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日下部禧代子君 確かに、非常にいろんな国が世界じゅうにございます。そして、
日本は
日本語を使っている国でございます。しかしながら、責任者といたしまして、少なくとも国際語である
英語で書いてあるわけでございますから、これをきちっと精査していくということは、もう何も議論するまでもない前提にしておいていただかないことには大変なことになるというふうに思います。
それでは、非常に信頼なさっているというその部下の皆様がおつくりになりました
日本語訳でございます。今お二人、
総理とそれからまた
外務大臣がおっしゃったように、この和訳ということがいかに今度は重要かと。もう全幅の信頼をお与えになっているわけでございますから、この
日本語訳の重要性というものを今お二方に証明していただいたということにもなるわけであります。その重要な
政府訳をそれでは少し精査をさせていただきたいと思います。
新
ガイドラインというのは、
日本のあるいは
日米の安全保障問題における
取り決めでございますね。だけれども、事実上これは
日米の連合作戦協定といったような性格を持つというふうに、
英文の方ですよ、これを一生懸命読むと、やはりどうしてもそういうふうにとらざるを得ないのであります。すぐれて軍事的な
意味合いを含んだ
合意文書だというふうに私は解釈いたしております。
だから、非常にわかりやすいんです。物すごくわかりやすいです。
文学作品のようにこねてはおりません。非常にわかりやすい言葉遣い、構文を使っております。
英語に御堪能な宮澤
大蔵大臣はそれはおわかりだというふうに私は信じているわけでございます。したがって、軍事用語としての正確さということも非常に求められるものだというふうに思うわけであります。
一々たくさんの言葉を、疑問に思った言葉を、単語を私はここで精査するわけにはいきません、ここは
英語の教室でも何でもないわけでございますから。したがいまして、私がおかしいなと思ったものの中から幾つかを選んでお考えを伺ってまいりたいというふうに思います。
まず、最初の単語がオペレーションでございます。新
ガイドラインでは至るところにオペレーションという言葉が使われております。この用語というのは、この
文書の中では軍事専門用語として使われていることが非常によくわかるんですね。したがって、新
ガイドラインというのが非常に軍事的性格の強い
文書であるということも、これを読めば読むほどわかってまいります。
新
ガイドラインのⅣのところでございます。「
日本に対する武力攻撃がなされた場合」のところで用いられているオペレーションは、
米軍が行うオペレーション、
自衛隊が行うオペレーション、いずれも「作戦」というふうに
翻訳されております、こちらでは。
それに対していわゆるⅤの方です。Ⅳの方は
日本有事の場合が書かれております。それから、Ⅴの方は
周辺有事の項であります。そこになりますと、「オペレーション・オブ・ア・バイラテラル・コーディネーション・メカニズム」あるいはまた「US―ジャパン・オペレーショナル・コーポレーション」のオペレーションがいずれも「運用」と訳されております。それから、「コンバットオペレーションズ」のオペレーションは「行動」と訳されております。それからまた「コンダクティングオペレーションズ」「サーチ・アンド・レスキュー・オペレーションズ」「オペレーショナルエリア」、このオペレーションはアクティビティーと同じで「活動」というふうに
翻訳されているんです。
日本有事の場合が「作戦」、そして
周辺有事のときのオペレーションはこのように「活動」、「運用」それから「行動」と。なぜこういうふうに
周辺有事とそれから
日本有事の場合のオペレーションを使い分けなきゃならないのか。