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平野貞夫君 刑事
局長の真摯な姿勢、お答えには敬意を表しますが、ぜひひとつ徹底した
捜査を行っていただきたいと思います。
さて、この問題は
一つの
事件ではございますが、非常に
制度あるいは
法改正、そういったもの、現在
法務委員会なりあるいは
法務省が抱えております重大な問題に直結した基本的な問題を含んでおる問題でございます。
そこで、実は二月二十二日でございますのでやや
状況は変わっておりますが、
被害者のお父さんが私にこの
事件の
当事者になっての気持ちといいますか心境というものを実は手紙で送ってきております。少し長くなりますが、非常に我々
立法あるいは行政当局にとっても参考になることでございますので、私が要約して御紹介したいと思います。
第一に、
被害に遭った際、相談窓口が整備されていなくて、どこにどう相談していいかわからないという問題があったということでございます。
事件の
被害者となったとき、特に
少年犯罪の場合、相談窓口がほとんどありません。普通の弁護士さんはほとんど相手にしてくれなかったそうでございます。たまたま御縁がありまして非常に熱心な弁護士先生に会うことができて、こういう問題の提起ができているようでございます。
被害者がどうすればよいか、こういったときの相談窓口を警察や弁護士会、こういったものに整備していただきたいということが第一点でございます。
それから第二点でございますが、
捜査状況や
家庭裁判所の
審判状況が全く知らされていないということでございます。
死因や
犯罪の
内容、
捜査の進捗
状況等の情報は遺族に教えられないままで、
被害者の気持ちなど全く無視したことが行われました。さらに、家裁では遺族、弁護士の傍聴は一切許されず、死因、
被害状況、
審判の進捗も知らされません。
審判が裁判官、
調査官、加害者の弁護士、加害者の
保護者、加害者だけで、
被害者側は一切参加させてもらえないような密室状態での裁判で本当によいのでしょうか。
被害者側が提出した資料は加害者側にすべて見せているようですが、
被害者側に何も見せない、教えないという裁判は不公平だと思いますと、こういう気持ちを書かれております。
第三に、
少年事件における
検察官の権限に問題があるということを
指摘しております。
少年法の場合、
検察官の権限は低く、警察官が
捜査した書類を家裁へ
送付するときの通過点のような話だと聞いております。しかしながら、今回の
事件の茨城県警発表では、検察が
捜査状況を確認して認めたから家裁へ書類を送ったんだ、だから
捜査は間違いないと言っているそうです。
こういったことについて、私はきょうはコメントいたしませんが、検察にどの程度の権限が与えられているのかわかりませんが、私たち両親が警察での事情聴取に対して余りにも一方的な結論を押しつけようとしたので署名をしませんでした。再度警察か検察より事情聴取があると思っていましたが、現実にはありませんでした。警察が手抜きをする
事件として暴力団
関係事件と
少年事件と言われておりますが、警察が手抜きをしたかどうかをよくチェックするのが検察と思い、今回の
事件でも私ども遺族の唯一の味方は検察だと思っておりましたが、見事に裏切られた格好です。
少年法の
改正案では、
検察官が裁判に立ち会えるというようになりそうですが、警察、検察、
裁判所がよく連携して
捜査や
審判をすることが基本中の基本ではないでしょうか。加害者の罪を重くするというのではありません。
犯罪の真相を解明することは、加害者の責任の自覚と反省、更生にとって最も大切なことではないでしょうか。
第四に、
被害者の人権が全く無視されたままです。
今回の
事件で息子哲がけんかを挑発したなどとマスコミで報道され、息子は実像とは全く違った不良
少年にさせられ、
事件の背景や加害者との
関係が切り捨てられてしまいました。加害者側の嘆願署名運動や息子哲に対するひどいうわさ話が出され、地域でのバッシングは耐えがたい
状況であり、
被害者の人権は全く無視されてしまっています。加害者
保護という名目のもと、
被害者の人権がこれほどまでに無視されてしまう
状況は許されないと思います。
息子を亡くしただけではなく、地域での誹謗、中傷など、遺族は二次
被害、三次
被害を受ける
状況であり、
精神的ダメージは非常に大きいものがあります。
被害者、遺族の救済として、今後は
精神的なケアのことも必要だと思います。日本の法
制度では、加害者に対する権利については憲法等で定められているようですが、
被害者や遺族に対する救済や支援などに関する
制度が整備されていない
状況であり、泣き寝入りになっている
被害者や遺族がたくさんいるのが実情だと思います。
このほかに学校側の対応、例えば真実の情報を学校側が出してくれないこととか、あるいは卒業証書を出してくれないとか、あるいは記念写真や遺留品などをゆうパックで遺族の自宅に学校側が送りつけるというような学校側についての問題、あるいはマスコミ報道のあり方についてもこの手紙にはありましたが、これは省略させていただきます。
以上、
被害者岡崎君の御両親の
事件に対する率直な気持ちですが、この中には
少年法の
制度的不備、
被害者救済
制度の整備、現在
社会問題となっておりますさまざまな問題が含まれております。我々としても、ぜひ早く実現をしなきゃいけない問題だと思いますが、
法務大臣、簡単で結構ですが、この遺族の気持ちに対して、一般論としてで結構でございますが、御感想をいただければありがたいんです。