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井上美代君 日本共産党を代表して
質問をいたします。
私は、新日本婦人の会で、十八年間にわたりまして我が子が通う
学校ウオッチング運動をやってまいりました。この運動は、
学校の施設を中心に、改善を必要とする箇所を総点検し、国や自治体に改善を求めて実現させていく運動でございます。私は、今も新日本婦人の会の
会長をしております。そうした中で、これまで自治体などに随分要望もしてやってまいりました。
教育委員会にも行きましたし、またいろんな議会も回って歩きました。そうした中で実現したものは、
教育関係だけで三千六百十三項目に上ります。
こうした運動をやってきた者として、きょうは、小
学校、中
学校、そしてまた
高等学校の危険・老朽校舎が深刻な
現状にあることを述べまして、
総理そして関係大臣にその改善に御努力をくださいますよう求め、
質問をしたいと
思います。
資料が皆様方のお
手元に行っておりますでしょうか。その資料をぜひ見ていただきたいと
思います。
学校ウオッチング運動で、二十四の都道府県、二百八十七校の
実態を調査してまいりました。調査結果はかなり膨大でありますけれ
ども、その中から特に資料にありますように七つの問題に分けましてその実情をまとめ、百二十七の問題点を挙げております。これで
学校の
実態がどうなっているかということが
委員の皆様にも大体おわかりいただけるんじゃないだろうかというふうに
思います。
実態の「その一」ですけれ
ども、私は時間が限られておりますのでその黒丸のところを引用したいと
思いまして黒丸をしておりますが、子供の「命にかかわる危険な
実態を放置」というのがあります。ここでは、「地震があったら倒れると思われる所あり、「危険立ち入るな」の立て札が」、「校舎の外壁がはがれ落ち、体育館の通路の屋根に落ち、そこからぶち抜けて下に落ちた。」などがあります。
「その二」は、「「くさい、汚い、暗い」トイレ」です。トイレに窓が
一つもなくて悪臭が強い。くみ取りトイレが五個あるが、嫌で我慢して膀胱炎まで起こしてしまった子供がいる。幾つもの県でトイレは男女一緒。そして、使用禁止のトイレがあった、二、三カ所にならないと修繕に来てくれない。トイレのかぎが閉まらず、使用中に二回もあけられた、などなどあります。
「その三」の「学ぶにほど遠い教室」のところでは、「窓のサンの間から大雨がもれて教室が水びたしに」、そしてまた「教室の床が波うっていて机がガタガタする」などです。
また、「その四」の「あまりにお粗末な特別教室や体育館」では、「体育館は子
どもたちにとって最悪のコンクリート床、夏暑く、冬寒い」など。
「その五」の「図書室、保健室カギがかかっている所も」では、養護の
先生は一日百人もの
生徒が来てとても大変だというようなことがあります。
「その六」では、「最低のプライバシーもなし」、これでは体育授業のための着がえを教室で男女が一緒に行っている、また校庭で女子が着がえをしているなどなどあります。
「その七」の「
教職員や父母が備品調達・修理に奔走」のところでは、一年生の教室が暗く担任らがペンキ塗りをした、それでもまだ暗いというふうに言っておりますし、トラックを私費でレンタルして職員がほかの
学校で余っている備品をもらいに走ったということなどなど、本当にこれを見ていますと今の子供の
学校がどんなに荒れているかということがとてもわかります。
私は、ぜひ見ていただきたいと思って資料の一番最後に写真を入れました。この写真もぜひ見ていただきたいと
思います。
左側、これは壊れたガラス窓のかわりにベニヤ板が張ってあるんです。ベニヤ板が張ってあればもう採光もない、ますます暗い体育館になっているということがわかります。また、真ん中にトイレがぽつんとあります。これは小
学校の一、二年生用だけのくみ取り式のトイレなんです。使うのが怖いというので子供はここを使わないで、遠く離れた高学年のところに行っているんですけれ
ども、そういう中身です。また、右側のはひび割れしております。そして、浮いている土台が柱で支えてあるんですけれ
ども、そういう中身です。この驚くような
実態、これをぜひ見ていただきたいというふうに思っております。
先ほどの調査の一番最後の三枚目の一番下になりますけれ
ども、私
ども運動をする中で改善をさせていくんですけれ
ども、その改善がどんなに子供を喜ばせ、元気づけているかということがここに出ております。
「改修できれいになり、
生徒が明るく」というところには、九七年の改修で校門やトイレ、図書室がきれいになった。中でも、トイレは
生徒にとって何よりの喜びとなっている。また、
環境が変わって校舎や校庭が広くなり、
子供たちが明るく伸び伸びしてきていると。改修、改善が本当に
子供たちの心まで明るくしている、元気づけているということがはっきりしております。そういう意味でも、このぼろぼろ校舎になっている荒れた
学校を改善していくということが緊急に求められているというふうに思っております。
私はパネルも持ってきているんですけれ
ども、その前に私は大臣にお聞きしたいというふうに思うんです。
まだ
現場に行っておられないというふうに思うんですけれ
ども、私がこの資料等で示しましたのを見てどのように
総理はお考えになるのか、また
文部大臣はどのようにお考えになるのか、それをぜひ聞かせていただきたいというふうに
思います。よろしくお願いいたします。