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伊藤(茂)
委員 幾つか
質問をさせていただきます。もう夜分になりましたが、
国会に、夜、風が吹かないように期待をしながら。
同僚
議員から、
北朝鮮、朝鮮民主主義人民共和国との
国交正常化にかかわる御
質問がございました。私の方から
大臣に
二つ、冒頭に要望的
意見を申し上げまして、御
意見を伺いたいというふうに思います。
繰り返しませんが、九〇年代、間もなく終わろうとするわけでありますが、さまざまの曲折が
日朝間にございました。この間にまた
環境のさまざまな大きな変化も起こってまいりました。しかし、
大臣が前向きに御
答弁、
評価をいただきましたように、
村山さんを
団長とする、すべての
政党が参加をする代表団が行きまして、
政府間交渉への
環境整備ができたということだと思います。しかし、また、これからさまざま困難な
仕事でございます。しかし、粘り強く、また、
お互いに誠意を持って
努力をして前向きに局面を開いていくということが求められているということは、先ほどの
大臣の御
答弁の
気持ちのとおりでありまして、私もそう思います。ぜひそういう
努力を真剣に進められるようにという要望を前提にしながら、
二つございます。
一つは、この間に当
委員会でも
議論がございましたが、では、
日本は一体どういう外交戦略を持って臨むのか、そういうものがはっきりしているのかいないのかということも含めました
議論がしばしばございました。
同僚
議員の
皆さんもお読みになっておりますように、この間に例えば
ペリー報告がございます。やはり非常にリーズナブルにと申しましょうか、さまざまな条件をきちんと整理をして、我々はこう
考える、スペシャルアドバイザーという立場になるわけですが、その答案といいますか、
考え方を実は出しているわけであります。読んで非常に参考にもなりますし、ペリーさんも随分
努力をなさった方ですから、その御
努力の経過を含めまして、ああ、そうかなということを私
ども思うわけでございますし、私
どもだけではなくて、さまざまの国の人、アメリカの議会で
議論があることは議会ですから当然のことなんですが、
理解をしてみんながやはり真摯に
議論をするというふうなものが提起をされているというふうに思います。
読みましても、九四年以降のさまざまな情勢の変化、金日成さんが亡くなって責任者がかわったこともございますし、ミサイル問題もございますし、あるいは
食糧問題もありますし、また、韓国の新しい大統領が就任されたこともありますし、そういうようなことをきちんと正確に分析いたしております。また、三つの前提条件な
ども、整理をすればそのとおりだなということを思います。また、
二つの道戦略とか主要な政策提言とか、それぞれやはりあの方の立場での提議を述べているということになります。
外務大臣に同じことを論文に書けというのじゃありませんが、何か
日本でも、たくさんのこういうことについての有識者もいらっしゃいますし、いろいろなところで
意見交換、討論なさっていることもマスコミ紙上でもその他の本でも伺いますし、やはり、こういう一つの視野の広い展望と見通し、こう
考えるべきではな
いか。混雑するときには道しるべが非常に大事でございまして、そういうものが何かの形で求められるのではないだろうか。アジアでも非常に大きなポジションを持つ
日本ですから、そういう
努力を何かの形でやはり表現をするということが必要なんじゃな
いか。この局面に当たりましては、特段に、
ペリー報告など資料を再読いたしましてそんな思いがいたします。やはり、見通しを立てる、それから、こういうことですよ、冷静に
考えてこういうことがいいんじゃないでしょうかということを提起するような
努力が、何も
政府が全部やれという
意味じゃありませんが、必要なのではないだろうかという
気持ちがすることが一つでございます。
もう一つは、当然ですが、アジア的視野で
考えるという
意味での視点をもっと広く持ってやることだと思います。確かに、
拉致問題と言われる
行方不明者の問題とかあるいはミサイル問題とか、いろいろなことがございます。
国民的には非常に不信感が高まっているという局面もあるというのも事実であります。しかし、これからのアジア、また
日朝関係、二国間
関係もそうですが、二国間
関係だけではなくて、やはり、アジアの将来像をどうするのかということは、新世紀を前にしてまことに重要な課題だと思います。
ペリー報告を読みましても、そういう視点を前提に置いたさまざまの
議論が述べられております。
関係各国の
状況な
ども述べられております。また、金大中大統領、いわゆる包容政策と言われますけれ
ども、それについての
考え方も、確かな情勢分析と自信を持った次への展望ということが語られている。また、それによって
朝鮮半島を含めたアジアが冷戦構造から抜け出す国際プログラムというものを
考えて提起をしているということではないだろうか。
私は、前の高村さんが
大臣のときもいつも
大臣に要望したんですが、特段に、
河野大臣にも、やはりそういうことが求められているのにどうこたえるのかという時代ではないだろうか、また、そういう見識を持った立場から朝鮮問題を論ずるということにおいて、レベルの高い
日本の
国民ですから、広い
理解とコンセンサスが成り立っていくということではないだろうかというふうに思いますが、
大臣の見識ある御
発言はどうでしょうか。