし、具体的な医療保険制度の体系であるとか保険者のあり方については、先生も御承知だと思いますけれども関係者の間で大変さまざまな意見がございまして、まずこれを集約していくことが先決であります。そういう中において、何とか、世界に冠たる我が国の医療制度、良質な医療を求めて今後とも医療保険制度というものを堅持していくように頑張っていきたい、このように考えているような次第でございます。
  35. 金田誠一

    金田(誠)委員 前回の御答弁の趣旨は改めて理解いたしました。  突き抜けか独立かということですが、これもまた袋小路にはまった話になるわけなんですね。私としては、ここにリスク構造調整というものを導入する視点がなければ物事は解決しないのではないかと。保険集団がそれぞれ余りにも力が違い過ぎるわけですよ。年齢構成が違う。所得構成が違う。今までは拠出金方式でやってきた、それが行き詰まった。もうここまで来れば、リスク構造調整というものを厚生省は大胆に投げかけをするという腹をくくっていただくわけにはまいらないのでしょうか。これは各方面のお話を聞いていてもできないわけで、これこそ政治のリーダーシップだと思うのですが、最後にこれ一点だけで終わります。
  36. 丹羽雄哉

    丹羽国務大臣 一言で申し上げますならば、世代間の支え合いの問題であり、それから健保組合の大変大きな赤字要因の一つになっております老人拠出金の問題、こういうものも含めているのではないか。  いずれにいたしましても、少子・高齢社会が進んでいく中において、お年寄りの皆様方の御理解をいただきながら、しっかりとした高齢者の医療制度というものをつくって、その中において、現実問題として公費で投入すべきものは投入しなければならない。しかし、現にお年寄りというのは、先ほども申し上げましたように、今、医療費三十兆円のうち三分の一を占めておるということも紛れもない事実でありますし、そこで若い人たちの御支援もいただかなければならない。  しかし、現実問題として、若い健保組合の中には、自分たちの医療サービスではなくて、いわゆるお年寄りの拠出金のために自分たちが大変高い保険料を払わされているのだ、こういう御不満もあることも十分に私も認識をいたしておるような次第であります。それと同時に、自営業者を中心といたしまして、国保に御加入の皆さん方もやはり大変な御負担をいただいておる。  こういったものは、大変難しい問題でございますけれども避けては通れない問題でありまして、物事には順番がございまして——とにかくそういうことで、私が申し上げましたのは、来年の四月から本格的に高齢者の医療制度というものが何らかの形で創設してスタートできるような状況にないということを率直に申し上げた、こういうことでございます。  いずれにいたしましても、早い機会に、この問題についても先生方の御指導を仰ぎながら一つの方向性というものを示していかなければならない、こういうような認識に立っております。
  37. 金田誠一

    金田(誠)委員 終わります。ありがとうございました。
  38. 江口一雄

    江口委員長 速記をとめてください。     〔速記中止〕
  39. 江口一雄

    江口委員長 速記を起こしてください。  石毛えい子さん。
  40. 石毛えい子

    ○石毛委員 民主党石毛えい子でございます。  私の質問時間、きょうは、午前二十分、午後三十分というふうに分割されております。午前中は、児童扶養手当の問題、そして介護休業中の社会保険料本人負担分について、この二つのテーマで質問をさせていただきたいと思います。  まず、児童扶養手当についてでございますけれども、ことしの夏、シングルマザーの団体が母子家庭の電話相談やアンケートを行ったところ、二日間で電話相談が百十五件あったということでございます。大変多いというふうに受けとめるべきだと思いますけれども、その電話相談の内容は、生活が苦しい、パートをかけ持ちしている、あるいは働き先で給与がカットをされて、その上所得制限で児童扶養手当もカットされて年収が百万円以上減ってしまった等々、この間所得制限の引き下げがなされたわけですが、それをめぐって、不当ではないかという声が圧倒的に多かったというふうに伺っております。  こうしたシングルマザーの声に対しましてどのようにお受けとめになられますか、その点をまずお尋ねいたします。
  41. 大野由利子

    大野(由)政務次官 今、石毛先生からお尋ねがございましたけれども、シングルマザーの皆さんが、小さな子供を抱えながら仕事をし、そして一生懸命一人で育てていらっしゃる、大変な困難の中でやっていらっしゃるということを私も認識はしておりまして、できる限りの支援はしていく必要があるだろう、このように思っております。
  42. 石毛えい子

    ○石毛委員 ただいま政務次官からできる限りの支援はしていく必要と御答弁いただきましたので、それでは、そのできる限りの支援ということでどのようなことをお考えになっていらっしゃるかということを少し御披瀝いただければと思います。
  43. 大野由利子

    大野(由)政務次官 児童扶養手当についての先生の御質問かと思うんですが、できる限りの支援と申しましたのは、児童扶養手当だけじゃなくて、子供を持つお母さんの就労の促進といいますか、保育所の整備というものもそういうことになるでしょうし、子育て支援等々も含まれるでしょうし、また、母子寡婦福祉貸付金だとか母子家庭等介護人派遣事業、こうしたさまざまなことがあるのではないか、このように思います。
  44. 石毛えい子

    ○石毛委員 今の御答弁は、関連施策としてできる限りの支援はしていくという内容だったと思います。それではここで確認をさせていただきたいと思いますけれども、児童扶養手当に関しましては、できる限りの支援をしていくということの御答弁ではなかったというふうに私は聞かせていただきましたということで、次の質問に移らせていただきたいと思います。そしてまた、就労の促進とか、そういうものは大変重要ですので、それはそれとしてぜひ推進していただけますように要望させていただきたいと思います。  このシングルマザーの会の方たちのお話、御報告では、今、東京近郊で母子家庭が暮らすのには最低でも二十二万円程度は必要と。家賃七、八万円というのは随分安いと思いますけれども、家賃ですとか光熱水費、通信費等々を含めますと最低でも二十二万円ぐらいはかかる。これを年間にしますと二百六十万円ぐらいになるわけですから、扶養している子供さんの人数が一人とか二人なんというときにはとうに所得制限を超えてしまうわけです。  そこで、今政務次官がおっしゃられました関連施策ともかかわりますけれども、例えば母子家庭に対する医療費の助成などは児童扶養手当の所得制限とリンクをしているために、児童扶養手当で所得制限に触れてしまいますと、関連施策も、例えば医療費助成などは使いにくくなる、使えなくなるというような問題がございます。  それから、その所得制限の話とは少し違いますけれども政務次官がおっしゃられました家事援助者を派遣するという事業などもあるわけですけれども、これも、今大方の自治体では、例えば九時から五時の間とか、あるいは実際にはまだ取り組んでいませんとかというような回答で、大変使い勝手が悪いというような、児童扶養手当の受給家庭に絡まるさまざまな疑問が出されてきております。  ここで質問になりますが、児童扶養手当の受給世帯はどのような関連施策をどの程度、頻度といいましょうか、どの程度利用されているか、そのことをどう厚生省あるいは政務次官として把握をされているか、お尋ねしたいと思います。
  45. 大野由利子

    大野(由)政務次官 ただいまの質問は大変細目、技術的にわたる質問なものですから、政府参考人答弁をしていただきたい。委員会におきまして協議をして政府参考人の手続をとっていただきたいと思います。
  46. 石毛えい子

    ○石毛委員 私は、きのう担当の方がお見えになりましたときに、細かいところの内容まで数字を挙げて触れていただかなくても結構ですので、それは政務次官にお伝えをして、政務次官から御答弁をくださいというふうに要請いたしました。
  47. 江口一雄

    江口委員長 それでは、政務次官からの答弁ということでございますので……。  速記をとめてください。     〔速記中止〕
  48. 江口一雄

    江口委員長 それでは、速記を起こしてください。  大野厚生政務次官
  49. 大野由利子

    大野(由)政務次官 児童扶養手当を受給しているかどうかは不明でございますが、全国における平成九年度の実施状況ですが、母子寡婦福祉貸付金は、約五万七千件で約二百四億円の貸し付け、また、訪問介護員等養成講習会につきましては、三百六十三回開催し、延べ八千四百六十九人が受講、さらに、母子家庭等介護人派遣事業においては延べ一万七千二百八十三回の派遣を実施しております。  また、こうした細目はぜひ政府参考人質問をしていただきたいと思います。
  50. 石毛えい子

    ○石毛委員 私は、きのう厚生省から、質問取りという表現は余り好きな表現じゃないんですけれども、お見えになりましたときに、要するに、児童扶養手当の所得制限が引き下げられて、それに伴って所得制限とリンクしているサービスは使いにくくなっているし、また、一生懸命働いている児童扶養手当のお母さんたちは、家事援助事業などは使い勝手が悪いというふうに言われている、そういうことに対しまして、児童扶養手当のサービスはどのように活用されているのでしょうかという質問をしましたときに、お答えいただきましたのは、母子家庭に対する施策としては調査をしておりますけれども、その中で児童扶養手当に関する調査はしておりませんと言われましたので、案分すればわかるのではないでしょうかというふうに私はお願いしました。そして、担当の方は、細かい数字にかかわることですのでこれは政府参考人に答えさせていただきたいということも確かにおっしゃいました。  ですけれども、私は細かい数字を求めているわけではなくて、児童扶養手当の受給世帯にとりまして、手当額のほかにサービスその他がどのような有効な役割を果たしているのか果たしていないのかという、そのことを知りたいわけですから、これは政務次官にお答えくださいというふうにきのうの質問取りでは私は要請をしたと思います。  そして、帰ってから相談をしますと言われてきのうおさまったわけですから、細かい質問政府参考人にしてくださいという政務次官の私への御発言は当たらないというふうに私は思いますので、今のことを申し上げさせていただきました。  これにつきましては結構ですけれども、私の時間は四十三分までになりましたので、この児童扶養手当につきまして三点目です。  児童扶養手当の支給に関しまして、既婚の母子家庭の場合には寡婦控除があるわけですけれども、非婚の母子家庭には寡婦控除はありません。つまり、児童扶養手当の支給は、既婚か非婚かということで寡婦控除があるかないか制度に差異がある、相違があるということです。  このことは、非婚の母子家庭は寡婦控除がないわけですから、その分だけ所得の高におきまして母子家庭より不利をこうむっているというふうになります。つまり、所得が高くなるというふうになるわけですから不利をこうむっているということになります。  このことをもうちょっと敷衍しますと、今度、子供の立場からとらえ返しますと、既婚か非婚か、つまり、法律上の婚姻制度を踏まえて母子家庭になったのかあるいは非婚かということで、子供は児童扶養手当の支給に差を受けるということになりまして、これは、すべて児童は法の前にひとしくその生活を保障される、愛護されなければならないという児童福祉法の趣旨にも反するという声がシングルマザーの方たちからも上げられておりますし、私もそのように認識をいたします。  そこで、ここで確認をさせていただきたいことですけれども厚生省は、この寡婦控除にかかわる点につきまして、大蔵省に税制のあり方の問題としてこの事実を伝えたことがこれまでにあったかどうか、そういう経緯をとったことはあったかどうか、この点を確認させていただきたいと思います。
  51. 大野由利子

    大野(由)政務次官 過去の経緯でございますので、私がお答えするのもちょっと違うんじゃないかという気はいたしますが、過去にそういった経緯はないというふうに伺っております。
  52. 石毛えい子

    ○石毛委員 ないということを確認させていただきました。  それでは、残り時間五分になってしまいましたので、児童扶養手当につきまして提出しておりました質問は割愛いたします。  介護休業中の社会保険料本人負担分についてでございますけれども、この四月から、介護休業法は義務実施ということで施行に入りました。育児休業では社会保険料の本人負担が免除されておりますけれども介護休業につきましてはこの実施がなく、使い勝手が悪い制度と言わざるを得ないと思います。  社会的な介護につなげるまでの数カ月間、一回、三カ月という法の規定ではございますが、短い期間とはいいながら、その介護を社会的な介護サービスにつなげるまでの家族の役割としまして、この介護休業というのは大変重要な意味を持っていると思います。  そこで、その介護休業をとりやすくする意味で、また男女共同参画社会基本法では家族的責任と仕事の両立を明確にうたっているわけですから、ここで、介護休業の取得につきましても、育児休業と同様に、社会保険料本人負担分につきまして免除の手だてをとるべきだというふうに考えますけれども、いかがでしょうか。
  53. 大野由利子

    大野(由)政務次官 私も石毛先生と同じ質問を国会でしたことがございます。気持ちとしては、介護休業も育児休業と同じように措置をすべきではないかというような気持ちもございますが、しかし、育児休業と介護休業というのは多少ニュアンスが違うといいますか、育児休業というのは次の保険の担い手を育てる、そういうことがございますが、介護休業の場合は若干違うということで、育児休業と介護休業というのは全く同じにならない点もあるのかな。しかし、今後慎重に検討をしていく課題だと思っております。
  54. 石毛えい子

    ○石毛委員 検討はぜひ早く。そして、育児も介護も家族責任であり、家族責任というのは、介護保険法で亀井自民党政調会長がおっしゃっているのとは違いますから、そこは美風とかそういう話とは違いますから誤解をしないでいただきたいですけれども、家族の関係として、そして繰り返しになりますけれども、社会的な介護に結びつけていくときに、その初期始動として家族が果たさなければならないものは非常に重要だというのは政務次官だってよく認識していらっしゃるから質問をかつてなされたんだと思います。両々家族責任だということはもう受けとめていらっしゃるわけです。  そして、私は、育児休業は未来の年金保険料の担当者として育っていくから公的に免除してもよくて、済んでしまった方に対してはというのは、これはもう本当に政府の答弁として納得しかねる。  それで主張したいんですけれども、時間がもうないのですが、今、介護休業をとる世代の方とその介護を必要とされている親御さんは、かつて育児休業をとることもなく、そのお子さんをおばあちゃんやおじいちゃんが親族ネットワークとして面倒を見られて、まさに年金の被保険者として保険料負担を担当する世代を育ててこられたその方が今介護を必要とされておられるわけです。だから私は、現厚生大臣とは異なる方ですけれども、前々通常国会での御答弁を拝見していましても、要するに年金被保険者として育つ方とそうじゃない方というニュアンスで御答弁されていて、これはいかにも申しわけない答弁ではないかというふうに思いました。  検討ということですから早急に検討していただきたいと思いますし、それから、ここで強調したいんですけれども……
  55. 江口一雄

    江口委員長 時間が経過しております。
  56. 石毛えい子

    ○石毛委員 はい。すぐ終わります。  民主党は、介護保険特別対策というのは総体として反対しておりますけれども、しかしながら、家族介護慰労金で八十億円と前質問のときに言われました。それぐらいのお金を出すんだったらば、やはり、家族が社会的介護につなげていく、その社会的介護と家族の関係のネットワークを有効に育てていくためにも、本人負担分というのは早急に免除するという措置をとっていくべきだということを要請いたしまして、政務次官検討いたしますという発言に期待を寄せて、検討というのは検討しないことだという答弁も聞いたことがありますけれども、期待をしまして、引き続きこれは追いかけさせていただきます。  時間が参りましたので、終わります。
  57. 江口一雄

  58. 瀬古由起子

    ○瀬古委員 日本共産党の瀬古由起子でございます。  私は、まず保育所の整備問題について質問をいたします。  今日の急激な少子化は、我が国の将来にとって重大な事態をもたらすものとして、その解決は緊急的な課題だというふうに思います。そして、その解決には具体性や実効性が伴うものでなければならないと考えますが、まず最初に大臣認識をお伺いいたします。
  59. 丹羽雄哉

    丹羽国務大臣 結婚であるとか出産であるとか、これはあくまでも個人の人生観あるいは選択の自由に任されるものだ、まずこの大前提がございます。  私といたしましては、年々働く女性の皆さん方がふえていらっしゃいます、そういう中において女性の皆さん方が子供を産んで育てながら、一方で働けるような環境をつくっていくということが何よりも先決ではないか、このように考えているような次第でございます。  政府といたしましては、少子化対策推進関係閣僚会議におきまして、少子化対策のための基本方針を年末までにまとめることになっております。いずれにいたしましても、政府一体となりまして総合的な少子化対策を推進しなければならない、このような決意を新たにいたしておるような次第でございます。  それから、厚生省といたしましては、利用者の多様なニーズに対しましてどうやってこたえていくかということが大変大きな問題ではないか。特に、私も与党の立場で少子化対策の座長という立場を一時預かったことがございますけれども、やはりそれぞれの市町村によって、要するに都市部あるいは農村部、地方によってさまざまな少子化対策のあり方というものがあるのではないか。  こういう観点から、先般の少子化対策臨時特例交付金においても、待機児童の数というのが大体三万人ぐらいいらっしゃる、こういうふうに言われておるわけでございますけれども、これを解消するためにそれぞれの市町村がそれぞれ創意工夫して、要するにその地域の実情に応じて少子化対策をしてくださいということで交付いたしました。これで大体二万九千ぐらいの待機児童が解消されるのではないか、こう見込まれておるわけでございますが、さらにまた待機者がふえていくわけでございますが、私どもといたしましては、平成十五年までには待機者ゼロを目指して頑張っていきたい、このように考えております。
  60. 瀬古由起子

    ○瀬古委員 今大臣が言われたように、子供を産み育てる環境をどうつくっていくのか、そういう点でも待機者の問題というのは、対策を具体的にどうとるかということが大変問われているわけです。  そこで、政府は、少子化対策として保育環境の整備が何としても緊要だという形で緊急保育対策五カ年計画をつくられたわけですね。それで、この内容なんですけれども、五カ年計画の七事業がどういうふうに進んでいるかということなんですね。  低年齢児の受け入れの問題でいいますと、九九年度は五十八・四万人を見込んでいるけれども、恐らく多くても達成が五十六万程度じゃないか。二〇〇〇年の予算はどうなっているかというと、五十九・九万人で、二〇〇〇年になっても目標の六十万人を達成できない。こういう予算が要求されているわけです。  多機能保育所の整備の問題でいいますと、九八年度の実績は、千五百の累計目標に対して千六十四カ所なんですね。今後、これに調理室のないような分園も入れて、なおかつなかなか達成が実際には困難な状況があるのではないか。交付金の申請で、先ほど大臣が言われましたように、五百の市町村から待機児童の計画が上がっていますけれども、この申請分が達成するというのが二〇〇二年度の末になるわけですね。そういう点でもおくれてまいります。  延長保育の問題でも、九九年度の実績では五千十一です。今年度中に二千カ所達成というのはどうだろうか。二千カ所をさらにふやすということは大変困難じゃないかというふうに言われているわけですね。そのほか、一時保育、地域子育て支援センターなどは五〇%も達成は困難である、こういうふうに推測されています。  少子化対策では、有識者会議の報告が出て、その後さらに、総理が主宰して議長になる国民会議まで設置されているわけですけれども、今大臣が言われたように、保育は厚生省の少子化対策の目玉であるわけです。しかし、実際には計画の五〇%も達成しないんじゃないか。こういうものが出てくるとすれば、一体国がやろうとしている少子化対策というのは何だろうか。特に到達度の低いものについてなぜ達成できないのかという点で、大臣はその理由はどのように考えてみえるのでしょうか。大臣にお願いします。
  61. 江口一雄

  62. 瀬古由起子

    ○瀬古委員 大臣に私はぜひ今の発言の続きでお願いしたいと思います。重要問題ですよ。ちゃんと通告してありますよ、大臣にと。ちょっと時間をとめてください。——関連で大臣にとお願いしてあります。
  63. 江口一雄

    江口委員長 速記をとめてください。     〔速記中止〕
  64. 江口一雄

    江口委員長 速記を起こしてください。  厚生政務次官
  65. 大野由利子

    大野(由)政務次官 お答えいたします。  今瀬古先生おっしゃったように、一時保育の促進と地域子育て支援センターの整備については、約半分ということで、大変おくれているわけでございます。  なぜおくれているか、その理由についての御質問だと思いますが、一つは新しい制度で大変PRが足りない、こういうふうに思います。もっともっとPRを徹底をいたしまして、平成九年の児童福祉法の改正の中にもきちっと位置づけられたわけでございますので、これからも、子育て中の母親を孤立させないということは大変重要な施策でもありますので、全力を挙げて取り組んでまいりたいと思います。  また、これらの事業が進んでいないという理由の一つとして、事業の要件が非常に今まで画一的であったために、市町村からの申請が少なかった。それで、申請しやすいように補助要件の緩和をするということを検討しておりまして、例えば一時保育でございますと、一日当たりの利用人数をおおむね十人以上、こういう規定でございましたが、これを六人以上に緩和したり、また利用児童数五人以下の小規模事業を平成十二年から創設をしていくというふうに考えております。  また、地域子育てセンターでございますが、これもお母さんが子供と一緒に触れ合いながらやる、こういう内容でございますが、職員が二人配置、こういう条件でございましたけれども、これを一人にしていく。そして、さまざまな地域の保育資源の情報の提供をやったり、また家庭的保育を行う者への支援の追加等、この要件を緩和をして、そして市町村も推進をしていただく。こういったことで頑張ってまいりたい、このように思っております。  保育所というのは、どうしても働くお母さんが対象になって、保育所がないとたちまち困るわけで、ある程度進んできたのですが、今言いましたような一時保育とか地域子育て支援センターというのは、働くお母さんというよりも家庭の主婦であったり、またパートで一部分的に働く人のというようなことがあって、新しい制度であるということでしっかりこれが定着できるように推進をしてまいりたいと思っております。
  66. 瀬古由起子

    ○瀬古委員 PR不足だとか、それから要件緩和という問題は確かにあるでしょう。しかし、例えば一時保育は五〇%も満たない状態でしょう。私が住んでおります愛知県の名古屋市では、無認可保育所、共同保育所では、この四年間で、何と一時保育でいうと三倍もふえているのですね。  何で条件の悪いところへどんどん子供を預かってもらいたいと来るのか。自治体が手を挙げないのですよ。今、自治体の財政事情が大変悪くなっている。そして、今厚生大臣言われたけれども、待機児童だって、待機児童の七〇%は三歳未満児なんですね。三歳未満児というのは設備も大変だし、人の配置もきちっとやらなきゃならない。だから、三歳未満児の人の対応は一定配慮していただきましたけれども、それでも市町村がやるとなったら莫大な費用負担がかかってくる。それで、市町村は手を挙げないわけですよ。そういう大事な問題についても、無認可の保育所だとか、大変条件の悪いところで事実上預からざるを得ない、こういう事態があるのですね。  そういう点では、単なるPRや要件を緩和して小規模でやればいいという問題じゃない。もっと根本的な、市町村が今本当に待機児童をやるというなら、三歳未満児をどうするか。そのために、例えば市町村に負担のかからないような形で運営費の補助を引き上げる、少なくとももとの八割ぐらいに戻すとか、少子化対策の予算でも、結局市町村が待機児童を解消するために申請されましたよね。市町村は負担がなければぜひ申請したいということになりますから、そういう点では、やはりこの待機児童の解消のための市町村への抜本的な援助が必要になってくるんじゃないかと思うのですね。この点、大臣、いかがでしょうか。
  67. 丹羽雄哉

    丹羽国務大臣 確かに、委員指摘のように、一時保育が三千カ所の目標に対して平成十一年度で千五百カ所であるとか、地域子育て支援センターにつきましても、三千カ所に対しまして現在は千五百カ所ということで、私どもが掲げました目標に比べまして大変立ちおくれておることを率直に認めざるを得ないと思います。  先ほど総括政務次官からいろいろ御答弁申し上げましたとおり、要は、これからの時代ですから、単に地域に対して国がお金をばらまくというような、いわゆるばらまき福祉的な発想ではなくて、地域皆さん方がこういう問題についてどういうような認識をお持ちになって、そしてどういう観点からこういう問題に取り組むかということが何よりも私は大事じゃないかと。  そういう観点から、いろいろな御意見がございましたけれども、とりあえず、いわゆる臨時給付金という形ではこれはまず第一号として、少子化対策というのが今後の我が国の社会問題として大変大きな問題でありますからお考えをいただきたいということを申し上げて、あのような措置をとらせていただいたわけでございまして、さまざまな地域によってさまざまな取り組み方をしていただいておるわけでございます。  そういう中の一環として、先生ぜひとも御理解をいただきたいのは、私ども限られた予算の中で、要するに何でもかんでも国が地方にばらまけばいいという発想ではなくて、それぞれの地方自治体においてやはりこれからはもっとこういう少子化対策の問題に力を入れていただきたい、こういうようなことをすべての地域皆さん方考えていただければ大変幸いである、このように考えているような次第です。
  68. 瀬古由起子

    ○瀬古委員 少子化対策というのは、国が重要問題として取り上げている問題なんですね。そして、待機児童の解消が重要だといって、国が率先してやろうということで掲げている問題なんですね。  その待機児童の大半が乳児であって、実際には市町村の負担になるようなものはとてもできないという声を市町村は今上げている。そういうところに対してきちっと国が補助をする。一時保育だって、いっぱい需要があるのに市町村はやらないわけですから。なぜやれないのか。こういう問題でも、少子化対策の交付金だって運営には使えないわけでしょう。一時的なお金を渡すだけなんです。  そうじゃなくて、少子化対策というなら、本当に抜本的な待機児童の解消のための予算を、一時的じゃなくて、ちゃんと予算を確保するということは当然じゃないかと思うんですけれども、いかがでしょう、大臣
  69. 丹羽雄哉

    丹羽国務大臣 先生の御指摘になりましたそもそもの発端の例えば少子化問題、これも先生御案内のように、地域によって随分格差があります。今平均は一・三八でございますけれども地域によってはそれを大幅に上回るところもあれば、特に都市部でございますけれども出生率が低下をしている。  それと同じ状態でございまして、今度は待機児童を調べてみますと、都市部における待機児童の数はかなり多い、地方や農村における待機児童の数は比較的少ない。それは、いろいろな地域の就業形態であるとか、あるいはその地域における女性の皆さん方の就業状況であるとか、さまざまな問題がありまして、これからの時代はいわゆる地方分権の時代でありますから、何でもかんでも国がすべて一律的にやるということではなくて、それぞれの市町村の工夫のもとにおいてやるということがこれからのあるべき政治の姿ではないかな。  そのために、先ほども申し上げましたけれども、私どもといたしましては、初めてこのような臨時給付金というのをさせていただきましたけれども、本来はそれぞれの地域においてこういう問題について取り組んでいただきたいという観点に立ちますと、一律的に、国も当然のことながら政府において抜本的なことをやりますが、すぐにそれが財源に結びつくというような短絡的な考え方ではなくて、そしてそれによって現に少子化対策というものが果たして解決できるかという問題もございますので、そういうことを総合的にこれから考えていかなければならない問題ではないか、私はそう考えております。
  70. 瀬古由起子

    ○瀬古委員 大臣の言っていることは、少子化対策といったって、それは地方分権だからそれぞれ自治体にやっていただきたいと。しかし、私が先ほど指摘しているように、今その財源がないために、本来必要な乳児の、三歳未満児の保育が確保できないという状態がある、一時保育も実際にはやれない状態がある。だから、かけ声だけはかけるけれども、少子化対策はやるけれども、後は市町村がやれよなんというのでは、実際にはかけ声だけで少子化対策の基本的な待機児童の解消というのは進まないのじゃないかという指摘を私はしているわけですね。  ですから、私はばらまけと言っているわけじゃないのです。あなた方が、一番必要だ、これは解決しなければいかぬと言っているのに、解決するめどが立っていないなら、なぜそこがめどが立っていないのか。財源的な措置がやはり必要だという点ではっきりさせるべきだというふうに思います。  時間がありませんので、次に移ります。  特に、三歳以上の子供たちの場合なんですけれども、職員の配置が外国と比べて大変少ないわけですね。例えばドイツ、ニュージーランドでは三歳以上児の場合は十対一、最も配置基準の高いスウェーデンでは五対一、ほかはすべて八対一、こういう状態なんですね。これは、厚生省が規制緩和委員会に示した資料の中に出てきているわけです。  ところが、日本は、三歳児で二十対一でしょう、四歳児以上になると三十対一。もう信じがたい格差があるわけです。その上、少子化対策だといって、最初の入所当初では一五%定員枠をオーバーしていい、途中だったら二五%オーバーしていい。産休明けの場合は、いろいろな条件があって、どんどん入れてもいい。こういう形で保育園の質を引き下げる。実際には、保育環境を引き下げる形で小手先の少子化対策、待機児童対策をやる。少なくとも外国並みに、フランスやイギリス並みにすれば、現在の職員は三倍必要ということになります。それだけ雇用も大きくつくり出すことになるわけですけれども、少なくとも配置基準を見直すという方向に踏み出すべきじゃないかと思うのですけれども、いかがでしょうか。大臣、お願いします。——これはちゃんと言ってあります。委員長大臣を指名してください。
  71. 江口一雄

  72. 瀬古由起子

    ○瀬古委員 大臣に言ってあります。大臣、答えなさいよ。ちゃんと通告してあるのですから。
  73. 大野由利子

    大野(由)政務次官 大臣とは連携をとってやるようにしておりますので、お答えを……。
  74. 瀬古由起子

    ○瀬古委員 いや、こっちはちゃんと指定してあるのです。勝手に答弁者をかえないでください。ちゃんと前もって指定してあるのです。そんなめちゃくちゃなやり方はないですよ。
  75. 江口一雄

    江口委員長 速記をとめて。     〔速記中止〕
  76. 江口一雄

    江口委員長 速記を起こしてください。  大野厚生政務次官
  77. 大野由利子

    大野(由)政務次官 今、瀬古先生おっしゃいましたように、待機児童の解消を図るためというねらいもありまして、定員の一層の弾力化が図られているわけでございますが、しかし、その定員の弾力化も、最低の職員の配置基準を守る、違反しないということが条件で定員の弾力化が行われている、こういう状況でございます。  また、この定員の配置に関しましては、もうこれで十分とは決して思ってはおりませんけれども、まずは待機児童の解消に向けて全力を挙げてまいりたい、こう思います。
  78. 瀬古由起子

    ○瀬古委員 その弾力化という形で、保母さんや子供たちに負担をかぶせるようなやり方で待機児童の解消なんというのをやってはだめですよ。きちっと、それにふさわしい人の体制をつくるべきだと思います。  時間がないので、次に移ります。  学童保育の問題についてお聞きしたいと思うのですけれども、現在学童クラブは急増していて、全国で一万カ所を超えております。それで、学童保育の連絡協議会の実態調査でも、入所児童はこの五年間で一・五倍にふえている。それでもなお、自治体で学童が一カ所もないというところが五一・四%ございます。  きょうは、私は、愛知の学童クラブの皆さんの、厚生大臣様、学童保育の充実をというお手紙を持ってまいりました。ぜひこれは大臣にお受け取りいただきたいと思うのですけれども、この中に子供たちの声がいっぱい載っています。例えば、ここに「せっけいず」というのがございまして、大きい子供の部屋「でっかい」、小さい子供の部屋「まあでっかい」、こうやって書いてあるのですね。大きい部屋が欲しい、子供の切実な声です。それから、今の学童保育は近所の人が注意してこないような、近所迷惑にならないような学童にしてほしいと子供たちが訴えています。ネズミを退治してほしい、こういう声もあるのですね、学童のお母さんからです。  家では、長女の由美も、学童では末っ子になれる。  今、一番幸せですね。  毎日、はりきっている姿に、私も励まされ、仕事に気持ち良く出勤できます。  子どもと一緒にがんばっていこうと、親も知らず知らず前向きになるこの頃です。 お母さんも頑張っています。  そして、学童の指導員の皆さんも大変厳しい条件の中で頑張っています。指導員は腰を痛めたり、声を出し続けてのどにポリープまでつくりながら献身的に頑張っています。しかし、三十畳のプレハブの中に四十五人も五十人も子供が詰め込まれて、真夏の雨の降った日なんかもう本当に限界だ、こういう叫び声を上げているのですけれども大臣はこういう学童保育の現状をどのように受けとめていらっしゃいますでしょうか。
  79. 大野由利子

    大野(由)政務次官 私の方からお答えをさせていただきます。
  80. 瀬古由起子

    ○瀬古委員 大臣にお聞きしているのです。今まで政務次官に言っていないのに答えていただいたので、今この問題については大臣にお答えいただきたいと思っているのです。もう出ないでください。  大臣、いかがですか、学童の子供たちや先生たちの声にどうこたえようとされていますか。
  81. 大野由利子

    大野(由)政務次官 大臣を補佐するという役目を仰せつかっておりますので、私の方から答弁をさせていただきたいと思います。  この放課後児童クラブでございますが、「政令で定める基準に従い、」というのが児童福祉法の規定の中にございます。また、政令の中には、「衛生及び安全が確保された設備を備える等により、適切な遊び及び生活の場を与えて実施されなければならない。」こういう規定があるわけでございますが、この政令に従っているかどうか、政令の条件に合っているかどうかということを見定めて、市町村ごとに要綱をつくって、そして市町村がそれぞれ委託しているところに国は補助金を出している、こういうふうに承知しております。  ですから、瀬古先生がおっしゃったような課題もあろうかと思いますが、いずれにいたしましても、放課後児童クラブが整備されて広がっていくということ、そして衛生及び安全が整備されたところで安心して子供たちの生活が保障されるというようなことに今後とも全力を挙げて努力してまいりたいと思います。
  82. 瀬古由起子

    ○瀬古委員 今政務次官がお答えになったのは、私がこれから質問しようという内容を先にお答えになったのですね。こういうちぐはぐが出るから指定した方がちゃんと答弁してくださいと言っているのです。  今の政務次官答弁は、どんな小さな施設でも最低常勤の複数配置が必要なんだ、その役割にふさわしい指導員の配置基準や施設基準を策定すべきだという質問をしようと思っていたのに先にお答えになった。本当にひどい状態です。もうちょっとまともに聞いていただきたいと思うんですね。  では、次に行きます。  学童は、今現在国が補助を出しているのは二十人以上ということになっていますけれども、現在、二十人以下の学童はたくさんあります。来年度から児童館の場合は十人以上でも運営費補助が出ることになっています。こういう面では、ぜひ学童についても二十人以下であってもきちんとした補助をすべきだという声がありますけれども、その点、いかがでしょうか。
  83. 大野由利子

    大野(由)政務次官 放課後児童クラブにつきましては、安定的、継続的に実施していくということが大変大事ではないか。安定的、継続的な実施に対して国庫の補助を行っていく、こういう趣旨で厚生省は補助金を出している、こういうことでございまして、そのためには、委託を含めて市町村の事業であること、また、社会福祉事業法に基づいて、第二種社会福祉事業に該当するものである……(瀬古委員「二十人以下でどうですかと聞いているだけなんです。ちゃんとそれに答えてください」と呼ぶ)  二十人以下につきましては、十人以上の放課後児童を対象とした民間児童館には補助することができる、こういうふうに盛り込まれております。また、民間児童館ならどうして補助ができて、それ以外のところは補助ができないのかという疑問を持たれるかもしれませんが、民間の児童館は福祉法人が安定的に継続して実施しておりますので、民間児童館であればほかの事業もやっておりますので、放課後児童に関しては十人以上でもいい。それ以外のところは安定及び継続という意味で不安もありますので二十人以上、こういう規定を設けているわけでございます。
  84. 瀬古由起子

    ○瀬古委員 児童館以外の学童保育は不安定で、継続した事業としてみなされないのですか。もう何年も多くの苦労によって学童保育はつくられてきているわけですよ。少なくとも児童館と同じく、十人以上扱うなら学童についてもやるべきですよ。  さらに、今高学年の子供たちも随分入っています。この高学年の子供たちについても、今法律ではおおむね十歳未満となっていますけれども、弾力的な運用で高学年の子供についても必要な場合は認めていいんじゃないか。  さらに、児童館で行う場合には専用室、それから専任担当者を置いていない自治体があります。こういう問題についてもぜひ検討していただきたいと思いますし、障害児がうんとふえています。学童保育で障害児の入っているところについては障害児の加算というものもぜひ設けるべきだと思いますけれども、最後に、答弁が大変不本意なので、私も三つまとめて御質問いたしますので、よろしくお願いいたします。
  85. 大野由利子

    大野(由)政務次官 多岐にわたる御質問だったもので、済みません、答弁漏れがあればまたおっしゃっていただきたいと思います。  障害児につきましては、今障害児もこの放課後児童クラブで対象児童になり得るということを明記したわけでございますが、障害者加算が行われていないのは御指摘のとおりでございます。  障害の範囲をどうするかというようなことの課題も必要ですし、今とりあえずはこの放課後児童クラブを拡大充実させるところに予算をとっているわけでございますが、瀬古先生の御指摘も今後の課題ではないか、このように思っております。  それから、十歳以上の子供のこととか放課後児童クラブの充実については、さまざまな角度から今後検討していく課題だろう、こう思っております。
  86. 瀬古由起子

    ○瀬古委員 十歳以上については、おおむねという場合は認められるのかどうかということです。高学年もいいですかと聞いているのです。
  87. 大野由利子

    大野(由)政務次官 今後の課題ということです。
  88. 瀬古由起子

    ○瀬古委員 今後じゃないですよ。ちゃんと通達が出ているんです。これは局長にお願いしています。政務次官じゃありません。局長にお願いしています。そんないいかげんな答弁をしてもらっては困ります。
  89. 真野章

    真野政府参考人 お答えいたします。  放課後児童健全育成事業の対象者につきましては、小学校低学年の受け入れというのを基本にしながら、十歳を超える児童についても対象として加えることができるものでございまして、厚生省といたしましては、この旨を事業の実施要綱で明記いたしております。  したがいまして、先生御承知のとおり、この放課後児童クラブは市町村におきましていろいろ工夫をしてやっていただく事業でございますので、それぞれの地域の事情もございましょうけれども、我々としては、十歳を超える児童も対象にできるということを既に明記いたしております。
  90. 瀬古由起子

    ○瀬古委員 答弁漏れがあります。専用室の問題が一点ございます。この一点だけ答えてください。
  91. 真野章

    真野政府参考人 申しわけございません。  専任の担当者並びに専用室の御指摘がございました。この放課後児童健全育成事業というのは、先生御承知のとおり、非常に事業が先行いたしておりまして、多種多様な事業形態が既に法制度の前に存在をいたしておりましたので、それをできるだけ受け入れるというようなことから基準を余り厳しくいたしておりません。  ただ、私どもといたしましては、補助をいたしておるわけでございますので、その補助対象が当然事業としてきちっと行われるよう引き続き指導してまいりたいと思います。
  92. 江口一雄

    江口委員長 この際、暫時休憩いたします。     午後零時二十一分休憩      ————◇—————     午後四時四十八分開議
  93. 江口一雄

    江口委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。石毛えい子さん。
  94. 石毛えい子

    ○石毛委員 民主党石毛えい子でございます。  私は、この委員会におきまして、五月十八日に、有料老人ホームゆうゆうの里を経営する日本老人福祉財団の経営問題及び運営の問題について質問いたしましたが、きょうはその継続で、経営がどのように改善されてきているのか等につきまして質問をいたしたいと思います。  まず初めに、新聞報道等によりますと、私が前回五月に質問をいたしました以降に厚生省が立入検査をしたというふうに伝えられておりますが、そのことにつきまして、事実関係を御紹介いただければと思います。
  95. 大野由利子

    大野(由)政務次官 ただいまの御質問につきまして、細目的、技術的な事項だと考えますので、政府参考人答弁をさせたいと思います。  つきましては、委員会において協議し、政府参考人招致の手続をとっていただきたいと存じます。
  96. 江口一雄

    江口委員長 速記をとめてください。     〔速記中止〕
  97. 江口一雄

    江口委員長 速記を起こしてください。     —————————————
  98. 江口一雄

    江口委員長 この際、お諮りいたします。  政府参考人として年金局長矢野朝水君の出席を求め、説明を聴取したいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  99. 江口一雄

    江口委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     —————————————
  100. 江口一雄

    江口委員長 年金局長矢野朝水君。
  101. 矢野朝水

    ○矢野政府参考人 ことしの五月、この委員会で御質問を受けたわけですけれども、その後の厚生省の対応といたしましては、去る八月十二日に財団の事務所で検査を行ったわけでございます。これは、厚生大臣の所管に属する公益法人の設立及び監督に関する規則というのがございまして、必要に応じまして立入検査ができる、こういう規定がございますので、それに基づいて検査をしたということでございます。  検査におきましては、平成十年度の決算報告の確認ですとか、一番大きな課題でございます新規入居の状況、それから新規入居の促進策、こういった問題につきまして理事から聴取をしたわけでございます。  新規入居の状況につきましては、専門職員を採用するとか、あるいは募集活動を強化する、こういうことで前年同期に比してふえておりますけれども、引き続き努力するように指導を行ったということでございます。
  102. 石毛えい子

    ○石毛委員 私は、きのう、質問をとりに担当の方がお見えになりましたときに、確かに細かい質問をさせていただきますけれども厚生大臣政務次官に御答弁をお願いしたいというふうに要請いたしました。帰って検討をしますということですけれども検討の結果につきましては、お返事をいただいたという記憶はございません。  そして、私は、大臣政務次官にお願いしますというふうに申し上げましたのは、確かに事実関係等細かいことであることはそのとおりですけれども、これは全体の政策的判断にかかわっていく問題だ、そういう思いもございましたので、そういう依頼をさせていただいたということでございます。  質問時間が大変貴重でございますから、この件につきまして午前中のように長くやりとりをするという気持ちはございませんけれども、そのことをここで申し上げさせていただきたいと思います。  今、矢野年金局長から、新規入居状況、促進策というようなことを、立入検査をして、そして指導をしたということでございますけれども、これは老人福祉法二十九条に基づく立入調査であり指導であるというふうに了解させていただいてよろしいですね。
  103. 矢野朝水

    ○矢野政府参考人 この根拠規定は、ただいま申し上げましたように、厚生大臣の所管に属する公益法人の設立及び監督に関する規則というのがございまして、これに基づきまして財団の事務局に対して立入検査を行ったということでございます。  したがいまして、老人福祉法に基づく立入検査ではございません。
  104. 丹羽雄哉

    丹羽国務大臣 私は、率直に申し上げて、これまでの経緯について十分に掌握していない部分がございますが、有料老人ホーム、それから特養、さまざまなものがありますが、有料老人ホームのあり方そのものが今回社会的な大きな問題になりつつあるのではないかな、このように考えております。  と申しますのは、特養の場合は、これは当然のことながら、措置制度に基づきまして、市の場合にはその市が、町村の場合にはそれぞれの社会福祉事務所が、先生御案内のように、それぞれの特養に対しまして御紹介を申し上げて入っていただく、こういうことでございますけれども、有料老人ホームの場合は、これはあくまでも提供するサービス内容についても入居者と施設の間で任意の契約を締結することによって入所する、こういうことでございます。  要するに、入居者に不当な処遇が行われないような、今回のような、これまでのサービスと全然話が変わってきてしまったとか、こういうようなものでない限り、行政側が過度に介入するということは、これは私は余り適当ではないんじゃないかな、こういう考えを持っております。  それから、特養の場合は措置制度でございますから、当然のことながら、措置費がどういうふうに使われたかということに対しまして、定期的に厳密な、厳格な検査が行われておるわけでございますけれども、有料老人ホームの場合は、民間活力の導入という観点から、先ほども申し上げましたように、行政側としてはその運営そのものについては基本的には有料老人ホームの主体的な運営に任せておく、こういうことが今回の不幸といいますか、結果的にこういう問題になってしまったのではないか。  そこで、私が申し上げたいのは、私のこれまでの経験ですと、有料老人ホームというのは、どちらかというと、これは責任を逃れるわけじゃないんですが、確かに厚生省管轄の財団であることは紛れもない事実でありますが、こういうような財団というのは現実問題として山ほどあるわけです。それで、それぞれがそれぞれの運営をするということで、実際問題として、具体的にそういう財団がこういうことをやっちゃいけないとか、ああいうことをやっちゃいけないということを、果たして監督官庁である厚生省が申し上げることが適当なのかどうか。こういうことを含めて有料老人ホームのあり方というものを検討しなければならないのではないかな、こういうふうに私は考えております。  非常に難しい問題でございますが、今一番大切なことは、現に入居されていらっしゃる方々の不安を解消するためにはどういうような施策がとれるかということを最優先として考えていくことが私どもに課せられた使命であり役割だ、このように考えているような次第でございます。
  105. 石毛えい子

    ○石毛委員 大臣が最後におっしゃってくださいました、現に入居されていらっしゃる方の不安をどう解決していくかということが最優先すべき課題であるという、そこのところは重く受けとめさせていただきたいと思います。  時間の関係もありますので、引き続き質問を続けてまいります。  年金福祉事業団の融資は元本について三年間返済猶予というふうになっておりますけれども、財団の方では金利の返済をどのようにしているでしょうか。また、どれぐらい支払いを済ませていますでしょうか。その確認をお願いいたします。
  106. 矢野朝水

    ○矢野政府参考人 これは具体的な数字でございますので、私の方からお答えさせていただきます。  年金福祉事業団からの融資でございますけれども、その金利の返済はどうなっているかというお尋ねでございます。これにつきまして、平成十年度におきましては全額支払っております。しかしながら、平成十一年度につきましては四月から九月分、これは二億六千三百万円返済しなければいけないわけでございますけれども、この相当部分が未払いになっておるわけでございます。  この未払い部分につきましては、財団の再建策との関係がございますので、現在、年金福祉事業団と財団との間で協議を行っておると伺っておるところでございます。
  107. 石毛えい子

    ○石毛委員 次の質問でございますけれども、京都ゆうゆうの里の建設費の未払いで、財団所有の横浜の土地が仮差し押さえになっていると聞いておりますが、これは事実でしょうか。確認させてください。
  108. 矢野朝水

    ○矢野政府参考人 御指摘のとおり、建設会社の債権保全のために本年六月十一日に仮差し押さえが行われております。財団といたしましては、資金の手当てがつき次第返済する、こういう方針だということは伺っております。
  109. 石毛えい子

    ○石毛委員 それでは、次の確認をさせていただきたいのですが、財団設立以来、厚生省から人事に関しまして天下りと申しますか、そういう実情がずっと続いているというふうに伺っておりますけれども、その事実を経年で明らかにしていただきたいと思います。
  110. 矢野朝水

    ○矢野政府参考人 昭和四十九年以来でございますけれども、六名の厚生省在職経験者が財団の理事となっております。
  111. 石毛えい子

    ○石毛委員 ただいまの御答弁に対して再質問でございますけれども、これは、経年ということは、理事として厚生省からの出身者がおられなかった年はないというふうな理解でよろしいでしょうか。
  112. 矢野朝水

    ○矢野政府参考人 これは、今四十九年と申し上げましたけれども、それ以来五人の理事が継続して勤めておる、厚生省出身の方が理事として勤めておるということでございます。
  113. 石毛えい子

    ○石毛委員 毎年厚生省から最も厚生行政に精通しておられる方々が理事として存在しておられながらこういうことが起こるということは、これはいかがなものか。私のような市民からすれば、まことに不思議としか申し上げようがないということだけつけ加えまして、次の質問に移りたいと思います。  五月十八日の質問で、ただいま政府参考人として御答弁になられております、当時の矢野政府委員は、このゆうゆうの里に関しまして、入居されておられる皆さんへのサービスの低下につきまして、「サービスが低下しているということは否めない事実だろうと思います。」というふうに御答弁いただいております。そして、それに続いて「必要な指導を行っているわけでございます。」という答弁もいただいております。  そこで確認ですけれども、半年過ぎまして、この間にゆうゆうの里で入居者の皆様へのサービスが低下しているという事実はございませんでしょうか。いかがでしょうか。
  114. 矢野朝水

    ○矢野政府参考人 確かに私は、ことしの五月、サービスの低下は否めない事実ではないか、そういった答弁をした覚えがございます。これは、その時点におきましては、正規の職員がやめていかれる、それを補う形でパートの職員を採用されておったわけですけれども、このパートの職員を合わせましても、トータルの数で見ますと減少をしておった。具体的に言いますと五人少なくなっておったということで、やはりサービスの低下は否めないのではないか、そう思う、そういうことを申し上げたわけでございます。  ところが、その後、財団におきましては職員の増員に努めておりまして、これは平成十一年九月時点でございますけれども平成十年四月と平成十一年九月を比べますと、正職員は五十八名減っておりますけれども、かわりにパートの職員が八十八名増員になっておりまして、トータルでは三十名の増員になっておる、こういうことでございまして、必要なサービスは提供されておると伺っておるわけでございます。それから、ケアサービス部門におきましても、平成十年四月と比べまして二十四名増加しておるということを伺っております。  そういうことで、必要なサービスは十分行われておるんじゃないか、そう受けとめておるわけでございます。
  115. 石毛えい子

    ○石毛委員 私がいただいた日本老人福祉財団職員配置表ということしの十月一日現在の資料によりますと、介護職員は、七施設合わせまして、常勤の方が百七十八名、非常勤の方が百三十五名、看護職員は、常勤の方が三十六名、非常勤の方が三十二・三名、いろいろ挙げていけばもっとあるわけですけれども、こういう職員配置が実情でございます。  非常勤の人数は常勤換算をした人数ですので、パートの方が何時間働くかということによると思いますけれども、この非常勤百三十五名というのは、実際の実人数にすればこの何倍かになるんだと思います。三倍になったり数倍になるんだと思います。  そうしますと、入所者の方からごらんになれば常勤の方より非常勤の人数の方がずっと多いということになるわけですし、日常的なサービスもそういう関係の中で提供されているということになろうと思います。これで、サービスの低下にはならなくて改善されたというふうに言えるのでしょうかと申し上げたいのです。  私は、入所者の方がお書きになりました手紙を持っております。全部読ませていただく時間はございませんけれども、「一回目の集まりの時は、あいにく雨天のため私共、車いすの人達は一人も参加できませんでした。」というところから書かれておりまして、「「サービス低下はない」と河内理事は断言したそうですが、私共介護を受けている者にとってはそうは思いません。次々と辞めていく有能な職員の方々、この次は誰がお辞めになるのか不安で一ぱいです。ただ頭数だけ揃えれば良いのでしょうか。名前を覚えるだけでも大変なのに、仕事も覚えなくてはならないでしょう。顔をやっと覚えた頃に辞めてしまったりで、パート職の方も大変です。」こういうお手紙が寄せられております。  ナースコールをしてもなかなか来ていただけない、そういう生活状態にあるというふうにお話しされておりますけれども、ゆうゆうの里七ホームの中、大体二千人おられる方のうち四百人ぐらいが何らかの意味でサポートが必要になっておられる方というふうに報告されておられます。ですから、御自分からどんどん動いて自分の生活をケアするというのが難しい方にとりましては、どうしても職員の方と濃い接触が必要になるわけですけれども、パートの方がどんどんふえているというのが、今局長が改善されていると考えると思われた実態だということを指摘させていただいて間違いないだろうと思います。  そこでお尋ねしたいと思いますけれども厚生省は老人保健局長通知としまして、「有料老人ホームの設置運営指導指針について」という文書を出しております。この文書をずっと読んでいきますと、「職員の配置等」の項がございまして、ここには「要介護者を直接処遇する職員は原則として常勤とし、その一部に非常勤職員を充てる場合は、介護サービスの安定的な提供に支障がない職員体制とすること。」こういう通知がございます。  これは、有料老人ホーム一般ということではなくて、ケアつきの部分についてそういう規定を設けているということなのかもしれませんけれども、こういう厚生省自身が出されておられる通知に照らしまして、非常勤職員が大変多いということは果たして認められていいのだろうかということ。それから、常勤職員の換算比が、確かに非常勤職員を常勤換算していけば一、一ぐらいの割合になるのでしょうけれども、実人員としてはとてもそういう関係とは言えないというようなところで、サービス低下はしていないという御答弁はそのとおり了解させていただくわけにはいかないと思いますが、いかがでございましょうか。
  116. 矢野朝水

    ○矢野政府参考人 これは、サービスが低下しているかしていないかというのは、なかなか判定の難しい問題でございます。  おっしゃられるように、非常勤の職員が幾らふえても、頭数はそろったけれども質的にはいかがか、こうおっしゃられますと、確かにそういう点はあろうかと思います。  ただ、私どももいろいろな形で入居者の声も聞いておるわけでございますけれども、そういう中で大部分の方がサービスの低下はない、こういったことを表明されている施設もあるということも聞いております。  それからまた、何よりも財団の方では、このサービスということにつきまして入居時に約束をするわけでございますので、これらの施設管理規程、それから重要事項説明書というような形でサービスの内容が決まっておるわけでございまして、サービスの内容を変更するといった場合には運営連絡会議というものを開きまして、そこで入居者の同意を得る、こういう手続も踏んでいるということでございます。  そういった面では、京都の施設が入居者が非常に少ないということから一番大きな問題が起こっておるわけでございますけれども、そういう厳しい制約の中で、サービスの低下を防ぐということでぎりぎりの努力を重ねられておる、こういう認識を持っております。
  117. 石毛えい子

    ○石毛委員 サービス内容の変更あるいはスタッフがかわるというようなことについては、入居者の方の懇談会といいましょうか説明会のようなことで同意を得る、そういう御説明をいただいたと思いますけれども、そうそう簡単に出ていくことができない方にとりましては同意をせざるを得ないのではないか、そういうふうに私は思います。  そこで、次の質問でございますけれども、いろいろといただいている資料から判断させていただきますと、新しく入ってこられる方の入居金が、建設費や将来の介護費に用いられるというよりは、今の人件費などの事業費、つまりランニングコストにかえられてしまっているのではないか。財務諸表等からそういう向きが読み取れるわけですけれども、このお入りになっていらっしゃる方が出ていかれるときに、あるいは入居十年以内でお亡くなりになったときなどに返済されるその金額は保全されておりますでしょうか。あるいは、保全されているとすれば、今どれぐらいの高で保全されているかということをお答えいただきたいと思います。
  118. 矢野朝水

    ○矢野政府参考人 有料老人ホームの建設、それから運営につきましては、通常の場合、必要な資金を借り入れて建物をつくるわけなんです。それで、入居者の入居金収入をもって資金の返済に充てる、それと同時にその運営経費の一部にも充てる、こういう形で運営されておるわけでございまして、これはほかの有料老人ホームにつきましてもこういう形が一般的だと聞いております。  そういう中で、退去者への返済金を保全されているかどうかという問題でございますけれども、これは毎年予算を組みましてこれに充てることにしているわけでございまして、これにつきましても入居金収入が財源になっておるわけでございます。そして、この問題につきましては、これまで未払いになったケースはないということを伺っております。
  119. 石毛えい子

    ○石毛委員 質問にはお答えいただいていないと思いますけれども、私の質問時間はあと少ししかないということですので、そのことは後でまたお答えいただきたいと思います。  最後の質問をさせていただきます。  きょう、私は、矢野政府参考人は大変重要な答弁をされたと思います。結局、これだけの不祥事が長年続いている日本老人福祉財団につきまして、老人福祉法二十九条に基づく調査とか指導とかということはされていないということが確認されたわけです。  私は難しいことはわかりません。特殊法人云々というようなことを最初におっしゃいましたけれども、第三項で厚生大臣または都道府県知事は運営について調査させることができる、それから第四項ではその処遇に関し不当な行為をし等々の場合にはその改善に必要な措置をとるべきことを命ずることができるというふうに老人福祉法二十九条に規定されております。この規定については、言ってみればこれだけ大きな問題を引きずってきているということに関しまして、厚生省は何ら手だてをとっていないということをきょうは御答弁いただいたということになると思います。  最後に、厚生大臣にお答えいただきたいと思います。  介護保険はまさに、有料老人ホームの登場ですとか、これから地域でグループホームがふえてくるとか、有料老人ホームは何しろ入居者十人以上、そういう規定でございますから、規模の大小いろいろ織りまぜましていろいろな事業主体が出てくるときに、最もきちっと介護保険スタート前に手だてをとっておかなければならない。そのことに関しまして、二十九条の適用はないというような状況でよろしいのでしょうか。厚生大臣または都道府県知事は調査させることができる、この規定で私はこの問題に大臣としてのお取り組みをぜひともお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
  120. 江口一雄

    江口委員長 速記をとめて。     〔速記中止〕
  121. 江口一雄

    江口委員長 速記を起こして。     —————————————
  122. 江口一雄

    江口委員長 この際、お諮りいたします。  政府参考人として老人保健福祉局長大塚義治君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  123. 江口一雄

    江口委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     —————————————
  124. 江口一雄

    江口委員長 老人保健福祉局長大塚義治君。
  125. 大塚義治

    ○大塚政府参考人 老人福祉法に関するお尋ねがございましたので、私の方からお答えを申し上げます。  御指摘ございましたように、老人福祉法二十九条に、厚生大臣あるいは都道府県知事は、報告の徴収あるいは調査ができるという規定がございます。  実際には、それぞれの都道府県におきまして、有料老人ホームなどにつきましては一定の計画を立て、順次調査等を実施しておりますけれども、ゆうゆうの里は各県に施設がございます。千葉県、神奈川県、静岡県、京都府、大阪府、神戸市。それぞれ、根拠としてはこの老人福祉法の規定に基づきまして、例えて申しますと、千葉県で申しますと十一年、本年の一月に、あるいは、神奈川県の湯河原につきましては昨年でございますけれども、また、静岡県の伊豆高原の施設につきましてはことしの二月と、また今後、今月下旬には調査に立ち入るというようなことも計画をしております。ほかも同様でございまして、老人福祉法二十九条に基づきまして、各施設についてそれぞれの都道府県が調査を実施しております。  なお、それぞれの御報告を聴取いたしますと、基本的には、入所者のサービスにつきましておおむね良好に対応されているというのが全般的な報告というふうに私どもは受けとめております。
  126. 丹羽雄哉

    丹羽国務大臣 二十九条の問題につきましては、ただいま局長の方から御答弁があったところでございます。  先ほども私ちょっと申し上げたわけでございますけれども、今度、介護保険制度の導入によりまして、特に在宅サービス分野を中心にして民間業者の参入というものが期待されるところであります。  これまでどちらかというと、こういう社会福祉事業というものは閉ざされていたのではないか。そういう中において、どうしても閉ざされた一定の中に置きますと、いわゆる競争といいますか、サービスなんかの面において、どちらかというと公的なサービスの中において、俗に言う役人的なサービスしかできないんじゃないか。  そういう意味において、今回の介護保険の導入を契機にいたしまして、どんどん民間事業者の皆さん方が参入していくということについては、まず大変結構なことだと思っておりますが、問題は、先ほど申し上げましたように、これはあくまでも民間活力の創意工夫に基づいて事業を行っていくんだ、こういうことでございまして、私ども行政が過度にこういう問題について何か介入するということ自身は好ましいことではない。  しかし、問題は、要するにサービスの質あるいはサービスの継続性というものを確保するということが必要でありまして、今後は、この二十九条にもこういうことが書かれておりますけれども、先ほど私が申し上げましたように、措置制度と、いわゆる民間の方々がそれぞれの契約に基づいてそういうところに入居していただくというのとは、おのずと違うんだということ。しかし、その中において、どうして入居者の皆さん方のサービスの低下や不安を招かないような監督指導ができるかということを含めて、今後十分に検討していきたい、このように考えているような次第であります。
  127. 石毛えい子

    ○石毛委員 私は、老人保健福祉局長の御答弁に対しましては、それぞれの有料老人ホームが所在する都道府県知事が立入調査をどのように行って——これは定期的に立入調査をしというのが「有料老人ホームの設置運営指導指針について」の記述でございますから、どのように立入調査をし、どういう調査結果を掌握したのかということを情報公開していただきたいというふうに思います。これは要請をいたします。  そして、大臣がおっしゃられました御答弁に関しましては、私はやはり納得しかねるところがございます。現に、厚生省は、今申し上げました「有料老人ホームの設置運営指導指針について」ということで、かなり詳細な内容の通知を出しております。確かに、これから民間活力に頑張っていただく、御活躍いただくというときに、過度な規制というのは問題だと思いますけれども、事は命と人権にかかわることですから、所管する厚生省とすれば、その出口のところできちっとどういう責任を果たしていくのか。これはやはり行政責任の問題だろうと思いますから、果たさなければならないルールを、当事者の方、もちろん事業者の方も含めてだと思いますけれども、お決めいただくというのは当然のことだというふうに思います。  そしてもう一度、これで終わりにいたしますけれども、私は、この件に関しまして、厚生省が老人福祉法二十九条に基づいた調査、指導を必ずしもきちっとされてこなかったということはやはり問題だということを申し上げまして——理事から、資料は委員会に出すようにという指示がございましたので、そのように要請をいたします。  何か新しい運営の仕方で、時々途中で停止になったりということで、ちょっと質疑時間がオーバーして大変申しわけございませんけれども、これで私の質問を終わります。
  128. 江口一雄

    江口委員長 家西悟君。
  129. 家西悟

    ○家西委員 本委員会にいつも大変御迷惑をおかけしていると思うんですけれども、まず冒頭、着席のままで質疑させていただきますよう、委員長の方にお取り計らいの方をよろしくお願いいたしたいと思います。
  130. 江口一雄

    江口委員長 ただいまの申し出、よろしいですか、着席のまま。——どうぞ、よろしいです。
  131. 家西悟

    ○家西委員 座ったまま、大変申しわけございません。民主党の家西悟です。  大臣初め政務次官、御就任おめでとうございます。  まず冒頭、大臣は私のことを覚えておいででしょうか。一九八八年、エイズ予防法のときに、もう亡くなりましたけれども、京都の石田吉明とともに何度かお会いさせていただき、救済の問題、エイズ予防法の問題、大変御熱心にやっていただいた記憶を私は持っています。——どうも覚えていただいていまして恐縮でございます。
  132. 丹羽雄哉

    丹羽国務大臣 もう大分前でございまして、たしかあのときはエイズの問題で、薬害じゃないんだという観点から救済策というものが非常に小規模なものであって、私自身が一政治家として、これは完全な薬害じゃないかということの中で、家西議員にも、石田さんともども、もう亡くなられたと思いますけれども、お会いして、長い時間お話を聞いたことをよく覚えております。
  133. 家西悟

    ○家西委員 大臣、ありがとうございます。  それでは、本題に入らせていただきたいと思いますけれども、まず、血液新法と言われるものについてお伺いいたします。  現在、中央薬事審議会の企画・制度改正特別部会が開催されている最中ではございますけれども、血液新法の制定を視野に入れて、今後の血液事業のあり方について議論がなされていると私は思っていますけれども、薬害エイズ事件の再発防止と献血による国内自給実現のために実効性のある新法制定が今こそ求められると考えますが、どのようにお考えでしょうか。これは政務次官の方にお伺いしたらいいかなと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
  134. 大野由利子

    大野(由)政務次官 薬害エイズ事件の再発防止のために、家西先生、大変御熱心に取り組んでおられますことに大変敬意を表したいと思います。  また、今後の血液事業のあり方について、新法が必要ではないかということで、私も同じような気持ちを持っておりますが、平成十年三月から、中央薬事審議会に設置されました企画・制度改正特別部会におきまして、これまで十五回にわたり御議論をいただいているところでございます。  厚生省といたしましても、血液製剤の安定的な供給の確保や安全性の向上を図るために、献血から血液製剤の製造、使用等に至るまでの血液事業全体を通じた新たな枠組みが必要だ、このように認識をしております。  今後、中央薬事審議会での結論が取りまとめられ、関係者の合意が得られれば、速やかに法案を提出することとしております。
  135. 家西悟

    ○家西委員 そこで、改めてもう一度お伺いしたいと思いますけれども政務次官が所属されています公明党さんが今まで非常に熱心に推進されてきた臍帯血バンク、臍帯血の問題、私は非常に高く評価しています。これは、人命にかかわるもの、そして有効利用できる人の臍帯血を最大限に有効利用しようという観点も非常に大切じゃないかと私自身も思っています。それと同時に、善意の献血の適正使用や血液の国内自給というものも非常に急務だと思います。臍帯血も急務ですけれども、それについて、今十五回されているとお聞きしていますけれども、進捗状況が余り進んでいるようには思えませんけれども政務次官としては、今後どのようにしていくべきかというようなお考えがございましたら、お聞かせ願えればと思います。
  136. 大野由利子

    大野(由)政務次官 私も専門的なことについては余りよく存じ上げないんですけれども、現在十五回まで議論が積み重ねられてきた中で、無過失救済制度の創設の問題とか原料血漿の譲渡問題について意見がいろいろ分かれていて、なかなかコンセンサスを得るところまで来ていない、こういう実態を伺っておりますが、この問題についてさらに積極的に熱心な御議論を重ねていただいて、ぜひ早急に取りまとめをするべきではないか、このように思っておりますので、専門家先生方のさらなる御努力をお願いしたい、このように思っております。
  137. 家西悟

    ○家西委員 ぜひともそうしていただきたい部分ではあります。  そして、無過失救済制度の話はまた後でやろうと思っていたわけですけれども、一部の委員たちがとかいう意見もかなり出ていますけれども、あの特別部会において、私傍聴にも行きました、座長と申しましょうか委員長と申しましょうかが一番冒頭これは当然あるべきだという発言をされていながら、実際審議が進んでいく中ではどんどんその部分が消えていったように私は思えてなりません。そして、一部の委員というような言い方に今変わっています。  次に、ことしの八月に、私が血液製剤による被害者の救済について文書質問させていただきました、これに対する厚生省答弁の中で、理解のできない点があります。その点について質問させていただきます。  私の文書質問の中で、血液製剤による被害者の救済制度の設置について、制度の検討経過や担当責任者をお伺いしました。その際の答弁書は、中央薬事審議会企画・制度改正特別部会の審議の結果を踏まえつつ、適切に対処したいと答えておられます。これは結果が出るまで何もしないということなんでしょうか、それとも、審議会の委員の発言や審議で出された意見を十分に尊重するという意味なんでしょうか、大臣にお伺いいたします。——大臣にお答えいただけないんですか。
  138. 大野由利子

    大野(由)政務次官 結果が出るまで何もしないということではなくて、当然、審議会の委員の発言や審議会で出された意見を十分に尊重しながらコンセンサスを図っていきたいということであると認識をしております。
  139. 家西悟

    ○家西委員 それでは、もう一つの点なんですけれども、救済制度の担当責任者はだれかと伺っているわけですけれども、それについては適切に対処するというふうに文書答弁ではされていますけれども、この意味が私にはわかりません。これはどういうことなんでしょうか。
  140. 大野由利子

    大野(由)政務次官 いずれにいたしましても、今後、中央薬事審議会の結果を踏まえつつ、最終的には厚生省責任において適切に対処していくということでございます。最終的には厚生省責任を持ってやっていくと。
  141. 家西悟

    ○家西委員 質問は、救済制度の担当責任者はだれかということで文書質問しているわけです。それは、「「厚生大臣の認可を受けて、当該健康被害の救済のために必要な事業を行う者」とは、誰を指すか。」ということを質問しているわけですけれども、これでお答えになったのは、適切に対処するというふうに言われていて、これは厚生大臣というか厚生省ということでいいんですか。厚生省だと大臣ということになるんですけれども、それでいいんですか、大臣
  142. 丹羽雄哉

    丹羽国務大臣 ちょっと不勉強でまだその書類を見ておらないのでございますが、厚生行政のすべての責任は私に帰すると思っております。
  143. 家西悟

    ○家西委員 これは大臣ということで承っていていいということですね。後で厚生大臣ではないというふうに返されるということはないですね。そうじゃないんですか。
  144. 丹羽雄哉

    丹羽国務大臣 今私が申し上げましたことは、厚生行政の最終的な責任はすべて私に帰する、こういう認識を持っておるということでございます。
  145. 家西悟

    ○家西委員 これはまだお読みになっていないということだからなかなか的確な御答弁になっていないのかもしれないのですけれども、基本的に救済制度についてお伺いしています。  それで、支給した場合の、これは救済基金法というか救済制度ができましたね、あの法律の附則の第八条第一項に定める「厚生大臣の認可を受けて、当該健康被害の救済のために必要な事業を行う者」ということでお聞きしているのですけれども。これは今すぐお答えできるなら大臣でいいんですけれども、私の方とすれば。
  146. 丹羽雄哉

    丹羽国務大臣 旧知の家西議員の質問でございますが、率直に申し上げて、この問題について勉強しておる時間的余裕もございませんので、もし機会がありますならば、もうちょっと勉強してしっかりとした答弁をさせていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  147. 家西悟

    ○家西委員 でも、これは私が八月に答弁書をいただいて、そしてこのお答えはどういう意味かということになって、昨日もこの質問をしますよというふうに私の方は質問通告をさせていただいているわけなんです。それで、こういうお答えでいいんですかね。いいんですか、これで。ちょっと理解できないですけれども質問通告をした問題です。
  148. 丹羽雄哉

    丹羽国務大臣 これは答弁になるかどうかわかりませんけれども、私がそのような質問を受けるということは、正直申し上げて私自身承知しておりませんでした。  家西議員がこれまで大変御努力なさっていらっしゃる問題でございますので、今軽々にここで不勉強なままお答えするよりは、もうちょっと時間を与えていただければ……。きょうは、御案内のように年金の本会議の審議もございましたし、それまで介護保険もございました。そういう意味において、私も一生懸命やらせていただいているような次第でございますけれども、いわゆる政治的な姿勢の問題は幾らでもお答えいたしますけれども、具体的な内容については、恐縮でございます。
  149. 家西悟

    ○家西委員 わかりました。では、次回お願いしたいと思います。  では、次の質問をさせていただきます。  一九九四年の製造物責任法の参議院の可決に際して、「輸血用血液製剤による被害者の救済については、その特殊性にかんがみ、特別の救済機関等の設置に努めること。」という附帯決議が商工委員会で付されていますが、既に五年たっているわけですけれども、何らかの対応を今日までにされてきたのかどうかをお伺いしたいと思います。
  150. 大野由利子

    大野(由)政務次官 附帯決議が商工委員会で付されていることにつきましては重く受けとめなければいけない、このように思っております。  また、そのために、今、中央薬事審議会の企画・制度改正特別部会でずっと御議論いただいているんだ、このように思うわけですが、私もいろいろ聞いたら、やはり難しい問題もいろいろあるというようなことでまだ結論が出るところまで来ていないわけですけれども、附帯決議の趣旨も踏まえて十分な審議が行われて、そして厚生省としてもこういうことについてきちっと責任を持って対処していかなければいけない、こういうふうに思っております。
  151. 家西悟

    ○家西委員 いや、企画・制度改正特別部会というのは、あれは血液新法に関しておやりであって、ここで何らかの救済というのは別の意味じゃないですか。そこで審議されていることがそうなんですか。それも、商工委員会で附帯決議されたものがそうなるんですか。あそこで議論されていることはその一環だということでいいんですか。
  152. 大野由利子

    大野(由)政務次官 新法の中にそれも含めて御議論いただいている、こういうふうに思っております。全く別途という御意見の方もあるようでございますが、しかし、そうじゃなくて、この救済措置も含めて新法の中で対応する必要があるんじゃないかということで今御議論をいただいている、最終結論ではございませんが。
  153. 家西悟

    ○家西委員 ということは、そういった感染被害者に対しては救済措置も必要だというふうにお考えいただいているということでとらえていいのでしょうか。
  154. 大野由利子

    大野(由)政務次官 その結論がまだ出ていないわけでございますが、この附帯決議にもあるわけでございますので、どういう形でどういうふうにすることができるのかどうかも含めて検討している、こういうふうに認識しております。
  155. 家西悟

    ○家西委員 ぜひとも大臣並びに政務次官にお願いしたいと思います。  救済制度、何も物ごいしようというわけじゃありません。そして、ボランティアの血液がそういうふうになったということで、あきらめろというわけにはいかないと思います。被害者に対しての救済というものは真剣に考えていただきたい。善意であっても、結果としてそういう被害をこうむったら、被害者というものは肉体的にも精神的にも大変な思いをします。そのときの何らかの温かい処置をお願いしたいと思います。その辺の御検討をよろしくお願い申し上げたいと思います。  続いて、CJD、クロイツフェルト・ヤコブ病の問題について御質問させていただきます。  この六月から八月ぐらいにかけてマスコミ報道でもなされたと思いますけれども、アメリカのFDAの委員会が、一定期間イギリスに滞在した人を対象に、血液の提供を禁止する勧告をしたと報道されました。同時に、カナダでも同じような対応が行われました。これに対して、厚生省として、FDAに対して何らかの確認をとられていますか、そして何らかの処置をとろうとされているのか、その辺も含めてお伺いしたいと思います。  FDAに対して問い合わせなりをされましたか、事実かどうかの確認をとられたかどうかについてお伺いしたいと思います。
  156. 大野由利子

    大野(由)政務次官 事実関係でございますので政府参考人答弁させたい、このように思います。
  157. 家西悟

    ○家西委員 済みません。これはゆうべも言いました。私の宿舎にまで厚生省の方からお電話をいただきました、政府参考人答弁させてほしいと。しかし、我々としては大臣政務次官にお答えいただきたいということで、わかりましたという了承を得ています。これはどちらかお答えください。
  158. 大野由利子

    大野(由)政務次官 細目でございますので、政府参考人の方が詳しいと思いますが、御指摘のように、アメリカのFDAが、ことし八月十七日に、今後六カ月以内の早期に、一九八〇年から一九九六年の間に通算六カ月以上イギリスに滞在経験がある人からの採血を中止するよう勧告したところであるということを確認しております。
  159. 家西悟

    ○家西委員 それは厚生省のどこの部署ですか、だれが、どういう方法で確認をとられたんですか。
  160. 大野由利子

    大野(由)政務次官 血液対策課でございます。
  161. 家西悟

    ○家西委員 では、その次の質問としまして、それを受けて日本としては今後どのような対応を考えておられるのか、対策考えておられるのか、具体的に御説明いただければと思います。
  162. 大野由利子

    大野(由)政務次官 厚生省におきましては、アメリカの動向も視野に入れつつ我が国の対応策の検討を進めてきた結果、ことし九月二十四日に開催された中央薬事審議会血液製剤特別部会安全技術調査会において、アメリカと同様の措置をとるべきという結論が得られた。そして、今後、もう一つ上の中央薬事審議会血液製剤特別部会に上程をして、御検討をいただいた上で、アメリカの対応におくれることなく、ことしじゅうに結論を得て必要な対応を進めてまいりたい。
  163. 家西悟

    ○家西委員 ということは、アメリカと同様に、半年以上イギリス等に滞在された方については献血を遠慮していただくということですよね。そのときの判断というものは、問診なりそういったやり方をされるというとらえ方でいいのでしょうか。お答えいただければと思います。
  164. 大野由利子

    大野(由)政務次官 献血の前の問診票でチェックをしているようでございますので、そこできっちりチェックをしていくということです。
  165. 家西悟

    ○家西委員 わかりました。そのように対応していただきたいと思います。  なぜこれを言うのかというと、皆さん御存じのとおり、HIV、エイズの問題で、一九八三年当時、同じようなときがありました。しかし、私たちから見ればそれなりの対応をしていただけなかったように思います、とるべきときにとるべき手段を。そして、結果としては大きな被害をもたらし、大きな社会問題となってようやくというようなことになりました。今回同じような轍を踏まないでいただきたい、そして、避けられるものなら避けていただきたいし、対策を早急に講じていただければなという思いで質問させていただきました。  続いて、通称薬害CJDと言われる問題、脳硬膜移植の問題について少しお尋ねいたします。  この脳硬膜に対しては医薬品副作用被害救済基金が適用されないというふうにお聞きしていますけれども、その理由を御説明いただければと思います。
  166. 大野由利子

    大野(由)政務次官 医薬品副作用被害救済制度は、医薬品の副作用による健康被害が、適正な目的で適正に使用した場合においても不可避的に生ずるものに対応するということで、製薬企業等からの共同拠出を受けて創設されたものでございます。  これに対して、ヒト乾燥硬膜を含めた医療用具につきましては、副作用とは言えない。不良品と申しましょうか、要するに広範な種類の器具、機械というか医療用具の一環でもありますし、医療用具の事故の大半というのは用具そのものの欠陥ないしは使用方法の誤り等々によって起こるというようなことがありまして、医薬品の副作用と性質を異にするものではないか、このように思います。
  167. 家西悟

    ○家西委員 これは確かに医薬品ではないけれども医療用具です。では、医療用具被害というふうにとらえていいのですか。  例えば、簡単に言うと、ばんそうこうなり、そういったものを張ったときにかぶれたとすると、そういうような被害と同等であるというようなお考えなんでしょうか。
  168. 大野由利子

    大野(由)政務次官 そうとらえていただいていいと思います。
  169. 家西悟

    ○家西委員 ということは、そういった場合の被害に対しての救済措置というものは、政府としては何もないというふうにとらえていいのですか。
  170. 大野由利子

    大野(由)政務次官 PL法と申しますか、製造物責任法がこれに適用できると思います。
  171. 家西悟

    ○家西委員 ということは、これはPL法であれば救済できるということですか。そうとらえていいんですね。今訴訟されている方々も含めて、PL法の適用をされるということで認識していいんですか。
  172. 大野由利子

    大野(由)政務次官 適用されるかどうか等々、裁判所の判断等々があると思いますが、PL法の対象になるという認識においては、その認識でいいのではないかと思います。
  173. 家西悟

    ○家西委員 PL法の対象になるかどうかは、裁判所、司法の判断であるということでいいということですか。  とにかく、私は、今後もこういった被害は起こると思います。今、臓器移植等もありますけれども、皮膚の移植とか、これから骨の問題、人体のすべてがそういうようないろいろな部分に使われていくような時代が近い将来来ると思いますけれども、そのときのための何らかの救済措置もあわせて検討していただければなというふうに私は思います。  こういうような検討をぜひとも厚生省としてしていただければなと。そうすれば、こういった被害が発生したとき、不可抗力なのかどうかわかりませんけれども、患者さんには罪はありません、治療上やっていただこうとしているのにかかわらずそういう被害をこうむったときには、そういう対応ができるような制度をぜひとも構築していただけないか、そういう検討をしていただけないか。大臣にもしお答えいただけるのなら……。
  174. 丹羽雄哉

    丹羽国務大臣 医療用具といいますと、体温計であるとか、ペースメーカーであるとか、あるいはメスであるとか、一般的にこういうようなものを指しております。ヒト乾燥硬膜など、医療用具もさまざまでございまして、先ほど大野総括政務次官からお話がございましたように、医薬品のように副作用というものに着目しますと、今のような被害救済の仕組みをつくるということは大変難しいかな、こういう認識をいたしています。  しかしながら、今家西委員からもお話がございましたように、これはヒトに由来する医療用具についてでございますので、私は、従来の医療用具とは異なる被害をもたらす可能性があり、単純に同一視することはできないのではないかな、こう思っております。  さらに、今委員からも御指摘がございましたように、今後、開発の進展が予想されるところでございますので、いずれにいたしましても、輸入であるとか製造、この規制のあり方や健康被害への対応を含めまして、今後、幅広く検討していきたい、こう考えております。
  175. 家西悟

    ○家西委員 ぜひともそのようにお願いしたいと思います。  そして、最後ですけれども、輸血等でHIVに感染された方の家族、またその遺族の方々ですけれども厚生省に対して実態やそういう意見を手紙等でお寄せになりたいというようなお話が私の方に来ています。しかしながら、プライバシーがどこまで守れるのか非常に不安だということで、厚生省や日赤等に対してそういう意見なり自分たちの思いをなかなか伝えることができないというふうにおっしゃっていますので、大臣、そういった内容の手紙が来ましたときには、特段の配慮をしていただいて、プライバシーは慎重に守っていただいて、その意見をぜひとも聞いてあげるような機会を設けていただきますよう心からお願い申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。
  176. 江口一雄

    江口委員長 速記をとめてください。     〔速記中止〕
  177. 江口一雄

    江口委員長 速記を起こしてください。  古川元久君。
  178. 古川元久

    ○古川委員 民主党の古川元久でございます。  大臣政務次官、お疲れさまでございますが、あと一時間でございますので、頑張っていただきたいと思います。  最初に本題に入る前に、私もきのう質問レクに来た厚生省の人と話をしていて思ったものですから、きょうも見ていて思ったんですけれども、今度の国会から政府委員制度が廃止になりまして、原則として大臣政務次官答弁をしなきゃいけない。初めての制度ですから、質問する方も、私も聞いていて、これは大臣政務次官に聞くことかなというようなことも聞いているようなことがあって、それは大臣政務次官も困られることがあるかと思うんですが、私、今回のことは当然政治家同士の議論が深まることになっていいことだと思うんですけれども、相変わらず局長は呼ばれていなくてもここに来てずっと座っている。  私、政府委員制度廃止で一ついいのは、政治家同士の議論があるということもありますけれども、同時に、私、かつて役所におりましたけれども役所にいて、国会が始まっていると、とにかく局長がずっと国会にとられていると、その間は仕事が一切上がらない、行政の停滞を招くという部分もある意味ではあったわけでありまして、これで政府委員が廃止になって局長が国会答弁から解放されれば、その分だけ行政が円滑に進みやすくなるのじゃないかな。とりわけ今厚生省は大変ないろいろな問題を抱えているわけであって、ここに局長さんがずっと座っていては進むことも進まなくなっちゃうのじゃないかな。  当然メモ出しする方も必要でしょうけれども、それは別に局長じゃなくても。これはこちらの質問する側も気をつけなければいけない話でありますが、メモ出しするくらいであれば、これは課長かせいぜい審議官、何も局長までここに来てずっと座っていなくてもいいような気がするんですが、その点について大臣として御感想はどう思われますか。
  179. 丹羽雄哉

    丹羽国務大臣 私は、その点、認識が異なります。  やはり国会の審議というのは、国民の代表である議員の皆さん方が御質問なさるわけでございます。私ども、率直に申し上げて、専門的な分野において、あるいは過去の経緯について、いきなり質問されましても答えられないことはございます。しかし、役人は、閉ざされて内部だけで議論をしているのではなくて、やはり国民の代表である委員の皆様方、国会議員の皆さん方の御意見を十分に聞いて、そして判断するということが必要であって、何かその辺のところが取り違いをしているのではないかな、私はこう思っております。  当然のことながら、大きな問題、かじ取りについては、私ども政治家がきちんとした考えに基づいて答えるということが本来のやり方ではないかな。要するに、大事な国会の審議に局長以下が出席することは当然のことでありまして、いかにも役人出身の古川議員ならではの発想ではないかな、こういう感じがしないでもないです。
  180. 古川元久

    ○古川委員 それは、私の立場から逆に言わせてもらえば、大臣政務次官がここでただ答弁していれば、あとは役所で何もやらないというのじゃなくて、本当は大臣政務次官がこの国会審議の中で得たものを、役所に戻って、役所の方で下に浸透させるのが本来の政治主導という形での行政のコントロールの仕方じゃないでしょうか。  ここに局長以下ずっと並んでいたら、大臣政務次官がここで四苦八苦して答弁されて、そこでお役目は終わり、あとは局長以下にお任せする、そんな形で結局は今までとほとんど何も変わらないのじゃないか。  ただ、ここでなかなか議論がかみ合わない、そういう議論だけが進んでしまうのじゃないかと思いますけれども、この点については大臣ともいろいろ見解が違うようでありますし、余り時間もありませんから本題に入っていきたいと思います。  きょう、私は、そういった意味では、大臣に一切後ろを振り向いていただかなくても結構な質問をさせていただきたいと思っていますので、ぜひ大臣の、厚生行政に関しては長年携わっていらっしゃったわけでございますから、その観点から、大所高所に立った御高説をお伺いさせていただければというふうに思います。  さて、きょうから年金制度改革の審議も始まったわけであります。また、この委員会で介護保険の見直しの問題が議論されております。そしてまた、医療保険制度改革についてはまだ出てきてないのですけれども、これからやらなきゃいけない。本来は、年金、介護医療は三位一体で議論されるべきものだということは多くの方が言われるところであります。さもないと、将来の社会保障の姿が、三位一体で議論をしていかないと明確に見えてこない。  とりわけ、現在のように与党の一角を占める自由党が、強硬に年金、医療介護はすべて税でと言っている中では、自由党が与党の中にいる限りは、いつ社会保障制度の現在の仕組みの根幹部分が大きく転換するということもあり得ないわけではない。そういう状況では、そこが安定しないと、国民の社会保障制度に対する不安自体というのは解消できないと思うのですね。ですから、そういった意味では、私は、今回はここで、丹羽厚生大臣には所管大臣としての、その辺についての大枠のところの意思を確認させていただきたいと思います。  まず私が大臣に最初にお伺いしたいのは、社会保障というものは国政においてどういう位置づけを持っていると思われているか。ぜひともその点についての大臣のお考えをお伺いしたいと思うのです。私自身は、外交、防衛が対外的な安全保障とすれば、この社会保障は対内的な安全保障とも言えるくらい、国政の中でも極めて重要な課題というふうに考えておりますけれども大臣の御認識はいかがでしょうか。
  181. 丹羽雄哉

    丹羽国務大臣 社会保障のあり方そのものが変質しつつあるのではないかと私は思います。かつて、社会保障というのは、どちらかというと生活困窮者を対象にして、生活保護的な色彩が強かったのではないか。ところが、だんだん国民生活が豊かになって、そういう中において、特に、昭和三十六年に国民皆保険、国民皆年金というものがスタートをいたしまして、社会保障そのものが国民生活の中に定着するようになってきているのではないか。  特に医療なんかは、私も、世界のいろいろな国々の医療保険制度なんかについて私なりの勉強をさせていただきましたけれども、お年寄りから赤ちゃんまで、だれもが均等な医療サービスを受けることができる、こういうような世界に冠たる皆保険制度が定着してきておるわけでございます。  きょうも本会議でも申し上げたのでございますが、かつては世界の中でいわゆる長寿国というと、スウェーデンであるとかデンマークであるとか、どちらかというと北欧の国々でございましたけれども、今や我が国は世界の中で最も長寿国になった。この社会保障が私どもの生活に与えてきた影響、あるいは健康であるとかそのほかのもろもろに与えてきた影響というのは大変大きなものがあるのではないか。  ただ、率直に申し上げて、今、少子・高齢化社会を迎えて、皆保険制度、皆年金制度が今後どうあるべきかということをまさに問い直す時期に来ているのではないかな。そして、いよいよ来年の四月から、先般来御議論をいただいております介護保険制度というものがスタートをするわけでございます。これも大変大きな問題でございまして、寝たきりのお年寄りあるいは痴呆症のお年寄りに対して社会全体で支え合っていこうじゃないか。これも一つの、今世紀最後の社会保障として表舞台に登場してきたのではないか、こう思っております。  そして今、御案内のように、国際的に見ましても、ソ連が崩壊をしました後、市場主義といいますか、そういう中において、どちらかというと、社会保障というものがややもすると片隅に追いやられるような可能性すら出てくるのではないか。市場主義という名のもとに、こういうようなものがややもすると希薄になっていくのじゃないか。そういう意味においては、まさに国民生活の安定を図り、安心をもたらすためのセーフティーネット的な役割を果たすのが社会保障ではないか、私はこのような認識に立つものでございます。
  182. 古川元久

    ○古川委員 今の大臣の御発言の中で確認をしておきたいのですけれども、国民皆保険、皆年金制度、これ自体、今後どうあるべきかと問われていくのじゃないかというお話がございました。これは、場合によっては、国民皆保険あるいは皆年金というもの自体が崩れるという場合も選択肢としてあり得るということですか。
  183. 丹羽雄哉

    丹羽国務大臣 これを堅持しなければならない、こういう立場から申し上げたのです。
  184. 古川元久

    ○古川委員 わかりました。そこのところだけ確認をさせていただければ結構でございます。  それでは、今おっしゃった、まさに年金、医療介護、社会保障制度の三本柱と言ってもいいと思いますけれども、この三つの制度について大臣はどういう関係に立っているというふうにお考えなのか。  私は、年金というものは、老後の所得保障としてまず一番下のところに年金制度というものの安定がありまして、これは年金を受け取る世代についてでありますけれども、その上に医療とか介護というような制度が乗ってくる。そんな感じの仕組みというのが、今現在の社会保険方式を前提とするのであれば、そういう形になっていくのじゃないのかな、この三つの関係というものは。そういうふうに私は理解をしておりますけれども大臣の御認識はいかがでしょう。
  185. 丹羽雄哉

    丹羽国務大臣 私、就任あいさつの中で申し上げさせていただきましたけれども、今、豊かさの中の不安ということを言われております。特に、お年寄りの皆さん方が老後に対して大変不安を持っていらっしゃる。こういう中で、今委員指摘医療、年金、介護、これをどうやって堅持し、あるいはどうやってこれを国民の間に定着させていくかということが最大の課題ではないか、こう思っております。  そういう意味において私も委員と同認識でございまして、まず、基本的には年金というものをきちんとさせなければならない。ただ、年金も、率直に申し上げて、平均寿命が大変延びております。終戦後の昭和二十二年の平均寿命は、これは戦争の影響もあったと思いますが、五十歳そこそこでございました。これが今や人生八十年時代。つまり、半世紀の間に平均寿命が三十歳も延びてきている。  そういう中において、お年寄りが社会に果たす役割、これまでは、お年寄りは戦前、戦中、戦後、我が国のために汗を流してくださった大変お気の毒な方々で、大変社会の功労者であって、どちらかというと社会的弱者である。確かに年をとってくればだれしもが体が弱ってくる。社会的な弱者ではありますけれども、お年寄りと言われる七十歳以上の方あるいは六十五歳以上の方には、会社の役員さんであるとかあるいは御商売をなさっていらっしゃるような方々で、年収が一千万円も二千万円もある方もいらっしゃる、あるいは政府関係の役職について数千万円ももらっていらっしゃる方もいらっしゃる。こういう方もいらっしゃる反面において、働きたくても働くことができなくて、国民年金二万円、三万円の生活を余儀なくされている方もいらっしゃる。そういう意味において、お年寄りは確かに社会的な弱者ではあるけれども、一律的な経済的な弱者というような考え方というものは問い直す時期に来ているのではないか。  そして、お年寄りの救済といいますか負担の軽減の分が若年世代にもろにかかってきているんだ、こういうことをお年寄りの皆様方にも十分に御理解をいただきながら、働くことができて、そして収入のあるお年寄りに対しては、これから社会保障の分野においてそれ相応の御負担をしていただかなければならない、このように考えているような次第でございます。
  186. 古川元久

    ○古川委員 大臣のそうした高齢者の方を見る考え方というのは、私も全くそのとおりだと思いますし、そういう方向でやはり社会保障制度の運営というものは行われていかなきゃいけないと思うんですね。  先ほど大臣もおっしゃられましたように、年金部分のここの安定というものが一番大事だという話がありました。今までの日本の社会保障制度は、これは年金も医療も、そして介護大臣は保険というふうにおっしゃっていますけれども、本当にちゃんと保険でスタートするのか、小沢さんがこの前の日曜日もまだこれから見直すんだみたいなことを言っていましたけれども、税になるのか、それはわかりませんけれども、今のところであれば、政府の考え介護も保険ということであると思います。  保険制度というのは、これは自己責任を基礎としながら、相互扶助によって支え合うという形で給付と負担との関係を明らかにしていこうということですから、大臣がおっしゃられたような高齢者イコール弱者と見るのではなくて、一人一人の能力に合わせてというのは、基本的には私もそのスタンスは正しいと思いますし、そういう方向に進めていくべきだと思うんです。  ただ、年金の基礎年金の部分については、これは税金で賄って、基礎年金の部分についてだけは給付を保障するということも、いろいろ私ども民主党も将来的にはそういうことも考えるべきだということを主張させていただいておるわけでありますけれども、社会保険というのは給付と負担の関係が明示的だという話がありますけれども、基礎年金は年間一定のものをちゃんと掛けていれば満額もらえるといった意味では、所得の高い人だろうと低い人だろうと、基礎年金部分についてはみんな平等だということを考えれば、基礎年金部分については社会保険方式じゃなくて税というやり方も一つ考え方として、社会保障制度全体を安定させるためには十分値する案じゃないかと私は思うんですね。  そうしますと、年金の基礎年金部分については税でやりながら、ほかの部分については社会保険、そういう方向性がある意味ではっきりしてきますと、年金、医療介護という社会保障制度全体の枠組みが、基礎年金で最低限の所得の保障はあって、その所得の中から保険料を支払っていくという形で安定してくるんじゃないか、そんな気がいたすわけです。  今のままだと、自由党のような、とにかく全部税でいってしまえ、医療、年金、介護、三つとも税でやってしまえという話が出ているわけです。それに対して政府として、税でやらなくても、こういう形であれば介護医療については社会保険制度を続けていっても、そこについてはちゃんと保険料も払っていけるような、そういう枠組みはつくれるんですよ。そういう基本的な枠組みというものを政府として提示すべきだと思うんですが、いかがでしょう。
  187. 丹羽雄哉

    丹羽国務大臣 医療、年金、介護など、社会保障に要する費用は年間六十八兆円の巨額に達しております。これらは、御案内のように、国民が相互に助け合うということでございまして、保険料と公費によって賄われているわけであります。  今委員の御指摘の基礎年金の部分は、要するに税方式でいいんじゃないかというような御主張でございますか。
  188. 古川元久

    ○古川委員 医療、年金、介護、三つの枠組みを安定させるためには、これはすべてを社会保険というんじゃなくて、ここの部分だけ税として考えることも一つ考え方としてあるんじゃないかということです。
  189. 丹羽雄哉

    丹羽国務大臣 私は、認識は全く異なります。  まず、少子・高齢化社会を迎えまして、これからますます社会保障に対する費用というものが増大してまいります。その財源を安定的に賄う仕組みといたしまして、いわゆる社会保険方式というのをとらえておるわけでございます。  社会保険方式というのは、御案内のように、保険料によって賄うところが多いわけでございますが、率直に申し上げて、保険料というのは自己負担が半分、事業主負担が半分ということで、実は企業側にとっては大変な御負担をお願いいたして、そういう中において日本の社会保障というものが成り立っていることも事実であります。  今委員の御指摘のような、すべて税方式ということになりますと、事業主から出していただいている保険料そのものも否定することになるし、私は、現実問題として、すべて税方式において今日の社会保障の水準を維持することはできないんじゃないかな、こう思っておるような次第でございますし、やはり一番大切なことは、給付と負担との関係というものを国民の皆さん方に十分に御理解をいただかなければならない。それから、世代間の連帯ということがなければ我が国の社会保障というのは成り立っていかないというのが現実だ。  ですから、これから私どもは、今いろいろな御批判も浴びておりますけれども、基本的には小さな政府を目指していかなければならない。しかし、そういう中において、充実するものはしなければならないということで、当然のことながら社会保障にはもっともっとウエートを置いていただきたい、こう願っておるわけでございますけれども、現実問題として、これだけの給付水準というものをすべての分野において維持していくためには社会保険方式しか選択はない、このように確信いたしております。
  190. 古川元久

    ○古川委員 私は、別に年金制度全体を税金にしろと言っているんじゃないんですよね。  今事業主負担というあれがありましたけれども、私なんかもそうですけれども、国民年金に入っている人は事業主負担はないわけです。確かに、会社で厚生年金に入っている人は事業主負担がありますけれども、今、一方で例えばベンチャーを育成しよう、どんどん新しい事業者を育成しようなんという話があるわけですよね。これからSOHOと言われるようなスモールビジネスとかそういう人たちも多くなってくると、果たしてみんなが厚生年金というような枠組みになるのか。そこの事業主負担のところにウエートを置かれて、だから税方式にはできないんだというのは、私はちょっとおかしいんじゃないかと思います。  そこは報酬比例部分のところで今までの社会保険方式を維持すればいい、基礎年金の部分、一階の部分だけは税でやる。しかも、繰り返して申し上げますけれども、報酬比例部分に比較すれば、ここの部分は給付と負担の関係というのは余り関係がないわけですよね。みんな同じ金額を、基礎年金の部分をもらうわけですから。そういった意味では、社会保険的な色彩がここの部分は若干少なくなっているんじゃないか。  ですから、そこの部分をちゃんと見て、それは税方式にしていくということの方が、これは全体として、年金だけじゃなくて医療介護も含めた社会保障の枠組み全体を維持していくために、私は必要じゃないのかなという気がするんです。  そうしないと、大臣、先ほど最初に、国民皆年金と国民皆保険は堅持をするというふうにおっしゃいました。払いたくても保険料を払えないという状況になってしまったら、これは国民皆保険じゃなくなってしまうわけです。年金についても、国民皆年金を堅持すると言いましたけれども、実際に払っていない人たちがどんどんとふえてきて、それで全くの無年金者もふえてきている状況が来たら、大臣がおっしゃる国民皆保険、皆年金という、そこの制度自体が堅持できないという状況になってくるんじゃないでしょうか。だからこそ自由党の方はこれを全部税にしてしまえという、私は非常に論理が飛躍していると思いますけれども、そういう議論になってくる。  ですから、そういう飛躍した議論にならないためにも、やはり政府の側で、社会保障の三つの制度自体を維持するために、どこを税で守って、どこを保険料にしていくかという、きっちりとしたビジョンが出てこないといけないと思うのです。  時間がなくなりますから、そこについてはまた日を改めて質問させていただくとして、ちょっと最後にお伺いしておきたいのは、おとといの日曜日に、小沢自由党党首がテレビの報道番組の中で、介護、基礎年金、高齢者医療の財源について、当面、個人の保険料負担を二分の一にすると消費税は八%前後になり給付水準は維持できる、将来、保険料をゼロにすれば一二%から一三%になるという発言をされたというふうに言われています。  これまでの厚生省の説明だと、もしこれをすべて税で賄うとすれば三六%だというようなお話が出てきていました。どう考えても、小沢さんが言うような八%、あるいは、全部のときには一二から一三というような数字は出てきようがないと思うのですけれども、こういうものが計算の仕方によっては出てくるというような推計は、厚生省として持っていらっしゃるんですか。
  191. 丹羽雄哉

    丹羽国務大臣 小沢党首の発言、個人の保険料負担を二分の一にする前提であるとか、それから八%の根拠について、私自身承知しておりません。ですから、どういうような根拠に基づいてこういうようなものを出したかということについて、私、詳細に今ここで述べることは残念ながらできないわけでございます。  これは、前のときもこの委員会で申し上げたわけでございますが、一九九九年度における介護、基礎年金、高齢者医療にかかっております給付費は二十五兆円でございます。仮に、これをすべて消費税で賄うとすれば、消費税の国分で機械的に計算いたしますと一四%に見込まれるわけでございますし、さらに、二〇二五年のピーク時には百兆円を超えるんじゃないか、こういうふうになるわけでございます。  古川委員の御経歴を拝見しますと、大蔵省出身でございまして、当然のことながら財源の裏づけを十分に考慮しながら、先ほど来、すべて年金を税で賄う、こういうことをおっしゃっているようでございますが、その辺のところについても御識見をお聞かせいただければ私の方は大変幸いだ、こう考えております。
  192. 古川元久

    ○古川委員 その点については時間がありませんので次回にしたいと思いますけれども、今の大臣のお話の中で、そういう数字は普通に考えれば出てこないという話ですよね、八%とか一二%ということは。  だとすれば、こうした無責任な発言が、与党を構成する政党の責任者からテレビで発言されて、そういうのが新聞とかに載ると、何となく国民は、半分であれば消費税八%でできるのか、全部保険料をなくしても一二、三%の消費税でできてしまうのか、そういう誤解を招く可能性があるわけですね。そういったものが新聞などにも出ているわけでありますから、本来であれば、これは所管の大臣としては何らかの抗議をやはり示すべきではないか。  それがそのままこうして新聞にも載っているわけですよね。それについては、普通の人たち、国民が見たら、こちらでもいいじゃないか、まさに自由党の言っているような全部税でやる方が、保険料が全部なくなって消費税八%あるいは一二、一三%でとまるんだったら、そっちの方がいいじゃないかというようなことも思いかねないわけでありますから、やはりこうしたときには、ぜひ所管の大臣としてしっかりと抗議をしていただきたいと思うのですけれども、いかがですか。
  193. 丹羽雄哉

    丹羽国務大臣 小沢党首は大変な識見を持った方でございますし、それなりの根拠があってそのようなことを申し上げたのではないかと思います。私がその点において十分に把握しない段階においてとやかくコメントを申し上げることは、差し控えさせていただきたいと思います。  ただ、政治家の発言でございますから、こういう問題を含めていろいろ議論をして、そして広く国民の皆さん方にも理解をしていただくということは、大変結構なことではないかと思っております。  ただ、自由党さんの考え方は、すべて消費税で賄っていくということが基本的な原点に立つようでございますが、問題は、要するに、消費税に対する国民の皆さん方の理解がどこまで深まっているのか。今、仮に五%の消費税というものを一気に八%なり一〇%に上げることができるかどうか、こういうことも政治判断として十分に今後国民の間で議論をしていただかなければならない、このように考えているような次第でございます。
  194. 古川元久

    ○古川委員 この委員会審議の中でも、大臣はよく、そこは三党協議に、与党の中の協議に任せるというような御発言がございますけれども、私は、社会保障制度というものは足して二や三で割るようなものじゃないと思うのですね、予算のお金を割るわけじゃないわけですから。  ですから、社会保障制度を所管する大臣としては、きょう最初におっしゃられたような一貫した理念のもとに制度設計をしていただきたいということを最後にお願い申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
  195. 江口一雄

    江口委員長 中川智子さん。
  196. 中川智子

    中川(智)委員 社会民主党市民連合の中川智子です。  私で最後の質問ですので、もう少し頑張って、ぜひともしっかりと審議の中身を聞いていただきたいと思います。  私は、おとといの日曜日、北海道の札幌に行ってまいりました。ヤコブ病に感染して植物状態にあります十六歳の高校生の男の子、フルネームでは呼べませんが、ヒロ君をお見舞いに行ってまいりました。  このいわゆる薬害クロイツフェルト・ヤコブ病のヒロ君は、一歳半のときに乾燥硬膜を移植されて、そしてその手術は大成功で、本当に元気に元気に生きてまいりました。小学校、中学校では無遅刻、無欠席で、一日も休まず元気で学校に行っていました。念願の高校に入り、入学して二カ月後に発症をし、たった一カ月で植物状態になり、昨年の六月から寝たきりで一切反応せず、治療法もなく、ただただ死んでしまうその日を待つ以外にないという、悲惨なヤコブ病に侵されています。  ヒロ君は、小さな子供が大好きで、保父さんになりたいといって妹と一緒にピアノを習ったりして、将来の夢をたくさん持っていました。どうしてこの子が、その将来の夢を実現できずに、たった十六歳でこのような植物状態にならなくてはいけなかったのか。そのクロイツフェルト・ヤコブ病について、きょうはしっかりと質問をしたいと思います。  ヒロ君のおとといの姿です。(写真を示す)ヒロ君はもう自分でたんを取ることもできないし、のみ込むこともできない。いつ窒息してしまうかもわかりませんので、お母さんは、せめて、ああとか、ううという声でも聞きたいといって、気管切開の手術は嫌がっていましたけれども、とうとう手術をして、のどに管を通し、鼻からチューブを入れて、一切の治療法がなく、このような状態で寝たきりでいます。  私は、ことしの八月には谷たか子さんのお見舞いにも行ってまいりました。このクロイツフェルト・ヤコブ病の患者の方は、発症したときは自分がなぜこういう体になったかわからない。そして、本当に数カ月で植物状態になってしまう。薬害でもいろいろな形がありますが、この場に来て自分でその苦しさを訴えるということができないのです。  ですから、私は宮下厚生大臣にぜひとも会っていただきたいということをお願いしましたら、裁判で係争中なのでそのようなことはできないとおっしゃいました。今六十三人。厚生省が把握しているクロイツフェルト・ヤコブ病の方の六十人はもう亡くなりました。もう死んでしまいました。あと三人だけなんです、生きていらっしゃるのは。私はそのうちのお二人に会ってきました。  どうしてこの人たちがこのような状態にならざるを得なかったのか、無残な形で自分の人生を閉じざるを得ないのかということは、会っていただかないとわからないということを、私は冒頭に大臣政務次官にまず伝えたいと思います。  それで、まず大臣にお伺いしたいと思いますが、先ほど家西さんの質問の中で、HIVのときに薬害だと毅然としておっしゃった政治家としての姿勢をこの薬害クロイツフェルト・ヤコブ病に対しても、厚生省責任者である大臣としてこのクロイツフェルト・ヤコブ病に対してどのような御認識を持っていらっしゃるのか、まず伺いたいと思います。
  197. 丹羽雄哉

    丹羽国務大臣 中川委員の切々たる訴えをお聞きいたしておりまして、私も本当に思わず胸が痛む思いがいたしております。  この問題について、まだまだ私は率直に申し上げて不勉強なところもございますし、また、現在係争中でございますので、責任についてのコメントについては差し控えさせていただきたいと思っておりますけれども、これまでの議論を通じて私なりに考えますことは、当時の医学的、薬学的な知見からは予見できなかったということが最大の不幸になっておるわけでございますけれども、私個人といたしましては、被害に遭われた方々のやるせない思いを私なりに感じ取りまして、胸が痛む思いがいたしております。
  198. 中川智子

    中川(智)委員 やはり、最初に胸が痛んでいただくというのは大事だと思います。痛んだ後に何をしていただくのか、そのことを聞かせていただきたいんですが、後ほど、厚生省のいわゆる危機管理の問題で、そこについては一歩踏み込んだ御答弁をぜひともお願いしたい。  小渕総理が、先日の参議院の質問の中で、「報道特集」というテレビ番組を見て、この患者の方、家族の方の苦労を本当に胸が痛む思いで見たという御答弁がございました。その番組を、ビデオを持っておりますので、ぜひとも大臣にも見ていただくことと、北海道か大津の谷さんのところでも結構ですから、小康状態を保ちながらあしたがわからないという日々ですので、ぜひともお見舞いをお願いしたいと思います。  次に、大野政務次官にぜひとも伺いますけれども、私は、政務次官大野さんが就任されたということで、丹羽大臣同様とても喜んでおります。  と申しますのは、政務次官のこれまでのさまざまな薬害に対する質問を議事録で読ませていただきました。例えばトリプトファン事件や薬害エイズ事件で、次官は一貫して患者の立場に立って質問をし、厚生省を厳しく追及されました。特に九〇年の社労委員会では、「クロロキン、サリドマイド、スモン等、厚生省の対応が非常に遅かったために大きな問題になった、そういう例がいろいろございます。」「疑わしきものは使用しない。」これが大事だということを質問の中でおっしゃっています。  また、九六年の厚生委員会の薬害エイズの質問では、「本当にこの世の中でこれほどの不条理はない、」私も同じ思いです。「これほどの不条理はない、このように思っております。亡くなられた方に心より哀悼の意を表しますと同時に、感染された方また発病された方々に心からのお見舞いと、そして、私たち政治や行政に携わる者として全力を挙げてこの恒久対策に取り組むということをお誓いもし、また、これが私たちの責務ではないか、このように思っております。」「二度とこうした薬害事件が起きないためにも真相の究明をしっかりしていかなきゃいけない、そういう思いでいっぱいでございます。」という質問をされました。  今、この薬害クロイツフェルト・ヤコブ病問題は第二のエイズ事件だと言われています。最近はマスコミでもたくさん取り上げられるようになり、集会もやり、世論が高まっております。  そこで、この問題の本質、行政責任、そして患者の救済をいち早くしっかりと大野先生質問をなされた。今そちらに席が移ったからといって、決してそれは変わることがないと私は信じておりますので、政務次官の御見解をお伺いします。
  199. 大野由利子

    大野(由)政務次官 今、薬害で発症された患者さんへの私の過去の国会質問を通して質問をいただきました。私もその気持ちは今も全く変わっておりません。  このヤコブ病に関しましては、大変重篤な疾病で、患者さん、また御家族の方の御苦労は大変なものがある、このように思っております。  しかし、このヤコブ病の場合、若干いろいろ状況が違う面もあるのかな。今十二名の方が訴訟を起こされているわけでございますが、症例報告が全くないか、また一症例のみの報告しかない、こういう状況の中でのことだったということで、そういう意味では、この当時においてこの状況を予見するということは大変な困難があったのかな、こういうふうな思いでおります。
  200. 中川智子

    中川(智)委員 大野次官、今の答弁は、エイズのときの厚生省や企業の答弁とまるで一緒ですね。それは責任逃れの答弁です。そのような気持ちはあるとおっしゃったけれども気持ちだけで政治家はやれますか。  実は、第一症例があってすぐ、アメリカ、イギリス、カナダは、危機管理として、ライオデュラを全部回収して、その後、一切クロイツフェルト・ヤコブ病は出ていません。でも、日本は、八七年に第一症例が出て、九七年まで十年間放置していたんですよ。それに対して御答弁ください、大野次官。
  201. 大野由利子

    大野(由)政務次官 アメリカのCDCが第一症例報告の段階でヒト乾燥硬膜の使用を停止すべき、こういうふうなことをしたということでございますが、アメリカのFDAの安全警告は、ヒト乾燥硬膜の、ドイツのブラウン社のまた一つのロット、特定のロットについて廃棄を勧告したにすぎないということで、日本にはもちろんその連絡もありませんでしたし、そのロットの関係というものは全くなかった、こういう状況であったと認識をしております。
  202. 中川智子

    中川(智)委員 日本は連絡をもらわなきゃそういうことをしないんですか。厚生省というのは何のためにあるんですか。厚生省は何のためにあるんでしょう。  では、先に危機管理に移らせていただきます。  今おっしゃいましたアメリカのCDCは、硬膜移植によるクロイツフェルト・ヤコブ病の初症例を世界じゅうに報告したわけです。いろいろな情報誌を通じて報告をしました。それを受けて、アメリカ、イギリス、カナダは、すぐにその硬膜の使用をとめて被害を防げたわけです。でも、いわゆる二症例、三症例の後も厚生省は何にもしていません。  ですから、大野さんも先ほどの質問の中で、第一症例があれば危機管理としてそれをやるのが厚生省の仕事でしょうというふうに質問されたわけですが、厚生省危機管理というのはどういうところにあるわけですか。連絡が来なかったからやらない——いろいろなところで、その情報誌は厚生省も購入して読んでいたわけですよ。でも、報告を受けなかったということで一切その責任を回避しています。どうですか。
  203. 大野由利子

    大野(由)政務次官 危機管理について、厚生省の過去の危機管理は決して十分ではなかった、このように思っております。こうした反省に立って、今厚生省危機管理につきましては随分改善をされた、このように思っているわけでございますが、今中川委員の御質問の中身のいろいろな事実関係につきましては、政府参考人から答弁をしてもらいたいと思っております。
  204. 丸田和夫

    丸田政府参考人 先生お尋ねの、昭和六十二年、ヒト乾燥硬膜の移植歴のあるクロイツフェルト・ヤコブ病患者についての世界での最初の症例報告をアメリカのCDCが行ったわけでございます。これを受けまして、FDAが、第一症例のロットあるいはロット番号不明なものについて、米国内の医療機関に対しまして廃棄を勧告しております。  この安全警告につきましては、ヒト乾燥硬膜ライオデュラの特定のロットについて廃棄を勧告しておりまして……
  205. 中川智子

    中川(智)委員 私は、その質問はまた後ほどするわけですから、政務次官に対して言っているわけですから、政府参考人は私が質問すると言ったら答えてください。
  206. 丸田和夫

    丸田政府参考人 御指示がありましたので、答えているわけでございます。  こういうことで、ヒト乾燥硬膜とクロイツフェルト・ヤコブ病発症との関連を指摘したものではないと承知しております。
  207. 中川智子

    中川(智)委員 危機管理は全然答えていないでしょう。  これは、私は、厚生委員会、予算委員会で五回質問しています。もうその答弁は一切聞きたくありません。質問主意書も三回も出しています。でも、厚生省は言いわけばかりして、そしてこの答弁の中でも、係争中だからと言って、一切明確にそれに対しては答えていないわけです。この国は、司法、行政、立法、三権分立のはずですから。今のような係争中だからとか、危機管理に対するお答えが一切なされていない。危機管理に対して答えていただきたいんです。  では、大臣厚生省危機管理というのはどんなふうになっていますか。今のように第一症例があって、イギリスやカナダ、アメリカは全部それを引き揚げて、その後一切被害が出ていない。でも、日本は、そのような報告を受けなかった、そういう情報誌は読んでいたかもわからないけれども、本省の担当課にその連絡がなかったということで十年間放置して、もう既にわかっているだけで六十三人の方が感染して、六十人の方が亡くなっているんですよ。厚生省危機管理というのはどうなっているのか、大臣の口から御答弁をお願いします。
  208. 丹羽雄哉

    丹羽国務大臣 先ほど来、政務次官から御答弁を申し上げております。この問題につきましては、今まさに裁判中でございまして、その責任云々の問題はさておきまして、今先生から御指摘のあったように、こういう問題が発生したときに迅速に対応していないじゃないかということに対する反省というものは、私ども、どういうことがあって、アメリカから知らされていなかったからなのか、あるいは当時の医学的あるいは薬学的知見からは十分に把握できなかったのか、その辺を含めまして、これがもし因果関係が明らかになれば、今後このような不幸なことが起きないように十分な危機管理というものを徹底しなければならないと思います。  ただ、薬の問題であるとか、治療に関する問題については、その当時の医学的知識の中において十分に把握できなかったということも、現に医学の進歩とともに後でわかってくることでございます、そういう点があることは先生も御理解はいただけるのではないかと思っております。  しかし、今大切なことは、要するに輸入承認のあり方、それから製造承認の段階で安全性というものを十分に審査した上で、こういうものを採用といいますか、使用するということを認めなければならない。それから、海外で危険性が報告された場合には、先ほど申し上げましたような、迅速に対応を図っていく、こういうことをきちんとすることが私どもに課せられた課題ではないか、このように考えているような次第でございます。
  209. 中川智子

    中川(智)委員 それでは、政府参考人の方に伺います。  いわゆる危機管理と連動するわけですけれども、国立の予防衛生研究所について、これは手短に、今まで答弁したことは一切結構ですから、頭の中に入っておりますから、この予研について伺いたいんです。  前厚生大臣は、委員会の答弁の中で、予研では八七年当時知っていたが、本省に届いていなかったと言っています。そしてまた、連携がうまくいっていなかった、そのように答弁されています。九七年の厚生委員会で、当時の政府委員も、研究所自体に行政組織として健康危機管理という事象に取り組む意識が必ずしも十分でなかったというふうに、開き直ったような答弁をされています。予研をまるでよその省か民間の団体のような答弁をされているんですけれども、予研というのは厚生省の機関で、その最高責任者は厚生大臣ですよね。これは、私は厚生大臣ということはちゃんと確認しているんですが、厚生大臣です。これは当たり前です。  連携がうまくいっていなかったため被害を拡大させたのなら、厚生大臣に、厚生省にしっかりと責任があると思いますが、予研というのは一体何のためにあるのか、それを手短に答えていただきたい。  もう一つ厚生省の機関として、特定疾患のスローウイルスの研究班に税金をたくさん投じて研究させています。それは七六年から研究費をどんどんつぎ込んで、十一年度は六千万。そのようなお金をつぎ込んで研究班で非常に熱心に研究されているわけですね。研究班は、発足以来、毎年研究報告をつくっています。当然、研究報告の作成前後には厚生省の担当者と研究班のメンバーで会議を行っているはずです。この厚生省の方の担当課はどこなのか明確に答えてください。  それともう一つ、この資料は後ほどで結構ですので、七六年から八七年までのその会議出席者と議事録を公開してください。私の方に下さい。これを要求いたします。  この三つについて、明確に手短に答えてください。
  210. 堺宣道

    ○堺政府参考人 予研、現在の国立感染症研究所でございますが、感染症その他の特殊疾病及び食品衛生に関して、病原及び病因の検索並びに予防、治療方法の研究及び講習を行うこと等々がございます。
  211. 丸田和夫

    丸田政府参考人 御指摘の遅発性ウイルス感染調査研究班は、クロイツフェルト・ヤコブ病を含む遅発性ウイルス感染症全般につきまして、一つは我が国における患者の実態の疫学調査、二番目はウイルス学、病理学、免疫学等からの病因及び病態の解明等を主な研究の目標といたしまして、先生指摘のように、一九七六年度から国内の研究者により組織されたものでございます。  この研究班研究報告書の中で、いろいろ研究しておりますが、これの所管は厚生省保健医療局エイズ疾病対策課でございます。  それで、研究班の議事録ということでございますが、これにつきましては、今、私が聞いた範囲では、議事録は作成せずに研究班の報告の発表というものを行っているというふうに聞いております。具体的なものについては確認しておりませんが、今そういうふうに私は承知しております。
  212. 中川智子

    中川(智)委員 議事録というのが全くなくて発表というのができるものでしょうか。もう一度答えてください。
  213. 丸田和夫

    丸田政府参考人 私ども行政立場としては、発表の際に聞くというふうに承知しております。議事録をつくっているというふうには承知しておりません。
  214. 中川智子

    中川(智)委員 では、テープはあるんですか。テープはございますか。
  215. 丸田和夫

    丸田政府参考人 テープはないということでございます。
  216. 中川智子

    中川(智)委員 そうしたら、その発表していることというのは、その会議の中で話されたことを全部きっちりと把握をして、それに対する責任も持って、そしてどこに発表しているわけですか。
  217. 丸田和夫

    丸田政府参考人 研究会の中での発表ということでございまして、その報告書厚生省の方へ提出されます。
  218. 中川智子

    中川(智)委員 その中の資料はきっちりといただきたいと思います。  委員長、いわゆる報告書なんですけれども、もっときちっとした、議事録という名のものではない、何か資料があると思います。それをできる限り公表をするということを理事会でぜひとも検討していただきたいと思います。委員長、お願いします。
  219. 江口一雄

    江口委員長 ただいまの件につきましては、後ほど理事会で決定させていただきます。
  220. 中川智子

    中川(智)委員 わかりました。  報告書はこちらの方で手に入るものは入れていますが、その中に明らかに、クロイツフェルト・ヤコブ病は患者組織に直接接触することによってのみ伝達が可能と。これは七八年の報告書です。また八五年にも、ヤコブ病の病原体は、あらゆる臓器製剤、血液、尿製剤にも混入するおそれがあると。研究班できっちりとヤコブ病に対して報告書の中にも記述されているにもかかわらず、八七年にそのような報告が出されてから九七年まで放置していた。この責任は重大です。  それに関しては、もう一度委員長に要請したいんですが、谷さんは、だんな様はたか子さんが小康状態のときにこの場に連れてきたいともおっしゃっています。そしてまた、このクロイツフェルト・ヤコブ病は第二のエイズと言われている、福島さんとか山本さんは質問してくださいましたが、本当にこの厚生委員会で取り上げられるべきことなんです。ぜひとも委員会でこの問題を一回集中審議していただくということを理事会で検討してください。お願いします。(発言する者あり)
  221. 江口一雄

    江口委員長 ただいまの中川委員の問題につきましては、後ほど理事会で協議をさせていただきます。
  222. 中川智子

    中川(智)委員 わかりました。  審議引き延ばしという恣意的な、意図的なものではありません。この重大性に対してどのように考えているんですか。六十人も亡くなって、まだまだこれから発症する人たちがいるんですよ。にもかかわらず、この立法の府の厚生委員会で、それに対してきっちりまともに審議しないということはどういうことですか。(発言する者あり)これは審議ではありません。ぜひとも参考人にも来てもらいたい。そして、この厚生委員会として、重大性にかんがみて、一回集中審議をしていただきたいというふうに思っているわけです。これは理事会でお願いします。  最後に伺います。  このライオデュラ乾燥硬膜は、医療用具として輸入を厚生省は承認しました。ドイツは医薬品として出回っていたわけですが、日本の場合は医療用具として承認したわけです。医薬品の場合は、副作用とかそういうものがあったときに、きっちりとした救済の法律がございます。HIVのときは、副作用被害ではなかったけれども、病原微生物が混入していた血液製剤も機構法に附則を設けて救済の対象としました。でも、医療用具の場合は救済が一切ない。でも、ヒト組織なんです、ヒトの組織を使ってつくったにもかかわらず、病原体が付着しているおそれが十分あったにもかかわらず、安易に医療用具としてこれを認可してしまった。  今、ヒト組織の開発がかなりお金を投入して行われています。今後もこのような問題がきっと出てくるでしょう。そのときに、一方では開発しながら、一方で救済のシステムがないというのは、これは全くこの法律の不備というか、救われないです。先ほど、大臣政務次官答弁の中で、今後はこのようなことのないようにと、今後は、今後はと言われました。でも、繰り返しているこの薬害で、このクロイツフェルト・ヤコブ病は何によっても救われない。病院代だけがただ。その本人、また家族、身内の苦痛、そして治療法も一切なく一年か二年で死んでしまう。これに対して一切救済の法律もない、附則も何もない。  大臣、この機構法の改正ということで医療用具にも救済の手が差し伸べられる道があるのです。先ほど大臣は、家西さんへの答弁の中で、ヒト組織のものは同一視できないと一歩踏み込んで答えてくださいました。この方たちを救うために救済の方法をぜひともつくっていただきたい、最後にこれを御質問して、終わります。
  223. 丹羽雄哉

    丹羽国務大臣 今現に係争中のもので救済的なものをつくるということは、今先生がおっしゃっているのは恐らく金銭的なものではないかと思いますけれども因果関係なりその責任を認めるということにおいて、現時点において極めて困難ではないかと思っています。  しかし、先ほどから先生の切々たる訴えを聞いて、現にこのような病において一度限りの人生を終えていく方々に対する行政としての責任をどこに感じるかということは、私個人として十分に感じ取っております。  この医薬品の副作用の問題については、おのおののメーカーが拠出していることは、先生も十分に御承知のことと思います。そういうことを含めて、今後、この裁判の経緯を見、また、この救済の問題についてはその結果を踏まえて考えなければならないと思いますが、今一番大切なことは、そういうことよりも、このようなことを二度と起こしてはならない。こういう観点から、先ほどから私が申し上げているような、輸入における承認の問題であるとか、あるいは製造の問題であるとか、こういう問題について厳格なる規制というものを考えていかなければならない、こう考えているような次第でございます。  いずれにいたしましても、医療用具ということで、ペースメーカーであるとかメスであるとか、こういうものと同一視できるものではない、あくまでもヒトに由来するものでありますので、その点は十分に考えて今後の宿題にさせていただければ幸いと思っています。
  224. 中川智子

    中川(智)委員 宿題というのは、この薬害クロイツフェルト・ヤコブ病を含めての宿題ですね。
  225. 丹羽雄哉

    丹羽国務大臣 ヒトの由来から発生するような医療用具に対して、私どもがどういうような監視なり指導ができるかを含めて十分に検討しなければならない、こういうことでございます。
  226. 中川智子

    中川(智)委員 ぜひともお願いします。  裁判を終わるときにはもう死んでいます、みんな。だれもいません。ぜひともそれを刻んで、よろしくお願いします。
  227. 江口一雄

    江口委員長 次回は、明十七日水曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後七時十三分散会