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1999-03-11 第145回国会 参議院 法務委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十一年三月十一日(木曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員氏名     委員長         荒木 清寛君     理 事         大野つや子君     理 事         服部三男雄君     理 事         円 より子君     理 事         大森 礼子君     理 事         平野 貞夫君                 阿部 正俊君                 有馬 朗人君                 井上  裕君                 岡野  裕君                 竹山  裕君                 吉川 芳男君                 千葉 景子君                 角田 義一君                 藁科 滿治君                 橋本  敦君                 福島 瑞穂君                 海野  徹君                 斎藤 十朗君                 菅野 久光君                 中村 敦夫君     ─────────────    委員異動  三月三日     辞任         補欠選任      千葉 景子君     内藤 正光君  三月四日     辞任         補欠選任      内藤 正光君     千葉 景子君      橋本  敦君     笠井  亮君  三月五日     辞任         補欠選任      笠井  亮君     橋本  敦君  三月八日     辞任         補欠選任      千葉 景子君     今井  澄君      福島 瑞穂君     山本 正和君  三月九日     辞任         補欠選任      山本 正和君     谷本  巍君  三月十日     辞任         補欠選任      今井  澄君     本岡 昭次君      谷本  巍君     福島 瑞穂君      平野 貞夫君     扇  千景君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         荒木 清寛君     理 事                 大野つや子君                 服部三男雄君                 円 より子君                 大森 礼子君     委 員                 阿部 正俊君                 井上  裕君                 岡野  裕君                 吉川 芳男君                 海野  徹君                 角田 義一君                 本岡 昭次君                 藁科 滿治君                 橋本  敦君                 福島 瑞穂君                 扇  千景君                 中村 敦夫君    国務大臣        法務大臣     陣内 孝雄君    政府委員        法務政務次官   北岡 秀二君        法務大臣官房長  但木 敬一君        法務大臣官房司        法法制調査部長        兼内閣審議官   房村 精一君        法務省民事局長  細川  清君        法務省刑事局長  松尾 邦弘君        法務省入国管理        局長       竹中 繁雄君        運輸政務次官   林  幹雄君    最高裁判所長官代理者        最高裁判所事務        総局経理局長   竹崎 博允君    事務局側        常任委員会専門        員        吉岡 恒男君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○国政調査に関する件 ○法務及び司法行政等に関する調査  (法務行政基本方針に関する件)  (平成十一年度海難審判庁業務概況に関する件  )  (平成十一年度法務省裁判所及び海難審判庁  関係予算に関する件)     ─────────────
  2. 荒木清寛

    委員長荒木清寛君) ただいまから法務委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  昨十日、今井澄君及び平野貞夫君が委員辞任され、その補欠として本岡昭次君及び扇千景君が選任されました。     ─────────────
  3. 荒木清寛

    委員長荒木清寛君) 議事に先立ちまして、委員各位にお知らせいたします。  本日の理事会におきまして、委員会室での喫煙は御遠慮願うこととなりましたので、御協力いただきますようお願い申し上げます。     ─────────────
  4. 荒木清寛

    委員長荒木清寛君) 国政調査に関する件についてお諮りいたします。  本委員会は、今期国会におきましても、法務及び司法行政等に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 荒木清寛

    委員長荒木清寛君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  6. 荒木清寛

    委員長荒木清寛君) 法務及び司法行政等に関する調査を議題といたします。  まず、法務行政基本方針について、陣内法務大臣から所信を聴取いたします。陣内法務大臣
  7. 陣内孝雄

    国務大臣陣内孝雄君) このたび法務大臣に就任いたしました陣内でございます。  荒木委員長を初め委員皆様方には、日ごろから法務行政の適切な運営につきまして格別の御支援と御理解を賜っており、厚く御礼を申し上げます。  今、社会経済情勢世界規模で急速に変化しており、個人価値観や行動も一昔前とは大きく異なってきております。我が国にとっては、明治維新、第二次世界大戦に続く第三の改革の時期なのであります。法務行政に関しても困難な課題が山積しており、その解決が急がれているところでございますが、このような時期に法務行政を担当することになり、その責任の重大さを痛感いたしております。  法務行政に関する所信一端を申し述べます。  もとより法務行政に課せられた使命は、法秩序維持国民権利保全にあります。法秩序が揺るぎなく維持され、国民一人一人の権利が十分に守られてこそ国民が豊かで幸せに安心して暮らせるのです。しかし、このような使命を達成するための具体的なあり方は、時代状況を反映してまた変わっていくことも否定できないところであります。この社会経済構造や諸制度が大きく変化していく改革時代にあって、法務行政に変革する社会ニーズにこたえるための改革が求められることは、当然と言わなければなりません。  私は、法務行政に課せられた使命とそのあり方をこのように認識し、法務行政のすべての分野につき意欲的に適宜適切な方策を講じ、新しい時代要請にこたえてまいりたいと考えております。皆様方には、従来にも増して御指導と御鞭撻を賜りたくお願い申し上げます。  以下、当面の重要施策について申し述べます。  第一は、司法制度改革についてであります。  二十一世紀我が国社会においては、社会複雑多様化国際化等が進み、その状況のもとで実施されている規制緩和等によって生ずる社会のさまざまな変化に伴い、司法役割はより一層重要なものになると考えられます。司法制度全般にわたる改革とその機能充実強化を図っていくことが、既に強力に進められている行政改革と並んで強く求められているのであり、このような認識社会的に共通のものとなってきたように思います。  このような認識に立って、政府は、二十一世紀我が国社会において司法が果たすべき役割を明らかにし、司法制度改革基盤整備に関し必要な基本的施策について調査審議する機関として、内閣司法制度改革審議会を設置するための法律案を今国会に提出したところであります。法務省としては、時代変化に即応し、国民ニーズにこたえられる司法制度を速やかに実現できるよう、この動きに沿って積極的に取り組んでまいりたいと考えております。  また、当面の司法基盤充実策一環としても、司法にかかわる人的充実を図ることが重要でありますことから、今国会においても裁判所における事件の適正、迅速な処理を図るため、判事補等増加させることを内容とする法案を提出したところでありますし、検事を含む法務省職員増員につきましても、平成十一年度予算案に盛り込まれているところであります。  第二は、社会的状況変化に的確に対応すべく、民事刑事基本法について見直しを行うことであります。  まず、民事法整備を積極的に進めてまいることとし、高齢社会への対応及び障害者福祉充実観点から、判断能力の不十分な高齢者障害者保護を図るため、禁治産及び準禁治産制度見直して後見、保佐及び補助制度に改めることを中心とする民法の一部改正法律案並びにその関連法律案を今国会に提出したいと考えております。  また、会社経営効率化企業国際的な競争力確保等観点から、持ち株会社の設立を容易にする制度を創設することとし、既に商法の一部改正法律案を今国会に提出したところであります。  次に、少年審判あり方については、近時の少年犯罪及び少年審判をめぐる諸問題を契機として、国民の間にも見直しの声が出ているところでありますが、殊に事実認定手続の一層の適正化は緊急に手当てを要する課題であり、この点に関する改正法案を今国会に提出したところであります。  組織的な犯罪に対処するための三法案については、昨年の通常国会に提出しましたところ、現在継続審査となっておりますが、組織的な犯罪への適切な対処が国内的にも国際的にも重要かつ緊急の課題であることにかんがみ、何とぞ十分な御審議をいただき、速やかな成立に至りますよう、お願い申し上げる次第であります。  第三は、治安確保及び法秩序維持についてであります。  最近における犯罪情勢を見ますと、刑法犯認知件数増加傾向にある上、毒物を用いた無差別大量殺傷事犯暴力団構成員等による銃器を使用した殺傷事犯など、国民生活の平穏を脅かす凶悪重大事犯が多発し、覚せい剤若年層への浸透や暴力団来日外国人による薬物密売手段の隠密、巧妙化なども進行しております。  また、金融機関その他の企業経営者による背任事犯やいわゆる総会屋への利益供与事犯中央省庁幹部職員等による汚職・背任事犯政党助成法違反事犯など、我が国経済行政システム等に対する信頼を揺るがしかねない事犯が相次いでいる上、金融機関に関連する事犯の動向にも予断を許さないものがあります。  さらに、諸外国との間において逃亡犯罪人の引き渡し、捜査共助等を要する事件増加するなど、犯罪国際化傾向が一層顕著となっております。  このような犯罪情勢を的確に把握しつつ変動する時代要請にこたえるため、さきに述べた組織的犯罪対策立法などの法的手当てのほか、検事増員を初めとした検察体制の一層の充実強化を図り、国民一人一人が安心して暮らせる安全で公正な社会確保に努めてまいりたいと考えております。  オウム真理教に関しましては、依然、危険な体質を保持したまま組織再興に向けた活発な活動を展開し、地域住民とのトラブルも各地で発生しておりますので、公安調査庁において今後も厳重な調査を継続してまいります。あわせて、公安調査庁におきましては、内外情勢変化に対応した業務運営に努め、公共の安全確保に万全を尽くすべきものと考えております。  第四は、犯罪者に対する矯正処遇更生保護についてであります。  犯罪者矯正処遇につきましては、被収容者の数が平成五年以降増加を続けている上、暴力団関係者覚せい剤等薬物事犯者、再入者等処遇に困難を伴う者が高い比率を占める一方、外国人収容者高齢受刑者の数が増加するなど、依然として困難な状況に直面していますが、引き続き個々の被収容者特性犯罪傾向等に応じた適切な処遇に努めてまいりたいと考えております。  また、被収容少年平成八年以降増加の一途をたどり、殊に重大事犯を犯しながら罪障感に乏しい者、安易な動機から凶悪犯罪を犯す者が増加するなど、少年の持つ問題性は一層複雑、深刻化してきておりますので、その処遇に当たっては、従来にも増して個々少年問題点を的確に把握して改善更正のための有効、適切な措置を講じ、その特性に応じた計画的かつ効果的な矯正教育を推進してまいりたいと考えております。  更生保護行政は、犯罪非行を予防し、罪を犯した者や非行に陥った少年の再犯を防止しつつその社会復帰を図ることを任務とする、刑事政策上極めて重要な意義を持っております。昨今、少年非行増加及び凶悪化覚せい剤事犯増加などが社会問題となっておりますが、保護観察においても処遇困難な事案が増加しているところであり、今後とも犯罪予防活動及び保護観察の効果的な実施に努めてまいります。  本年は、現行の更生保護制度が発足されて五十周年を迎えます。また、保護司制度充実強化を図るための法改正が前通常国会において成立し、本年四月一日から施行されます。更生保護においては、保護司更生保護施設更生保護婦人会、BBSを初めとする民間の個人及び団体の献身的な御協力を得て、保護観察地域犯罪予防活動を行っておりますが、この節目となる年に当たって、関係者の士気の高揚と、地域関係機関との一層の連携に努め、更生保護の実を上げてまいりたいと存じます。  第五は、民事行政事務効率化及び訟務事件処理等についてであります。  民事行政事務に関しては、登記事務コンピューター化平成十六年度末までに完了させるなど、行政情報化に沿った施策を推進してきておりますが、高度情報化社会進展にかんがみ、利用者の負担を軽減し、その利便性を高めるため、登記情報コンピューターネットワークを利用して提供する制度について検討し、今国会関係法案を提出したところであります。さらに、近年著しく増加している電子取引安全性確保等を図るため、電子認証電子公証制度の早期の実現に向けてシステム開発研究を進めているところであります。  訟務事務については、事件数が依然として高い水準にあるばかりでなく、質的にも複雑、困難なものが増加する傾向にあり、その中には、訴訟の結果いかんが国の政治、行政国民生活等に重大な影響を及ぼすものも少なくありません。訟務は、国民と国家との法律上の紛争の適正な解決に資するなど法の支配の確立のために重要な役割を果たしてきているところですが、司法機能充実強化要請される昨今、その一翼を担うものとして、裁判所における審理の迅速化充実化に対応すべく、引き続き事務処理体制充実強化を図り、一層適正円滑な事件処理に努めてまいります。  第六は、人権擁護行政についてであります。  昨年十二月十四日、両議院で採択された人権擁護に関する決議の趣旨を踏まえ、中央省庁等改革基本法に基づき、推進体制整備を含めた人権擁護行政充実強化を図ってまいります。  これに関しては、法務省に設けられた人権擁護推進審議会におきまして、人権教育及び啓発に関する施策及び人権侵害による被害者の救済に関する施策について調査審議がなされ、基本的な考え方が取りまとめられることとなっておりますので、その結果をも踏まえ、充実強化のための具体的施策を策定してまいります。  また、法律扶助制度は、国民の裁判を受ける権利を実質的に保障するための重要な制度であり、法務省内に設けました研究会平成十年三月に報告書として取りまとめました研究成果をも踏まえ、今後ともその充実発展に努めてまいりたいと考えております。  第七は、出入国管理行政充実強化についてであります。  国際化の著しい進展に伴い、平成十年に我が国を訪れた外国人は約四百六十万人に上り、また、外国人登録者数は、平成十年末現在約百五十万人と、日本の総人口の約一・二%を占めるに至っております。  このように、国際間の人的交流が依然として高い水準で続いている中、出入国管理行政が果たすべき役割はますますその重要性を増しているところであり、私は、国際協調国際交流の増進への寄与及び我が国社会の健全な発展確保の理念に沿って外国人の一層円滑な受け入れを図ってまいりたいと考えております。  他方我が国には約二十七万人の不法残留者に加えて集団密航等による不法入国者も存在し、そのほとんどが不法就労活動を行っているものと推定されます。そして、これらの者の一部により引き起こされる凶悪犯罪薬物犯罪社会問題化し、国民生活にも深刻な影響を及ぼしています。  一昨年、集団密航者不法入国させる行為等の処罰を内容とした出入国管理及び難民認定法の一部を改正したところでありますが、その後も不法入国事件は必ずしも減少しているとは言えない状況にあります。そこで、これらの不法入国外国人に対し、適正かつ厳格に対応する方策一環として、不法入国後に本邦に滞在する行為に係る罰則の新設などを含む出入国管理及び難民認定法の一部を改正する法律案を今国会に提出したところであり、不法入国外国人問題等に対し厳正に対処していきたいと考えております。  また、外国人登録法についても、平成四年の同法の改正時における衆議院、参議院両院法務委員会附帯決議を踏まえ、指紋押捺制度廃止等内容とする同法の一部を改正する法律案を今国会に提出したところであります。  以上、法務行政重要施策につきまして所信一端を申し述べましたが、今国会に提出を予定しております法案は、いずれも我が国社会の変革のため欠くことができない重要な柱となる制度上の手当てに係るものであります。その内容は、今後さらに詳しく御説明いたす所存でありますが、御理解を得た上で十分な御審議をいただき、速やかな成立に至りますよう、この機会にお願い申し上げます。  この課題の多い時期に当たり、荒木委員長を初め委員皆様の一層の御指導、御鞭撻を賜りまして、法務大臣としての重責を果たしていきたいと思っておりますので、どうかよろしくお願い申し上げます。
  8. 荒木清寛

    委員長荒木清寛君) 次に、平成十一年度海難審判庁業務概況について、政府から説明を聴取いたします。林運輸政務次官
  9. 林幹雄

    政府委員林幹雄君) 運輸政務次官の林でございます。  海難審判業務について御説明申し上げます。  海難審判の目的は、海難原因審判によって明らかにし、その発生防止に寄与することにあります。  審判では、人の所為または労働条件、船体・機関構造航海補助施設、港湾・水路の状況などが海難にどのようにかかわり、いかなる事由によって海難発生したかどうかを専門の知識と経験を有する審判官の合議体によって審理し、裁決をもってその原因を明らかにしております。また、その海難海技従事者または水先人の職務上の故意または過失によって発生したときには、これらの者を懲戒することになっており、海技従事者等以外の者で原因関係がある場合には、その業務や設備などの改善改良等を勧告することができます。  近年、我が国海上輸送船舶技術革新等を背景に大きく変化し、また船舶交通は、外国船やプレジャーボートの通航が増大し、依然としてふくそうしております。  このような中で、幸いなことに、海難発生件数漸減傾向にありますが、海難の態様は多様化、複雑化してきており、社会的に影響の大きい事件は後を絶たない状況にあります。  このため、今後とも海上交通をめぐる国際的、国内的諸情勢変化に対応しながら、海難原因究明体制の一層の充実強化を図り、より迅速かつ的確な海難原因究明に努めるとともに、その成果海難防止施策に反映させていくことにしております。  以上でございます。
  10. 荒木清寛

    委員長荒木清寛君) 次に、平成十一年度法務省裁判所及び海難審判庁関係予算について順次説明を聴取いたします。北岡法務政務次官
  11. 北岡秀二

    政府委員北岡秀二君) 平成十一年度法務省所管予算につきまして、その概要を御説明申し上げます。  まず、法務省所管一般会計予算額は五千九百二十九億四千万円であり、登記特別会計予算額は一千九百六十一億五千九百万円でありまして、そのうち一般会計からの繰入額が七百五十八億五千六百万円でありますので、その純計額は七千百三十二億四千三百万円となっております。  この純計額を前年度当初予算額七千十六億八千四百万円と比較しますと、百十五億五千九百万円の増額となっております。  次に、重点事項別予算内容について御説明申し上げます。  まず、定員関係でありますが、前年度定員に比較いたしますと純減四十四人となっております。  平成十一年度の増員は、新規三百十人と部門間配置転換による定員化二十六人を合わせ、合計三百三十六人となっております。  その内容を申し上げますと、治安法秩序確保のため検事三十人を含め二百三十六人、出入国管理業務充実のため二十四人、国民権利保全のため七十六人となっております。  他方平成八年七月三十日の閣議決定に基づく平成十一年度定員削減分として三百八十人を削減することとなっております。  次に、主要事項経費について御説明申し上げます。  第一に、法秩序維持確保につきましては、三千七百六十億二千八百万円を計上し、前年度当初予算額と比較しますと九十億五千六百万円の増額となっております。  その内容について申し上げますと、まず検察関係では、検察活動充実を図る経費として一千四十九億六百万円を計上しており、この中には特捜・財政経済事犯対策経費統一地方選挙取り締まり経費等が含まれております。  矯正関係では、刑務所等矯正機能充実を図る経費として二千四億六千七百万円を計上しており、この中には被収容者増加に伴い必要となる食糧費等経費矯正施設保安対策経費等が含まれております。  入国管理関係では、出入国管理業務充実を図る経費として三百二十二億七千六百万円を計上しており、この中には不法就労特別対策経費出入国管理業務コンピューター化経費等が含まれております。  第二に、国民権利保全充実につきましては、登記特別会計を含め二千百五十五億一千百万円を計上し、前年度当初予算額と比較しますと三十二億二千二百万円の増額となっております。  その内容について申し上げますと、まず登記関係では、登記事務処理適正迅速化のための経費として、登記事務コンピューター化経費中心に千九百六十一億五千九百万円を計上しております。  また、人権擁護関係では、人権擁護活動充実を図るための経費として二十九億九千五百万円を計上しており、この中には法律扶助事業費補助金等が含まれております。  第三に、施設整備につきましては、東京拘置所を初め、老朽、狭隘化が著しい法務省の庁舎及び施設整備するため、法務省施設費として二百六億五千九百万円を計上しております。  以上、平成十一年度法務省所管予算概要を御説明申し上げました。
  12. 荒木清寛

  13. 竹崎博允

    最高裁判所長官代理者竹崎博允君) それでは、平成十一年度裁判所所管歳出予算要求額について御説明申し上げます。  平成十一年度裁判所所管歳出予算要求額の総額は三千百八十四億六百万円でございまして、これを前年度当初予算額三千百二億二千九百万円と比較いたしますと、差し引き八十一億七千七百万円の増加となっております。  次に、平成十一年度歳出予算要求額のうち、主な事項について御説明申し上げます。  まず、人的機構充実、すなわち裁判官、書記官及び裁判所調査官増員であります。  増加し、かつ複雑、困難化している民事関係事件の適正かつ迅速な処理を図るため、裁判官三十人、書記官四十六人、裁判所調査官二人、合計七十八人の増員及び振りかえによる書記官二百人の増加をすることとしております。  他方平成十一年度の定員削減として二十九人が減員されることになりますので、差し引き四十九人の定員増となるわけであります。  次は、司法の体制の充実強化に必要な経費であります。  裁判運営効率化及び近代化のため、庁用図書等の裁判資料の整備に要する経費として八億一千五百万円、パソコン等裁判事務能率化器具等の整備に要する経費として五十億三百万円、調停委員に支給する手当として八十八億五千六百万円。裁判費の充実を図るため、国選弁護人報酬に要する経費として五十二億二千九百万円、証人、参考人旅費として八千九百万円を計上しております。また、裁判所施設整備を図るため、裁判所庁舎の新営、増築等に必要な経費として百二十一億七千三百万円を計上しております。  以上が平成十一年度裁判所所管歳出予算要求額の大要でございます。よろしく御審議のほどをお願い申し上げます。
  14. 荒木清寛

  15. 林幹雄

    政府委員林幹雄君) 平成十一年度海難審判庁予算について御説明申し上げます。  平成十一年度海難審判庁予算額は二十五億九千四百万円でありまして、これを前年度当初予算額二十五億八千五百万円と比較いたしますと、差し引き九百万円の増加となっております。これは主として、海難審判行政事務を行うために必要な庁費等が増加した結果であります。  次に、平成十一年度海難審判庁予算のうち、主な事項について御説明申し上げます。  まず、定員関係でありますが、平成十一年度末は、定員削減として一般職員二人が減員されることにより、二百四十五人であります。  次は、海難審判及び調査体制の強化に必要な経費であります。  行政情報ネットワークシステム経費として七百万円、国際海難調査官会議開催経費として三百万円、調査業務体制の強化を図るため四千二百万円を計上しております。  以上が平成十一年度海難審判庁予算概要であります。どうかよろしくお願いいたします。
  16. 荒木清寛

    委員長荒木清寛君) 以上で法務大臣所信平成十一年度海難審判庁業務概況並びに平成十一年度法務省裁判所及び海難審判庁関係予算説明聴取は終了いたしました。  法務大臣所信に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。    午前十時二十八分散会