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川橋幸子君 私も細かいことを知らないわけでございますけれ
ども、この戦略
会議の提唱を見た途端に、今は景気を上げるため、あるいは
雇用不安を、
不安感を除去するために何でもありといいますか、思いつくことは何でもやるというふうに
総理も言っておられるわけでございますけれ
ども、思い切った案を出したということなのかもわかりませんが、私は
雇用の問題というのは、何か夢のありそうなことを思い切ってアドバルーンを上げるのが必ずしも
労働者の不安解消にはならない。むしろ地道な点で確かな手ごたえのあることを考えていただく、これが不安解消にもなるし、個人のエンパワーメント。私も言葉が片仮名が多くて恐縮なんですけれ
ども、片仮名でないと通じない。
日本の中にはない概念がよその国に生まれて、これはいいよというようなことで国際化とともに国連なんかを通じて入ってくる場合には、どうも片仮名の方が便利なもので相変わらず使わせていただきますが、もっと身近なところでやっていただきたいということを考えます。
これはお
答え結構ですけれ
ども、私の自治体にいたこともあったという
自分自身の経験、それから
女性の問題にずっとかかわってきたという問題から考えますと、やはり地域の中でニーズに沿った
能力開発、
訓練がされて、そこに求人が来ると。やはりトレーニング、
訓練と求人というのがしっかり結びつき、しかも地域の中に根づいていくということが大事かなと思います。
文部省の中で生涯学習局というのがありまして、各地、
都道府県内では社会教育というのがあります。それから、自治省ベースではコミュニティー
センターですとかさまざまなコミュニティー
施設があるわけでございますけれ
ども、今回
労働省は
厚生省とは一緒になってそのあたりの
連携はよくなるのかなと思いますが、逆に
能力開発の面あるいは地域に入っていく面では一工夫していただきたいと思いますので、これは私の要望とさせていただきます。
さてもう一つは、
能力開発について
労働省が
支援する、
政府が
支援するという、こういう一つの
役割と同時に、私は先ほど規制緩和に絡めまして、
アメリカモデルといいあるいはヨーロッパモデルといい、一番のミニマムのところ、国としてなすべきミニマムのところのインフラ整備として、いわゆる差別の禁止という社会のルールを非常にはっきりと確立していることが必要であって、
日本も今こそこれが必要な時期に来ているんではないかというふうに考えております。
連合などではワークルールというような言い方をしておりますが、私は人権概念に基づいて人に優しい、強いだけではなくて優しい人間、支え合うことによって人間というのは優しくなれるわけですが、そういう社会の概念を育てていく必要があるというふうに思うわけでございます。
三点まとめて申し上げたいと思います。
まず、差別の禁止といいますと、性差別の禁止あるいは年齢差別の禁止、それから障害の有無による差別、障害の有無がその
仕事の遂行にとって本当に障害になるという合理的な理由がある差別だけではなくて、障害者に対する偏見による差別を除去しようという、そういう差別の禁止のやり方が一つ。
もう一つは、先ほど正規従業員、非正規社員というふうに、非正規従業員という呼び名を申し上げましたけれ
ども、諸外国でも典型的に言えば
フルタイム労働者と
パートタイム労働者の間の賃金の均衡を図ると。それぞれ違う職種なのでそれぞれの
労働需給に任せて賃金相場が決まっていけばいいということではなくて、同じような
仕事をして同じような拘束を受ける場合に、やはり社会的な正義、社会の公正としてそれが均衡のとれたものにならなければいけないという均衡条項を求める法律ができてきております。差別禁止とちょっと違うんだと思うんですが、公平性の確保、エクイティーの確保という点の均衡の確保についてどう思うかということが二点目です。
三点目ですが、
日本の場合は企業内労使
関係ということもありまして、企業の中の労使が決めれば、それは当事者同士が決めたことなんですから結構でございますよ、お決めになったとおりに労使自身の原則に沿って
雇用管理がなされていけばよいということになっておったわけですが、私はどうも考えるところ、企業自治の中に人権というものを確保する、差別を禁止するという、そういう理念をちゃんと労使自身の中に定着させること。それから、
フルタイムと
パートタイム間、例えばその典型的な例ですから
パートのことを言うわけでございますが、正規社員、非正規社員間の均衡の確保というのはむしろ
労働協約の中で図るべきことなのではないかと思います。労使自治の中にそうしたワークルールというものを尊重すべきことをはっきりと書くような法整備が必要ではないかと思いますが、いかがでございましょうか。技術的なこともございますので。