○前原
委員 ありがとうございました。
それでは、本題の
運輸問題について議論をさせていただきたいと
思います。
大臣はこの道の専門家でございますので、いろいろ教えていただきながら、私も、さっき
大臣がおっしゃったように、反対をするだけが野党ではない、建設的な意見を言いながら、できる限り実現をしていくための
努力をしていきたいというふうに思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。
まず初めに、需給調整の規制緩和の問題につきまして
質問をさせていただきたいというふうに
思います。
関連の法案というものが、
鉄道、貸し切りバス、国内旅客船、それから
航空、この四つの分野で、第百四十五国会において成立をいたしました。また、本年の四月九日に、乗り合いバス、タクシー、港湾運送事業というものについて運政審の答申が出されて、多分来年の国会にそういった関連の法案が提出をされるのではないかというふうに思っております。
乗り合いバス、タクシーに限定をして
一つ一つ伺っていきたいというふうに
思います。
当然、いろいろな専門家の
方々が集まられて、需給規制撤廃ということを
一つの方向性として答申をされたわけですから、それなりのいわゆるプラスの面、それなりの説得材料というのはあろうかと
思います。これから免許制から登録制にするということも、参入の自由、脱退の自由というものを含めて、それを実施していかれようとしているわけでございますが、
一つちょっと事例を申し上げて、私、マイナスのことを申し上げますので、こういう場合はではどうしていくのかということについて、
大臣の御見解をいただきたいと
思います。
私は京都の出身でございまして、
会社の名前をはっきり言った方が
皆さん方もわかると
思いますが、MKという
会社がございます。タクシーの
会社でありまして、京都だけじゃなくて、大阪とかあるいは今
東京にも進出をされている。やり手の社長さん、会長さんがおられるところでありまして、このMKが乗り合いバスの需給調整規制の撤廃、規制緩和というものを念頭にバス事業に参加をしようという計画を立てられております。これはもう
大臣のお耳に入っていると
思います。
どういうやり方をされるかというと、百円バスなのですね。どういうところを走らせるかといいますと、京都の人のいっぱいいるところを
中心的に走らせる。観光地から観光地、あるいは観光地から繁華街、あるいは京都駅とか、そういう乗降客、利用客の多いところを
中心に走らせる。しかもその前には、アピールとして一定期間無料でそういうバスを走らせる。こういう計画をお持ちだということであります。
もちろん、法律ができた暁には、その法律にのっとって、創意工夫をして、そしていろいろなチャレンジをしながら
企業が道を開いていくということを私は妨げるものではありません。
しかし、バスという公共交通を
考えた場合に、これは
飛行機の分野でも議論はあったと
思いますけれども、要はドル箱ばかり走る、そうしたら黒字になるかもしれない。しかし、公共交通というのは、例えば、市内から余り人の住んでいないようなところ、いわゆる過疎地とか僻地と言われるようなところも走らせて、要は、京都市営交通バスというのは大赤字なんですけれども、それでももうかっている路線というのはあるわけです。百円もうけるために幾ら使うかという、指数では一〇〇を切っている路線もあるわけですね。そういうところは、とんでもない営業指数を上げているところとある程度相殺をして、なおかつそれがトータルとして赤字になっているということであります。
市バス自身ももちろん改善していかなきゃいけないところはいっぱいあります。私は労働組合の
方々と話をするときに申し上げるのですね。利用者の立場に立ったサービスが本当にできているか。あるいは、一般の車が運転をする中で市バスというのは何という運転をするのだと言われるようなことのない運転が本当にできているのかどうか。あるいは、よく言われているように、市バスの運転手さんの給料は高過ぎるという批判があるけれども、それはどう
考えるのかとか、そういう公共交通なりに改善をしなくてはいけないところは確かにあると思うのですね。
しかしながら、公共交通という
使命を
考えたときに、こういう需給調整規制というものを外していく、撤廃をしていくということになって、いいとこ取りを
民間の
企業にされていった場合に、トータルとしてそういう公共交通というものは、大きな赤字を抱えるか、あるいは、公営
企業体として一応京都市交通局も独立採算制をとっているわけなんですけれども、赤字をどんどん生んでいっているわけですが、こういったものは立ち行かなくなるんじゃないかという率直な不安と
問題意識を私は持っております。
大臣におかれまして、こういう不安にどういうふうに
説明をして、またこれを進められていくということであれば、それに対するどういう対症療法というものがあるのか、その点についてお答えをいただきたいというふうに
思います。