○平野
委員 今
大臣言われたことに対しては少し反論があります。社会科で教えたらいいということを言っているのではありません。これからの科学
技術を考えていきますと、より専門性の高い領域での、やはり物理の、社会科で教えているからいいじゃないか、こういうことの
議論には私少し反論があります。
といいますのは、先ほどの同僚議員のお話にもありましたが、
原子力の学術研究をしようとする学生が非常に少なくなっている。大学の研究室の名前も、
原子力という名前がどんどん消えていっている。この現状を考えますと、
原子力をやったって、研究したって将来何の役にも立たないわということで、ますますこの分野が疲弊してくるんじゃないか、こう思っています。
一例を申し上げます。昔よく結核という病気がありました。ところが、結核菌の撲滅ということで、病理学的にそこを一生懸命やろうという人がほとんどいなくなった。ところが、近年、若年結核ということで非常にふえてきた。それを退治しようとする医者が、ほとんどそういうことに触れていないものですから敏速に
対応できない。こういう現象が起こっているんですよ。これはもう事実ですよ。
私は、この
原子力も、後で時間があれば
質問したいと思いますが、ロケットの
事故が起こりました。こういうことで抑制をしていきますと、宇宙開発に対する
技術屋さんもますます少なくなってくるんじゃないか。非常に大事な
指摘だと私は思っております。このことをぜひ、行政官庁の長官、
文部大臣の
立場にあるわけですから、そういう視点のことも含めて、これからのあるべき研究機関云々等をよく考えていただきたいな。
充実をしていくということは、より
安全性というところに対する
技術も特化されてくる、こういうふうに私は思っておりますので、御答弁要りませんから、強く
要望をしておきたい、このように思います。
そこで本論に入ります。
今回の
法律案の第一条の目的では、特に「
原子力災害の特殊性にかんがみ、」ということを明確にうたっておられます。
原子力災害の特殊性とは何なのか、こういうことであるわけでありますが、平成十一年の四月の二十八日に
原子力安全委員会の
原子力発電所等
周辺防災対策専門部会というところから「
原子力防災対策の実効性向上を目指して」という提言書が実は出てございます。
原子力の特殊性ということをそこに書かれているわけであります。
火災や海洋汚染のような他の
災害と比較した
原子力災害の特殊性は、
放射線を直接五感で感知することができないんですよ、こういう特殊性もひもといておられます。その結果、適切な行動を行うことが困難となるおそれがありますということも言われております。そのために一般の人には
原子力災害に対する不安が大きいという、
原子力委員会の専門部会からの提言書が実は出ております。これが一つは特殊性ということを端的にあらわしている提言書の中身だと私は思っておりまして、私
自身もそのとおりだと思っております。
まず、ここで改めて
大臣に確認をしておきたいのでありますが、今回の
東海村で
原子力の
臨界事故が起きたことでありますが、この今回の
法案の「特殊性にかんがみ、」こういう言葉に対峙して、この
法律が
事故の反省を踏まえる中で、
事故は起こり得るんだ、起こらないという神話は崩れたのでありますから、起こり得るという発想に立って
策定されたものであるか、確認をしておきたいと思います。イエス、ノーで結構でございます。