○桑原
委員 御丁寧に
お答えをいただきましてありがとうございました。
次に、先月の十二日に公開をされましたアメリカ大統領国務
長官特別補佐官ペリー氏の報告についてお伺いをしたいと思います。
このペリー報告は、新しい
情勢のもとでアメリカが北朝鮮政策を見直していく、どういう方向で臨むのかということを明らかにした、
日本の東アジアにおける今後の安全保障政策にとっても大変重要な影響を及ぼす、そういうものだというふうに私は受けとめております。
一九九四年、北朝鮮の核開発に関連をしてまさに一触即発の状態が起きた。その危機を回避するために、KEDOの枠組みにつながる合意された枠組みというものがつくられた。そして、金日成主席が亡くなられて金正日体制にその後かわった。また、弾道ミサイルの、いわゆるテポドンとかノドンとかというような問題が新たに生じてきた。また、クムチャンニの再びにわたる核疑惑の問題が出てきた。そして、そういう中にあって、韓国は包容政策を
基本にして対応していく、アメリカもそれを支持する、
日本も当然のことながらそれを支持するという形で来たわけでございますけれ
ども、そういった新しい
情勢のもとでどう見直しをしていくのか。その見直しも、単に米朝
関係の改善ということだけではなしに、アメリカは、東アジア全体の平和と安定、そういったものを
一つの目標にしながらこの政策をつくっていく、見直していく、そういう
考え方で、この報告の作成
過程では
日本政府の
考え方もある意味では十分聞いて、連絡をとりながらつくってこられた、こういうふうに思うわけです。
この報告を私も一読させていただきましたけれ
ども、かなりの部分が非公開になっております。ですから、読むことはできませんけれ
ども、公開された部分を見る限りでは、対話というものを極めて重視している、北朝鮮との対話。これを発展させて東アジアの冷戦を終結させたい、そういう思いがにじんでおるわけですけれ
ども、しかし一方では、北朝鮮の対応次第では抑止というものもちゃんと備えておくんだよ、このことも強調されております。ただし、その抑止は、本当に戦争を遂行するというようなことではなしに、そういう抑止を持つことによって対話の道に北朝鮮を引き戻すんだ、こういう
目的が述べられているというふうに私は思うわけでございます。
一九九四年のあのときにもし大変なことになっておれば、もう取り返しのつかない大きな犠牲を払うような大変なことになったという深刻な反省が私はあるというふうに思うんですけれ
ども、そういったことも踏まえながら、韓国のとる包容政策を支持しながら進めていこうという、米議会の中では一部融和主義だというふうに批判をする向きもありますけれ
ども、東アジアの人たちの思いをしっかり受けとめた、ある意味ではアメリカの大変柔軟な、かつ現実的なそういう
考え方だな、こういうふうに私は見ておるわけです。
こうした姿勢というものは、
日本の安全保障にも大きな影響を与えていく、あるいは
日本もそのことに対していろいろな思いを持つということになると私は思うんですけれ
ども、その点について、瓦
長官、率直な評価、それをひとつお聞きしたいと思います。