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1999-08-06 第145回国会 参議院 本会議 第42号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十一年八月六日(金曜日)    午後二時一分開議     ━━━━━━━━━━━━━議事日程 第四十二号   平成十一年八月六日    午後二時開議  第一 農業者年金基金法の一部を改正する法律   の一部を改正する法律案内閣提出衆議院   送付)     ━━━━━━━━━━━━━ ○本日の会議に付した案件  一、日程第一  一、産業活力再生特別措置法案内閣提出、衆   議院送付)  一、租税特別措置法の一部を改正する法律案(   内閣提出衆議院送付)  一、自衛隊法等の一部を改正する法律案内閣   提出衆議院送付)  一、不正アクセス行為禁止等に関する法律案   (内閣提出衆議院送付)  一、政治倫理確立のための仮名による株取引   等の禁止に関する法律案衆議院提出)  一、国際問題に関する調査中間報告  一、国民生活経済に関する調査中間報告      ─────・─────
  2. 斎藤十朗

    議長斎藤十朗君) これより会議を開きます。  日程第一 農業者年金基金法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)を議題といたします。  まず、委員長報告を求めます。国民福祉委員長尾辻秀久君。     ─────────────    〔審査報告書及び議案本号末尾掲載〕     ─────────────    〔尾辻秀久登壇拍手
  3. 尾辻秀久

    尾辻秀久君 ただいま議題となりました法律案につきまして、国民福祉委員会における審査経過と結果を御報告申し上げます。  農業者年金保険料の額につきましては、毎年、月額八百円ずつの引き上げと物価スライド実施されております。  これによりまして、現在、平成十一年の保険料の額は月額二万四百四十円でありますが、平成十二年には八百十円上がって月額二万千二百五十円となることとなっております。  本法律案は、現下社会経済情勢にかんがみ、平成十二年及び平成十三年の保険料の額を平成十一年と同額の月額二万四百四十円としようとするものであります。  委員会におきましては、農業者年金制度あり方農業に従事する女性に対して必要とされる施策抜本的改革必要性等の諸問題について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。  質疑を終わり、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、本法律案に対し、附帯決議全会一致をもって付されております。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     ─────────────
  4. 斎藤十朗

    議長斎藤十朗君) これより採決をいたします。  本案賛否について、投票ボタンをお押し願います。    〔投票開始
  5. 斎藤十朗

    議長斎藤十朗君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。    〔投票終了
  6. 斎藤十朗

    議長斎藤十朗君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数         二百三十六     賛成           二百三十四     反対               二    よって、本案は可決されました。(拍手)     ─────────────    〔投票者氏名本号末尾掲載〕      ─────・─────
  7. 斎藤十朗

    議長斎藤十朗君) この際、日程に追加して、  産業活力再生特別措置法案内閣提出衆議院送付)を議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 斎藤十朗

    議長斎藤十朗君) 御異議ないと認めます。  まず、委員長報告を求めます。経済産業委員長須藤良太郎君。     ─────────────    〔審査報告書及び議案本号末尾掲載〕     ─────────────    〔須藤良太郎登壇拍手
  9. 須藤良太郎

    須藤良太郎君 ただいま議題となりました法案につきまして、経済産業委員会における審査経過と結果を御報告申し上げます。  本法案は、我が国産業活力再生を速やかに実現するため、企業事業構築円滑化、新事業開拓支援及び研究活動活性化等を図ろうとするものであります。  委員会におきましては、参考人からの意見を聴取するとともに、産業再生下で生ずる雇用不安の解消策事業構築計画認定基準明確化経営モラルハザード防止等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。  質疑を終わり、討論に入りましたところ、民主党新緑風会簗瀬理事日本共産党西山委員及び社会民主党護憲連合梶原理事より、それぞれ反対する旨の意見が述べられました。  次いで、採決の結果、本法案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、本法案に対して十項目附帯決議を行いました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     ─────────────
  10. 斎藤十朗

    議長斎藤十朗君) 本案に対し、討論の通告がございます。発言を許します。前川忠夫君。    〔前川忠夫登壇拍手
  11. 前川忠夫

    前川忠夫君 私は、民主党新緑風会を代表して、ただいま議題となりました産業活力再生特別措置法案について、反対の立場から討論を行います。  反対の第一の理由は、法案中心部分が、官庁権益を増大させ、官民癒着を温存させ、規制緩和自由競争流れに逆行するものとなっていることであります。  法案のかなめは、政府がお墨つきを与えた事業者のみに支援措置を講じることですが、このような枠組みは、官庁権益を増大させ、官民癒着を温存させ、規制緩和自由競争流れに逆行するものであります。  今一番必要な政策は、普遍的な競争ルール確立税制改正実施ではないでしょうか。欠損金繰越制度については、米国では二十年、英国やドイツでは無制限で原則すべての企業に適用されるものとなっています。政府案では、機械装置・建物の廃棄だけに絞って、しかも認定事業者だけに税制特例を適用することとしていますが、本末転倒と言わざるを得ません。  担当大臣による事業構築計画認定、あるいは都道府県知事による経営資源活用事業計画認定など、お役所のお墨つきがなければ優遇措置は一切受けられないような枠組みを設けたことは、総理施政方針演説で公約した旧来システムとの決別、事前コントロール社会から事後チェック型の社会への改革を踏みにじるものであります。  反対の第二の理由は、経営責任も明確にせずに労働者のリストラを一方的に促進しかねない内容が盛り込まれている点であります。  分社化過剰設備の整理を中心にした事業構築は、さらなる雇用の削減につながる可能性が高く、過剰債務株式化経営者モラルハザード企業モラルハザードを加速するおそれがあります。  法案は、失業の予防、雇用の安定などに触れつつも、具体的な内容は明記されず、セーフティーネットどころかクモの巣のような危ないネットとなっています。事業構築計画実施に当たって、雇用労働条件影響を与える場合に労働組合等協議を行わせることなどの担保もありません。  経済再生を図る場合に最も大切な経営者の厳しい自己批判自助努力をないがしろにし、過剰雇用過剰設備過剰債務の三つの過剰をあたかも構造問題のように語りながら、論点をすりかえるものと断ぜざるを得ません。  なお、この際、企業組織の変更における労働者保護についての一般的な法律を制定すべきことを提唱いたします。  反対の第三の理由は、新規事業ベンチャー企業育成策が不十分なものとなっていることであります。  経済構造の大きな変化が予測されてから既に十年を超える歳月がたちました。産業構造変化は必然的に失業者をふやすことになります。政治最大の課題は新しい雇用をいかにつくり出すかにあったはずです。  第一に、新規雇用をふやし、第二に、効果的な労働転換政策を立て、そして第三に、緊急避難的な失業対策を打ちながら失業率を抑え込んでいく、これが望ましい政策の手順です。  しかし、残念ながら、政府は、新規事業創造新規雇用創出計画後手後手に回し、雇用情勢が危機的な状況に陥った今になって、慌てて継ぎはぎだらけの雇用対策産業再生策を決定するという失態を演じています。  民主党は、新しい雇用の受け皿として、ホームヘルパーの目標値を新ゴールドプランの十七万人から三十万人への拡充を行うことや、保育所待機児童四万人を解消するための保育士の増員など、福祉環境、住宅、情報通信関連等の分野における雇用創出を提唱しています。  そして民主党は、どの政党よりも新規事業ベンチャー企業育成に力を入れています。  この具体策として、起業家を育て、新しい雇用をつくるために、およそ四十項目施策を盛り込んだデモクラット起業家倍増プラン九九を発表いたしました。その中から今日的課題である最重要項目を選び、第一段階として法案を取りまとめ、衆議院起業家支援法案提出いたしました。  しかし、衆議院において、政策整合性よりも政権維持数合わせを優先する他党の理不尽な態度によって残念ながら否決をされました。  今回の法案において、中小企業への設備投資資金の融資の拡充、国の委託研究開発に係る特許権の扱いの特例など、創業及び中小企業者による新規事業開拓支援研究活動活性化策が盛り込まれていることは一歩前進と考えます。  しかし、民主党起業家支援法が打ち出している女性起業家育成エンゼル税制ストックオプション税制の強化、国立大学教官民間役員兼務などの大胆な施策が見送られていることは納得できません。  私たちの提言には、小渕総理が鳴り物入りで始めた経済戦略会議が打ち出した項目も含まれておりますが、政府がこれをつぶし、野党の民主党がこれを推進するのは、まさに摩訶不思議と言わざるを得ません。  さて、産業活力再生特別措置法案のような問題だらけの、しかも急場しのぎ法案で、現下経済危機克服も、未来につながる経済改革の達成も、不可能であることは自明の理であります。小渕内閣の退陣こそ最大景気対策であることを強調いたしまして、私の反対討論を終わります。(拍手
  12. 斎藤十朗

    議長斎藤十朗君) これにて討論は終局いたしました。     ─────────────
  13. 斎藤十朗

    議長斎藤十朗君) これより採決をいたします。  本案賛否について、投票ボタンをお押し願います。    〔投票開始
  14. 斎藤十朗

    議長斎藤十朗君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。    〔投票終了
  15. 斎藤十朗

    議長斎藤十朗君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数         二百三十三     賛成            百四十二     反対             九十一    よって、本案は可決されました。(拍手)     ─────────────    〔投票者氏名本号末尾掲載〕      ─────・─────
  16. 斎藤十朗

    議長斎藤十朗君) この際、日程に追加して、  租税特別措置法の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)を議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  17. 斎藤十朗

    議長斎藤十朗君) 御異議ないと認めます。  まず、委員長報告を求めます。財政・金融委員長勝木健司君。     ─────────────    〔審査報告書及び議案本号末尾掲載〕     ─────────────    〔勝木健司登壇拍手
  18. 勝木健司

    勝木健司君 ただいま議題となりました法律案につきまして、委員会における審査経過及び結果を御報告申し上げます。  本法律案は、企業による事業の再構築円滑化に資するため、産業活力再生特別措置法に基づく事業構築計画認定を受けた事業者について、事業革新設備特別償却設備廃棄等による欠損金繰越期間等特例登録免許税の税率を軽減する特例等措置を講じようとするものであります。  委員会におきましては、税制上の優遇措置経済効果、本改正雇用へ与える影響、今後の中小企業に対する支援措置あり方等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録に譲ります。  質疑を終了し、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して池田幹幸理事社会民主党護憲連合を代表して三重野栄子委員より、それぞれ本法律案反対する旨の意見が述べられました。  討論を終了し、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     ─────────────
  19. 斎藤十朗

    議長斎藤十朗君) これより採決をいたします。  本案賛否について、投票ボタンをお押し願います。    〔投票開始
  20. 斎藤十朗

    議長斎藤十朗君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。    〔投票終了
  21. 斎藤十朗

    議長斎藤十朗君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数         二百三十四     賛成            百四十三     反対             九十一    よって、本案は可決されました。(拍手)     ─────────────    〔投票者氏名本号末尾掲載〕      ─────・─────
  22. 斎藤十朗

    議長斎藤十朗君) この際、日程に追加して、  自衛隊法等の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)を議題とすることに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  23. 斎藤十朗

    議長斎藤十朗君) 御異議ないと認めます。  まず、委員長報告を求めます。外交防衛委員長河本英典君。     ─────────────    〔審査報告書及び議案本号末尾掲載〕     ─────────────    〔河本英典登壇拍手
  24. 河本英典

    河本英典君 ただいま議題となりました自衛隊法等の一部を改正する法律案につきまして、外交防衛委員会における審査経過と結果を御報告申し上げます。  この法律案は、一般職国家公務員の例に準じて、自衛隊員に新たな再任用制度を導入し、懲戒制度を整備するとともに、自衛隊員の再就職手続を整備しようとするものであります。  委員会におきましては、本改正防衛庁背任事件との関係制服自衛官に対する再就職規定の運用、若年定年制見直し等について質疑が行われましたが、詳細は会議録によって御承知願います。  質疑を終え、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、本法律案に対し附帯決議が付されております。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     ─────────────
  25. 斎藤十朗

    議長斎藤十朗君) これより採決をいたします。  本案賛否について、投票ボタンをお押し願います。    〔投票開始
  26. 斎藤十朗

    議長斎藤十朗君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。    〔投票終了
  27. 斎藤十朗

    議長斎藤十朗君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数         二百三十四   賛成            二百十一   反対             二十三  よって、本案は可決されました。(拍手)     ─────────────    〔投票者氏名本号末尾掲載〕      ─────・─────
  28. 斎藤十朗

    議長斎藤十朗君) この際、日程に追加して、  不正アクセス行為禁止等に関する法律案内閣提出衆議院送付)を議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  29. 斎藤十朗

    議長斎藤十朗君) 御異議ないと認めます。  まず、委員長報告を求めます。地方行政警察委員長小山峰男君。     ─────────────    〔審査報告書及び議案本号末尾掲載〕     ─────────────    〔小山峰男登壇拍手
  30. 小山峰男

    小山峰男君 ただいま議題となりました法律案につきまして、地方行政警察委員会における審査経過と結果を御報告申し上げます。  本法律案は、電気通信回線を通じて行われる電子計算機に係る犯罪の防止及びアクセス制御機能により実現される電気通信に関する秩序の維持を図るため、不正アクセス行為禁止するとともに、これについての罰則及びその再発防止のための都道府県公安委員会による援助措置等を定めようとするものであります。  委員会における質疑内容は後刻会議録によって御承知願います。  質疑を終局し、採決の結果、本法律案全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、本法律案に対して附帯決議が付されております。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     ─────────────
  31. 斎藤十朗

    議長斎藤十朗君) これより採決をいたします。  本案賛否について、投票ボタンをお押し願います。    〔投票開始
  32. 斎藤十朗

    議長斎藤十朗君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。    〔投票終了
  33. 斎藤十朗

    議長斎藤十朗君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数         二百三十五   賛成           二百三十五   反対               〇  よって、本案全会一致をもって可決されました。(拍手)     ─────────────    〔投票者氏名本号末尾掲載〕      ─────・─────
  34. 斎藤十朗

    議長斎藤十朗君) この際、日程に追加して、  政治倫理確立のための仮名による株取引等禁止に関する法律案衆議院提出)を議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  35. 斎藤十朗

    議長斎藤十朗君) 御異議ないと認めます。  まず、委員長報告を求めます。議院運営委員長岡野裕君。     ─────────────    〔審査報告書及び議案本号末尾掲載〕     ─────────────    〔岡野裕登壇拍手
  36. 岡野裕

    岡野裕君 ただいま議題となりました法律案につきまして、議院運営委員会における審査経過と結果を報告申し上げます。  本法律案は、政治倫理確立を期するため、国会議員が本人の名義以外の名義を使用して株取引等を行うことを禁止し、これに違反して株取引等を行った者は二十万円以下の罰金に処することとするものであります。  委員会におきましては、提出者である桜井新衆議院政治倫理確立及び公職選挙法改正に関する特別委員長から趣旨説明を聴取した後、採決の結果、本法律案全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  以上、報告申し上げます。(拍手)     ─────────────
  37. 斎藤十朗

    議長斎藤十朗君) これより採決をいたします。  本案賛否について、投票ボタンをお押し願います。    〔投票開始
  38. 斎藤十朗

    議長斎藤十朗君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。    〔投票終了
  39. 斎藤十朗

    議長斎藤十朗君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数         二百三十五     賛成           二百三十五     反対               〇    よって、本案全会一致をもって可決されました。(拍手)     ─────────────    〔投票者氏名本号末尾掲載〕      ─────・─────
  40. 斎藤十朗

    議長斎藤十朗君) この際、国際問題に関する調査会長から、国際問題に関する調査中間報告を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  41. 斎藤十朗

    議長斎藤十朗君) 御異議ないと認めます。国際問題に関する調査会長村上正邦君。     ─────────────    〔調査報告書本号(その二)に掲載〕     ─────────────    〔村上正邦登壇拍手
  42. 村上正邦

    村上正邦君 国際問題に関する調査会における調査中間報告につきまして、御報告を申し上げます。  本調査会は、今期三年間のテーマを「二十一世紀における世界日本我が国の果たすべき役割—」と決定し、これまで各界を代表する参考人八名から意見聴取質疑を行ってまいりました。  これとは別に、従来の枠にとらわれない画期的な活動として、昨年十月、金大中韓国大統領特別随員として来日いたしました与野党国会議員団と、北朝鮮に対する太陽政策南北統一への見通し、北朝鮮による日本人拉致問題の解決策等について意見交換を行いました。また、本年七月には、調査会の一年の活動の締めくくりといたしまして、フォーリー駐日アメリカ大使と、北朝鮮ミサイル発射抑止朝鮮半島和平に関する四者協議日本を加えることの所見、緊張する中台関係への対応、東チモール問題に対する国連のかかわりなど、アメリカ東アジア政策について意見交換を行い、相互の認識を深めるなど、大きな成果をおさめさせていただきました。  調査の概要は次のとおりであります。  第一は、安全保障についてであります。  まず、元駐タイ大使岡崎参考人から、力のバランスにより仮想敵国を抑止する同盟仮想敵国を持たない集団安全保障との関係が論じられ、集団安全保障現状では同盟を補完するものにすぎず、我が国安全保障には日米同盟が不可欠であるとの意見が述べられました。また、日米安保体制アジア安全保障につきまして、朝日新聞編集委員船橋参考人から、集団安全保障体制環境が整っていないアジアは、我が国日米安保体制を中軸に考える以外にないが、同時にアジア諸国に対し、日米安保体制地域安全保障に役立つ公共財であるとの認識を共有してもらう努力が重要であるとの意見が述べられました。  これらの意見に対して、委員からは、軍事バランスに依存しない平和的問題解決状況をつくり出すべきである、冷戦構造の崩壊を受け、国連の目指す集団安全保障体制構築に努めるべきである、我が国中立政策をとることが憲法の精神に合致する等の意見が述べられ、我が国アジア地域安全保障あり方について活発な論議が行われました。  北朝鮮の核、ミサイル開発疑惑につきましては、ジョージ・ワシントン大学教授キム参考人から、米国拡散阻止政策に対する北朝鮮の抵抗は今後も強く、米朝対立の構図は基本的に変わらないとの意見等が述べられました。委員との間では、我が国米韓との政策協議必要性日朝国交正常化中朝関係等について論議が行われました。  中国につきましては、その動向が二十一世紀アジアの安定に最も重要な要素であるとの認識は大方一致しており、中台関係の展望、日米中三国関係中国民主化支援等に関し論議が交わされました。  第二は、国連の今日的役割についてであります。  二十一世紀を目前に、国連あり方が内外で論じられておりますが、調査会では、国際平和の維持国連改革、新たな国連あり方我が国貢献等について論議を行いました。  前国連事務次長明石参考人から、国連は、近年、宗教、人種、民族の紛争に関与し、従来のPKO原則では対処し切れない現状に直面している旨、また、我が国は従来型のPKOへの全面的な参加をちゅうちょすべきでないとの見解が示されましたが、委員からはPKOの実態や協力のあり方について発言があり、また、国連改革については、我が国安保理常任理事国入りについての現状打開策拒否権等あり方経済社会理事会あり方等について意見交換が行われました。  第三は、コソボ問題についてであります。  東京大学教授柴参考人から、コソボ問題はバルカン地域の複雑な歴史を背景にした非常に解決の難しいユーゴ国内の民族紛争問題であり、基本的には軍事力での解決は困難であるとの見解が示され、委員との間では、国連憲章から見たNATO空爆正当性や多数の難民等に対する我が国支援対策等について論議が行われました。  第四は、日本外交あり方についてであります。  前総理大臣補佐官岡本参考人から、国際機関、NPOのような主権国家以外の外交主体の登場や東西冷戦後の世界不安定化等により、日本外交を取り巻く情勢は急激に変化しているとの認識が示され、こうした状況に対応するためには、外務省の体制強化、議員外交や民間外交の拡大等が必要であるとの意見が述べられました。  これに対し、委員からは、外交の一元化のもとで各界による重層的な外交の協力策、民間外交支援策、国益の明確な定義の必要性等について活発な意見が述べられました。  本調査会は、こうした論議を踏まえ、朝鮮半島情勢、李登輝総統発言で緊張した中台関係など北東アジア安全保障国連に関する調査のため、アメリカ、韓国、中国、台湾に議員団を派遣することを検討しましたが、今回はアメリカ、韓国に議員団を派遣することといたしました。  さらに、今後、世界各国に駐在する我が国大使の一時帰国の際、その国の事情や我が国との関係について意見交換の機会を積極的に持つなど、さまざまな角度から、より密度の高い調査を行い、具体的成果を上げるよう努めてまいる所存でございます。  以上、御報告申し上げます。  最後に、あの悲惨な原爆が投下された広島、長崎。広島においてはけさから多くの方々が哀悼の意を表されております。改めて私は、国際問題調査会長といたしまして、心から犠牲者に哀悼の意を表して、終わらせていただきます。  ありがとうございました。(拍手)      ─────・─────
  43. 斎藤十朗

    議長斎藤十朗君) この際、国民生活経済に関する調査会長から、国民生活経済に関する調査中間報告を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  44. 斎藤十朗

    議長斎藤十朗君) 御異議ないと認めます。国民生活経済に関する調査会長久保亘君。     ─────────────    〔調査報告書本号(その二)に掲載〕     ─────────────    〔久保亘君登壇拍手
  45. 久保亘

    ○久保亘君 国民生活経済に関する調査会中間報告について、御報告いたします。  我が国経済社会においては、急速な少子高齢化、国際化、情報化、価値観の多様化などのさまざまな変化が生じております。  このような状況のもとで、二十一世紀活力あるものとするためには、百年後に我が国の人口を半減させるほど深刻な少子化そのものにメスを入れ、早急に対策を立てる必要があります。同時に、経済社会変化に適切に対応し、次世代の健全育成を図り、国民一人一人が能力を継続的に高め、これを発揮できる社会システムを構築することが重要であります。  かかる認識に立ち、本調査会は、調査項目を「少子化への対応と生涯能力発揮社会の形成」としたところであります。これまで、政府からの説明聴取、参考人からの意見聴取委員派遣による実情調査、さらに委員間の意見の交換等を行い、調査項目全般について鋭意調査を進めてまいりました。  これらの調査を踏まえ、このたび各会派の意見の一致を見て中間報告がまとまり、これを議長提出いたしました。  以下、その概要を申し上げます。  まず、少子化の現状と対応についてであります。  少子化は、長期にわたり極めて深刻な影響我が国社会に及ぼすものと危惧されております。このため、早急に対策を講ずることが求められております。  少子化対策を講ずるに当たっては、まず国民間において広範なコンセンサスが形成される必要があります。少子化は個人の価値観や意識とも深くかかわって生じており、対策が有効なものとなるためには国民の理解が不可欠であるからであります。この点で国民の代表から成る国会の役割は極めて大きなものがあります。  また、少子化の原因である非婚化や晩産化は必ずしも個人が望んだ結果ではなく、心理的、社会的なさまざまな要因の結果であると考えられております。こうした要因を取り除き、結婚や子育てに喜びを感じることができる社会を形成することは、政治に課せられた大きな課題であります。  その際、総合的かつ長期的な取り組みを図るため、少子化に関する基本法制の検討を含め、施策実施体制を整備する必要があります。  次いで、次世代の健全育成について申し上げます。  現在深刻化している子供や青少年の病理的現象に対し、対症療法的な対策をとるだけでは問題の解決にならないことは申すまでもありません。  今日の子供をめぐる問題は、自己の利害や物質的な価値を優先しがちな今日の社会あり方や、少子化、核家族化を背景とした社会変化と密接に関連して生じてきております。  こうした観点から、子供の成長に対して、家庭と学校が互いの責任を強調するのではなく、家庭、学校、地域が手を携えて取り組むための方策について幅広い観点から議論し、社会全体として対策を講じていくことが必要とされているのであります。  最後に、生涯能力発揮社会の形成について申し上げます。  我が国が少子高齢化、国際化といった内外の大きな変化に対応するとともに、来るべき世紀を明るく豊かなものとするためには、国民一人一人がみずからの価値観や能力に従い多様なライフスタイルを実現でき、また、年齢や性別に制約されることなく、職場、地域、家庭等においてみずからの能力を最大限発揮できる社会を形成することが必要であります。  このため、生涯にわたり学習や能力開発ができる環境の整備、女性、高齢者や障害者がその能力を発揮できる職場環境の整備、ベンチャービジネス、NPO等新たな活躍の場の形成が課題とされております。  以上の諸課題について、二年目以降さらに精査し、二十一世紀国民生活をより豊かで活力あるものとするための方策を探っていくことといたしております。  以上、御報告申し上げます。(拍手
  46. 斎藤十朗

    議長斎藤十朗君) 本日はこれにて散会いたします。    午後二時四十三分散会      ─────・─────