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山本(孝)
委員 例えば、今、愛知県の例を出されましたよね。それで、説明できない自治体があって、音を上げておられると。お
年寄りの
皆さんに
保険料を払ってくれとよう言わぬのよという自治体がある。じゃ、半
年間凍結して、その後半分ずつ上げて、三年過ぎたらさらに上がるという
保険料の仕組みになっているものが、
大臣の言葉で言えば、
助走期間を設けたらその
人たちは説明できるようになるんですか。そんなのはかえって説明できなくなりますよ、私から言わせると。
今いみじくもおっしゃいましたけれ
ども、体制のできていたところと体制のできていなかったところがある。
介護保険の審議というのはもう十年来ずっとやってきて、ここしばらくでやっている話じゃなくて、長年、この
介護保険制度というのは厚生省にとっては非常に重要な
制度だったわけですよね。医療
保険が逼迫化する中で何とかこの
介護保険制度はつくらなきゃいかぬ、こういう思いでやってこられた。その中で、
法案審議をしたのは短い。しかし、
法案ができてからほぼ二年たとうとしている。この間に厚生省はどういう
高齢者介護システムを
地域につくってあげたら一番うまくいくんだろうと考えてこられたのかというところが、私は厚生省はある意味では怠慢だったと思います。
丹羽厚生大臣も厚生行政についてはずっとかねてから見識を持ってお取り組みをされておられて、どう動かしていったらいいのか。私、率直に自分の反省も込めて申し上げますけれ
ども、余りにもこの
介護保険の
議論は
国会の中あるいは審議会の中だけだった。現場の声というのは外に追いやられていて、こういう
制度さえつくってやればいいだろうという話になってきたんじゃないかと思うのです。
家族介護の話が亀井静香さんのあの発言
一つでこんなふうにこんがらがってくるという話は、
家族介護はどうやってこの
介護保険の中に位置づけをするのかという
議論が、実はなかった、薄かったんだと私は思います。施設なのか在宅なのか、どういう方向に行くのか。実は、本当にその
地域の
介護保険としてどういう体制をつくってあげたらいいのかというビジョンなりモデルがなくてやってきた。私は率直にそういう思いがしますね。
それで、今、この混乱している
議論の中でどうやっていったらいいのかというのは、ここはみんなで
知恵を出し合うところだと思いますけれ
ども、ようやくことしになって、鳥取県の西伯町の百人
委員会の話が厚生白書の中に出てくる。
大臣がおっしゃいました秋田県の鷹巣の岩川町長だって、ここ二、三年でやっておられる話じゃないですよね。もうずっと
地域の町づくり、福祉を中心とした福祉の町づくりをどうやってやってきたらいいかということで取り組みをしてこられた中に今度の
介護保険ができてきて、この
介護保険を
一つのてこにしながらさらに
地域の町づくり、福祉の町づくりをしよう、こういうふうに進んできているんですよ。迷っているのは国であって、厚生省であって、ビジョンを示さなかったあなた
たちであって、実は
地域の方はもっと進んでいたんですよ。そういう話を、もっとうまいこと
国会にモデルを出しながらやれば、もっとうまくいってきたはずなんですよ。
一点お伺いしたいんですけれ
ども、これは旧民主党の
皆さんが御主張されて、
法案の中で住民参加という、
介護保険の
事業計画をつくることにも、あるいは
介護保険を運用することに当たっても、もっと市民が参加する、住民が参加する形を盛り込みをしようということで修正になりましたよね。この住民参加というのが法の
理念の
一つの柱になっています。衆参の附帯決議でも「
介護保険事業計画の策定等に係る被
保険者の意見の反映について適切な方策を講じるよう、地方公共団体を指導すること。」こういうふうになっているんですね。
厚生省に聞いたんですよ、では、どれだけ
介護保険事業計画をつくるときにこの
理念が生かされて住民が参加したんですか、今どのぐらい参加していますかと。
恥ずかしながらで申し上げれば、私
たちの地元で、残念ながら
介護保険事業計画に住民を公募しておられたという自治体が非常に少ない、私が見ている限りでも。その
事業計画を
一般市民に公開しておられるという自治体も非常に少ないんですよ。だけれ
ども、
法律をつくったときは、住民参加ですよと言ってきたんですよ。附帯決議もついたんです。
では、厚生省はその後地方公共団体に対してどういう指導をしたんですか、こういうふうにお聞きしたら、データを持っておりません、
平成十年十月のデータしかないんです、こうおっしゃるんです。なぜそんなデータしか持っていないんですか。ここが一番肝心だったじゃないですか、
介護保険の中では。
だから、私の
質問は、厚生省は、地方公共団体に対して、住民参加ということに対してどのような指導をしてきたのか、その指導は十分だったというふうに
厚生大臣は
認識しておられるのか、その点をお聞きします。