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国務大臣(
宮澤喜一君) この表を拝見してまず概括申し上げられることは、一九九八年十月一日が左の端でございますから、それと十一月までの間は
金利が一%より下にいるわけでございます。そして一番上の、今度は問題の一番高い方でございますね、それは二より上にいるということがこの表で示されておりまして、昨年の十月から今までの間を見ますと、私は、一%以下の
金利というのはこれはいかにも異常であると思いますし、まあ大観して一%から二%の間ぐらいが恐らく平均しますとやや普通の、普通と申しますか、今の我が国としてここのところの
金利である、二より上は少しいろんなことがあって高くなっているなということが大体見られると思います。
それで、今感じますことは、一・五%より
金利が下というのもどうも最近は見えないことでございますし、また二より大変高いというのも最近は見えないことであって、一・五と二の間に今入っている。ただ、これは今入っているということであって、それでも国際的な
金利水準からいえば決して高いとは申せません。ただ、このことは
片方で
民間の
資金需要がないということを
意味しておるかもしれないと思います。昨日ですか、
日本銀行総裁が、今落ち着いているが、しかし神経質な
動きであるということを言っておられまして、それは私はそのとおりであると思っております。
さて、そこで
お尋ねそのものになりますが、本来、
金利がやや異常に低かったところへ
国債の
大量発行があるということがございまして、ここにも書いてございますが、昨年の十二月二十二日と書いてございますね、そのときに、十二月の仮に十八日の
金利は一・二九五でございますが、三十日に二・〇一〇と、ここで大変飛び上がっていて、これが私がやや
異常反応ではないかと申しましたところでございます。
これは、おっしゃいましたように、大変たくさんの
国債が出るということが
予算の決定とともにわかり、同時に、
資金運用部が毎月二千億円ずつ
市中から買っておりましたものを一月から買わないことにするということを申しましたので、それに
市場が
反応したわけでございます。それはそのとおりでございます。その
市場の
反応がやや私は過剰であったなということを申しましたんですが、その
きっかけになりましたのは、
資金運用部が買わないことにしたということがおっしゃいますように
きっかけであります。
そういうことを申しました
理由はいろいろございますんですが、
資金運用部が
平成十一年の
資金の
運営を展望いたしておりまして、
片方で
国債の
需要が大きい、他方で、
予算編成に関連いたしまして非常に財投にたくさん金を出しましたのと、地方に対しまして
短期の金を
交付税特別会計に貸したということから出が多くなりましたことと、もう一つ、
平成十二年には
平成二年ごろの郵貯の
定額貯金が満期になって返ってまいります。その
金額は
平成十二、十三で元は百兆でございますが、どれだけ戻ってくるか、どれだけとどまるかわかりませんが、いずれにしても
資金運用部としては原資が少なくなるということを覚悟しておかなければなりません。
両方の事情から、
資金運用部はこの際毎月の
市中からの買いを一遍やめたいということを考えまして、それを発表したわけでございます。
私が過剰と申しましたのは、その
金額は毎月千億ずつ二回でございますから二千億円でございます。一、二、三と勘定しましても六千億円でございますから、
国債の
市中の
消化額六十一兆でございますので、
金額的には非常にわずかな
部分であるということを私は思いましたし、あるいは
市中はしかしそれはマージナルには大変じゃないかという受け取り方をしたかもしれません。そういうことがございまして、十二月三十日に二・一〇になりまして、一月八日には一・六七〇というふうに急にまたがたっと下がりまして、そのまま一月中はまず平穏に過ぎまして、二月五日にまた二・三六〇と上がりをして、そして今は、きのうは一・八八五でございましたでしょうか。
その間に私の方から、やはり
国債を大量に
発行する立場から申せば、
発行の仕方についていろいろ工夫がなければならない、バラエティーをつけるとか、あるいはもうちょっと
資金運用部の見通しなんかも精査しました結果、別に毎月買えないわけでもないということを私
どもの中で再検討しまして、とりあえず二月、三月はまた買いますということを申しました。それと
日本銀行が、十二日と思いますが、
短期誘導をさらに低目にされるということを言われましたので、
両方のことがありまして目下のところ二を割って一・八八五とか、これみんな
指標銘柄の二百三回債について申し上げておりますけれ
ども、というところに今おります。
これはしかし、せんだっても
日銀総裁が言われましたように、ややまだ神経質な
動きというふうに表現されたと思いますが、と申し上げるべきだろうと思います。ただ、これはレートを申し上げておりながらすぐ
国債の
価格を申し上げることと同じことでございますので、この相場について余りあれこれ申すことはよくないと思いますけれ
ども、トレンドとしての
お尋ねでございましたので、大体そういうふうに見ております。