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国務大臣(
野田毅君) 昨年の参議院選挙の際に自由党として
国民に訴えてきたことは、現下の
経済の低迷というのは
政策の失敗ということによるところが極めて大きい、したがって
政策転換をしていかなければならぬ、しかし残念ながら当時の政権はかたくなに
政策転換を拒んできた、したがってこれをこのまま許すわけにいかないというところが最大の眼目であります。そして同時に、私たちはかねてから、消費税の引き上げというタイミングは早過ぎたし、あるいはむしろ直接税については、十八兆という数字も出しましたけれども、大幅減税をやるべきであるということを訴えてきたわけであります。
そういう
意味で、この
日本の
経済を立て直すということが第一。それから、あらゆる分野において今壁にぶつかっている状況を乗り越えていくためには、言うならタブーなきといいますか、あらゆる分野における構造改革を断行していかなければならないということもあわせて訴えてきたわけであります。その結果が御案内のとおりの参議院選挙の結果でありました。
私たちは、当時の民意は少なくとも
橋本政権に対してはノーという結果を突きつけたんだ、そう判断をしました。そして同時に、それは
橋本内閣だけではなくて自民党がやってきた
政策についてのノーという判断でもあるということでありました。
そこで、その後、
橋本総理がおやめになり小渕内閣が誕生されました。その中で、私たちはできるならばその流れの中で、むしろここでもう一遍首班指名ということが
国民の意思を反映した形の中で行われてしかるべきではないか、そうであるならばできるだけ早期に
国民の意思が直接反映されるような
衆議院の解散ということがあってしかるべきである、それに基づく政権があっていい、そこへ行くまでには暫定的に、当時菅さんで結構であるという
意味で首班指名を菅さんにしたことは事実であります。しかし、その後……(発言する者あり)いろいろやじっておられますけれども、そのことをあえて、今はそういうことをすべきではないということで、むしろそういう道をお避けになったわけであります。
そのうちに、小渕内閣が率直に言ってそれまで否定しておられました
経済政策について大幅減税を打ち出し、言うなら
経済再生内閣という形で、私から言わせれば従来の
経済政策について根本的な見直しをおやりになる。さらに、これからその先の展望を
考えますと、安全
保障の問題について、私たち自由党が
民主党の皆さんと本当にどこまで国づくりのために相協力していけるのかということについていささか不安な思いを持ったことも事実であります。そういう
意味で、当時の野党の中で一緒に
日本の国のために
政策を一致させて政権を築けるかどうかについて自由党の中で疑義が生じたことも事実であります。
そこはお互い、政党同士のことでありますから
政策が異なることは当然のことであると思いますが、そういう
意味で基本的な
政策について多少違ってきたのではないか。あるいは
金融問題についての取り扱いについても、私たちはむしろ、現下の
金融システム不安をどうやって鎮静化させるか、そしてまた、中小企業が貸し渋りでばたばたとつぶれている状況の中で何を優先すべきか。そういう中で、むしろ私たちは、中小企業に対する信用保証の拡充措置をこそ今は優先すべきであるということを当時の野党三党協議でお話ししたことも事実であります。
いずれにしても、
政策の力点が多少異なってきた、そのことが残念ながらそういう形でできないということであるならば、いたずらに政党間の言うなら権力闘争といいますか政争を繰り返して批判をしているだけでは必ずしもいい
政治にはならぬのではないか。それよりもむしろ、小渕内閣として、十一月に両党首で
合意を交わされました。時局認識においても同じ、そしてこの
日本の言うなら仕組みから立て直そうという基本的な方向性についても
合意がなされ、そういった中で、基本
政策の方向性と、それからスピード感を持ってこの時局を乗り越えていくということは極めて大切なことである、そのことを重視して、具体的な、あれは九項目ぐらいでありましたでしょうか、党首間で当面の
政策についても一致をされ、その上で
合意が成立したことでありまして、その中身はかねてから自由党が主張してきた
政策を大幅に取り入れる形で
合意がなされたことであります。
そういう点で自由党は、小沢党首も、自由党が掲げている
政策を一緒に実行しようということであればどの政党とでも一緒にやりましょうということはかねてから言ってきたことであります。政党は、
政策を掲げ、その基本
政策を実現することをこそ命とすべきであるということであるならば、まさに小渕総理がそのことについて真摯な話し合いをされて、両党首の間で基本
政策の一致を見て、それを連立内閣のもとで実行していこう、実現していこうという強い決意を表明された中でありますから、そういう
意味では、自然な流れの中で、小渕総理、そして自民党の皆さんが、今までのいろんな経緯はあろうとも、大局的見地の中であえて勇断を持って臨まれたことに私は敬意を表しておる一員であります。