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国務大臣(
小渕恵三君) 我が党の
先生からのお尋ねでございますので率直に承りましたが、そうした評価を今後とも国民各層に得られるように、まずは全精力を傾けて
努力いたしていきたいと思っております。
もともと私、鈍牛と称せられまして鈍足でございますけれ
ども、遅い足ながら精一杯一年間懸命に走ってまいりました。みずからに勢子をかけるつもりでやらせていただきましたし、特に私、
総理大臣としてよりも、ここに今並んでいただいておる閣僚の皆さんも真剣に、現下の厳しい
経済情勢の中で
経済再生内閣という銘を打たせていただきましたことの実行のために、それぞれ精一杯
努力をしていただいたことでありますし、またある
意味では
国会の大変な御協力をいただいている点もあろうかと思います。
御案内のように、
内閣ができましたときに、
日本の
金融システムが危機的な
状況であり、国際的信認が得られないという中で、これはまさに各党各会派の御協力をいただきまして
金融二法を成立することができたということは、やっぱりこれは
国会の御良識と考えて、それを前提にして政策をスタートさせることができたということはまことに幸いだったというふうに思っております。
その後、
景気対策等につきましても、これもいろいろ赤字国債の大発行でいかがかという御
批判もありました。、しかし、今の時点では財革法もあえてこれを
提出させていただいて、この際は何はともあれ、集中的に
経済を
再生するために国として行い得るのは財政政策であります。このために思い切った
経済対策もさせていただいたというようなこともあったかと思います。
政治的には何よりも自由党との連立ということがございまして、現在のこの危機的な
状況を乗り越えるためには、自由
民主党だけでなく自由党とともにこの難局を乗り越えようということで、いわゆる連立
内閣が成立し、その中で国政を運営させていただいたということもあろうかと思いますし、また特に今
国会におきましては、公明党の御協力も得ながら実効ある政策をとらせていただいてきておるわけでございまして、こういう事態の中で政治を行い得ることは大変ありがたいことだと思っております。
特に、これも
国会の御協力でありますが、
予算がいわゆる戦後最速ということで、三月の後半早い時期に通過することができました。私はこれは非常に大事なことで、従来、ある
内閣におきましてはもう夏になりましても
予算が通過しないというような時期がありましたが、その後のことを考えますと、やはり
予算というものは三月の早い時期にできて、そして四月一日から施行できるということがはっきりすれば、例えば公共事業にいたしましてもそれに対するいろんな設計その他が進んでくるわけであります。恐らくこれは、
国会においても
予算を早く上げて、そして今のこの
景気を回復するために少なくとも国としてなすべきことは早くやれという御指示のたまものではなかったかなという気がいたしておりまして、そういったようなところで
予算的な措置が早くとれたということは大変ありがたいと思っております。
それから、何よりもやはり
日本の安全保障にかかわる問題といたしまして、ガイドライン関連法案も成立させていただくと同時に、また明治以来の行政システムを改革するために中央省庁改革法案並びに地方分権法という法律を通させていただきました。これも、法律ができたからすべてであるとは私は思っておりませんで、またそういうお尋ねもございましたし御意見もありました。そのとおりだろうと思いますので、せっかくできた明治以来のこうした法律を大改革することによりましてその実を上げていかなければならないかと思っております。
さらに、今最終的な段階に入っておりますけれ
ども、
政府委員の廃止とか副大臣制の導入等につきましても、これも大きな変革ではないかというふうに考えておりまして、一日も早くこれが成立し実行できるように考えていかなきゃならないかと思っております。
私自身といたしましては、いつも申し上げておりますが、基本的には一日一生涯と、こういうことで、毎日毎日がすべてであるという
考え方のもとに国政を担当させていただいております。同時に、このことは国民の底力というものが基本的には存在するんだということでございますので、「確固たる意志を持った建設的な楽観主義」、こういうことを施政方針で申し述べさせていただきましたが、お互い
日本国民の持つ大きなパワー、これを結集してこの難局を乗り切ることができればありがたいと思っております。
と同時に、今回いろんな法律を出させていただいておりますが、その趣旨は、政策の立案決定に当たりまして官僚主義を排して、政治主導によって国民の英知を集めて、国民に語りそして対話することを心がけていかなきゃならぬと思っております。
改めて一年を振り返りまして、内外の
課題はまだ大きいと思っておりますし、国民の信頼を得るためにより謙虚により一層
努力いたしてまいらなければならないというふうに考えております。足らざる点は多々あると思いますけれ
ども、御叱正をいただきながらこの大きな責任を果たしていきたいと思いますので、よろしく御鞭撻のほどをお願いいたす次第でございます。